消費税の内訳は国7.8%+地方2.2%:地方消費税の計算方法(22/78)と計算例

消費税10%の内訳は、国の消費税が7.8%、地方消費税が2.2%です。軽減税率の8%は、国の消費税が6.24%、地方消費税が1.76%です(いずれも2019年10月1日から。2026年10月6日時点の法令等に基づく【確定】)。地方消費税は「国の消費税額の22/78」と法律で決まっているため、申告で納める地方消費税は、国税分の差引税額(中間納付を引く前の金額)に22/78をかけ、100円未満を切り捨てて求めます。国税分と地方消費税の端数処理はそれぞれ別に行い、申告と納付は、当分の間、税務署で消費税と一緒に行います。

消費税の内訳(国と地方)と、地方消費税の求め方

税率の内訳(2026年10月6日時点)
区分合計国の消費税地方消費税
標準税率10%7.8%2.2%
軽減税率8%6.24%1.76%
地方消費税の額――国の消費税額 × 22/78

申告では、差引税額(国税分。100円未満切捨て)に22/78をかけ、100円未満を切り捨てます。たとえば差引税額が312,000円なら地方消費税は88,000円で、納付額は合計400,000円です(当会計算)。手順と端数処理は地方消費税の計算方法、税込価格から見た内訳は税込価格から見た国と地方の内訳にあります。

【確定】先に押さえる3点

  • 比率は、10%でも8%でも同じです。地方消費税は、国の消費税額の22/78です。合計の税率でみると、10%のうち2.2%、8%のうち1.76%が地方消費税で、どちらも合計の22%にあたります(当会計算。消費税の内訳)。
  • 先に国税分を確定し、あとから22/78をかけます。差引税額の100円未満を切り捨ててから22/78をかけ、その結果の100円未満をもう一度切り捨てます。順序を変えると100円ずれることがあります(地方消費税の計算方法)。
  • 現在は、地方消費税を都道府県に別に申告・納付する手続はありません。当分の間、国が消費税と併せて受け取り、都道府県に払い込みます。輸入のときは税関で納めます(納付の流れ、輸入のとき)。
目次
  1. 消費税の内訳:10%と8%の税率
  2. 地方消費税とは:都道府県の税を、国が消費税と併せて集める仕組み
  3. 税込価格から見た国と地方の内訳
  4. 地方消費税の計算方法:国税分×22/78、100円未満切捨て
  5. 申告書の欄との対応
  6. 納付の流れ:事業者から国、都道府県、市町村へ
  7. 使途:国の分と地方の分
  8. 輸入のときの国税分と地方分
  9. よくある質問
  10. 出典・参考資料
  11. 改訂履歴

消費税の内訳:10%と8%の税率

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

国の消費税と地方消費税の税率

消費者が負担する消費税は、国の消費税と地方消費税の合計で、標準税率が10%、軽減税率が8%です。国の消費税の税率は、消費税法29条が標準税率7.8%、軽減税率6.24%と定めています。地方消費税の税率は、地方税法72条の83が「78分の22」、つまり国の消費税額の22/78と定めています(国税庁 タックスアンサー No.6303、消費税法29条、地方税法72条の83)。

消費税と地方消費税の税率(2026年10月6日時点)
区分合計国の消費税地方消費税主な対象
標準税率10%7.8%2.2%軽減税率の対象以外の取引
軽減税率8%6.24%1.76%酒類・外食を除く飲食料品、定期購読契約が結ばれた週2回以上発行される新聞
参考:旧税率8%6.3%1.7%2014年4月から2019年9月までの税率。経過措置が適用される取引には、2019年10月1日以後も使われます

税率は2019年10月1日に8%から10%に上がり、軽減税率制度が始まりました(国税庁 No.6102)。軽減税率の対象の見分け方は軽減税率についてで説明しています。

なぜ「22/78」なのか

標準税率では、国の7.8%に対して地方が2.2%なので、2.2÷7.8=22/78です。軽減税率でも、国の6.24%に対して地方が1.76%なので、1.76÷6.24=22/78で、同じ比率になります(当会計算)。合計の税率に対する割合でみると、地方消費税は10%のうち2.2%、8%のうち1.76%で、どちらもちょうど22%です(当会計算)。

