e-Taxで消費税申告するやり方:個人事業者・法人・スマホ別の手順

e-Taxで消費税の申告書を作って送るには、個人事業者は国税庁の確定申告書等作成コーナー(パソコン・スマートフォン)、法人はe-Taxソフト(ダウンロード版)か市販の会計・税務ソフトを使います。e-Taxソフト(WEB版)では申告書を作れません。この記事では、e-Taxでの準備・作成・送信・納付の流れを、個人事業者と法人に分けて説明します。

※ 申告書の各欄の書き方と記載例は、消費税申告書の書き方(第一表・付表の記載例)で説明しています。

e-Taxで消費税を申告する方法(2026年9月26日時点)

区分使うもの・期限
個人事業者確定申告書等作成コーナー(パソコン・スマートフォン・タブレット)
令和8年分の期限:2027年3月31日(水)
法人e-Taxソフト(ダウンロード版)か会計・税務ソフト
期限:課税期間の末日の翌日から2か月以内
送信の方式マイナンバーカード方式(スマートフォンのマイナンバーカードも使えます)
ID・パスワードの新規発行は2025年10月1日に停止
送信の後受信通知を保存し、納付は申告とは別に行います

資本金1億円超の法人などは、e-Taxでの申告が義務です(大法人の電子申告の義務化)。個人事業者が2割特例を使えるのは令和8年分が最後で、要件を満たす個人事業者は令和9年分・令和10年分に3割特例を選べます。

監修について
本記事は井手政紀税理士(井手政紀税理士事務所/元 新宿税務署長(第84代)/新宿間税会 税理士部会員)の監修内容を反映しています。2026年9月26日、令和8年度税制改正等に合わせて全面改訂し、2026年9月28日に監修者の確認が完了しました。

【実施済み・予定】2026年9月〜10月の変更(2026年9月26日時点)

国税庁は2026年9月24日に国税システムを更改しました(実施済み)。書面で提出する申告書は控用がなくなり、納付書の様式も変わっています。2026年10月1日からは、全国の税務署で総合窓口の受付時間が原則9時から15時になります(予定。開庁時間は8時30分から17時のままです)。消費税の申告書は、令和8年10月1日以後に開始する課税期間から新しい様式に分かれます(予定)。税務署に行かずに手続きできるよう、e-Taxの準備は申告期限より前に済ませておくことをおすすめします。

目次
  1. 方法の早見表:個人事業者は作成コーナー、法人はe-Taxソフトか会計ソフト
  2. 申告と納付の期限(令和8年分・決算月別)
  3. 事前準備:マイナンバーカード方式が基本
  4. 個人事業者:作成コーナーでの手順(パソコン・スマートフォン)
  5. 法人:e-Taxソフト(ダウンロード版)・会計ソフトでの手順
  6. 納付の方法(e-Taxで申告した後)
  7. 送信した後に確認すること
  8. 2025〜2027年の変更点(時系列)
  9. 困ったときの問い合わせ先
  10. よくある質問
  11. まとめ
  12. 出典・参考資料

個人事業者の方は個人事業者の手順へ、法人の方は法人の手順へ進むと早く読めます。

方法の早見表:個人事業者は作成コーナー、法人はe-Taxソフトか会計ソフト

【確定】国税庁が用意しているソフト・コーナーのうち、消費税の申告書を作成できるものとできないものは、次のとおりです(e-Tax「各ソフト・コーナー」)。

消費税の申告に使うソフト・コーナー
ソフト・コーナー使う人消費税の申告書申請・届出
確定申告書等作成コーナー(パソコン)個人事業者作成・送信できる所得税・消費税・贈与税の申請・届出ができる
確定申告書等作成コーナー(スマートフォン・タブレット)個人事業者作成・送信できる(修正申告・更正の請求はパソコンで)できない
e-Taxソフト(ダウンロード版)個人事業者・法人作成・送信できる(贈与税以外のすべての申告に対応)各税目の申請・届出ができる
e-Taxソフト(WEB版)個人事業者・法人作成できない(会計・税務ソフトで作った申告データの送信はできる)消費税の各種届出、振替依頼書などができる
市販の会計・税務ソフト個人事業者・法人ソフトによるソフトによる

