簡易課税の事業区分(第1種〜第6種)の判定方法:業種別の一覧、みなし仕入率、複数事業の75%ルール

簡易課税の事業区分は6つで、みなし仕入率は第1種(卸売業)90%、第2種(小売業など)80%、第3種(製造業・建設業など)70%、第4種(飲食店業などのその他の事業)60%、第5種(運輸通信業・金融業・保険業・サービス業)50%、第6種(不動産業)40%です。どの区分に当たるかは、業種名ではなく、原則として売上(課税資産の譲渡等)1件ごとに、日本標準産業分類(総務省)の大分類をおおむねの基準として判定します。たとえば飲食店でも、店内飲食と出前は第4種、自分で作った料理の持ち帰り販売は第3種です。2種類以上の事業をしている場合は売上を区分して記録し、1事業の売上が全体の75%以上、または特定の2事業の合計が75%以上なら特例の計算を選べますが、区分していない売上には最も低いみなし仕入率が適用されます。

簡易課税の事業区分とみなし仕入率(2026年10月6日時点)

事業区分みなし仕入率納付税額の割合該当する主な事業
第1種事業90%10%卸売業(仕入れた商品を、そのまま他の事業者に販売)
第2種事業80%20%小売業(仕入れた商品を、そのまま消費者などに販売)、飲食料品を扱う農業・林業・漁業
第3種事業70%30%製造業(製造小売を含む)、建設業、鉱業、電気・ガス・熱供給・水道業、飲食料品以外の農業・林業・漁業。加工賃を受ける事業は除く
第4種事業60%40%ほかのどの区分にも当たらない事業(飲食店業など)、加工賃を受ける製造業等の事業
第5種事業50%50%運輸通信業、金融業・保険業、サービス業(飲食店業に当たるものを除く)
第6種事業40%60%不動産業

納付税額の割合は、売上税額(消費税額)に対して納める税額の割合で、「1 − みなし仕入率」から当会が計算しました(端数処理は除きます)。根拠は消費税法37条1項と消費税法施行令57条です。判定の順番は判定の考え方と順番、業種ごとの例は業種別の区分の一覧、複数の事業をしているときは複数の事業をしているときの計算にあります。

【確定】事業区分の判定で押さえる3点

  • 取引ごとに判定する:同じ会社・同じ店でも、売上の1件ごとに区分が変わります(消費税法基本通達13-2-1。判定は取引ごと)。
  • 2種類以上の事業は区分して記録する:区分していない売上には、その中で最も低いみなし仕入率が適用されます(消費税法施行令57条4項、国税庁 タックスアンサー No.6505。区分していない場合)。
  • 75%ルールは使わなくてもよい:原則どおりの計算と75%ルールのどちらかを選べます(消費税法基本通達13-4-1。計算方法は3つ)。
目次
  1. 事業区分とみなし仕入率の一覧
  2. 判定の考え方と順番
  3. 業種別の区分の一覧(国税庁の資料で確認できた例)
  4. 第3種・第4種・第5種の違いと、間違えやすいケースの一問一答
  5. 複数の事業をしているときの計算:区分記帳と75%ルール
  6. 事業区分が決まったあとに確認すること
  7. よくある質問
  8. 出典・参考資料
  9. 改訂履歴

事業区分とみなし仕入率の一覧

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

簡易課税制度は、売上税額にみなし仕入率をかけた額を、仕入れに係る消費税額とみなして控除する計算方法です(消費税法37条1項、国税庁 タックスアンサー No.6505)。みなし仕入率は事業の種類ごとに決まっており、事業の種類は消費税法施行令57条5項が定めています。制度全体(届出の期限、2年間の継続、3割特例との比較など)は簡易課税制度とはで説明しており、この記事はそのうち事業区分の判定に絞った詳細版です。

6つの区分と根拠条文

簡易課税の事業区分と該当する事業
事業区分みなし仕入率該当する事業根拠条文
第1種事業90%卸売業(他の者から購入した商品を、その性質・形状を変更しないで他の事業者に販売する事業)施行令57条1項1号・5項1号・6項
第2種事業80%小売業(他の者から購入した商品を、その性質・形状を変更しないで販売する事業で、卸売業以外のもの)、農業・林業・漁業のうち軽減税率の対象となる飲食料品の譲渡を行う部分施行令57条1項2号・5項2号・6項
第3種事業70%農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡を行う部分を除く)、鉱業、建設業、製造業(製造した棚卸資産を小売する事業を含む)、電気業・ガス業・熱供給業・水道業。第1種・第2種に当たるものと、加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業を除く施行令57条1項3号・5項3号
第4種事業60%第1種・第2種・第3種・第5種・第6種以外の事業(飲食店業など)。第3種から除かれる加工賃などを対価とする役務の提供を行う事業も含む消費税法37条1項1号(100分の60)、施行令57条5項6号
第5種事業50%運輸通信業、金融業・保険業、サービス業(飲食店業に当たるものを除く)。第1種〜第3種に当たるものを除く施行令57条1項4号・5項4号
第6種事業40%不動産業。第1種〜第3種・第5種に当たるものを除く施行令57条1項5号・5項5号

出典:国税庁 タックスアンサー No.6509、消費税法施行令57条、消費税法37条1項(e-Gov法令検索の現行条文、2026年10月1日施行分)。第4種の60%は消費税法37条1項1号の本文に書かれており、施行令57条1項には第4種は載っていません。第6種は条文上「前各号に掲げる事業に該当するものを除く」とされており、第1種・第2種・第3種・第5種に当たるものは第6種になりません。