地方消費税の課税標準は消費税額で(地方税法72条の82)、税率は「78分の22」と定められています(同72条の83)。そのため、地方消費税の額は、消費税額に22/78をかけた金額になります。

地方消費税の税率の推移

地方消費税は1997年4月に創設され、税率は国の消費税額の100分の25(消費税率換算で1%)でした。2014年4月に63分の17(同1.7%)、2019年10月に78分の22(同2.2%)に上がり、合計の税率は5%、8%、10%と変わりました(総務省「地方消費税の清算制度」、総務省「やさしい地方税 地方消費税」)。国の消費税の税率は、2014年が6.3%、2019年が7.8%です(国税庁 No.6303)。1997年は、合計5%から地方消費税1%を引いた4%です(当会計算)。1989年に消費税が3%で導入されたときは地方消費税がなく、消費税収の一部が「消費譲与税」として地方に配分されていました。地方消費税は、1997年にその代わりとして創設されました。

【予定・法案未成立】飲食料品の1%案での内訳(2026年10月6日時点)

2026年9月15日に閣議決定された大綱は、2027年4月1日から2029年3月31日までの間、今の軽減税率の対象の飲食料品について、消費税の税率を0.78%とする特例を設け、地方消費税率と合わせて1%にするとしています(大綱(内閣官房、PDF))。国税庁のQ&Aは、この1%を、国の消費税率0.78%と、地方消費税率0.22%に相当する分の合計と説明しています(国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」(PDF)問1-1)。0.78%と0.22%の比は22/78で、今と同じです(当会計算)。国税庁の特設サイトは、2026年10月6日に確認した時点でも、掲載内容は、今後法案が国会に提出され、審議を経て可決・成立した場合のものだと注記しています(国税庁 消費税率引下げ特設サイト)。成立するまでは、この記事の計算には使いません。対象や実務は飲食料品の消費税1%案で説明しています。

地方消費税とは:都道府県の税を、国が消費税と併せて集める仕組み

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

消費税は国税、地方消費税は都道府県税

消費税は国の税(国税)、地方消費税は都道府県の税です。地方税法4条2項3号が、道府県が課す普通税の一つとして地方消費税を定めています。東京都では、同法の「道府県」を「都」と読み替えます(地方税法1条2項)。

国の消費税と地方消費税は、課税される取引が同じです。地方消費税の課税標準は、消費税額(国税分)です(地方税法72条の82)。そのため、消費税を納める義務が免除される免税事業者(消費税法9条1項)には、地方消費税の譲渡割も課されません(地方税法72条の78第1項)。

事業者が納めるという点も、消費税と同じです。事業者は商品やサービスの価格に税の分を上乗せし、最終的には消費者が負担します(東京都主税局「地方消費税」)。

国内取引は「譲渡割」、輸入は「貨物割」

地方消費税の2つの区分
項目国内取引(譲渡割)輸入取引(貨物割)
納める人課税資産の譲渡等や特定課税仕入れを行った事業者課税貨物を保税地域から引き取る者
課税標準消費税額(申告書の差引税額。消費税法45条1項4号)輸入の消費税額(消費税法47条1項2号など)
申告・納付先当分の間、税務署(消費税と一緒に)税関(消費税と一緒に)
根拠地方税法72条の77・72条の78、附則9条の4〜9条の6地方税法72条の77・72条の78、72条の100〜72条の103

出典:東京都主税局「地方消費税」、総務省「地方消費税の清算制度」、表の条文(e-Gov法令検索で確認)。

なぜ税務署で申告するのか

地方消費税は、本来は都道府県に申告して納める税です。ただし、消費税と地方消費税を別々の役所に申告・納付すると手続が煩雑になるため、納税者の事務負担に配慮して、当分の間、国が消費税と併せて賦課徴収することになっています(地方税法附則9条の4、総務省「やさしい地方税 地方消費税」)。納付も、消費税の納付と併せて国に行います(附則9条の6第1項)。

このため、事業者は「消費税及び地方消費税の申告書」で国税と地方消費税を一緒に申告し、地方消費税を都道府県に直接申告・納付することは、現在は求められていません(東京都主税局「地方消費税」)。申告書の欄は申告書の欄との対応で説明します。