e-Taxソフト(ダウンロード版)はパソコンにインストールして使います。e-Taxソフト(WEB版)は、パソコンのほかスマートフォン・タブレットでも使えます。

個人事業者は作成コーナーが基本

確定申告書等作成コーナーでは、画面の案内に沿って金額を入力すると税額が自動で計算され、作成した申告書のデータをそのままe-Taxで送信できます(国税庁「令和7年分 パソコンご利用ガイド」(PDF))。一般課税・簡易課税・2割特例のいずれでも作成できます。会計ソフトで帳簿をつけている場合は、そのソフトで申告データを作る方法もあります。

法人はe-Taxソフト(ダウンロード版)か会計・税務ソフト

作成コーナーで作れる消費税の申告書は、個人事業者のものです。法人は、e-Taxソフト(ダウンロード版)か会計・税務ソフトで申告書を作成します。e-Taxソフト(WEB版)では申告書を作れませんが、会計・税務ソフトで作成した申告データ(拡張子.xtx)をWEB版で読み込み、電子署名をして送信することはできます(e-Tax よくある質問「民間会計ソフト等で作成した申告書等データをe-Taxソフト(WEB版)で読み込んで送信を行うことはできますか」)。

資本金1億円超の法人などは、e-Taxでの申告が義務

【確定・施行済み】次の法人は、消費税の申告書をe-Taxで提出しなければなりません(大法人の電子申告の義務化。令和2年4月1日以後に開始する事業年度から)。人格のない社団等と外国法人は対象外です。

  • 事業年度開始の時の資本金の額または出資金の額が1億円を超える内国法人
  • 相互会社、投資法人、特定目的会社
  • 通算法人のうち、事業年度開始の時の資本金の額等が1億円を超える法人
  • 国と地方公共団体

対象は確定申告書だけでなく、中間(予定)申告書、仮決算の中間申告書、修正申告書、還付申告書と、その添付書類のすべてです。対象になる法人は、所轄税務署に「e-Taxによる申告の特例に係る届出書」を提出します。電気通信回線の故障や災害などでe-Taxを使うことが困難な場合は、事前に所轄税務署長の承認を受けて、書面で提出できます(e-Tax「大法人の電子申告の義務化について」、同 よくある質問)。

申告と納付の期限(令和8年分・決算月別)

【確定】消費税の確定申告の期限は、課税期間の末日の翌日から2か月以内で、納付の期限も同じ日です。個人事業者は、翌年の3月31日までです(国税庁 タックスアンサー No.6601)。

主な申告・納付の期限(延長の特例を受けていない場合)
区分課税期間申告・納付の期限
個人事業者(令和8年分)2026年1月1日〜12月31日2027年3月31日(水)
9月決算の法人2025年10月1日〜2026年9月30日2026年11月30日(月)
12月決算の法人2026年1月1日〜12月31日2027年3月1日(月)
3月決算の法人2026年4月1日〜2027年3月31日2027年5月31日(月)

法人の期限は、課税期間の末日の翌日から2か月にあたる日が土曜日・日曜日・祝日などの場合はその翌日(国税通則法10条2項)として、当会で計算しました。ほかの決算月は2割特例のページの決算月別の早見表にあります。個人事業者の振替納税の振替日は、令和8年分は「令和9年4月中旬〜下旬」とされ、日付は確定次第国税庁が掲載します(国税庁「主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日」)。

期限までに納付できなかった場合の延滞税や、納付の方法の詳細は、消費税の納付期限と延長で説明しています。

法人の申告期限の延長特例(1か月)

【確定・施行済み】「法人税の申告期限の延長の特例」を受けている法人が、所轄税務署に「消費税申告期限延長届出書」を提出すると、提出した日の属する事業年度以後、事業年度終了の日の属する課税期間の消費税の確定申告期限が1か月延びます。延びた期間については、利子税をあわせて納付します。事業年度終了の日が休日にあたる場合でも、その日までに届出書を提出しなければ適用されません(国税庁 タックスアンサー No.6610)。

