軽減税率とは?8%と10%の対象品目一覧と見分け方

軽減税率は、消費税の標準税率10%に対して、特定の品目にだけ適用される8%の税率です。対象は「酒類と外食を除く飲食料品」と「週2回以上発行される新聞の定期購読」の2つだけで、それ以外の課税される取引は10%です。

8%と10%の分かれ目【確定】

税率対象
8%
軽減税率
① 飲食料品(食品表示法の食品。酒類と医薬品・医薬部外品などを除く)の販売。テイクアウト、出前・宅配を含む
② 週2回以上発行される新聞の定期購読
10%
標準税率
①②以外の課税される取引。酒類(本みりんを含む)、外食(店内飲食・イートイン)、ケータリング・出張料理、医薬品・医薬部外品、日用品、サービスなど

品目ごとの判定は8%と10%の対象品目一覧にあります。8%は国6.24%+地方1.76%、10%は国7.8%+地方2.2%です。2027年4月からの飲食料品1%案(法案未成立)は下の状況欄をご覧ください。

監修について
本記事は井手政紀税理士(井手政紀税理士事務所/元 新宿税務署長(第84代)/新宿間税会 税理士部会員)の監修内容を反映しています。2026年9月26日、令和8年度税制改正等に合わせて全面改訂し、2026年9月28日に監修者の確認が完了しました。

【予定・法案未成立】2027年4月からの飲食料品1%案(2026年9月26日時点)

2026年9月15日に閣議決定された「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」では、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、飲食料品の税率を1%(国0.78%+地方0.22%)に引き下げるとしています。1%になる範囲は、いま8%の飲食料品と同じです。週2回以上発行される新聞の定期購読は8%のまま、外食・ケータリング・酒類などは10%のままとされています。

実施には法律の成立が必要で、2026年9月26日時点では成立していません。国税庁の資料も、法案が国会に提出され、可決・成立した場合の内容として公表されています。この記事の本文は、現行の8%・10%の制度を説明しています。経過措置や総額表示の特例、免税事業者・簡易課税の届出の特例など、事業者向けの内容は飲食料品の消費税1%はいつから(2027年4月からの引下げ案と事業者の実務)にまとめています。国の資料は国税庁 消費税率引下げ特設サイトと大綱本文(内閣官房、PDF)で確認できます。

料理酒、栄養ドリンク、イートイン、おまけ付きのお菓子のように迷いやすいものについては、国税庁の「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」に判定の例があります。この記事では、その問番号を付けて8%と10%の品目を一覧にし、見分け方を4つのポイントに整理しました。

目次
  1. 軽減税率とは(制度の要点)
  2. 8%と10%の対象品目一覧(国税庁Q&Aの問番号付き)
  3. 見分け方:4つの判定ポイント
  4. 迷いやすいケース別の判定
  5. 新聞が8%になる条件
  6. インボイス・決算書での扱い
  7. よくある質問
  8. まとめ
  9. 出典・参考資料

軽減税率とは(制度の要点)

軽減税率制度は、2019年10月1日に消費税率が10%に引き上げられたときに、同時に始まった制度です。財務省は、低所得者に配慮する観点から実施していると説明しています(財務省「『軽減税率制度』について教えてください。」)。

対象は「飲食料品」と「新聞」の2つだけ

  • 飲食料品:食品表示法に規定する食品の販売です。食品は人が飲んだり食べたりするものすべてを指し、酒税法上の酒類と、医薬品・医薬部外品・再生医療等製品は除かれ、食品添加物は含まれます(個別事例編 問1)。外食と、ケータリング・出張料理は「飲食料品の販売」に当たらないため10%です。
  • 新聞:一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する新聞で、週2回以上発行されるものを、定期購読契約に基づいて販売するものです(新聞が8%になる条件)。

税率は、何を・どのように売るかによって法律で決まります(消費税法29条・別表第1)。同じ弁当でも、持ち帰りなら8%、店内で食べるなら外食として10%です。

税率の内訳(国と地方)

