消費税の中間申告と中間納付:誰が年何回、いくら、いつまでに納めるか

消費税の中間申告は、直前の課税期間(個人事業者は前年、法人は前事業年度)の確定消費税額(国税分)が48万円を超える事業者が、課税期間の途中で行う申告と納付です。回数は金額で決まり、48万円超400万円以下は年1回、400万円超4,800万円以下は年3回、4,800万円超は年11回です。1回に納める額は、原則として前年の確定消費税額の6/12・3/12・1/12に、その22/78の地方消費税を加えた額で、申告と納付の期限は各対象期間の末日の翌日から2か月以内です。48万円以下なら原則として不要で、届出をすれば年1回の任意の中間申告ができます。

消費税の中間申告の区分と1回に納める額

確定消費税額(国税分)回数1回の国税分対象期間期限
48万円以下原則不要
(任意の制度あり)
―――
48万円超400万円以下年1回6/12課税期間の最初の6か月対象期間の末日の翌日から2か月以内
400万円超4,800万円以下年3回3/123か月ごと(最初の3回分)各対象期間の末日の翌日から2か月以内
4,800万円超年11回1/121か月ごと(最初の11回分)各対象期間の末日の翌日から2か月以内(個人事業者の1〜3月分と法人の最初の1か月分は例外)

確定消費税額は、前年(法人は前事業年度)の確定申告書に記載した消費税額で、地方消費税を含みません。表は、課税期間が1年で、直前の課税期間も12か月の場合です。1回に納める額は、国税分に、その22/78の地方消費税を加えます(どちらも100円未満は切り捨て)。直前の課税期間が12か月に満たないときは、月数で換算します。区分と回数は中間申告が必要な事業者と回数、金額は中間納付額の計算、日付は中間申告の期限にあります。

【確定】期限と手続の要点

  • 期限:申告書の提出期限と納付の期限は同じ日で、各中間申告の対象期間の末日の翌日から2か月以内です(消費税法42条・48条、国税庁 タックスアンサー No.6609)。個人事業者の令和9年分(2027年分)の日付は個人事業者の令和9年分の期限にあります。
  • 出さなかったとき:中間申告書を期限までに出さないと、前年の実績で計算した中間申告書が出されたものとみなされ、その税額を納める必要があります。納付が遅れると、法定納期限の翌日から延滞税がかかります(出さなかったとき・納めなかったとき)。
  • 仮決算:前年の実績に代えて、対象期間の仮決算で計算した税額で申告することもできます。仮決算による中間申告書は、期限を過ぎてから出すことはできません(仮決算による方法)。
目次
  1. 中間申告が必要な事業者と回数
  2. 中間納付額の計算:前年実績による方法
  3. 仮決算による方法
  4. 中間申告の期限
  5. 任意の中間申告制度
  6. 出さなかったとき・納めなかったとき
  7. 確定申告での精算
  8. 飲食料品の税率1%案と中間申告の特例案(予定)
  9. よくある質問
  10. 出典・参考資料
  11. 改訂履歴

中間申告が必要な事業者と回数

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

判定は直前の課税期間の確定消費税額(国税分)で行う

中間申告書を出す必要があるのは、直前の課税期間(個人事業者は前年、法人は前事業年度)の消費税の年税額が48万円を超える事業者です。この年税額に地方消費税は含みません(国税庁 タックスアンサー No.6609)。

この年税額を、国税庁の案内では「確定消費税額」と呼びます。確定申告書に記載する消費税額(消費税法45条1項4号の金額)で、中間納付額を差し引く前の金額です。原則として、各中間申告の対象期間の末日までに確定した金額を使います(消費税法42条1項1号・45条1項4号・6号、No.6609)。

金額による回数の区分

確定消費税額(国税分)と中間申告の回数
回数直前の課税期間が12か月の場合の確定消費税額条文の基準(月数で割った金額)
年1回48万円超400万円以下確定消費税額÷月数×6が24万円を超える(42条6項)
年3回400万円超4,800万円以下確定消費税額÷月数×3が100万円を超える(42条4項)
年11回4,800万円超確定消費税額÷月数が400万円を超える(42条1項)

出典:消費税法42条1項・4項・6項、No.6609。月数は暦に従って数え、1か月に満たない端数は1か月とします(42条12項)。

金額がちょうど400万円なら年1回、ちょうど4,800万円なら年3回です。48万円ちょうどは不要です。申告する回数は重ならず、該当する区分のうち回数の多い申告だけをします(42条4項・6項のただし書)。