中間申告(直前の年税額が48万円を超える場合)

【確定・施行済み】直前の課税期間の消費税の年税額(地方消費税を含まない)が48万円を超える事業者は、中間申告が必要です(国税庁 タックスアンサー No.6609)。

中間申告の回数と、前期の実績による中間納付税額
直前の課税期間の確定消費税額中間申告の回数1回あたりの中間納付税額
48万円以下原則として不要(任意の中間申告制度あり)―
48万円超〜400万円以下年1回確定消費税額の6/12と、その22/78の地方消費税
400万円超〜4,800万円以下年3回確定消費税額の3/12と、その22/78の地方消費税
4,800万円超年11回確定消費税額の1/12と、その22/78の地方消費税

中間申告の期限は、原則として各中間申告の対象期間の末日の翌日から2か月以内です(年11回の場合などに例外があります)。直前の課税期間が12か月に満たない場合は、計算方法が異なります。課税期間の特例を適用している事業者は、中間申告は不要です。

中間申告書を期限までに提出しないと、提出があったものとみなされ、前期の実績で計算した税額が確定します。この場合も納付は必要です。前期の実績による金額に代えて、仮決算で計算した税額で中間申告をすることもできます。e-Taxソフト(ダウンロード版)では、メッセージボックスに格納される「中間申告のお知らせ」から中間申告書を作成できます(e-Tax よくある質問「e-Taxソフトで消費税の中間申告書を作成したい」)。

e-Taxの利用時間と、期限間際に使えないとき

e-Taxは、メンテナンス時間を除き24時間利用できます。ただし、曜日や時期によって8時30分から利用開始となる日や、終日メンテナンスの日があります。期限の近くに送信する場合は、e-Taxの「利用可能時間カレンダー」と障害等のお知らせを確認してください(e-Tax「e-Taxの利用可能時間」)。

国税庁のシステムが期限間際に使えなくなり、申告や納付ができない人が多数にのぼる場合は、国税庁長官が対象者の範囲と期日を指定して期限を延長することがあります(対象者指定。官報に掲載されます)。それ以外でも、災害その他やむを得ない理由で期限までに申告や納付ができないときは、所轄税務署長に申請して、その理由がやんだ日から2か月以内に限り期限の延長を受けられます(国税庁 タックスアンサー No.8001、国税通則法基本通達 第11条関係)。電子申告が義務の法人が書面で提出するには、事前に所轄税務署長の承認が必要です(大法人の電子申告の義務化)。

事前準備:マイナンバーカード方式が基本

マイナンバーカード方式

e-Taxで申告データを送るには、電子証明書による電子署名が必要です。個人事業者は、マイナンバーカードに入っている電子証明書を使う「マイナンバーカード方式」が基本です。マイナンバーカード方式で利用を始めると、利用者識別番号(16桁)とパスワードを管理しなくても、マイナンバーカードでe-Taxにログインできます(e-Tax「マイナンバーカード方式について」)。

e-Taxで使うマイナンバーカードのパスワード
電子証明書パスワードロックされる回数使う場面
署名用電子証明書英数字6〜16文字(英大文字を含む)5回続けて間違えたとき申告データに電子署名をするとき
利用者証明用電子証明書数字4桁3回続けて間違えたときe-Taxにログインするとき

カードの読み取りには、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンか、ICカードリーダライタを使います。パソコンで申告する場合も、ICカードリーダライタの代わりにスマートフォンでカードを読み取る方法があります(国税庁「スマホとマイナンバーカードでe-Tax!」(令和7年分 確定申告特集))。

パスワードがロックされた場合は、スマートフォンの専用アプリ(JPKI暗証番号リセット)で予約し、24時間以内にコンビニ等のキオスク端末(6時30分〜23時)で初期化・再設定できます。再設定には、もう一方のパスワードの入力が必要です。両方とも分からない場合は、住民票のある市区町村の窓口で手続きします(公的個人認証サービス「マイナンバーカードのパスワードをコンビニで初期化」)。