6区分になるまでの見直し

みなし仕入率の区分の見直し
適用時期見直しの内容
平成27年(2015年)4月1日以後に開始する課税期間から(平成26年度改正。法人は平成28年3月決算から、個人は平成28年分から)金融業・保険業を第4種(60%)から第5種(50%)に、不動産業を第5種(50%)から第6種(40%)に変更し、6区分(90%・80%・70%・60%・50%・40%)になりました
令和元年(2019年)10月1日を含む課税期間から(同日前の取引は除く)軽減税率が適用される飲食料品を生産する農業・林業・漁業を、第3種(70%)から第2種(80%)に変更しました

出典:財務省「消費税の中小事業者に対する特例措置の推移」(PDF)、国税庁 質疑応答事例(大分類J〜M)、同(加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業)。2026年10月6日時点の施行令57条の6区分は、上の表のとおりです。

判定の考え方と順番

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

判定は取引ごとに行う

事業者が行う事業が第1種から第6種のどれに当たるかは、原則として、その事業者が行う課税資産の譲渡等(売上)ごとに判定します(消費税法基本通達13-2-1。以下「基通」といいます)。たとえば、衣料品店が仕入れた服を売る取引は第2種、服の販売に伴って別に受け取る裾直しの料金は第5種です(業種別の区分の一覧)。

例外として、資産の譲渡に伴って通常の役務の提供が併せて行われる取引で、譲渡する事業者がその役務の対価を受け取っていないと認められるときは、取引の全体を資産の譲渡に係る事業として判定してよいとされています(基通13-2-1ただし書)。

判定の対象は課税売上げです。住宅の貸付けや土地の譲渡・貸付けなどの非課税の売上げ(国税庁 タックスアンサー No.6201)は課税資産の譲渡等に当たらないため(消費税法2条1項9号)、事業区分の判定にも、後で説明する75%の計算にも入りません。国税庁のフローチャートも、輸出免税などで消費税が免除される取引は課税資産の譲渡等から除いています(国税庁 質疑応答事例「簡易課税の事業区分について(フローチャート)」)。課税・非課税・不課税・免税の違いは課税取引・非課税取引・不課税取引・免税取引の違いで説明しています。

判定の順番

施行令57条5項は、第3種は前二号(第1種・第2種)、第5種は前三号(第1種〜第3種)、第6種は前各号に掲げる事業に該当するものを除くと定め、第4種を「前各号に掲げる事業以外の事業」としています。この条文の組み立てに沿って、次の順に当てはめると整理できます(当会の整理です。国税庁のフローチャートは上のリンクにあります)。

事業区分の判定の順番(売上1件ごと)
順確認すること当てはまる場合の区分根拠
0事業で使っていた固定資産等(建物、車両、機械、備品、無形固定資産、ゴルフ場利用株式等)の売却か第4種(本業が何種でも同じ)基通13-2-9、タックスアンサー No.6509
1他の者から購入した商品を、性質・形状を変更しないでそのまま販売しているか他の事業者への販売は第1種、それ以外は第2種施行令57条5項1号・2号イ・6項、基通13-2-2
2農業・林業・漁業で、軽減税率の対象となる飲食料品の譲渡を行う部分か第2種施行令57条5項2号ロ〜ニ、基通13-2-4(注)1
3製造業(製造小売を含む)、建設業、鉱業、電気・ガス・熱供給・水道業、飲食料品以外の農業・林業・漁業か第3種。ただし、他の者の原料・材料・製品等に加工等を施して加工賃などを受け取る役務の提供は第4種施行令57条5項3号、基通13-2-4・13-2-6・13-2-7
4運輸通信業、金融業・保険業、サービス業(飲食店業を除く)か第5種(加工賃を受け取る事業でも第5種)施行令57条5項4号、基通13-2-4・13-2-7(注)
5不動産業か第6種施行令57条5項5号、基通13-2-4
6上のどれにも当たらないか(飲食店業など)第4種施行令57条5項6号、基通13-2-8の2・13-2-8の3

基通13-2-4の最後に、日本標準産業分類の大分類では製造業等・サービス業等・不動産業に当たる事業でも、他の者から購入した商品をそのまま販売する事業は第1種または第2種になると書かれています。順1がほかより先に来るのはこのためです。出典:消費税法基本通達 第13章第2節「事業区分の判定」、国税庁 タックスアンサー No.6509。

日本標準産業分類の大分類と事業区分

第3種・第5種・第6種に当たるかどうかは、おおむね日本標準産業分類(総務省)の大分類に掲げる分類を基礎として判定します(基通13-2-4)。現行の日本標準産業分類は、令和5年(2023年)7月告示の第14回改定で、令和6年(2024年)4月1日に施行されました。総務省は、この分類は統計を産業別に表示するための基準で、個々の事業所の産業を決めて個別の行政上の処分に使うものではないとしています(総務省 日本標準産業分類)。分類の表は目安であり、取引の内容によって例外があります。

日本標準産業分類の大分類と、簡易課税の一般的な事業区分
大分類事業区分例外・注意点(国税庁の資料にあるもの)
A 農業・林業、B 漁業第3種飲食料品の譲渡を行う部分は第2種。他の者の手伝いなどの人的役務の提供は第4種
C 鉱業・採石業・砂利採取業、D 建設業、E 製造業、F 電気・ガス・熱供給・水道業第3種製造小売は第3種。加工賃を受け取る役務の提供は第4種。機械の修理は第5種
G 情報通信業、H 運輸業・郵便業第5種新聞業・出版業・広告制作業は第3種
I 卸売業・小売業第1種または第2種性質・形状を変更して販売すれば第3種。製造小売は第3種。販売した商品の修理は第5種
J 金融業・保険業第5種課税となる各種受取手数料等が対象。商品の自己売買は第1種または第2種
K 不動産業・物品賃貸業不動産業は第6種、物品賃貸業は第5種住宅の貸付けは非課税。他の者が建築した建物を購入して販売すれば第1種または第2種
L 学術研究・専門・技術サービス業第5種卒業アルバムの製作は第3種
M 宿泊業・飲食サービス業宿泊業は第5種、飲食店は第4種、持ち帰り・配達飲食サービス業は第3種または第4種宿泊業の自動販売機や売店の売上げは第2種
N 生活関連サービス業・娯楽業、O 教育・学習支援業、P 医療・福祉、Q 複合サービス事業、R サービス業(他に分類されないもの)第5種化粧品や文房具などの物品の販売は第2種。学校給食の食堂経営は第4種