消費税と地方消費税の税率
区分合計消費税(国)地方消費税適用
標準税率10%7.8%2.2%2019年10月1日から
軽減税率8%6.24%1.76%2019年10月1日から
参考:旧税率8%6.3%1.7%2014年4月1日〜2019年9月30日(経過措置が適用される取引は同年10月1日以後も)
【予定・法案未成立】飲食料品の1%案1%0.78%0.22%2027年4月1日〜2029年3月31日(法律の成立が前提)

地方消費税の税率は、消費税額の22/78です(地方税法72条の83)。6.24%×22/78=1.76%、7.8%×22/78=2.2%、0.78%×22/78=0.22%になります。同じ8%でも、軽減税率(6.24%+1.76%)と2019年9月までの旧税率(6.3%+1.7%)は内訳が違います(国税庁 タックスアンサー No.6303)。

8%・10%の税込価格や消費税額の計算式は、消費税の計算方法(10%・8%の計算式と早見表)にまとめています。

8%と10%の対象品目一覧(国税庁Q&Aの問番号付き)

表の「根拠」は、国税庁「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」(令和8年4月改訂)の問番号です。本文は個別事例編の全体版(PDF)で確認できます。

食品・飲料

食品・飲料の税率
品目・取引税率理由根拠
野菜・果物・肉・魚・米・パン・菓子・調味料など8%人が飲食する食品問1
食用の生きた魚8%人が食べるものとして販売する食品問3
肉用牛など生きた家畜10%販売の時点では人が食べるものではない問2
コーヒーの生豆8%人が飲むものとして販売する食品問5
食用のもみ/種もみ8%/10%食用かどうか問6
栽培用の苗木・種子/食用のかぼちゃの種10%/8%食用として販売するかどうか問7
ペットフード・家畜の飼料10%人が食べるものではない問4
ミネラルウォーターなどの飲料水、ウォーターサーバー用の水8%人が飲むもの問8・問10
水道水10%飲み水と生活用水が一体で供給される(ペットボトルに詰めて飲用として販売する場合は8%)問8
ウォーターサーバーのレンタル料10%資産の貸付けで、飲食料品の販売ではない問10
食用の氷/ドライアイス・保冷用の氷8%/10%食用かどうか問9
医薬品・医薬部外品(栄養ドリンクを含む)10%医薬品等は食品から除かれる問23
医薬品等に当たらない栄養ドリンク、特定保健用食品、栄養機能食品、いわゆる健康食品8%食品に当たる問23・問24
賞味期限切れの食品を廃棄のために譲渡10%人が食べるものとして譲渡していない問11
自動販売機のジュース・パン・菓子8%単なる販売問33
インターネットなどの通信販売の食品8%販売する商品が飲食料品問34

酒類と、酒類に似たもの

酒類と調味料・飲料の税率
品目・取引税率理由根拠
ビール・日本酒・ワインなどの酒類10%酒類は飲食料品から除かれる問12
食品の原材料にするワインなどの酒類10%原材料でも酒類問13
本みりん(酒税法上の「みりん」)10%酒類問14
料理酒などの発酵調味料(アルコール分1度以上だが、塩などを加えて飲めないようにしたもの)8%酒類に当たらない問14
みりん風調味料(アルコール分1度未満)8%酒類に当たらない問14
ノンアルコールビール・甘酒(アルコール分1度未満)8%酒類に当たらない問15
酒類を原料とした菓子(菓子が酒類に当たらないもの)8%食品問16
日本酒を造るための米8%米は酒類ではなく食品問17