スマートフォンのマイナンバーカード(Android・iPhone)

【実施済み】スマートフォンにマイナンバーカードの機能を搭載すると、カードをかざさずに申告書の作成・送信ができます。4桁のパスワードの代わりに生体認証を使える機種もあります。

スマートフォンへの搭載の手続きには、マイナンバーカードが必要です。Androidのスマホ用電子証明書には、氏名・住所・生年月日・性別とマイナンバー(基本4情報等)が入っていません。そのため、基本4情報等をe-Taxに提供する手続きでは、カードの読み取りが必要になります(e-Tax「マイナンバーカード方式について」)。

ID・パスワード方式は新規発行が停止

【実施済み】税務署で本人確認を受けて発行するID・パスワードは、2025年10月1日に新規発行が停止されました。これから初めてe-Taxを使う人は、マイナンバーカード方式を使います。すでに届出をしている人は引き続き使えますが、ID・パスワード方式を使えるのは確定申告書等作成コーナーだけです。【予定(国税庁公表)】e-Taxのホームページでは、令和9年分の確定申告からは利用できなくなる予定とされています(国税庁「『確定申告書等作成コーナー』で利用するID・パスワードの新規発行停止について」(PDF)、e-Tax「ID・パスワード方式について」)。

パソコンの推奨環境(作成コーナー)

確定申告書等作成コーナーの推奨環境(令和7年分)
OSブラウザマイナンバーカード方式での送信
Windows 11Microsoft Edge、Google Chrome使える
Windows 11Firefox使えない(ID・パスワード方式と、印刷して書面で提出する場合は使える)
macOS 13Safari 18.6使える
macOS 14・15・26Safari 26.1使える

国税庁「令和7年分 パソコンご利用ガイド」の推奨環境です。令和8年分の作成コーナーの推奨環境は、公開後に国税庁の案内で確認してください。

法人の準備(利用者識別番号・電子証明書・ソフト)

  1. 利用者識別番号を取得する:「e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナー」から開始届出書を送信すると、利用者識別番号(半角16桁)を取得できます(e-Tax「ご利用の流れ」)。
  2. 電子証明書を用意する:法人の申告データには、税理士が代理送信する場合を除き、代表者の電子証明書で電子署名をします。代表者のマイナンバーカード(スマートフォンのマイナンバーカードを含む)のほか、商業登記認証局や民間認証局が発行する電子証明書を使えます。電子委任状を添付すれば、委任を受けた役員・職員の電子署名で送信することもできます(e-Tax よくある質問「法人が利用可能な電子証明書」)。
  3. ソフトを用意する:e-Taxソフト(ダウンロード版)をパソコンにインストールするか、e-Taxに対応した会計・税務ソフトを使います。

電子証明書の有効期限と、引っ越しの後の注意

マイナンバーカードの電子証明書は、原則として発行の日後5回目の誕生日まで有効です。署名用電子証明書は、住所・氏名・性別が変わると無効になります(総務省「公的個人認証サービスによる電子証明書」)。有効期限を過ぎるとe-Taxの手続きができないため、期限が近い場合は、申告の前に市区町村の窓口で更新しておきます(国税庁「消費税・地方消費税(個人事業者)の確定申告と納税は正しくお早めに」)。

個人事業者:作成コーナーでの手順(パソコン・スマートフォン)

次の手順は、国税庁の令和7年分の利用ガイドをもとにした大まかな流れです。令和8年分の画面は、作成コーナーの公開後に国税庁の案内で確認してください。

  1. 確定申告書等作成コーナーにアクセスし、「作成開始」を選びます。
  2. 提出方法に関する質問に答え、e-Tax(マイナンバーカード方式)を選びます。マイナンバーカードを読み取ってログインします(スマートフォンのマイナンバーカードを使う場合は、カードの読み取りは不要です)。
  3. 作成する申告書の税目で「消費税」(消費税及び地方消費税)を選びます。
  4. 課税方式(一般課税・簡易課税・2割特例)に応じて、画面の案内に沿って売上や仕入れなどを入力します。売上は、標準税率10%と軽減税率8%に分けて入力します(軽減税率の対象は軽減税率とは?8%と10%の対象品目一覧と見分け方で確認できます)。
  5. 計算結果と、申告書に添付される付表を確認します。
  6. 署名用電子証明書のパスワードを入力して電子署名をし、送信します。
  7. 受信通知を確認し、申告書の控え(PDF)と申告データを保存します。
  8. 申告とは別に、期限までに納付します(納付の方法)。