税込価格から見た国と地方の内訳

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

税込価格を国と地方に分ける式

税込価格には、国の消費税と地方消費税の両方が含まれています。標準税率(10%)の税込価格は税抜価格の110%、軽減税率(8%)の税込価格は税抜価格の108%なので、税込価格を国と地方に分ける式は次のとおりです(当会計算)。

標準税率:国の消費税額 = 税込価格 × 7.8/110 / 地方消費税額 = 税込価格 × 2.2/110
軽減税率:国の消費税額 = 税込価格 × 6.24/108 / 地方消費税額 = 税込価格 × 1.76/108

標準税率の地方消費税額は、2.2/110=1/50なので、税込価格のちょうど2%になります(当会計算)。税込価格から消費税額全体を出す式(10/110、8/108)は消費税の計算方法、金額別の一覧は税込・税抜の早見表にあります。

税込価格ごとの国と地方の金額

標準税率(10%):税込価格に含まれる国と地方の消費税(当会計算)単位:円
税込価格税抜価格国の消費税(7.8%)地方消費税(2.2%)消費税額の合計
1101007.82.210
1,1001,0007822100
11,00010,0007802201,000
軽減税率(8%):税込価格に含まれる国と地方の消費税(当会計算)単位:円
税込価格税抜価格国の消費税(6.24%)地方消費税(1.76%)消費税額の合計
1081006.241.768
1,0801,00062.417.680
10,80010,000624176800

税込価格が割り切れる金額を選んだ表です。たとえば税込1,000円(標準税率)では、消費税額の合計が1,000×10/110=90.909…円で、国の分が70.909…円、地方の分が20円です(当会計算)。

請求書やレシートには、国と地方の合計を書く

適格請求書(インボイス)に書く「消費税額等」は、国の消費税額と地方消費税額に相当する額の合計です(消費税法57条の4第1項5号)。国と地方に分けて書くことは求められていません。1円未満の端数が出るときは、請求書1枚につき税率ごとに1回だけ処理し、切捨て・切上げ・四捨五入のどれにするかは事業者が選べます(国税庁 No.6371、No.6625)。

仕入税額を積上げ計算で出すときは、受け取ったインボイスの消費税額等のうち課税仕入れの分を合計し、78/100をかけて国の消費税額にします(国税庁 No.6351、No.6383)。たとえば、税込11,000円(標準税率)の仕入れのインボイスに消費税額等1,000円と書かれていれば、1,000×78/100=780円が国の消費税額で、残りの220円が地方消費税の分にあたります(当会計算)。積上げ計算と割戻し計算の違いは消費税の計算方法で説明しています。

地方消費税の計算方法:国税分×22/78、100円未満切捨て

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

計算の手順

事業者が申告で納める地方消費税は、売上税額や仕入税額ではなく、「差引税額」に22/78をかけて求めます。差引税額は、国の消費税について、売上税額から仕入税額などの控除額を引いた金額です(消費税法45条1項4号、地方税法72条の77第2号)。

  1. 国の消費税の差引税額を出します(売上税額−控除する税額。100円未満切捨て)。
  2. 差引税額に22/78をかけます。
  3. その結果の100円未満を切り捨てた金額が、地方消費税です。
  4. 差引税額と地方消費税の合計が、納付額です(中間納付があれば、国税分と地方消費税分それぞれから引きます)。
地方消費税 = 差引税額(国税分。100円未満切捨て後)× 22/78(100円未満切捨て)
納付額 = 差引税額 + 地方消費税

国税庁は、申告書の付表の記入方法として、差引税額(付表の⑨欄。100円未満切捨て)の金額を「地方消費税の課税標準となる消費税額(⑪欄)」に書き、その金額に22/78をかけた金額の100円未満を切り捨てて「譲渡割額・納税額(⑬欄)」に書くと説明しています(国税庁「法人用 消費税及び地方消費税の申告書(一般用)の書き方」(PDF))。譲渡割額は、地方消費税のうち国内取引の分の額です。