出典:基通13-2-4、国税庁 質疑応答事例(大分類A〜D)、(E)、(F〜H)、(I)、(J〜M)、(N)、(O〜R)。基通13-2-4は、サービス業等として、情報通信業、運輸業・郵便業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業のうち不動産業以外、学術研究・専門・技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業のうち飲食サービス業以外、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)の11分類を挙げています。

卸売(第1種)と小売(第2種)の分かれ目

  • 前提:どちらも「他の者から購入した商品を、その性質及び形状を変更しないで販売する事業」です(施行令57条6項)。購入した商品に手を加えて性質・形状を変更して販売すれば、製造業等として第3種になります(基通13-2-4)。
  • 変更しないものとして扱われる行為:購入した商品に商標・ネームを貼り付けたり表示したりする行為、運送のために分解されている部品を組み立てる行為(組立式の家具など)、2以上の仕入商品を箱詰めなどで組み合わせる行為は、「性質及び形状を変更しないで販売する」場合に当たります(基通13-2-2)。国税庁は、このほか液状などの商品を販売用の容器に収容する行為、ガラスなどを販売のために裁断する行為、まぐろを小売店へ販売するために皮をはいだり4つ割にしたりする行為も、性質・形状を変えない例としています(国税庁 タックスアンサー No.6517、質疑応答事例のフローチャート)。
  • 販売先で分かれる:他の事業者への販売は第1種、それ以外(消費者への販売)は第2種です。業務用に使われる商品の販売は、購入者が事業者であることが販売者の帳簿・書類等で明らかなら卸売業になります。国税庁は、プロパンガス販売店が食堂や工場に行うプロパンガスの販売、ガソリンスタンドが運送会社に行うトラック用燃料の販売、材木店が建設業者に行う材木の販売、農機具店が農家に行うトラクターの販売を例に挙げています(No.6517)。
  • 消費者から買った商品:消費者から購入した商品を、品質・形状を変更しないで他の事業者に販売する事業も卸売業です(No.6509)。
  • デパートのテナント:テナントが消費者に販売し、売上の一定率を手数料として支払うだけの契約なら、テナントの販売は小売(第2種)です。テナントの売上げをデパートの売上げとして認識する消化仕入のように、商品の販売を内容とする契約なら、テナントがデパートに行う販売は卸売(第1種)です(国税庁 質疑応答事例「デパートのテナント」)。

業種別の区分の一覧(国税庁の資料で確認できた例)

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

以下は、消費税法基本通達、国税庁のタックスアンサー、質疑応答事例に書かれている例だけを、取引の種類ごとにまとめたものです。質疑応答事例は令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づくもので、国税庁は、事例に例示のない取引は個別に判定する必要があるとしています。

商品の販売・小売・修理

商品の販売・小売・修理の事業区分
取引事業区分根拠
仕入れた商品を、他の小売業者・卸売業者にそのまま販売する(例:酒類の卸売業者が酒類の小売店に販売する)第1種No.6517
仕入れた商品を、そのまま消費者に販売する第2種施行令57条6項
仕入れた商品に商標やネームを付ける、組立式の家具を組み立てる、複数の仕入商品を箱詰めして販売する性質・形状を変更しない扱い(事業者向けは第1種、消費者向けは第2種)基通13-2-2
食料品の小売店が、仕入れた食料品に、その種類の店で一般的に行われる軽微な加工をして、同じ店で販売する第2種基通13-2-3
食肉・鮮魚の小売店が、仕入商品を切る、刻む、つぶす、挽く、たれに漬け込む、混ぜ合わせる、こねる、乾かすといった軽微な加工をして、同じ店で販売する第2種質疑応答事例(I卸売業、小売業)
食肉・鮮魚の小売店が、仕入商品に加熱を伴う加工をして販売する(例:チャーシュー、コロッケ、とんかつ、焼魚、煮魚、天ぷら)第3種同上
自分で製造した商品を直接消費者に販売する(製造小売。例:菓子、パン、惣菜・弁当、豆腐などの加工食品)第3種基通13-2-6、質疑応答事例(I)
中古車に板金・塗装・部品の取替えなどを施して販売する(点検、清掃、ワックスがけは性質・形状の変更に当たらない)第3種質疑応答事例(I)
自動車・機械器具の小売で、取付費を別に請求する取付費は第5種。取付費が無償(サービス)と認められる場合は全体が第1種または第2種同上
眼鏡店が、小売価格を明示したレンズ・眼鏡枠を加工して販売し、加工賃を別に受け取らない全体が第2種同上
販売した商品の修理(例:靴の修理、服の販売に伴い別に受け取る裾直しの料金)第5種同上
自動車整備業で、タイヤ・オイル交換の商品の代金と、工賃を受け取る商品代金は第1種または第2種、工賃は第5種(工賃が無償なら全体が第1種または第2種)質疑応答事例(R)

出典:タックスアンサー No.6517、消費税法基本通達 13-2、国税庁 質疑応答事例(I卸売業、小売業)、同(O〜R)。質疑応答事例の表記は大分類の記号です。