所得税の青色申告決算書・収支内訳書のデータを読み込んで消費税の申告書を作る方法と、読み込まずに作る方法があり、操作が異なります。一般課税・簡易課税・2割特例それぞれの入力例は、作成コーナーに掲載されています(e-Tax よくある質問「作成コーナーで消費税申告書を作成したい」)。

添付する付表と、令和8年分の様式

課税方式ごとに添付する主な付表(個人事業者)
課税方式添付する主な付表
一般課税付表1-3・付表2-3
簡易課税付表4-3・付表5-3
2割特例原則として付表6

還付を受ける申告では、「消費税の還付申告に関する明細書(個人事業者用)」も添付します(国税庁「消費税・地方消費税(個人事業者)の確定申告と納税は正しくお早めに」)。申告書と付表の様式は、令和8年10月1日以後に開始する課税期間から新しいものに分かれますが、個人事業者の令和8年分の申告では「令和8年9月30日以前に開始した課税期間用」を使います(国税庁「消費税及び地方消費税の申告書・添付書類等」)。各欄の書き方は、消費税申告書の書き方をご覧ください。

課税方式を選ぶときの注意(2割特例は令和8年分が最後)

2割特例は、インボイス発行事業者の登録によって免税事業者から課税事業者になった人などが対象です。ご自身が課税事業者か免税事業者かは免税事業者と課税事業者の違い:判定方法・届出・2026年以降の改正点で確認できます。

  • 2割特例は、令和8年9月30日を含む課税期間まで使えます。個人事業者は令和8年分が最後です。事前の届出は不要で、申告書で適用を選びます(消費税の2割特例はいつまで)。
  • 2割特例を適用して(または適用せずに)申告した後で、修正申告や更正の請求によって適用の有無を変えることは、原則としてできません(国税庁「2割特例用 消費税及び地方消費税の確定申告の手引き」(PDF))。
  • 簡易課税で申告するには、原則として事前に消費税簡易課税制度選択届出書を提出している必要があります(簡易課税制度)。令和8年分に2割特例を使った個人事業者が令和9年分から簡易課税にする場合は、令和9年分の申告期限(2028年3月31日)までに届出書を出せば間に合います(インボイスQ&A 問117)。
  • 令和9年分・令和10年分は、要件を満たす個人事業者に限り、納付税額を売上税額の3割にできる3割特例を選べます。
  • 一般課税で申告する場合、免税事業者などからの仕入れについて控除できる割合は、2026年10月1日以後の仕入れから80%が70%になります(免税事業者等からの仕入れの経過措置(80%・70%))。

計算結果の確かめ方(2割特例と簡易課税の例)

作成コーナーは税額を自動で計算しますが、入力の誤りに気づけるよう、おおよその金額を確かめておくと役に立ちます。税込みの課税売上が550万円(すべて標準税率10%)の個人事業者の例です(当会試算)。

計算例(税込みの課税売上550万円・すべて10%)単位:円
項目2割特例参考:3割特例(令和9年分以降)簡易課税(第5種・みなし仕入率50%)簡易課税(第1種・卸売業、みなし仕入率90%)
課税標準額(550万円×100/110、千円未満切捨て)5,000,0005,000,0005,000,0005,000,000
消費税額(×7.8%)390,000390,000390,000390,000
控除する税額312,000(×80%)273,000(×70%)195,000(×50%)351,000(×90%)
差引税額(百円未満切捨て)78,000117,000195,00039,000
地方消費税(×22/78、百円未満切捨て)22,00033,00055,00011,000
納付税額の合計100,000150,000250,00050,000