国税分と地方分の端数処理

端数処理の違い:国の消費税と地方消費税
計算の段階国の消費税地方消費税
課税標準額税込の課税売上に100/110(軽減税率は100/108)をかけて税率ごとに出し、千円未満を切り捨てます(国税通則法118条1項)国の消費税額が課税標準です。千円未満の切捨てはしません(地方税法72条の82)
売上税額・仕入税額1円未満を切り捨てます(国税庁 No.6371)計算しません(差引税額から出します)
納付すべき額差引税額の100円未満を切り捨てます(国税通則法119条1項)差引税額×22/78の100円未満を切り捨てます(地方税法20条の4の2第3項)
還付還付金に相当する消費税額の1円未満を切り捨てます(国税庁 No.6371)控除不足還付税額×22/78が還付額です(地方税法72条の88第2項)。国税庁の付表の注記は、金額の計算で1円未満を切り捨てるとしています

出典:国税庁 No.6371、国税通則法、地方税法。ほかの場面の端数処理は消費税の計算方法にまとめています。

差引税額と地方消費税の対応

差引税額(国税分)から地方消費税を出す計算(当会計算)単位:円
差引税額(国税分)×22/78地方消費税(100円未満切捨て)納付額の合計
78,00022,00022,000100,000
100,00028,205.12…28,200128,200
312,00088,00088,000400,000
417,600117,784.61…117,700535,300
679,700191,710.25…191,700871,400

差引税額が78の倍数のときは、端数が出ません。417,600円と679,700円は、当会の別の記事の設例(消費税申告書の書き方、消費税の計算方法の計算例②)と同じ数字です。

通しの計算例:売上から納付額まで

標準税率(10%)の取引だけの1年分で、税込の課税売上が7,654,321円、税込の課税仕入れが4,321,098円(全額を控除できるものとします)の場合です。

通しの計算例(当会計算)
手順計算金額
① 課税標準額7,654,321 × 100/110 = 6,958,473.63…(千円未満切捨て)6,958,000円
② 売上税額(国)6,958,000 × 7.8%542,724円
③ 仕入税額(国。割戻し計算)4,321,098 × 7.8/110 = 306,405.13…(1円未満切捨て)306,405円
④ 差引税額(国税分)542,724 − 306,405 = 236,319(100円未満切捨て)236,300円
⑤ 地方消費税236,300 × 22/78 = 66,648.71…(100円未満切捨て)66,600円
⑥ 納付額236,300 + 66,600302,900円
順序を変えるとずれる例:差引税額が417,690円(切捨て前)のとき、先に22/78をかけると417,690 × 22/78 = 117,810円となり、地方消費税は117,800円です。正しくは、先に差引税額を417,600円に切り捨ててから22/78をかけて117,784.61…円、切り捨てて117,700円で、100円違います(当会計算)。
目安との差:上の例を「(税込売上−税込仕入)×10/110」で概算すると303,020円(当会計算)で、申告の計算より120円多くなります。端数処理の違いで、概算と申告の金額は合わないことがあります。

簡易課税制度や2割特例を使う場合も、国税分の差引税額を出してから22/78をかける点は同じです(簡易課税・2割特例・中間申告・還付のとき)。

申告書の欄との対応

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。欄の番号は、国税庁「法人用 消費税及び地方消費税の申告書(一般用)の書き方」(令和7年11月)と、当会の消費税申告書の書き方の記載例に合わせています。様式は変わることがあるため、提出時は国税庁の最新の様式で確認してください。

原則課税の付表1-3と第一表

地方消費税に関わる欄(原則課税)
様式と欄名称内容
付表1-3 ⑨差引税額②+③−⑦で計算し、100円未満を切り捨てた金額
付表1-3 ⑪地方消費税の課税標準となる消費税額(差引税額)⑨欄の金額
付表1-3 ⑬譲渡割額(納税額)⑪欄×22/78。100円未満を切り捨てた金額
第一表 ⑱地方消費税の課税標準となる消費税額(差引税額)付表1-3の⑪欄の金額
第一表 ⑳譲渡割額(納税額)付表1-3の⑬欄の金額
第一表 ㉑中間納付譲渡割額中間申告で申告した譲渡割額の合計額(納付した額ではなく、申告した額)
第一表 ㉒納付譲渡割額⑳−㉑
第一表 ㉖消費税及び地方消費税の合計(納付又は還付)税額(⑪+㉒)−(⑧+⑫+⑲+㉓)。還付のときはマイナス「−」を付けます