外食・持ち帰り・出前

外食・持ち帰り・出前の税率
品目・取引税率理由根拠
飲食店での店内飲食(セルフサービスや立食形式の店を含む)10%飲食設備のある場所で飲食させる「食事の提供」問50・問64
フードコートでの飲食10%施設の設置者との合意などで客に使わせる設備も飲食設備問65
社員食堂、利用が選択制の学生食堂10%食事の提供問49・問81
カラオケボックスの客室での飲食、ホテルの宴会場・ルームサービス10%食事の提供問70・問72
持ち帰り(テイクアウト)の弁当・総菜8%持ち帰り用の容器に入れるなどして販売する飲食料品問58
店内で出した料理の残りを持ち帰る場合10%提供した時点で店内飲食問59
ハンバーガーとドリンクのセットで、ドリンクだけ店内で飲む場合10%(セット全体)一つの商品の一部を店内で飲食させる問60
飲食店のレジ前の菓子の販売8%単なる販売問62
飲食店で缶・ペットボトルのまま出す飲料10%店内で飲ませるものとして提供問63
そばの出前、宅配ピザ8%指定の場所まで届けるだけ問77
ケータリング・出張料理(指定の場所での調理・盛り付け・配膳など)10%役務を伴う飲食料品の提供問75
会議室への飲料の配達:届けるだけ/給仕をする8%/10%役務を伴うかどうか問78
映画館の売店での販売(その場で飲食させる設備がない場合)8%単なる販売問71
ホテル客室の冷蔵庫の飲料(酒類を除く)8%単なる販売問73
有料老人ホーム等・学校給食(金額基準の範囲内)8%法令で軽減税率の対象とされている問75・問80
健康保険の入院時食事療養費に係る病院食非課税消費税がかからない問82

容器・セット商品・ギフト・送料

容器・セット商品・ギフト・送料の税率
品目・取引税率理由根拠
販売に通常必要な容器・包装に入った食品(キャラクターを印刷した缶箱などを含む)8%容器を含めて飲食料品の販売問25・問26
割り箸・スプーン・ストローを付けた弁当・飲料8%飲食するときにだけ使うもの問28
別に代金を決めた贈答用の包装10%飲食料品の販売ではない問25
おもちゃ付きの菓子(食玩)、食品と雑貨を詰め合わせた福袋など(一体資産)要件を満たせば全体が8%、満たさなければ全体が10%税抜1万円以下で、食品の割合が3分の2以上か問84・問86・問91・問92
洋菓子より高価な専用容器に入れた洋菓子10%(全体)食品の割合が3分の2未満問85
カタログギフト(掲載品が食品だけの場合も)10%贈答の代行という役務の提供問35
飲食料品の送料(別に受け取るもの)10%飲食料品の対価ではない(送料込みの商品なら全体が8%)問39

新聞

新聞の税率
品目・取引税率理由根拠
週2回以上発行される新聞の定期購読(スポーツ新聞・業界紙・日本語以外の新聞を含む)8%法令で軽減税率の対象とされている問97・問99
コンビニエンスストアなどで1部ずつ売る新聞10%定期購読契約に基づかない問98
インターネットで配信する電子版の新聞10%電気通信利用役務の提供で、新聞の販売ではない問101

見分け方:4つの判定ポイント

一覧にない品目は、次の4つを順に確かめると判定できます。

  1. 人が飲んだり食べたりする「食品」として販売しているか(医薬品等ではないか)
  2. 酒税法上の「酒類」に当たらないか
  3. 店内飲食などの「外食」や、「ケータリング・出張料理」に当たらないか
  4. 食品以外のものと一緒になった「一体資産」なら、2つの要件を満たすか

1. 人が飲食する「食品」として販売しているか

軽減税率の対象の「飲食料品」は、食品表示法に規定する食品で、人が飲んだり食べたりするものです(問1)。同じ物でも販売するときの用途で判定が変わり、食用のもみは8%、種もみは10%です(問6)。医薬品・医薬部外品・再生医療等製品は食品から除かれるため、栄養ドリンクでも医薬部外品なら10%です(問23)。

2. 酒税法上の「酒類」に当たらないか(料理酒・みりんの扱い)

酒税法上の酒類(アルコール分1度以上の飲料など)は飲食料品から除かれているため、10%です(問12)。料理の原材料として使うワインなども、酒類なら10%です(問13)。

名前が似ていても扱いが分かれるのが、みりんと料理酒です(問14・問15)。料理酒・みりんの税率は上の「酒類と、酒類に似たもの」の表のとおりで、本みりんは酒類として10%、塩などを加えて飲めないようにした発酵調味料タイプの料理酒とみりん風調味料は酒類に当たらず8%です。

「料理酒」という商品名だけでは税率は決まりません。塩などを加えた発酵調味料なら8%で、酒類として販売されているものは、料理に使う目的でも10%です(問13・問14)。仕入れや値付けのときは、商品の表示や仕入先への確認で、酒類として販売されているものかどうかを確かめてください。酒類の分類と酒税の税率は、酒税の税率と2026年10月改正にまとめています。