製造・加工・建設・農林漁業

製造・加工・建設・農林漁業の事業区分
取引事業区分根拠
自分で購入した原材料で製品を製造して販売する第3種基通13-2-4
自己の計算で原材料等を購入し、あらかじめ指示した条件で加工を委託して完成品として販売する(製造問屋)第3種基通13-2-5(1)
顧客から特注品の製造を受注し、他の者に製造を委託して顧客に引き渡す原則として第3種基通13-2-5(1)なお書
他の者から原材料の支給を受けて加工し、加工賃を受け取る(例:玄米の支給を受けて行う精米、麦の支給を受けて行う製粉、紙の支給を受けて行う印刷、金属の支給を受けて行うメッキ)第4種基通13-2-7、質疑応答事例(E製造業)
製造の過程で生じた加工くず・副産物を売却する第3種基通13-2-8
新聞・書籍等の発行・出版を行う。天然水を採取して瓶詰め等をして飲用に販売する第3種基通13-2-5(3)(4)
機械の販売と据付けが別の取引と認められる(製造から据付けまで一貫した請負契約の場合は全体が第3種)本体は第3種、据付け料金は第5種質疑応答事例(E)
建設業で、材料を自分で調達して施工する第3種基通13-2-4
建設業で、他の事業者から原材料の支給を受け、建設工事の一部を行う人的役務を提供する第4種質疑応答事例(D建設業)
道具等を持参して、または持参しないで行う人的役務の提供(例:工事用資材を自分で持たず、他の事業者の工事に人夫を派遣する)第4種同上
請け負った建設工事(第3種に当たるもの)の全部を他の者に委託して行う(丸投げ)第3種基通13-2-5(2)、質疑応答事例(D)
建設業者が行う修繕(原材料の支給を受けて行う修理は第4種)第3種質疑応答事例(D)
他の者が建築した住宅を購入して、そのまま販売する(自ら建築施工しない建売業)第1種または第2種基通13-2-4(注)2
自ら建築した住宅を販売する(施主として建築業者に施工させたものを含む)第3種基通13-2-4(注)2、質疑応答事例(K)
軽減税率の対象となる飲食料品を、農業・林業・漁業の事業者が販売する第2種施行令57条5項2号、基通13-2-4(注)1
農業・林業・漁業で、飲食料品以外を販売する第3種施行令57条5項3号、財務省「簡易課税制度の概要」(注1)
農業従事者が、他の農業従事者の田植え・稲刈り等を手伝う第4種質疑応答事例(A農業、林業)
庭師が行う植木の剪定/造園工事(庭園造りを含む)を請け負う剪定は第4種、造園工事は第3種同上

出典:消費税法基本通達 13-2、国税庁 質疑応答事例(A〜D)、同(E製造業)、同(J〜M)、財務省「簡易課税制度の概要」(PDF)。建設業と製造業の業種別の説明は建設業の消費税・インボイス、製造業の消費税・インボイスにあります。

飲食店・喫茶店・宿泊施設

飲食店は、食堂、レストラン、喫茶店、そば店、バー、キャバレー、酒場など、飲食のための設備を設けて、主として客の注文に応じてその場所で飲食させる事業で、第4種です(基通13-2-8の2)。ただし、自分で作った飲食物を持ち帰り用として売る部分は製造小売として第3種になります。

飲食店・喫茶店・宿泊施設の事業区分
取引事業区分根拠
店内で飲食させる(食堂、レストラン、喫茶店、そば店、バー、酒場など)第4種基通13-2-8の2
出前(店舗で客に提供するものと同種の調理済みのもの)、仕出し第4種基通13-2-8の2(注)1、質疑応答事例(M)
自分で製造した飲食物を、持ち帰り用として販売する第3種(製造小売)基通13-2-8の2(注)1
飲食のための設備を設けず、自分で製造した飲食物を専ら宅配の方法で販売する(例:飲食設備のない宅配ピザ店、仕出専門店)第3種(製造小売)基通13-2-8の2(注)2、質疑応答事例(M)
ハンバーガーショップなどの持ち帰り用の販売製造した製品は第3種、購入した商品は第2種質疑応答事例(M)
喫茶店が、持ち帰り用のケーキ・珈琲豆などを仕入れて販売する(兼業の実態があり、事業の区分がされている場合)第2種質疑応答事例(M)
店内にある酒などの自動販売機での販売(セルフサービスを目的としたもの)第4種質疑応答事例(M)
旅館・ホテルの宿泊料第5種基通13-2-4(6)
旅館・ホテルの宴会場・レストラン・バーなど、宿泊者以外も利用でき、その場で料金を精算できる施設での飲食物の提供第4種タックスアンサー No.6509、基通13-2-8の2
旅館・ホテルの売店や自動販売機(ジュース、コーヒーなど)の売上げ第2種質疑応答事例(M)
旅館・ホテルの客室の冷蔵庫の飲物などの売上げ(宿泊料金と区分しているもの)第4種質疑応答事例(M)

出典:消費税法基本通達 13-2-8の2、タックスアンサー No.6509、国税庁 質疑応答事例(M宿泊業、飲食サービス業)。飲食業の業種別の説明は飲食業の消費税とインボイス(簡易課税の事業区分)にあります。