「年3回」は、課税期間を3か月ごとに区切った最初の3つの期間について申告する、という意味です。「年11回」は、1か月ごとに区切った最初の11の期間について申告します。どちらも、最後の期間は中間申告ではなく、確定申告の対象です(42条1項・4項)。

中間申告が不要な場合

  • 確定消費税額が48万円以下:原則として不要です。自主的に年1回の中間申告をする制度があります(任意の中間申告制度)。
  • 免税事業者:消費税を納める義務が免除される事業者は、中間申告の対象から除かれています(消費税法42条1項かっこ書)。
  • 課税期間の特例(3か月ごと・1か月ごと)を選んでいる事業者:中間申告書を出す必要はありません(No.6609、42条1項かっこ書)。この特例の期限は消費税の納付期限の「課税期間の特例を選んでいる場合」で説明しています。
  • 開業した年、設立した最初の事業年度:個人事業者は事業を開始した日の属する課税期間、新しく設立された法人は設立の日の属する課税期間が対象外です(合併によって設立された法人を除きます。42条1項かっこ書)。
  • 確定消費税額がない事業者:前年が免税事業者だった場合や、前年が還付申告だった場合は、判定に使う確定消費税額がないので、中間申告書を出す必要はありません(国税庁 質疑応答事例「任意の中間申告書を提出する旨の届出書の効力」の注、消費税法42条6項)。
  • 事業年度が短い法人:事業年度が6か月以下の法人は、年1回の中間申告がありません。3か月以下の法人は、中間申告自体がありません(42条1項・4項・6項のかっこ書)。
  • 期限の延長で確定申告の期限と同じ日になる場合:災害などによる期限の延長(国税通則法11条)の結果、中間申告書の提出期限が確定申告書の提出期限と同じ日になるときは、その中間申告書は出さなくてかまいません(No.6609の注)。

税務署が「消費税の中間申告書兼納付書」を送っているのは、一部の事業者とされています(国税庁Q&A 問3-8)。用紙が届いていなくても、前年の確定消費税額で自分の区分を確かめてください。e-Taxソフト(ダウンロード版)を使っている場合は、メッセージボックスに入る「中間申告のお知らせ」から中間申告書を作れます(e-Tax よくある質問)。e-Taxでの出し方はe-Taxで消費税申告するやり方の「中間申告」に書いています。

中間納付額の計算:前年実績による方法

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

計算式と端数の処理

中間申告書を出す義務がある事業者は、原則として、直前の課税期間の実績(確定消費税額)をもとに計算した額を納めます。直前の課税期間が12か月なら、年1回は6/12、年3回は3/12、年11回は1/12です(消費税法42条、No.6609)。

前年実績による中間納付額の計算
項目計算端数
国税分(消費税)直前の課税期間の確定消費税額 ÷ 直前の課税期間の月数 × 6(年1回)、× 3(年3回)、× 1(年11回)100円未満切捨て
地方消費税国税分 × 22/78100円未満切捨て
納める額国税分 + 地方消費税―

100円未満の切捨ては、国税は国税通則法119条1項、地方消費税は地方税法20条の4の2第3項によります。中間申告書の様式は、国税庁「消費税及び地方消費税の申告書・添付書類等」に掲載されています。国税分を切り捨てた額に22/78を掛けて、さらに切り捨てる順序は、確定申告書の書き方(差引税額に22/78を掛ける)と同じです(当会の整理)。

地方消費税の中間納付

地方消費税の税率は、国税分の消費税額の78分の22です(地方税法72条の83)。中間申告でも同じで、国税分の中間納付税額に22/78を掛けた額を、国税分と併せて申告し、納付します(地方税法72条の87、No.6609の注)。22/78の意味は国税7.8%と地方消費税2.2%で説明しています。

1回に納める額の早見表

前年の確定消費税額と1回に納める額(単位:円、当会計算)
前年の確定消費税額(国税分)回数1回の国税分1回の地方消費税1回の合計年間の中間納付の合計
500,000年1回250,00070,500320,500320,500
1,000,000年1回500,000141,000641,000641,000
2,000,000年1回1,000,000282,0001,282,0001,282,000
4,000,000年1回2,000,000564,1002,564,1002,564,100
6,000,000年3回1,500,000423,0001,923,0005,769,000
12,000,000年3回3,000,000846,1003,846,10011,538,300
48,000,000年3回12,000,0003,384,60015,384,60046,153,800
60,000,000年11回5,000,0001,410,2006,410,20070,512,200
120,000,000年11回10,000,0002,820,50012,820,500141,025,500