2割特例の納付税額の合計は、売上にかかる消費税額(国と地方の合計50万円)の2割と一致します。この例では2割特例が最も少なくなりますが、みなし仕入率が高い事業(卸売業=第1種・90%など)を営む簡易課税の事業者は、2割特例より簡易課税の納付税額が少なくなることがあります。ご自身の事業がどの事業区分にあたるかは簡易課税制度のページで確認してください。軽減税率の売上や、売上の返品・値引き、貸倒れがある場合は計算が変わります。一般課税を含めた計算のしかたは消費税の計算方法、年間の税額の比較は消費税計算ツールで確認できます。参考として示した3割特例(令和9年分・令和10年分に要件を満たす個人事業者が選べます)を、同じ条件(税込みの課税売上550万円・すべて10%)で使った場合の納付税額は150,000円です(控除273,000円、地方消費税33,000円)。3割特例の要件と適用できない場合の詳細は消費税の3割特例とはで説明しています。

スマートフォンで申告する場合の注意

法人:e-Taxソフト(ダウンロード版)・会計ソフトでの手順

消費税以外の申告や納税義務の判定など、法人税務の全般は法人の税務で扱っています。

e-Taxソフト(ダウンロード版)で作成・送信する流れ

  1. e-Taxソフトをダウンロードしてパソコンにインストールし、利用者識別番号などを登録します。
  2. 消費税の申告の手続を選び、課税期間に合った様式で申告書(第一表・第二表)と付表を作成します。
  3. 代表者の電子証明書(または、電子委任状で委任を受けた役員・職員の電子証明書)で電子署名をします。
  4. 送信し、メッセージボックスの受信通知で受付日時・受付番号を確認します。

帳票によっては自動計算の結果を上書きする必要があるため、帳票ごとのヘルプと注意事項を確認しながら作成します(e-Tax「e-Taxソフトについて」)。操作の詳細は、e-Taxのマニュアルコーナーにある「e-Taxソフト操作マニュアル」で確認できます。

会計・税務ソフトから提出する場合

会計・税務ソフトで作成した申告データの送信の方法は、ソフトによって異なります。e-Tax用のデータ(拡張子.xtx)に出力した場合は、e-Taxソフト(WEB版)にログインし、「申請・納付手続を行う」から「作成済みデータの利用」を選んで読み込み、電子署名をして送信できます(e-Tax よくある質問「民間会計ソフト等で作成した申告書等データをe-Taxソフト(WEB版)で読み込んで送信を行うことはできますか」)。

ソフトごとの画面や操作は、各メーカーのヘルプで確認してください。e-Tax・作成コーナーヘルプデスクは、国税庁が提供するソフト以外の会計・申告ソフトの操作には答えていません(e-Tax「e-Tax・作成コーナーヘルプデスク」)。

課税期間の開始日で様式を選ぶ

【確定】国税庁が公表している消費税の申告書(一般用・簡易課税用)は、「令和8年9月30日以前に開始した課税期間用」と「令和8年10月1日以後に開始する課税期間用」に分かれています(国税庁「消費税及び地方消費税の申告書・添付書類等」)。

  • 3月決算の法人の2027年3月期(2026年4月1日開始):令和8年9月30日以前に開始した課税期間用
  • 9月決算の法人の2027年9月期(2026年10月1日開始):令和8年10月1日以後に開始する課税期間用

会計・税務ソフトで作成する場合も、課税期間に合った様式に対応しているかを確認します。

延長特例・中間申告・義務化の確認

法人の納付

振替納税の対象は、申告所得税と個人事業者の消費税で、法人は使えません(国税庁 タックスアンサー No.9201)。法人がダイレクト納付を使うには、事前にe-Taxの利用開始手続をしたうえで、専用の届出書を、利用する日のおおむね1か月前までに所轄税務署へ書面で提出します。届出書のオンラインでの提出は、個人だけが使えます(国税庁「ダイレクト納付の手続」)。