サービス・運輸・金融・不動産・その他

サービス・運輸・金融・不動産・その他の事業区分
取引事業区分根拠
ソフトウェア業、情報処理・提供サービス業、インターネット附随サービス業(ソフトウェアの設計を外注先に依頼して設計させ、顧客に納品する事業を含む)第5種質疑応答事例(G情報通信業)
新聞業、出版業、広告制作業(新聞等における紙上広告は第5種)第3種同上
貨物・旅客の運送、倉庫業、港湾運送、こん包業第5種質疑応答事例(H運輸業、郵便業)
銀行業、貸金業、保険代理店など(課税となる各種受取手数料等)第5種質疑応答事例(J金融業、保険業)
法律事務所、税理士事務所、社会保険労務士事務所、デザイン業、著述・芸術家業、経営コンサルタント業、広告業第5種質疑応答事例(L)
結婚式・七五三等の写真を撮影して台紙にはめ込み、記念写真として引き渡す/写真館が、小学校等からネガの支給を受け、または自ら撮影した写真をもとに、卒業アルバム等を製作する前者は第5種、後者は第3種質疑応答事例(L)
物品賃貸業(レンタル、リース)。リース取引のうち売買とされる取引は第1種または第2種第5種質疑応答事例(K)
不動産の売買・賃貸の仲介・代理、事務所・店舗などの賃貸、駐車場業、不動産管理業(住宅の貸付けは非課税)第6種質疑応答事例(K)
学習塾、教養・技能教授業(売店での文房具の販売は第2種)第5種質疑応答事例(O)
課税となる医療・福祉の売上げ(公的医療保障の療養や社会福祉事業などは非課税)第5種質疑応答事例(P)
理容業、美容業、旅行業、冠婚葬祭業(美容室での化粧品等の販売は第2種)第5種質疑応答事例(N)
職業紹介業、労働者派遣業、警備業、廃棄物処理業第5種質疑応答事例(R)
学校から学校給食(学校の食堂)の委託を受けて行う食堂の経営、学校の寄宿舎での食事の提供第4種質疑応答事例(R)
卸売業・小売業で不要になった段ボール等を売却する第4種(不要物品が生じた事業区分として処理しているときは、それも認められる)基通13-2-8、タックスアンサー No.6509のQ&A

出典:国税庁 質疑応答事例(F〜H)、同(J〜M)、同(N)、同(O〜R)、タックスアンサー No.6509のQ&A。不動産業・IT・運輸・医療・教育・小売の業種別の説明は、事業区分が決まったあとに確認することの表からたどれます。

第3種・第4種・第5種の違いと、間違えやすいケースの一問一答

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

第3種・第4種・第5種の分かれ目

第3種(70%)・第4種(60%)・第5種(50%)の分かれ目
分かれ目第3種(70%)第4種(60%)第5種(50%)
材料と加工賃(製造業・建設業など)自分で材料を調達して製造・施工する材料の支給を受け、加工賃・手間賃だけを受け取る日本標準産業分類でサービス業等に当たる事業は、加工賃を受け取る事業でも第5種(クリーニング、自動車修理など)
飲食物自分で作った飲食物の持ち帰り販売、宅配専門の販売店内飲食、出前旅館・ホテルの宿泊料
人的役務の提供―農業・建設業などで、材料を持たずに人的役務だけを提供する情報通信業、運輸業、専門サービス業など、サービス業等の役務
固定資産の売却―事業で使っていた固定資産等の売却(本業が何種でも)―

根拠:基通13-2-4、13-2-7(注)、13-2-8の2、13-2-9、国税庁 質疑応答事例(A・D・M)。第4種は、第1種・第2種・第3種・第5種・第6種のどれにも当たらない事業の受け皿です(施行令57条5項6号)。

間違えやすいケースの一問一答

区分を間違えやすいケース(国税庁の質疑応答事例・通達にあるもの)
ケース答え理由と根拠
クリーニング店は、顧客の洋服等に加工を施して料金を受け取るので、第4種ですか。第5種です。第4種になる「加工賃を対価とする役務の提供」は、まず製造業等に当たることが前提です。クリーニング業や自動車修理業は日本標準産業分類でサービス業等に当たるため、第5種です(質疑応答事例「加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業」、基通13-2-7(注))。
自動車の修理で、部品代を区分して請求した場合、部品代は第2種ですか。部品代を含めて第5種です。自動車の修理は第5種で、修理に伴う部品代金を区分しても、その部品代金も含めて第5種です。タイヤやオイル交換の商品の代金は第1種または第2種で、工賃は第5種です(質疑応答事例(R))。
ホテルの「1泊2食付で2万円」の料金は、宿泊と食事で区分が分かれますか。全額が第5種です。食事代込みで宿泊料金が定められている場合は、その料金の全額が第5種の対価です。宿泊者への飲食物の提供で、料金体系上も宿泊料と区分され、料金の精算時に宿泊料と区分して領収するものや、宿泊者以外も利用でき、その場で料金を精算できる宴会場・レストラン・バーでの飲食物の提供は、第4種です(タックスアンサー No.6509、基通13-2-8の2)。
飲食店で、料理代金とは別にサービス料・テーブルチャージを受け取ると、どの区分ですか。第4種です。サービス料や部屋代、テーブルチャージは、飲食物の提供に係る対価の一部を構成するものと認められます。旅館等の宴会で、飲食代とは別に芸者・コンパニオンの費用(花代等)を受け取る場合は、遊興の対価として第5種です(質疑応答事例「飲食店で徴しているサービス料等の事業区分」)。
同じ店でケーキを製造して店頭で売り、店内で飲食もさせています。店頭販売は第3種、店内の飲食は第4種です。製造したケーキの店頭販売は製造小売で第3種、喫茶店営業として客に提供する部分は第4種です(質疑応答事例「製造小売と喫茶店を兼業している場合の取扱い」)。
プロスポーツ選手は、日本標準産業分類に載っていないので第4種ですか。第5種として取り扱います。国税庁は、契約により試合に出場してスポーツという娯楽を提供しているものとして、「演芸・スポーツ等興行団」に準じて第5種としています(質疑応答事例「プロスポーツ選手の事業区分」)。
農家が、他の農家の田植えを手伝って報酬を受け取りました。第4種です。農業従事者が他の農業従事者の田植え、稲刈り等を手伝う場合は、人的役務の提供として第4種です(質疑応答事例(A農業、林業))。
事業で使っていた車や機械を売却しました。第4種です。事業者が自己において使用していた固定資産等の譲渡は、本業の事業の種類にかかわらず第4種です。ゴルフ場利用株式等も固定資産等に含まれます(基通13-2-9、タックスアンサー No.6509のQ&A)。