直前の課税期間が12か月の場合です。地方消費税は、国税分×22/78の100円未満切捨てです。年間の中間納付の合計は、1回の合計に回数を掛けた額です。国税分だけで見ると、年1回は前年の確定消費税額の1/2、年3回は3/4、年11回は11/12にあたります(当会計算)。

端数が出る場合の計算例

端数が出る例(単位:円、当会計算)
前年の確定消費税額回数国税分の計算地方消費税1回の合計
1,234,500年1回1,234,500×6/12=617,250 → 617,200174,000791,200
7,654,300年3回7,654,300×3/12=1,913,575 → 1,913,500539,7002,453,200
61,234,500年11回61,234,500×1/12=5,102,875 → 5,102,8001,439,2006,542,000

地方消費税は、切り捨てた国税分に22/78を掛けて100円未満を切り捨てた額です(例:617,200×22/78=174,082 → 174,000)。

直前の課税期間が12か月に満たない場合

設立1期目などで直前の課税期間が12か月に満たないときは、確定消費税額を直前の課税期間の月数で割って、1か月あたりの額にしてから計算します。回数の判定も、この1か月あたりの額をもとにします(消費税法42条1項1号・4項1号・6項1号、No.6609の注)。

例:法人の設立1期目(2026年4月1日〜9月30日の6か月)の確定消費税額(国税分)が90万円だった場合の、2期目(2026年10月1日〜2027年9月30日)の中間申告(当会計算)

1か月あたり:900,000円 ÷ 6か月 = 150,000円

年1回の判定:150,000円 × 6 = 900,000円 > 24万円 → 年1回が必要です

年3回の判定:150,000円 × 3 = 450,000円 ≦ 100万円 → 年3回は不要です(年11回も、150,000円 ≦ 400万円で不要です)

国税分:150,000円 × 6 = 900,000円、地方消費税:900,000円 × 22/78 = 253,846円 → 253,800円

納める額の合計:1,153,800円(対象期間は2026年10月1日〜2027年3月31日で、期限は2027年5月31日(月))

仮決算による方法

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

仕組み

前年実績で計算した額に代えて、中間申告の対象期間を1つの課税期間とみなして決算(仮決算)をし、計算した消費税額と地方消費税額で申告・納付することができます(消費税法43条、No.6609)。前年より売上が大きく減っている場合などは、仮決算にすると中間納付額が減ることがあります(国税庁リーフレット「中間申告分の納付は期限内に」)。

計算例:年3回の事業者の1〜3月分(仮決算と前年実績の比較)

前年の確定消費税額(国税分)が600万円で、年3回の中間申告が必要な個人事業者の例です。1〜3月分の売上が前年より少なく、仮決算では次の数字になったとします(設例。当会計算)。

1〜3月分の中間納付額の比較(単位:円、当会計算)
項目前年実績による方法仮決算による方法
国税分の計算6,000,000×3/12=1,500,000売上に係る消費税額2,400,000−控除対象仕入税額1,500,000=900,000
国税分1,500,000900,000
地方消費税(×22/78)423,000253,800
納める額の合計1,923,0001,153,800

仮決算で中間納付額が769,200円少なくなっても、その課税期間の年税額が減るわけではなく、納める時期が確定申告のときにずれます。確定申告では、その課税期間の年税額から、実際に申告した中間納付額を差し引きます(確定申告での精算)。仮決算の控除対象仕入税額は、その期間の課税仕入れ等の税額をもとに、確定申告と同じ考え方で計算します。仕入税額の控除の仕組みは仕入税額控除で説明しています。

仮決算で注意すること

  • 仮決算による中間申告書は、期限を過ぎて出すことはできません。期限までに出さないと、前年の実績で計算した中間申告書が出されたものとみなされます(No.6609、消費税法44条)。
  • 簡易課税制度を選んでいる事業者も、仮決算による中間申告ができます。この場合も簡易課税の計算になります(No.6609)。簡易課税の仕組みは簡易課税制度で説明しています。
  • 確定申告が還付申告になりそうな場合は、仮決算にしても還付は受けられません。課税期間の特例を使うと、短い期間ごとに確定申告をして、還付を早く受けられます(国税庁Q&A 問3-8の注)。
  • 課税事業者の個人事業者が事業を廃止したときは、廃止の日の属する課税期間の消費税の申告(中間申告を含みます)が必要です。中間申告書の提出期限より前であれば、前年実績によらず、仮決算で計算した税額で申告・納付できます。所得税の予定納税の減額申請のような手続はありません(No.6609)。