納付の方法(e-Taxで申告した後)

e-Taxで申告書を送っても、それだけでは納付は終わりません。期限までに、次のいずれかの方法で納付します(国税庁「納税に関する総合案内」)。

消費税の主な納付の方法
方法条件・注意
ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)事前に届出が必要です。個人はオンラインでも届け出られます(利用できるまで1週間程度)。書面の場合は、利用する日のおおむね1か月前までに提出します。申告データの送信時に「自動ダイレクト」を選ぶと、法定納期限に口座から引き落とされます。
振替納税個人事業者だけが使えます。期限内に申告した確定申告分・中間申告分が対象です。振替依頼書はe-Taxでも提出できます。令和8年分の振替日は「令和9年4月中旬〜下旬」とされ、確定次第国税庁が掲載します。
インターネットバンキング・ATMインターネットバンキングの口座やATMから納付します。
クレジットカード1回の手続につき1,000万円未満で、カードの決済可能額以下の金額(決済手数料を含む)。納付税額に応じた決済手数料がかかります。
スマホアプリ30万円以下。e-Taxで申告した後、e-Taxを経由して専用サイトから手続きします。決済手数料はかかりません。
コンビニ(QRコード)30万円以下。e-Taxで送信した申告の納税額が30万円以下なら、メッセージボックスの納付区分番号通知からQRコードを印字した書面を出力できます。
金融機関・税務署の窓口東京国税局管内の税務署では、納税の窓口の受付時間は原則として9時から15時です。

出典:国税庁「ダイレクト納付の手続」、タックスアンサー No.9201、国税庁「クレジットカード納付の手続」、国税庁「スマホアプリ納付」、国税庁「コンビニ納付(QRコード)」、東京国税局「税務署窓口における納税等の受付時間について」。

送信した後に確認すること

受信通知で提出を確認する

送信が終わると、メッセージボックスに受信通知が格納されます。受信通知では、提出した人の氏名・名称、受付番号、受付日時などを確認できます。受信通知から電子申請等証明書の交付を請求することもできます。個人が受信通知の内容を見るには、マイナンバーカード等の電子証明書が必要です(国税庁「令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて」)。「エラー情報あり」と表示された場合は、エラーの内容を確認し、訂正して送り直します。

書面で提出した申告書等の控えには、2025年1月から収受日付印が押されていません。書面で提出する場合は、必要に応じて自分で控えを作り、提出した日を記録しておきます。

控えと帳簿の保存

  • 申告書の控え(PDF)と申告データは、翌年の申告やほかの手続きで使うことがあるため、保存しておきます。
  • マイナンバーが記載された申告書の控えを金融機関などに提出することは、番号法上認められていません(国税庁「消費税及び地方消費税の申告書・添付書類等」)。
  • 仕入税額控除のための帳簿と請求書等は、課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間保存します。6年目と7年目は、どちらか一方を保存すれば足ります(国税庁 タックスアンサー No.6496)。
  • 先に触れた収受日付印の廃止(2025年1月)に続き、2026年9月24日の国税システムの更改では、書面の申告書の控用そのものがなくなりました(国税庁「国税システムの更改について」)。

誤りに気づいたら

申告期限内であれば、正しい内容の申告書を作成して送り直します。期限後は、税額が増える場合は修正申告書、減る場合は更正の請求書で手続きします。作成コーナーで消費税の修正申告・更正の請求をするときは、パソコンを使います(国税庁「令和7年分 スマホご利用ガイド」。ガイドの例示は所得税の申告です)。2割特例を適用するかどうかは、申告した後に修正申告や更正の請求で変えることは原則としてできません。