3. 「外食」や「ケータリング・出張料理」に当たらないか

外食(食事の提供)は、飲食店業などを営む事業者が、テーブル・椅子・カウンターなどの飲食設備のある場所で飲食料品を飲食させるサービスです(問58)。飲食設備は規模や目的を問わず、スーパーマーケットの休憩スペースも含みます(問53)。自分で置いた設備でなくても、設置者との合意などに基づいて自分の客に使わせている場合は飲食設備に当たります(フードコートの例、問65)。

店内飲食か持ち帰りかは、提供する時点で、客に意思を確かめるなどの方法で判定します(問58)。店内で食べるものとして出した料理の残りを持ち帰っても、10%のままです(問59)。

ケータリング・出張料理は、客が指定した場所で、調理、盛り付け、器の配膳、取り分け用の食器を並べることなどを伴って飲食料品を提供するもので、10%です(問75)。単に届けるだけの出前・宅配は8%です(問77)。配達先で味噌汁を器に注ぐ程度の「取り分け」は、ケータリングに当たりません(問79)。

4. 「一体資産」なら2つの要件を満たすか

おもちゃ付きのお菓子や、紅茶とティーカップのセットのように、食品と食品以外のものがあらかじめ一つの商品になっていて、その商品の価格だけが示されているものを「一体資産」といいます。次の2つの要件をどちらも満たす場合に限り、全体が8%になります。満たさない場合は全体が10%です(問84・問85)。

  1. 販売価格(税抜き)が1万円以下であること。1万円以下かどうかは、セット1個あたりの価格で判定します。100個単位・税抜10万円で卸す場合も、1個あたり1,000円で判定します(問91)。
  2. 食品の部分の価額の割合が3分の2以上であること。割合は、売価の比率や原価の比率など、合理的な方法で計算します(問92)。
一体資産の判定例(国税庁 問92:紅茶とティーカップのセット)
項目内容
セットの販売価格(税抜き)1,000円(1万円以下)
仕入価格(税込み)紅茶450円、ティーカップ200円(合計650円)
食品の割合(原価の比率)450円÷650円≒69.2%(3分の2≒66.7%以上)
判定一体資産の要件を満たし、全体が8%

容器については、食品の販売に通常必要な容器・包装なら飲食料品に含まれ8%です。陶磁器やガラスの器のように、食べ終わった後も食器や飾りとして使える容器と組み合わせて一つの価格で販売するものは、一体資産として判定します(問25)。

迷いやすいケース別の判定

コンビニ・スーパーのイートイン

イートインスペースのあるコンビニやスーパーでは、店内で食べるか持ち帰るかを、販売する時点で客に確かめて判定します。トレイや返却が必要な食器に入れて出す場合は店内飲食の提供なので、10%です(問52)。

大半の商品が持ち帰りを前提としている店では、すべての客に質問しなくても、「イートインコーナーを利用する場合はお申し出ください」などの掲示で意思を確かめる方法が認められています(問52・問53)。

持ち帰りと店内飲食の価格の付け方

本体価格(税抜き)500円の商品の税込価格当会計算
区分税率税込価格計算
持ち帰り8%540円500円×1.08
店内飲食10%550円500円×1.10
【予定・法案未成立】1%案の期間の持ち帰り1%505円500円×1.01

価格をどう設定するかは事業者が決められます。国税庁のQ&A(問121。消費者庁・財務省などの「消費税の軽減税率制度の実施に伴う価格表示について」の抜粋)では、次の表示方法が示されています。

  • 持ち帰りと店内飲食の両方の税込価格を表示する。
  • どちらか一方の税込価格だけを表示する。もう一方を表示しなくても総額表示義務(消費税法63条)には違反しません。ただし、持ち帰りの価格であることをはっきり示さずにその価格だけを表示すると、店内飲食の価格を実際より安いと誤認させ、景品表示法の有利誤認に当たるおそれがあるとされています。店内飲食では税率が異なり別の税込価格になることがある旨を、店内の目立つ場所に掲示するなどして知らせることが望ましいとされています。
  • 持ち帰りの税抜価格を高く、または店内飲食の税抜価格を低く設定して、税込価格をそろえる。

