簡易課税と原則課税、どっちが得?消費税の有利判定シミュレーション
簡易課税と原則課税(一般課税)は、消費税の納付税額の計算方法です。1年間の課税売上高・事業区分・課税仕入れ等(いずれも税込)の3項目を入れるだけで、両方の方式の納付税額を計算し、どちらが有利かをすぐに示します。事業区分の判定基準や、簡易課税制度そのものの要件・届出の詳しい説明は簡易課税制度とは:事業区分・みなし仕入率・計算方法と届出の期限をご覧ください。軽減税率8%の売上・仕入れが混在する場合や、2割特例・3割特例も含めて比較したい場合は、消費税計算ツール(原則課税・簡易課税・2割特例・3割特例を比較)をご利用ください。
簡易課税を選べるかどうかの要件(試算の前に必ずご確認ください)
簡易課税を選べるのは、基準期間(個人事業者は前々年、法人は原則として前々事業年度)の課税売上高が5,000万円以下の課税事業者に限られます。また、原則として適用を受けたい課税期間が始まる前に「消費税簡易課税制度選択届出書」を所轄の税務署に提出する必要があり、選んだ課税期間から原則2年間は継続して適用します〔国税庁 タックスアンサー No.6505〕。このシミュレーションは、基準期間の課税売上高や届出の有無にかかわらず、入力した金額で両方の方式を機械的に計算して比較します。実際に簡易課税を選べるかどうかは、基準期間の課税売上高と届出の状況を必ずご確認ください。詳しい届出期限は簡易課税制度とは(届出書の提出期限)で説明しています。
簡易課税と原則課税、どちらが有利か計算する
消費税 有利判定シミュレーション
原則課税と簡易課税の違い
| 方法 | 納付税額(国)の出し方 | 使える条件 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 原則課税(一般課税) | 売上税額 − 仕入税額(実額) | すべての課税事業者 | 実際の仕入税額を計算するため、請求書等と帳簿の保存が必要。仕入れが多い年は還付になることもある |
| 簡易課税 | 売上税額 − 売上税額 × みなし仕入率 | 基準期間の課税売上高が5,000万円以下で、事前に届出書を提出した場合 | 実際の仕入税額を集計しなくてよい。通常、還付は生じない |
一般に、人件費の割合が大きく課税仕入れの少ない事業ほど簡易課税が有利になりやすく、仕入れ・外注費・設備投資が多い年は原則課税が有利になりやすい傾向があります。実際の仕入税額の割合とみなし仕入率の関係は、簡易課税制度とは(実際の仕入税額の割合とみなし仕入率を比べる)で詳しく説明しています。
計算例(当会試算)
第3種事業(製造業・建設業など、みなし仕入率70%)で、税込の課税売上高1,000万円、税込の課税仕入れ等600万円の場合です。課税標準額は9,090,000円(10,000,000円 × 100/110、千円未満切捨て)、売上税額(国)は9,090,000円 × 7.8% = 709,020円です。
| 方法 | 差引税額(国) | 地方消費税 | 納付税額 |
|---|---|---|---|
| 原則課税 | 709,020 − 425,454(6,000,000 × 7.8/110、1円未満切捨て)= 283,566円 → 283,500円(百円未満切捨て) | 79,900円 | 363,400円 |
| 簡易課税(第3種・70%) | 709,020 − 496,314(709,020 × 70%)= 212,706円 → 212,700円(百円未満切捨て) | 59,900円 | 272,600円 |
この例では、簡易課税の方が90,800円少なく、有利です。事業区分やみなし仕入率が変われば結果は変わります。上の「簡易課税と原則課税、どちらが有利か計算する」に、ご自身の課税売上高・事業区分・課税仕入れ等を入力してお試しください。
よくある質問
このツールは何を計算しますか。消費税計算ツール(原則課税・簡易課税・2割特例・3割特例を比較)との違いは何ですか。
このツールは、1年間の課税売上高・事業区分・課税仕入れ等の3項目だけを入力し、「簡易課税と原則課税、どちらが有利か」を素早く判定する単機能のツールです。標準税率10%の取引を前提とした試算です。軽減税率8%の売上・仕入れが混在する場合や、2割特例・3割特例も含めて比較したい場合は、消費税計算ツール(原則課税・簡易課税・2割特例・3割特例を比較)をご利用ください。
簡易課税は誰でも選べますか。
選べません。簡易課税を選べるのは、基準期間(個人事業者は前々年、法人は原則として前々事業年度)の課税売上高が5,000万円以下の課税事業者に限られます。また、原則として適用を受けたい課税期間の初日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を所轄の税務署に提出する必要があり、選んだ課税期間から原則2年間は継続して適用します。〔国税庁 タックスアンサー No.6505〕
事業区分(第1種〜第6種)はどうやって判定すればよいですか。
原則として、取引ごとに日本標準産業分類などを基準に判定します。卸売業は第1種、小売業などは第2種、製造業・建設業などは第3種、飲食店業などは第4種、運輸通信業・金融業・保険業・サービス業(飲食店業を除く)は第5種、不動産業は第6種です。判定基準と間違えやすい取引の具体例は「簡易課税制度とは:事業区分・みなし仕入率・計算方法と届出の期限」で説明しています。〔国税庁 タックスアンサー No.6509〕
この判定結果は、実際に申告する納付税額と同じになりますか。
売上と仕入れがすべて標準税率10%の課税取引であること、返品・値引き、貸倒れ、中間納付、インボイスのない仕入先からの仕入れがないこと、事業が1種類であることのすべてに当てはまる場合に限り、申告書と同じ端数処理・計算順序で試算しています。軽減税率8%の取引が混在する場合や、これらの条件に当てはまらない場合は、実際の税額と異なります。〔国税庁 タックスアンサー No.6351、No.6371〕
入力した金額は送信されますか。
計算はお使いのブラウザの中だけで行い、入力した金額はどこにも送信しません。
出典・参考資料
いずれも2026年9月28日時点の内容に基づきます。
国税庁 タックスアンサー
国税庁 インボイス制度関係
- インボイスQ&A 問117-3(PDF)(簡易課税・2割特例・3割特例の比較の考え方)
法令(e-Gov法令検索)
改訂履歴
著者:新宿間税会(新宿間税会について)
- 2026年9月28日:新規公開
このシミュレーションと本ページの説明は、一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については、税理士などの専門家や、所轄の税務署にご相談ください(新宿で税金の相談をしたいとき:無料の公的な相談窓口)。