出典:国税庁 質疑応答事例「加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業」、同(O〜R)、同「飲食店で徴しているサービス料等の事業区分」、同「製造小売と喫茶店を兼業している場合の取扱い」、同「プロスポーツ選手の事業区分」、同(A〜D)、タックスアンサー No.6509、同Q&A、消費税法基本通達 13-2。

複数の事業をしているときの計算:区分記帳と75%ルール

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

売上は事業区分ごとに記録する

第1種から第6種のうち2種類以上の事業を行う事業者は、課税資産の譲渡等を事業の種類ごとに区分しなければなりません(基通13-3-1)。区分の方法は、帳簿に事業の種類を記載する方法のほか、次の方法でもよいとされています(基通13-3-1、国税庁 質疑応答事例「事業の区分の方法」)。

  • 納品書、請求書、売上伝票の控え、レジペーパーなどの原始帳票に、事業の種類(または事業の種類が分かる資産の譲渡等の内容)を記載し、区分した事業の種類ごとの課税売上高を集計した記録を保存する方法。レジペーパーに商品の品番等が印字される場合は、その印字による区分と集計の記録でもよいとされています。
  • 事業場ごとに1種類の事業だけを行っている場合に、事業場ごとの課税売上高を集計する方法。

2種類以上の事業のうち、1つの事業の売上げだけを区分していないときは、課税売上高から区分している事業の課税売上高の合計を引いた残りを、区分していない事業の課税売上高として扱って差し支えありません(基通13-3-2)。たとえば、第1種・第2種・第3種の事業を行い、帳簿で第1種と第2種の売上げだけを区分している場合、区分していない残りは第3種として扱います。売上げの返品・値引きなど(売上げに係る対価の返還等)で事業区分をしていない部分は、売上げの帳簿等または対価の返還等の帳簿等をもとに合理的に区分します(基通13-2-10)。

計算方法は3つ:原則法と2つの75%特例

2種類以上の事業を行う場合の仕入控除税額の計算
方法使える場合計算根拠
原則法2種類以上の事業を行う場合事業ごとの売上税額(返品・値引き等を引いた後)に、その事業のみなし仕入率をかけて合計する施行令57条2項
75%特例①(1事業で75%以上)2種類以上の事業のうち、1種類の事業の課税売上高が全体の75%以上その事業のみなし仕入率を、全体の売上税額にかける施行令57条3項1号
75%特例②(2事業の合計で75%以上)3種類以上の事業のうち、特定の2種類の事業の課税売上高の合計が全体の75%以上2事業のうちみなし仕入率の高い方の事業の売上税額にはその率を、それ以外の売上税額には2事業のうち低い方の率をかける施行令57条3項2号

出典:国税庁 タックスアンサー No.6505、消費税法施行令57条。1事業だけを営む場合は、売上税額にその事業のみなし仕入率をかけます(No.6505)。

  • 75%の判定に使う金額:課税売上高は、消費税額を含まない対価の額(消費税法28条1項)の合計から、売上げに係る税抜の対価の返還等の金額を引いた額です。輸出免税などで消費税が免除される売上げは含めません(施行令57条3項1号)。非課税の売上げは課税資産の譲渡等ではないため含めません(消費税法2条1項9号)。
  • 「以上」:割合がちょうど75%の場合も当てはまります。たとえば、税抜の課税売上高の合計が3,000万円で、第2種の売上げが2,250万円なら75.00%で、2,249万円なら約74.97%です(当会計算)。
  • 使うかどうかは選べる:75%以上の場合、原則法(施行令57条2項)と特例(同3項)のどちらかを選んで適用できます(基通13-4-1)。2つ以上の規定に当たる場合も、いずれか1つを選べます(基通13-4-2)。
  • 事業が2種類だけの場合:特例②の計算結果は原則法と同じになります。特例②が使えるのは、3種類以上の事業のうち、組み合わせた2事業が75%以上のときです(No.6505、当会計算)。

計算例(当会計算)

次の5つの例は、いずれも売上げはすべて税率10%(国の消費税7.8%と、消費税額の22/78の地方消費税。国税庁 タックスアンサー No.6303)、税抜の課税売上高の合計は3,000万円、消費税額(国税)は30,000,000円 × 7.8% = 2,340,000円で、返品・値引き・貸倒れはないものとしました。差引税額は百円未満の端数を切り捨てます(No.6371)。地方消費税は差引税額 × 22/78で、これらの例の金額では端数が出ません。納付税額は国と地方の合計です。Pythonで検算しています。

75%ルールの計算例(納付税額の比較)
例売上げの内訳(税抜)75%の判定原則法特例結果
例1第2種 2,400万円(80%)、第5種 600万円(20%)第2種が80%で、特例①に当たる780,000円600,000円(全体に80%)特例のほうが180,000円少ない
例2第5種 2,400万円(80%)、第1種 600万円(20%)第5種が80%で、特例①に当たる1,260,000円1,500,000円(全体に50%)特例のほうが240,000円多い。原則法を選ぶ
例3第1種 1,500万円、第2種 1,000万円、第5種 500万円第1種と第2種の合計が約83.3%で、特例②に当たる600,000円450,000円(第1種に90%、残りに80%)特例のほうが150,000円少ない
例4第3種 1,800万円(60%)、第4種 600万円(20%)、第5種 600万円(20%)第3種と第4種、第3種と第5種の合計がどちらも80%で、特例②に当たる組み合わせが2つある1,080,000円1,020,000円(第3種+第4種)、1,140,000円(第3種+第5種)組み合わせで結果が変わる。第3種+第4種が60,000円少なく、第3種+第5種は60,000円多い
例5第2種 2,000万円(約66.7%)、第5種 1,000万円(約33.3%)どちらも75%に届かない900,000円(区分した場合)1,500,000円(区分していない場合)区分していないと600,000円多い