1%案が実施された場合、持ち帰りと店内飲食の税率の差は、今の2ポイント(10%−8%)から9ポイント(10%−1%)に広がります。1%案が実施された場合の価格表示の特例は、食料品1%案の値札・価格表示(総額表示の特例案)の説明をご覧ください。

屋台・キッチンカー・フードイベント

屋台やフードイベントでも、テーブル・椅子・カウンターなどの飲食設備で飲食させる場合は10%です。設備を自分で置いていなくても、設備の設置者との合意などに基づいて自分の客に使わせる場合は飲食設備に当たります(問51・問67)。

移動販売車で、合意などに基づかず誰でも使える公園のベンチのそばで販売するだけなら、飲食料品の販売として8%です(問66)。

有料老人ホーム・学校給食の金額基準

ケータリングに当たる提供でも、次の施設で行う一定の食事の提供は、金額基準の範囲内であれば8%です(問75)。

  • 老人福祉法の届出がある有料老人ホームで、設置者・運営者が入居者(60歳以上の人、要介護・要支援の認定を受けた60歳未満の人、またはこれらの人の配偶者)に行う食事の提供
  • 登録を受けたサービス付き高齢者向け住宅で、設置者・運営者が入居者に行う食事の提供
  • 義務教育諸学校の給食、夜間課程を置く高等学校の夜間学校給食、特別支援学校の幼稚部・高等部の給食、幼稚園の給食、特別支援学校の寄宿舎での食事の提供
有料老人ホーム等の金額基準(同じ日の同じ人への提供。税抜き)
期間1食あたり1日の累計額
2019年10月1日〜2024年5月31日640円以下1,920円まで
2024年6月1日〜2025年3月31日670円以下2,010円まで
2025年4月1日〜2026年5月31日690円以下2,070円まで
2026年6月1日から730円以下2,190円まで

国税庁の例(問80)では、朝食500円・昼食600円・15時の間食500円・夕食640円(いずれも税抜き)を1日に提供します。どれも1食730円以下ですが、4食の累計は2,240円で、2,190円を超えます。

  • 累計の対象とする食事をあらかじめ書面で定めていない場合:朝食・昼食・間食(累計1,600円)は8%、累計が2,190円を超える夕食は10%です。
  • 書面で朝食・昼食・夕食を累計の対象と定めている場合:3食の累計は1,740円で基準内となり、3食が8%、累計の対象外の間食は10%です。

学生食堂のように利用が選択制のものは学校給食に当たらず、10%です(問81)。病院の食事のうち、健康保険の入院時食事療養費に係るものは非課税です(問82)。

お中元・お歳暮などのギフトと通信販売

食品のギフトは、店頭販売でも通信販売でも8%です(問34)。ただし、別に受け取る送料は10%です(送料込みの価格で販売し、別に送料を受け取らない場合は全体が8%、問39)。別料金にした贈答用の包装は10%(問25)、カタログギフトの販売は掲載品が食品だけでも10%です(問35)。食品と雑貨の詰め合わせは、一体資産として判定します(問86)。

業種ごとの計算例は、飲食業の消費税・インボイスと小売業の消費税・インボイスにまとめています。

新聞が8%になる条件

新聞で8%になるのは、次の3つをすべて満たす販売です(国税庁 タックスアンサー No.6102、問97〜問99)。

  1. 一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する新聞であること。スポーツ新聞、業界紙、日本語以外の新聞も、条件を満たせば対象です。
  2. 1週に2回以上発行されること。通常の発行予定日が週2回以上なら、祝日や新聞休刊日で週1回以下になる週があっても当たります。
  3. 定期購読契約に基づく販売であること。

コンビニエンスストアなどで1部ずつ売る新聞は、定期購読契約に基づかないため10%です(問98)。インターネットで配信する電子版は「電気通信利用役務の提供」に当たり10%で、紙と電子版のセットは代金を分けてそれぞれの税率を適用します(問101・問102)。ホテルに毎日決まった部数を納める新聞は8%、宿泊客の数に応じて追加で納める部数は10%です(問100)。