中間申告の期限

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

中間申告書の提出期限は、各中間申告の対象期間の末日の翌日から2か月以内です(消費税法42条、No.6609)。納付の期限も、申告書の提出期限と同じ日です(消費税法48条)。期限の日が土曜日、日曜日、祝日、12月29日〜31日、1月2日・3日にあたるときは、その翌日が期限になります(国税通則法10条2項、同法施行令2条2項、国税通則法基本通達 第10条関係4)。翌日も休日のときは、その次の日です。国税庁が公表している令和7年分の年11回の10回目は、12月31日が年末、1月1日〜3日が休日、1月4日が日曜日のため、2026年1月5日(月)です(国税庁「中間申告分の納期限及び振替日について」)。

個人事業者と法人の期限の数え方

中間申告の対象期間と期限(休日による繰り下げの前)
回数対象期間個人事業者(暦年)法人
年1回課税期間の最初の6か月1〜6月分:8月31日対象期間の末日の翌日から2か月以内
年3回3か月ごと(最初の3回分)1〜3月分:5月31日
4〜6月分:8月31日
7〜9月分:11月30日
各対象期間の末日の翌日から2か月以内
年11回1か月ごと(最初の11回分)1〜3月分:5月末日(まとめて)
4月〜11月分:各月の末日の翌日から2か月以内
最初の1か月分:課税期間開始の日から2か月を経過した日から2か月以内
以後の10か月分:各対象期間の末日の翌日から2か月以内

出典:No.6609の図1と注5、消費税法42条1項・4項・6項。個人事業者の年1回と年3回の日付は、「末日の翌日から2か月以内」を暦年に当てはめたものです(当会計算)。消費税の確定申告の期限の延長特例を受けている法人は、年11回の最初の2か月分が「課税期間開始の日から3か月を経過した日から2か月以内」になり、以後の9か月分は各対象期間の末日の翌日から2か月以内です(No.6609の注5)。

個人事業者と法人で違うのは、年11回の最初の部分だけです。年1回と年3回は、個人事業者も法人も、対象期間の末日の翌日から2か月以内です。

個人事業者の令和9年分(2027年分)の期限

令和8年分の確定消費税額が48万円を超える個人事業者が、令和9年分(2027年1月1日〜12月31日)の中間申告をする期限です。休日による繰り下げを反映しています。

個人事業者の令和9年分の中間申告の期限(当会計算)
回数何回目対象期間申告・納付の期限
年1回1回目1月1日〜6月30日2027年8月31日(火)
年3回1回目1月1日〜3月31日2027年5月31日(月)
2回目4月1日〜6月30日2027年8月31日(火)
3回目7月1日〜9月30日2027年11月30日(火)
年11回1〜3回目1月分〜3月分2027年5月31日(月)
4回目4月分2027年6月30日(水)
5回目5月分2027年8月2日(月)(7月31日が土曜日のため)
6回目6月分2027年8月31日(火)
7回目7月分2027年9月30日(木)
8回目8月分2027年11月1日(月)(10月31日が日曜日のため)
9回目9月分2027年11月30日(火)
10回目10月分2028年1月4日(火)(12月31日が年末のため)
11回目11月分2028年1月31日(月)

国税庁が公表している令和7年分と令和8年分の納期限(国税庁「中間申告分の納期限及び振替日について」)と同じ方法で計算し、2年分とも一致することを確かめました。祝日は内閣府の「国民の祝日について」(2027年分まで掲載)で確認し、この表の期限日に祝日はありません。令和9年分の振替日は、国税庁が公表したら確認してください。令和8年分の日付と振替日は消費税の納付期限(個人事業者の令和8年分の中間申告の期限と振替日)にあります。

法人の決算月別の期限(年1回・年3回)