例1・例3・例5は、簡易課税の計算方法と計算例の計算例と同じ数値で、同じ結果です。

例2は、売上げの80%を占める第5種のみなし仕入率(50%)を全体にかけるため、第1種(90%)の売上げ600万円にも50%が適用され、原則法より納付税額が増えます。75%以上でも特例が有利とは限らないため、原則法と比べて選びます。

例4の計算(消費税額は第3種 1,404,000円、第4種 468,000円、第5種 468,000円)
項目原則法特例②(第3種+第4種)特例②(第3種+第5種)
控除対象仕入税額1,404,000 × 70% + 468,000 × 60% + 468,000 × 50% = 1,497,600円1,404,000 × 70% + 936,000 × 60% = 1,544,400円1,404,000 × 70% + 936,000 × 50% = 1,450,800円
差引税額842,400円795,600円889,200円
地方消費税237,600円224,400円250,800円
納付税額1,080,000円1,020,000円1,140,000円

936,000円は、消費税額2,340,000円から第3種の消費税額1,404,000円を引いた額で、特例②では第3種以外の売上税額すべてに低い方の率をかけます。第4種と第5種の合計は40%で75%に届かないため、この2つの組み合わせは使えません。

事業区分ごとに売上を区分していない場合

2種類以上の事業を営む事業者が課税売上げを事業ごとに区分していない場合、区分していない部分には、その区分していない事業のうち一番低いみなし仕入率が適用されます(タックスアンサー No.6505)。施行令57条4項は、原則法・特例のどちらを使うときも、区分していない課税資産の譲渡等を次のように扱うと定めています。

区分していない売上げの扱い(施行令57条4項)
区分していない売上げに含まれる事業適用される事業区分
第1種と第2種第2種(80%)
第1種または第2種と、第3種第3種(70%)
第1種〜第3種のいずれかと、第4種第4種(60%)
第1種〜第4種のいずれかと、第5種第5種(50%)
第6種と、第6種以外第6種(40%)

例5の売上げを区分していなかった場合、3,000万円の売上げの全体に、第2種と第5種のうち低い第5種の50%が適用されます。控除対象仕入税額は2,340,000円 × 50% = 1,170,000円、差引税額1,170,000円、地方消費税330,000円で、納付税額は1,500,000円です。区分した場合の900,000円より600,000円多くなります(当会計算)。

【予定・法案未成立】飲食料品の税率1%案と75%ルール(2026年10月6日時点)

国税庁の特設サイトは、2026年9月15日に閣議決定された大綱に示された改正案として、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、飲食料品の譲渡の消費税率を1%に引き下げる案を説明しています。法案はまだ成立しておらず、サイトの内容は、法案が国会に提出され、審議を経て可決・成立した場合のものとされています。この案では、簡易課税で飲食料品の特例の計算を受ける場合、75%ルールの判定と計算は、飲食料品(1%対象)の取引を除いて行うとされています。国税庁Q&A問3-7の例では、飲食料品の小売2,500万円、雑貨などの小売(第2種)800万円、イートイン(第4種)200万円の場合、飲食料品を除く1,000万円のうち雑貨などの小売が80%で75%以上となり、第2種の80%を飲食料品以外の売上げ全体に適用できます(国税庁 消費税率引下げ特設サイト、飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A(PDF))。全体像は簡易課税制度とは(飲食料品の消費税率1%と簡易課税の特例)、飲食料品の消費税1%はいつからにまとめています。

事業区分が決まったあとに確認すること

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

業種別ガイドの簡易課税の記述(本記事と結論は同じです)
業種主な事業区分詳しい説明
飲食業店内飲食・出前は第4種、自家製料理の持ち帰り販売は第3種、仕入れた商品をそのまま売れば第2種飲食業の消費税とインボイス
小売業消費者への販売は第2種、事業者への販売は第1種、自分で製造した商品は第3種小売業の消費税・インボイス
製造業自社製品の製造は第3種、材料の支給を受ける賃加工は第4種製造業の消費税とインボイス
建設業材料を自分で調達する工事は第3種、材料の支給を受けて手間賃だけを受け取る工事は第4種建設業の消費税・インボイス
IT・Web制作業ソフトウェア業などは第5種、出版業・広告制作業は第3種IT・Web制作業の消費税
運輸・物流業運送業・倉庫業は第5種、事業に使っていた車両の売却は第4種運輸・物流業の消費税
医療業課税となる売上げは第5種。保険診療などの非課税の売上げは計算に入らない医療業の消費税
教育・スクール業授業は第5種、仕入れた教材の消費者への販売は第2種教育・スクール業の消費税
不動産業仲介・賃貸・管理は第6種、他の者が建築した建物を購入して販売するのは第1種または第2種、自ら建築施工した建物の販売は第3種不動産業の消費税とインボイス
フリーランスデザイン・ソフトウェア・著述・コンサルタントなどは第5種フリーランスの消費税

10業種の全体は業種別の税務ガイド(簡易課税の事業区分は取引ごとに判定する)にあります。

よくある質問

簡易課税の事業区分は第何種まであり、みなし仕入率はいくつですか?