1%案でも、新聞の定期購読は8%のままとされています(法案が成立した場合の内容)。

インボイス・決算書での扱い

インボイスの記載事項(6項目)

8%と10%の商品を販売する事業者がインボイス(適格請求書)を交付するときは、次の6項目を書きます(国税庁 飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A 問2-1に掲載されている現行の記載事項)。

  1. インボイス発行事業者の氏名または名称と登録番号
  2. 取引年月日
  3. 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  4. 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜きまたは税込み)と適用税率
  5. 税率ごとに区分した消費税額等
  6. 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

小売業や飲食店業など不特定多数の人を相手にする事業では、記載事項を簡単にした簡易インボイス(適格簡易請求書)を交付できます。簡易インボイスでは6の受け手の氏名・名称が不要で、5の消費税額等と4の適用税率は、どちらか一方を書けば足ります(同 問2-1)。

2019年10月から2023年9月までは「区分記載請求書等保存方式」で、2023年10月からインボイス制度(適格請求書等保存方式)に移りました。制度の全体はインボイス制度の概要、書き方の詳細は適格請求書の書き方をご覧ください。

8%と10%の商品がある請求書の記載例

請求書の記載例(税抜価格で合計する場合)当会作成
欄記載内容記載事項
宛先株式会社○○ 御中6
発行者○○商店(登録番号:T+13桁の数字)1
取引年月日20XX年X月X日2
取引内容食料品* 40,000円、日用品 10,000円(*は軽減税率の対象品目)3
8%対象40,000円 消費税 3,200円4・5
10%対象10,000円 消費税 1,000円4・5
合計50,000円 消費税 4,200円―
請求金額54,200円―

1%案が実施された場合も記載事項は変わらず、適用税率を「1%」、消費税額等を1%で計算した額にします。「軽減税率の対象品目である旨」を書いていれば、「1%の対象品目である旨」を新たに書く必要はないとされています(同 問2-1。法案が成立した場合の内容)。

青色申告決算書の「うち軽減税率対象」欄

個人事業者の青色申告決算書(一般用)2ページの「月別売上(収入)金額及び仕入金額」には、「うち軽減税率対象」の欄があります。「計」欄のうち、軽減税率の対象となる金額を書きます。記入は省略してもかまいません(国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」)。個人事業主が納める税金の全体は、個人事業主の税務にまとめています。

2026年10月1日からの改正との関係

【確定】令和8年度税制改正(2026年9月26日時点) 軽減税率の対象品目の判定とは別に、インボイスに関係する次の改正が2026年10月1日から施行されます(国税庁 インボイス制度 令和8年度税制改正特集)。

よくある質問

軽減税率(8%)の対象は何ですか。

酒類と外食を除く飲食料品と、週2回以上発行される新聞の定期購読の2つです。新聞は、一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載するものに限られます。これ以外の課税される商品やサービスは、標準税率の10%です。〔国税庁 タックスアンサー No.6102〕

料理酒やみりんは8%ですか、10%ですか。

酒税法上の酒類に当たる本みりんは10%です。塩などを加えて飲めないようにした料理酒などの発酵調味料と、アルコール分1度未満のみりん風調味料は、酒類に当たらないため8%です。「料理酒」という名前だけでは決まらず、酒類に当たるかどうかで判定します。〔国税庁 軽減税率Q&A(個別事例編)問14〕

栄養ドリンクやサプリメントは8%ですか。

医薬品・医薬部外品・再生医療等製品に当たるものは食品ではないため10%です。医薬品等に当たらない栄養ドリンクや、特定保健用食品・栄養機能食品・いわゆる健康食品は、食品に当たるため8%です。〔国税庁 軽減税率Q&A(個別事例編)問23・問24〕

水道水やウォーターサーバーは何%ですか。

水道水は、飲み水とお風呂や洗濯などの生活用水が一体で供給されるため10%です(ペットボトルに詰めて飲用として販売する場合は8%)。ミネラルウォーターとウォーターサーバー用の水は8%、ウォーターサーバーのレンタル料は10%です。〔国税庁 軽減税率Q&A(個別事例編)問8・問10〕