事業年度が1年の法人の、年1回と年3回の期限です。日付は休日による繰り下げの前で、期限の日が休日にあたる年は翌日以後になります。

決算月別の中間申告の対象期間と期限(当会計算)
決算月年1回年3回(1回目/2回目/3回目)
1月2〜7月分:9月30日2〜4月分:6月30日/5〜7月分:9月30日/8〜10月分:12月31日
2月3〜8月分:10月31日3〜5月分:7月31日/6〜8月分:10月31日/9〜11月分:1月31日
3月4〜9月分:11月30日4〜6月分:8月31日/7〜9月分:11月30日/10〜12月分:2月末日
4月5〜10月分:12月31日5〜7月分:9月30日/8〜10月分:12月31日/11〜1月分:3月31日
5月6〜11月分:1月31日6〜8月分:10月31日/9〜11月分:1月31日/12〜2月分:4月30日
6月7〜12月分:2月末日7〜9月分:11月30日/10〜12月分:2月末日/1〜3月分:5月31日
7月8〜1月分:3月31日8〜10月分:12月31日/11〜1月分:3月31日/2〜4月分:6月30日
8月9〜2月分:4月30日9〜11月分:1月31日/12〜2月分:4月30日/3〜5月分:7月31日
9月10〜3月分:5月31日10〜12月分:2月末日/1〜3月分:5月31日/4〜6月分:8月31日
10月11〜4月分:6月30日11〜1月分:3月31日/2〜4月分:6月30日/5〜7月分:9月30日
11月12〜5月分:7月31日12〜2月分:4月30日/3〜5月分:7月31日/6〜8月分:10月31日
12月1〜6月分:8月31日1〜3月分:5月31日/4〜6月分:8月31日/7〜9月分:11月30日

事業年度の翌月から数えた対象期間の末日の翌日から2か月以内として、当会が計算しました(消費税法42条4項・6項、No.6609)。

たとえば、3月決算で事業年度が2026年4月1日〜2027年3月31日の法人は、年1回なら4〜9月分を2026年11月30日(月)までに申告・納付します。年3回なら、2026年8月31日(月)、2026年11月30日(月)、2027年3月1日(月。2月28日が日曜日のため)です(当会計算)。12月決算の法人の年1回と年3回は、個人事業者と同じ月日です。

納付の方法

納付の方法は、確定申告分と同じです。個人事業者は、期限内に申告した中間申告分に振替納税を使えます(法人は使えません)。振替日に引き落とされれば、期限内に納付したものとして扱われます(国税通則法34条の2第2項)。残高不足で引き落とせなかった場合は、法定納期限の翌日から延滞税がかかります(国税庁 タックスアンサー No.9201)。納付方法の一覧は消費税の納付期限(振替納税・ダイレクト納付)にあります。

任意の中間申告制度

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

直前の課税期間の確定消費税額が48万円以下で、中間申告の義務がない事業者でも、届出をすれば、自主的に年1回(6か月分)の中間申告と納付ができます(国税庁 タックスアンサー No.6611)。法律の基準では、確定消費税額を月数で割って6を掛けた額が24万円以下の事業者が対象です(消費税法42条6項・8項)。

届出の手続

任意の中間申告書を提出する旨の届出書
項目内容
届出書「任意の中間申告書を提出する旨の届出書」(消費税法42条8項)
提出する期限任意の中間申告をしようとする6月中間申告対象期間の末日まで
提出先納税地を所轄する税務署長
提出の方法e-Taxで作成して送信するか、書面に書いて持参または送付します
効力が生じる時期届出書を出した日以後に末日が最初に来る6月中間申告対象期間から
中間申告書の期限6月中間申告対象期間の末日の翌日から2か月以内
納める額直前の課税期間の確定消費税額の12分の6と、その22/78の地方消費税(仮決算による申告もできます)

出典:国税庁 手続案内 D1-25、No.6611。「6月中間申告対象期間」は、課税期間の開始の日以後6か月の期間です。税務署の総合窓口の受付時間は、2026年10月1日から原則として午前9時から午後3時です(D1-25)。

国税庁は、任意の中間申告用の申告書の様式も公開しています(国税庁「消費税及び地方消費税の申告書・添付書類等」の中間申告書)。

例:個人事業者が令和9年分から任意の中間申告をする場合

令和8年分の確定消費税額(国税分)が40万円の個人事業者(当会計算)