出典:国税庁「法人用 申告書(一般用)の書き方」(PDF)。還付の欄(付表1-3の⑩・⑫、第一表の⑰・⑲)は、控除不足還付税額×22/78で地方消費税の還付額を計算する点が違うだけです(地方税法72条の88第2項)。

国税庁の記載例で確かめる

国税庁の記載例での地方消費税(⑬欄)の計算単位:円
記載例差引税額(⑨・⑪)⑪×22/78譲渡割額(⑬)
法人用(一般用)8,475,3002,390,4692,390,400
法人用(簡易課税用)320,20090,31290,300

どちらの例も、差引税額の計算結果(一般用は8,475,376円、簡易課税用は320,212円)の100円未満を切り捨ててから22/78をかけています。国税庁の記載例が示す途中の金額は1円未満を切り捨てた額で、当会の再計算では2,390,469.23…円と90,312.82…円です。

簡易課税・2割特例・中間申告・還付のとき

  • 簡易課税:付表4-3の⑨(差引税額)、⑪(地方消費税の課税標準となる消費税額)、⑬(譲渡割額)が、上の表の付表1-3と同じ関係です(国税庁「法人用 申告書(簡易課税用)の書き方」(PDF))。みなし仕入率などは簡易課税制度で説明しています。
  • 2割特例:付表1-3や付表4-3はありません。第一表の⑱欄に⑨欄の金額を書き、⑱欄×22/78で計算した金額を⑳欄に書きます。中間納付税額がある場合も、⑱欄には⑨欄の金額を書きます(国税庁「2割特例用 確定申告の手引き」(PDF))。2割特例は、個人事業者は令和8年分(2026年分)が最後、法人は令和8年(2026年)9月30日を含む事業年度が最後です(2割特例)。
  • 中間申告:中間納付税額は、直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税を含みません)の6/12、3/12、1/12で、これとあわせて、その78分の22の地方消費税を中間納付します(国税庁 No.6609、地方税法72条の87)。回数や計算は消費税の中間申告で説明します。
  • 還付申告:控除不足還付税額があるときは、その額に22/78をかけた金額が、地方消費税の還付額です(地方税法72条の88第2項)。

欄ごとの書き方と設例は消費税申告書の書き方、納付の期限と方法は消費税の納付期限で説明しています。

納付の流れ:事業者から国、都道府県、市町村へ

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

国内取引の流れ

地方消費税が事業者から市町村に届くまで(国内取引)
段階内容根拠
① 事業者が申告・納付事業者は、消費税と地方消費税を併せて税務署に申告し、国に納付します。期限は消費税と同じで、個人事業者は原則として翌年3月末日、法人は原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内です地方税法附則9条の4〜9条の6第1項、72条の88第1項、東京都主税局
② 国が都道府県に払込み国は、納付があった月の翌々月の末日までに、併せて納付された消費税の納税地がある都道府県に、地方消費税として納付された額を払い込みます。払込みを受けた都道府県は、他の都道府県が課す分を、その都道府県に支払います地方税法附則9条の6第3項
③ 都道府県間で清算消費税を納める事業者の所在地と、最終的に消費する地域が違うため、「消費に相当する額」に応じて都道府県の間で支払いと受取りを行い、最終消費地の収入にします地方税法72条の114、総務省
④ 市町村に交付清算後の額の2分の1を、区市町村に交付します地方税法72条の115
⑤ 使途都道府県と市町村は、引上げ分を社会保障施策に要する経費に充てます(使途)地方税法72条の116

出典:総務省「地方消費税の清算制度」(令和7年4月11日)、東京都主税局「地方消費税」、地方税法(e-Gov法令検索で確認)。「翌々月」は、たとえば3月中に納付された額なら5月末日までです(当会計算)。

都道府県間の清算の基準

清算に使う「消費に相当する額」は、小売年間販売額とサービス業対個人事業収入額の合算額(ウェイト50%)と、人口(ウェイト50%)で計算します。小売年間販売額とサービス業対個人事業収入額は経済センサス活動調査、人口は国勢調査の結果によります(地方税法72条の114、総務省「地方消費税の清算制度」、東京都主税局)。