お中元・お歳暮の送料やカタログギフトは何%ですか。

飲食料品を送る場合でも、別に受け取る送料は10%です。送料込みの価格で販売し、別に送料を受け取らない場合は、商品が飲食料品なら全体が8%です。カタログギフトの販売は、掲載している商品が食品だけでも「役務の提供」に当たるため10%です。〔国税庁 軽減税率Q&A(個別事例編)問35・問39〕

コンビニのイートインで食べると10%になりますか。

店内のイートインスペースで食べるものとして購入した場合は外食に当たり10%、持ち帰る場合は8%です。大半の商品が持ち帰りを前提としている店では、「イートインコーナーを利用する場合はお申し出ください」といった掲示で意思を確かめる方法も認められています。〔国税庁 軽減税率Q&A(個別事例編)問52〕

有料老人ホームや学校給食の食事は8%ですか。

届出のある有料老人ホームで一定の入居者に行う食事の提供や、サービス付き高齢者向け住宅、義務教育諸学校の給食などは、金額基準の範囲内であれば8%です。2026年6月1日以後の基準(税抜き)は、1食730円以下で、同じ日の同じ人への累計2,190円までです。〔国税庁 軽減税率Q&A(個別事例編)問75・問80〕

2027年4月から食料品の消費税は1%になりますか。いつまでですか。

2026年9月15日に閣議決定された大綱では、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、飲食料品の税率を1%(国0.78%+地方0.22%)に引き下げるとしています。実施には法律の成立が必要で、2026年9月26日時点では成立していません。〔内閣官房 大綱、国税庁 リーフレット〕

1%になった場合、外食や新聞の税率も下がりますか。

大綱と国税庁の資料では、1%になるのは現在8%の飲食料品と同じ範囲で、テイクアウトや出前・宅配も含みます。外食・ケータリング・酒類は10%のまま、週2回以上発行される新聞の定期購読は8%のままとされています。いずれも法案が成立した場合の内容です。〔国税庁 飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A 問1-1・問1-2〕

青色申告決算書の「うち軽減税率対象」欄には何を書きますか。

決算書2ページの「月別売上(収入)金額及び仕入金額」の「計」欄のうち、軽減税率の対象となる金額を書きます。記入は省略してもかまいません。〔国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」〕

消費税のほかの質問は、消費税Q&Aにまとめています。

まとめ

  • 軽減税率は8%(国6.24%+地方1.76%)で、対象は酒類と外食を除く飲食料品と、週2回以上発行される新聞の定期購読だけです。
  • 料理酒は、塩などを加えた発酵調味料なら8%、本みりんなど酒税法上の酒類は10%です。名前ではなく、酒類に当たるかどうかで判定します。
  • 同じ食品でも、店内で食べれば外食として10%、持ち帰りや出前なら8%です。判定は提供する時点で行います。
  • おもちゃ付きの菓子などの一体資産は、税抜1万円以下で食品の割合が3分の2以上の場合だけ、全体が8%です。
  • 2027年4月から2年間、飲食料品を1%にする案は閣議決定の段階で、2026年9月26日時点では法律は成立していません。

出典・参考資料

この記事は2026年9月26日時点の法令等に基づいています。出典はいずれも同日までに内容を確認しました。

国税庁 軽減税率制度

飲食料品1%案(閣議決定・法案未成立)

財務省・消費者庁・法令

改訂履歴と監修について

著者:新宿間税会(新宿間税会について)

  • 2025年7月3日:公開
  • 2026年9月25日:誤記を訂正(料理酒の税率、新聞の要件、インボイスの記載事項ほか)、飲食料品1%案の状況を追記
  • 2026年9月26日:全面改訂(8%と10%の対象品目を国税庁Q&Aの問番号付きの表に整理。見分け方の4つのポイント、有料老人ホーム等の金額基準、価格表示の方法、新聞の条件、インボイスの記載事項と記載例、青色申告決算書の欄を追加。1%案は状況の要約にとどめ、図と根拠を確認できない記述を削除)

監修の状況は、冒頭の「監修について」のとおりです。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については、税理士などの専門家や、所轄の税務署にご相談ください。

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