判定:400,000円 ÷ 12か月 × 6 = 200,000円 ≦ 24万円 → 中間申告の義務はありません

届出:2027年1月1日〜6月30日の分から任意の中間申告をするなら、2027年6月30日(水)までに届出書を税務署に出します。

国税分:400,000円 × 6/12 = 200,000円、地方消費税:200,000円 × 22/78 = 56,410円 → 56,400円

納める額の合計:256,400円(申告・納付の期限は2027年8月31日(火))

やめるとき・出さなかったとき

  • やめるとき:「任意の中間申告書を提出することの取りやめ届出書」を、やめようとする6月中間申告対象期間の末日までに出します。事業を廃止したときも、届出書を出します(消費税法42条9項、国税庁 手続案内 D1-26)。
  • 中間申告書を期限までに出さなかったとき:任意の制度では、前年実績による中間申告書が出されたものとはみなされず、中間納付はできません。さらに、その6月中間申告対象期間の末日に、取りやめの届出書が出されたものとみなされます(消費税法42条11項、No.6611)。続けたいときは、届出書を出し直すことになります(当会の整理)。
  • 確定消費税額がないとき:前年が免税事業者だった課税事業者や、前年が還付申告だった課税事業者が、届出の効力を続けるには、消費税額を0円とする中間申告書か、仮決算による中間申告書を自主的に出す必要があります(国税庁 質疑応答事例)。課税売上高が減って免税事業者になったときは、中間申告書を出す必要がなく、届出の効力もそのまま続きます(同事例)。

出さなかったとき・納めなかったとき

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

中間申告書を出さなかったとき

中間申告書を出す義務がある事業者が、提出期限までに出さなかった場合は、直前の課税期間の確定消費税額で計算した中間申告書が、提出期限に出されたものとみなされます。その税額は直ちに確定します(消費税法44条、国税庁 タックスアンサー No.6609の注)。申告書を出していなくても、納める義務はなくなりません。また、仮決算による中間申告書を期限後に出すことはできません。

納付が遅れたとき

消費税と地方消費税の納付が遅れた場合は、確定申告分でも中間申告分でも、法定納期限の翌日から納付の日までの日数に応じて、延滞税がかかります(No.6609の注意事項、国税庁 タックスアンサー No.9205)。延滞税の割合は、2026年中は、納期限の翌日から2か月を経過する日までが年2.8%、その後が年9.1%です(国税庁「延滞税の割合」)。2027年以後の割合は、毎年、前年の11月30日までに財務大臣が告示する割合をもとに決まります(No.9205)。

例:消費税(国税分)の本税100万円の納付が、30日遅れた場合の延滞税(2026年中、当会計算)

1,000,000円 × 2.8% × 30日 ÷ 365日 = 2,301円 → 2,300円(100円未満切捨て)

延滞税の額は、国税通則法119条4項により100円未満を切り捨て、全額が1,000円未満のときは納める必要がありません。延滞税の計算の詳しい例と、納付が難しいときの猶予制度は、消費税の納付期限(延滞税)と換価の猶予・納税の猶予で説明しています。

納期限を過ぎても納付されない場合は、督促状が送られます。それでも納付されないときは、財産の差押えなどの滞納処分を受けることがあります。納期限までに納付できない事情があるときは、早めに所轄の税務署の徴収担当に相談してください(国税庁リーフレット「中間申告分の納付は期限内に」。PDF)。

確定申告での精算

【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。

中間申告で申告した税額は、その課税期間の確定申告で差し引いて精算します。確定申告の税額から中間納付額を引いて、足りなければ納め、引ききれなければ還付されます(消費税法45条1項6号・7号、53条、No.6609)。

第一表(一般用)では、⑨欄の差引税額から⑩欄の中間納付税額を引いた額が⑪欄の納付税額になり、⑩が⑨より大きいときの差額は⑫欄の中間納付還付税額になります。地方消費税も同じで、⑳欄の譲渡割額から㉑欄の中間納付譲渡割額を引いた額が㉒欄の納付譲渡割額、㉑が⑳より大きいときの差額が㉓欄の中間納付還付譲渡割額です。最後に㉖欄で(⑪+㉒)−(⑧+⑫+⑲+㉓)を計算し、還付になるときは数字の前にマイナス「−」を付けます(国税庁「法人用 消費税及び地方消費税の申告書(一般用)の書き方」(PDF))。