第1種から第6種までの6つです。みなし仕入率は、第1種(卸売業)90%、第2種(小売業など)80%、第3種(製造業・建設業など)70%、第4種(飲食店業などのその他の事業)60%、第5種(運輸通信業・金融業・保険業・サービス業)50%、第6種(不動産業)40%です。売上税額に対して納める税額の割合は、1からみなし仕入率を引いた10%から60%になります(当会計算)。〔国税庁 タックスアンサー No.6509、消費税法施行令57条〕

簡易課税の第5種には、どんな事業が当たりますか?具体例を教えてください。

運輸通信業、金融業・保険業、サービス業(飲食店業に当たるものを除く)です。範囲は、日本標準産業分類の大分類のうち、情報通信業、運輸業・郵便業、金融業・保険業、物品賃貸業、学術研究・専門・技術サービス業、宿泊業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)を基礎に判定します。国税庁の質疑応答事例にある例は、ソフトウェア業、貨物運送業・倉庫業、法律事務所・税理士事務所・デザイン業・経営コンサルタント業、物品賃貸業、理容業・美容業、学習塾、医療、旅館・ホテルの宿泊、自動車や機械の修理などです。ただし、他の者から購入した商品をそのまま販売する部分は第1種または第2種になります。〔消費税法基本通達 13-2-4、国税庁 質疑応答事例(J〜M)〕

簡易課税の第3種と第4種の違いは何ですか?

製造業・建設業などで、自分で材料を調達して製造・施工する事業は第3種(70%)です。他の者から原材料の支給を受けて加工し、加工賃や手間賃だけを受け取る事業は第4種(60%)です。飲食店では、店内飲食と出前が第4種、自分で作った飲食物の持ち帰り販売と宅配専門の販売が第3種です。〔消費税法基本通達 13-2-4・13-2-7・13-2-8の2、国税庁 タックスアンサー No.6509〕

簡易課税で、飲食店は第何種ですか。持ち帰りや出前はどうなりますか?

店内で飲食させる事業は第4種(60%)です。出前(店舗で提供するものと同種の調理済みのもの)も第4種です。自分で作った飲食物を持ち帰り用として売る部分と、飲食の設備を設けずに宅配だけで売る事業は、製造小売として第3種(70%)です。仕入れた商品を加工せずに売る部分は第2種(80%)になります。〔消費税法基本通達 13-2-8の2、国税庁 質疑応答事例(M)〕

簡易課税の「75%ルール」とは何ですか?

2種類以上の事業を営む事業者が、1種類の事業の課税売上高が全体の75%以上を占める場合に、その事業のみなし仕入率を全体の課税売上げに適用できる特例です。3種類以上の事業を営む事業者で、特定の2種類の事業の課税売上高の合計が全体の75%以上の場合は、その2事業のうちみなし仕入率の高い方の事業の売上げにはその率を、それ以外の売上げには低い方の率を適用できます。判定は、税抜の課税売上高(返品・値引き等を引いた額)で行います。〔国税庁 タックスアンサー No.6505、消費税法施行令57条3項〕

75%ルールは、必ず使わなければなりませんか?

使わなければならないものではありません。売上げの75%以上を占める事業があるなどの場合は、原則どおり事業ごとにみなし仕入率をかけて計算する方法と、75%の特例のどちらかを選んで適用できます。2つ以上の特例に当たる場合も、いずれか1つを選べます。特例のほうが納付税額が増える場合もあります(当会計算の例は、この記事の例2)。〔消費税法基本通達 13-4-1・13-4-2〕

複数の事業をしている場合、売上げを区分していないとどうなりますか?

区分していない部分には、その区分していない事業のうち一番低いみなし仕入率が適用されます。たとえば、第2種(80%)と第5種(50%)の売上げを区分していなければ、全体に50%が適用されます。区分の方法は、帳簿に事業の種類を記載する方法のほか、納品書・請求書・売上伝票・レジペーパー等に事業の種類を記載して区分ごとの課税売上高を集計する方法などがあります。〔国税庁 タックスアンサー No.6505、消費税法基本通達 13-3-1〕

小売業(第2種)と卸売業(第1種)は、どう分かれますか?

どちらも、他の者から購入した商品を性質・形状を変更しないで販売する事業です。販売先が他の事業者なら第1種(90%)、それ以外(消費者など)なら第2種(80%)です。業務用に使われる商品の販売は、購入者が事業者であることが帳簿・書類等で明らかなら第1種になります。商品を仕入れて性質・形状を変更して販売する場合は、製造業等として第3種です。〔国税庁 タックスアンサー No.6517、消費税法基本通達 13-2-2〕

事業区分は、会社全体で1つに決まりますか。それとも売上げごとですか?

原則として、売上げ(課税資産の譲渡等)ごとに判定します。会社や店に主たる業種があっても、売上げの内容によって区分が変わります。たとえば、事業で使っていた固定資産の売却は、本業が何種でも第4種です。〔消費税法基本通達 13-2-1・13-2-9、国税庁 タックスアンサー No.6509〕

不動産業は、すべて第6種ですか?

すべてではありません。不動産の売買・賃貸の仲介や代理、事務所・店舗などの賃貸、駐車場業、不動産管理業は第6種(40%)です。他の者が建築した建物を購入してそのまま販売する場合は第1種または第2種、自ら建築施工した建物(施主として建築業者に施工させたものを含む)の販売や、中古住宅を塗装・修理などをして販売する場合は第3種です。住宅の貸付けは非課税のため、事業区分の計算に入りません。〔国税庁 質疑応答事例(K)、タックスアンサー No.6201〕

出典・参考資料

いずれも2026年10月6日に内容を確認しました。

国税庁 タックスアンサー・通達

国税庁 質疑応答事例(令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づく)

国税庁 消費税率引下げ特設サイト(予定・法案未成立)

財務省・総務省

法令(e-Gov法令検索)

国税庁の質疑応答事例は令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成されています。消費税法基本通達は、2026年10月6日に取得した国税庁のページの内容に基づきます。

改訂履歴

著者:新宿間税会(新宿間税会について)

  • 2026年10月6日:公開(同日時点の法令等と、国税庁の通達・タックスアンサー・質疑応答事例、e-Gov法令検索の現行条文に基づく)

本記事は一般的な情報提供を目的としています。自分の事業や個々の取引がどの事業区分に当たるかなど、個別の判断については、所轄の税務署や、税理士などの専門家にご相談ください。

業種別の税務ガイド

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