市町村への交付の基準

清算後の額の2分の1が市町村に交付されます。交付の基準は、税率の引上げ前から続く部分(消費税率換算で1%相当分)と、引上げ分(同1.2%相当分)で違います。

市町村への交付の基準(標準税率10%の場合)
区分法律上の割合按分の基準
従来分(消費税率換算1%相当)22分の10人口50%、従業者数50%
引上げ分(消費税率換算1.2%相当)22分の12人口100%

出典:地方税法72条の114・72条の115、東京都主税局「地方消費税」。従業者数は経済センサス活動調査の結果によります。総務省の資料では、地方消費税の税収は令和5年度の決算額で62,632億円です(総務省「地方消費税の清算制度」)。

使途:国の分と地方の分

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。金額は令和8年度予算の見込みで、決算額ではありません。

地方消費税の使途

地方消費税の収入は、法律上、22分の10(従来分)と22分の12(引上げ分)に分けて扱われます。引上げ分は、都道府県も市町村も、社会保障施策(社会福祉、社会保険、保健衛生に関する施策)に要する経費に充てるものとされています(地方税法72条の116)。地方税法72条の116には、従来分の使途の定めがありません。総務省の資料も、使途の欄に引上げ分だけを挙げています(総務省「地方消費税の清算制度」)。

地方消費税の区分と使途
区分法律上の割合標準税率10%のとき軽減税率8%のとき(当会計算)使途
従来分22分の10消費税率換算1.0%相当0.8%相当地方税法72条の116に定めはありません
引上げ分22分の12消費税率換算1.2%相当0.96%相当社会保障施策に要する経費

軽減税率の欄は、地方消費税1.76%に10/22と12/22をかけた当会計算です(1.76×10/22=0.8、1.76×12/22=0.96)。出典:地方税法72条の114〜72条の116、総務省「やさしい地方税 地方消費税」(2014年からの引上げ分はすべて社会保障に関する施策の経費に使うこと)。

国の消費税の使途

国の消費税の収入は、地方交付税法に定めるところによるほか、年金、医療、介護の社会保障給付と少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとされています(消費税法1条2項)。地方交付税法6条1項は、消費税の収入額の19.5%を地方交付税の財源と定めています(地方交付税法)。

財務省の「消費税の使途(令和8年度予算)」は、標準税率10%(国・地方)の税収を34.0兆円、そのうち国の消費税7.8%分を26.7兆円、地方消費税2.2%分を7.4兆円としています。国の分26.7兆円は、社会保障4経費に充てる21.5兆円と、地方交付税として地方に渡る5.2兆円に分かれます(財務省「消費税の使途(令和8年度予算)」(PDF))。財務省の図は、合計額が端数処理で一致しない箇所があるとしています。

輸入のときの国税分と地方分

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

外国から貨物を輸入するときは、外国貨物を保税地域から引き取る者が、消費税を納める義務を負います(消費税法5条2項)。輸入の消費税の課税標準は、関税の課税価格の計算に準じて算出した価格に、関税額と、消費税以外の個別の消費税(酒税・たばこ税など)の額を加えた金額です(消費税法28条4項)。税率は、国の消費税が標準税率7.8%、軽減税率6.24%で、地方消費税は消費税額の22/78(標準税率で2.2%、軽減税率で1.76%)です(税関 カスタムスアンサー1111)。

  • 申告と納付:貨物を引き取るときまでに、税関に申告して納めます。国の消費税と地方消費税(貨物割)は、併せて申告し、国に納付します(消費税法47条・50条、地方税法72条の101・72条の103第1項、国税庁 No.6601、東京都主税局)。
  • 納期限の延長:担保の提供を条件に、関税、内国消費税、地方消費税の納付を猶予する制度があります(税関 カスタムスアンサー1302)。
  • 都道府県への払込み:国は、貨物割が納付された月の翌々月の末日までに、保税地域がある都道府県に払い込みます(地方税法72条の103第3項)。以後の清算と市町村への交付は、国内取引の分と合算して行われます(同72条の114・72条の115)。
  • 仕入税額控除:課税事業者が一般課税で申告するときに控除するのは、引き取った課税貨物に課された国の消費税額です。申告書の付表2-3の「課税貨物に係る消費税額」の欄に書きます(国税庁「法人用 申告書(一般用)の書き方」)。地方消費税は、控除後の差引税額に22/78をかけて求めます。

関税や消費税の計算例、輸出免税、還付の手順は輸出入と消費税で説明しています。

よくある質問

消費税10%の内訳は?