⑩欄と㉑欄に書くのは、納付した額ではなく、中間申告で申告した額です(No.6609の注、同「書き方」)。年3回・年11回の場合は、各回の中間申告書の「納付すべき消費税額」欄(地方消費税は「納付すべき地方消費税額」欄)の金額の合計額を書きます(同「書き方」)。第一表の様式は課税期間によって2種類ありますが、①〜㉖の欄番号は同じです(消費税申告書の書き方(新しい第一表・第二表))。欄の使い方は消費税申告書の書き方(中間申告と第一表の⑩欄)にあります。

計算例:中間納付がある場合の確定申告(納付になる例と還付になる例)

令和8年分の確定消費税額が60万円で、令和9年分は年1回の中間申告をした個人事業者の例です。中間納付は、国税分300,000円(600,000円×6/12)と地方消費税84,600円(300,000円×22/78=84,615円の100円未満切捨て)でした(当会計算)。

令和9年分の確定申告での精算(単位:円、当会計算)
欄納付になる例還付になる例
⑨ 差引税額1,000,000200,000
⑩ 中間納付税額300,000300,000
⑪ 納付税額 / ⑫ 中間納付還付税額⑪ 700,000⑫ 100,000
⑳ 譲渡割額(⑨×22/78)282,00056,400
㉑ 中間納付譲渡割額84,60084,600
㉒ 納付譲渡割額 / ㉓ 中間納付還付譲渡割額㉒ 197,400㉓ 28,200
㉖ 合計(納付又は還付)税額897,400(納付)−128,200(還付)

⑳は、1,000,000×22/78=282,051 → 282,000、200,000×22/78=56,410 → 56,400(100円未満切捨て)です。納付になる例は、中間納付を引いたあとの国税分700,000円と地方消費税197,400円を、確定申告の期限までに納めます。還付になる例は、中間納付が年税額より多かったので、差額が還付されます。

  • 中間納付額を納めるときに延滞税を払っていた場合、確定申告で還付される中間納付額に対応する延滞税も、併せて還付されます(消費税法53条2項)。
  • 仕入れや設備投資が売上より多く、確定申告で控除不足還付税額がある場合は、⑧欄に書きます。中間納付の還付(⑫欄)とは別の欄です(第一表の様式)。
  • 簡易課税制度では、通常は控除不足の還付税額が生じません(国税庁 インボイスQ&A 問117-3)。ただし、中間納付額が確定申告の税額を上回るときは、その差額が還付されます(消費税法53条)。簡易課税の仕組みは簡易課税制度で説明しています。

飲食料品の税率1%案と中間申告の特例案(予定)

【予定・法案未成立】2026年10月6日時点で、法案は成立していません。

2026年9月15日に閣議決定された大綱は、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、飲食料品の消費税率を1%(国と地方の合計)に引き下げるとしています。これに合わせて、中間申告の特例が設けられる予定です。2027年4月1日以後に開始する中間申告対象期間について、直前の課税期間の飲食料品の売上げ・仕入れに1%を当てはめて計算し直した税額で、仮決算による中間申告書を出せる、という内容です。国税庁の資料は、法案が国会に提出され、可決・成立した場合のものと明記しています(大綱(内閣官房、PDF)、国税庁 消費税率引下げ特設サイト、国税庁Q&A 問3-8)。計算例や手続の詳細は飲食料品の消費税1%案の「中間申告の特例」で説明しています。成立したら、この記事も更新します。

よくある質問

消費税の中間申告は、どんな事業者がしなければなりませんか?

直前の課税期間(個人事業者は前年、法人は前事業年度)の確定消費税額(国税分、地方消費税を含まない)が48万円を超える事業者です。免税事業者と、課税期間の特例(3か月ごと・1か月ごと)を選んでいる事業者は、中間申告をしません。開業した年と、設立した最初の事業年度も対象外です。〔国税庁 No.6609、消費税法42条〕

消費税の中間申告は年何回ですか。年3回や年11回になるのは、どんなときですか?

直前の課税期間の確定消費税額で決まります。48万円超400万円以下は年1回、400万円超4,800万円以下は年3回、4,800万円超は年11回です。48万円以下は、原則として不要です。年3回は3か月ごと、年11回は1か月ごとに区切った期間について申告し、最後の期間は確定申告の対象です。〔国税庁 No.6609、消費税法42条〕

消費税の中間納付額はいくらですか。どう計算しますか?

前年の確定消費税額(国税分)をもとに、年1回なら6/12、年3回なら3/12、年11回なら1/12を1回に納めます(直前の課税期間が12か月の場合)。これに、国税分の22/78の地方消費税を加えます。どちらも100円未満は切り捨てます。たとえば前年の確定消費税額が600万円なら年3回で、1回の国税分は150万円、地方消費税は42万3,000円、合計192万3,000円です(当会計算)。〔国税庁 No.6609、地方税法72条の83・72条の87〕

消費税の中間申告の期限はいつですか。個人と法人で違いますか?

各中間申告の対象期間の末日の翌日から2か月以内で、納付の期限も同じ日です。個人事業者は、年1回が8月31日、年3回が5月31日・8月31日・11月30日です(休日なら翌日)。違いが出るのは年11回の最初の部分で、個人事業者の1〜3月分は5月末日、法人の最初の1か月分は課税期間開始の日から2か月を経過した日から2か月以内です。〔国税庁 No.6609、消費税法42条・48条〕

消費税に「予定申告」や「予定納税」はありますか?

消費税の制度の名前は「中間申告」です(消費税法42条)。「予定納税」は所得税の制度で、消費税の中間申告とは別です。所得税の予定納税は、前年分の申告納税額などをもとにした予定納税基準額が15万円以上の人が、その3分の1ずつを2回に分けて納める制度です。〔国税庁 No.6609、国税庁 No.2040〕

消費税の中間申告をしないと、どうなりますか?

中間申告書を出す義務があるのに期限までに出さないと、前年の実績で計算した中間申告書が出されたものとみなされ、その税額が確定します。納める義務はなくなりません。仮決算による中間申告書を、期限後に出すことはできません。任意の中間申告制度で届出をした場合は、出さなくても前年実績で出されたものとはみなされず、取りやめの届出があったものとみなされます。〔国税庁 No.6609、No.6611、消費税法42条11項・44条〕

消費税の中間納付が遅れたら、延滞税はいくらかかりますか?

法定納期限の翌日から納付の日までの日数に応じて、延滞税がかかります。2026年中は、納期限の翌日から2か月を経過する日までが年2.8%、その後が年9.1%です。たとえば、国税分の本税100万円を30日遅れて納めた場合の延滞税は2,300円です(当会計算)。〔国税庁 No.6609、No.9205、延滞税の割合〕

前年の消費税が48万円以下でも、中間申告はできますか。任意の中間申告制度とは何ですか?

できます。直前の課税期間の確定消費税額が48万円以下の事業者が、「任意の中間申告書を提出する旨の届出書」を税務署に出すと、年1回(6か月分)の中間申告と納付ができます。届出書は、任意の中間申告をしようとする6月中間申告対象期間の末日までに出します。納める額は、前年の確定消費税額の6/12と、その22/78の地方消費税です。〔国税庁 No.6611、手続案内 D1-25〕

仮決算による中間申告とは何ですか。いつまでに出しますか?

前年の実績に代えて、中間申告の対象期間を1つの課税期間とみなして計算した税額で申告・納付する方法です。申告書は確定申告書の様式で作り、対象期間中の資産の譲渡等の対価の額や課税仕入れ等の税額の明細などを添付します。通常の中間申告と同じ期限までに出す必要があり、期限後には出せません。税額がマイナスでも、還付は受けられません。〔国税庁 No.6609、消費税法43条〕

中間納付した消費税は、確定申告でどうなりますか?

確定申告で、その課税期間の税額から差し引いて精算します。第一表の「中間納付税額」欄と「中間納付譲渡割額」欄には、納付した額ではなく、中間申告で申告した額を書きます。中間納付額が確定申告の税額より多いときは、差額が還付されます。〔国税庁 No.6609、消費税法45条・53条〕

出典・参考資料

いずれも2026年10月6日に内容を確認しました。

国税庁

法令(e-Gov法令検索)

内閣官房・内閣府

個人事業者の令和9年分の期限は、国税庁が公表している令和7年分・令和8年分の納期限と同じ方法で計算し、一致を確かめたうえで求めました。2028年1月の日付は、内閣府の祝日一覧が2027年分までのため、12月29日〜1月3日の休日の扱いと曜日から当会が確認しました。

改訂履歴

著者:新宿間税会(新宿間税会について)

  • 2026年10月6日:公開(同日時点の法令等と、国税庁・e-Gov法令検索の資料に基づく)

本記事は一般的な情報提供を目的としています。自分が中間申告の対象になるか、仮決算を使うかなど、個別の判断については、所轄の税務署や、税理士などの専門家にご相談ください。

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