国の消費税が7.8%、地方消費税が2.2%で、合計10%です。地方消費税は、国の消費税額の22/78にあたります。合計の税率に対しては、地方消費税が22%を占めます(当会計算)。〔国税庁 No.6303、消費税法29条、地方税法72条の83〕

軽減税率8%の内訳は?

国の消費税が6.24%、地方消費税が1.76%で、合計8%です。比率は10%のときと同じ22/78です。2019年9月までの8%(国6.3%+地方1.7%)とは内訳が違い、経過措置が適用される取引には旧税率が使われます。〔国税庁 No.6303〕

地方消費税の計算方法は?

国の消費税の差引税額(100円未満切捨て)に22/78をかけ、100円未満を切り捨てます。たとえば差引税額が312,000円なら地方消費税は88,000円、417,600円なら117,700円です(当会計算)。納付額は、差引税額と地方消費税の合計です。〔国税庁「法人用 申告書(一般用)の書き方」、地方税法72条の83・20条の4の2〕

地方消費税はなぜ「22/78」なのですか?

地方消費税の税率が、法律で「国の消費税額の78分の22」と定められているからです。国の7.8%に対して地方が2.2%、国の6.24%に対して地方が1.76%で、どちらも22/78になります(当会計算)。過去には、1997年が100分の25、2014年が63分の17でした。〔地方税法72条の83、総務省「地方消費税の清算制度」〕

100円未満の切捨ては、国税分と地方消費税で別々に行いますか?

別々に行います。国税分は差引税額の100円未満を切り捨て(国税通則法119条1項)、地方消費税はその差引税額に22/78をかけた金額の100円未満を切り捨てます(地方税法20条の4の2第3項)。課税標準額の千円未満の切捨ては国税だけで、地方消費税には適用されません(地方税法72条の82)。〔国税庁 No.6371、国税通則法118条・119条、地方税法〕

税込110円のうち、国と地方はいくらですか?

標準税率(10%)では、税抜100円、消費税額の合計が10円で、国の消費税が7.8円、地方消費税が2.2円です。軽減税率(8%)の税込108円では、国が6.24円、地方が1.76円です(いずれも当会計算)。〔国税庁 No.6303〕

地方消費税は、どこに納めますか?

当分の間、消費税と一緒に税務署に申告して納めます。輸入のときは税関です。国は、納付があった月の翌々月の末日までに、その額を都道府県に払い込みます。〔総務省「やさしい地方税 地方消費税」、東京都主税局「地方消費税」、地方税法附則9条の6〕

輸入のとき、地方消費税はどう納めますか?

貨物を保税地域から引き取るときまでに、税関で国の消費税と併せて国に納めます。地方消費税は、輸入の消費税額の22/78です。納期限を延長する制度もあります。〔税関 カスタムスアンサー1111、1302、国税庁 No.6601〕

出典・参考資料

いずれも2026年10月6日に内容を確認しました。

国税庁

総務省

財務省・税関

内閣官房

東京都主税局

  • 地方消費税(譲渡割・貨物割、申告・納付先、清算基準、区市町村への交付)

法令(e-Gov法令検索)

  • 消費税法(1条2項、5条、9条、28条4項、29条、45条、47条、50条、57条の4)
  • 地方税法(1条2項、4条2項、20条の4の2、72条の77・72条の78・72条の82・72条の83・72条の87・72条の88、72条の100・72条の101・72条の103、72条の114〜72条の116、附則9条の4〜9条の6)
  • 地方交付税法(6条)
  • 国税通則法(118条・119条)

条文は、e-Gov法令検索の現行条文(2026年10月6日取得)で確認しました。

改訂履歴

著者:新宿間税会(新宿間税会について)

  • 2026年10月6日:公開(同日時点の法令等と、国税庁・総務省・財務省・東京都主税局の資料に基づく)

本記事は一般的な情報提供を目的としています。申告書の記入や納付額の確認など、個別の判断については、所轄の税務署や、税理士などの専門家にご相談ください。

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