2025〜2027年の変更点(時系列)

e-Taxと消費税の申告に関係する主な変更(2026年9月26日時点)
時期変わったこと・変わること状態
2025年1月書面で提出した申告書等の控えに、収受日付印を押さなくなった実施済み
2025年1月6日Androidの「スマホ用電子証明書」でe-Taxを利用できるようになった実施済み
2025年2月1日スマホアプリ納付の手続きの入口が、e-Taxを経由する方法に集約された実施済み
2025年10月1日ID・パスワード方式のID・パスワードの新規発行を停止実施済み
2026年1月「iPhoneのマイナンバーカード」で作成コーナーの申告ができるようになった実施済み
2026年3月31日令和8年度税制改正法(令和8年法律第12号)が成立・公布。3割特例の新設、免税事業者等からの仕入れの経過措置の見直し、簡易課税の届出期限の特例など確定
2026年9月24日国税システムの更改。書面の申告書の控用の廃止、納付書の様式変更(「整理番号」8桁から「お問い合わせ番号」13桁へ)、処分通知等の電子交付の「事前の一括同意」への変更、e-TaxのIPアドレスの変更実施済み
2026年10月1日全国の税務署で、総合窓口の受付時間が原則9時〜15時になる予定(国税庁公表)
2026年10月1日免税事業者等からの仕入れの経過措置の控除割合が80%から70%になる確定(施行前)
2026年10月1日以後に開始する課税期間消費税の申告書が新しい様式になる。免税事業者等からの仕入れの経過措置に、一の相手先につき年1億円の上限確定
令和8年分(期限2027年3月31日)個人事業者が2割特例を使える最後の年分確定
令和9年分・令和10年分要件を満たす個人事業者は、3割特例を選べる確定(適用前)
令和9年分の確定申告(2028年)からID・パスワード方式が使えなくなる予定予定(国税庁公表)

出典:国税庁「令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて」、e-Tax「スマホ用電子証明書に対応しました。」、国税庁「スマホアプリ納付」、国税庁「ID・パスワードの新規発行停止について」、国税庁「スマホとマイナンバーカードでe-Tax!」(令和7年分 確定申告特集)、財務省「第221回国会における財務省関連法律」、国税庁「国税システムの更改について」、国税庁「令和8年10月1日からの税務署総合窓口の受付時間について」、国税庁「インボイス制度 令和8年度税制改正特集」、国税庁「消費税及び地方消費税の申告書・添付書類等」、e-Tax「ID・パスワード方式について」。経過措置の詳細は経過措置の控除割合と1億円上限で説明しています。

困ったときの問い合わせ先

内容ごとの問い合わせ先
聞きたいこと問い合わせ先
e-Taxや作成コーナーの使い方(事前準備、送信の方法、エラーの解消)e-Tax・作成コーナーヘルプデスク(電話番号と受付時間はe-Taxのホームページで確認)
申告書の入力項目や計算の内容国税庁の電話相談センター、タックスアンサー
送信した申告や還付金の処理の状況提出先の税務署(ヘルプデスクは個人情報を扱わないため)
マイナンバーカードやICカードリーダライタの設定マイナンバー総合フリーダイヤル
会計・税務ソフトの操作各ソフトのメーカー

出典:e-Tax「e-Tax・作成コーナーヘルプデスク」。

新宿税務署の所在地は東京都新宿区北新宿1丁目19番3号、代表電話は03-6757-7776、開庁時間は平日の8時30分から17時までです。2026年10月1日からは、総合窓口の受付時間が原則9時から15時になります。申告書等を郵送する場合の送付先は、東京国税局大手町業務センターです(東京国税局「新宿税務署」)。新宿区内でも地区によって担当の税務署が異なります。相談先の選び方は、新宿で税金の相談をしたいときの窓口の案内にまとめています。

よくある質問

スマホだけで消費税の申告はできますか。

個人事業者は、確定申告書等作成コーナーをスマートフォンで使えば、消費税の申告書の作成から送信までできます。マイナンバーカード方式で送信する場合は、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンか、スマートフォンのマイナンバーカードが必要です。消費税の修正申告・更正の請求はスマートフォンではできないため、パソコンを使います。〔国税庁 令和7年分 スマホご利用ガイド〕

法人はe-Taxソフト(WEB版)で消費税の申告書を作れますか。

作れません。WEB版は申請・届出や納付などの手続きに使うもので、申告書は作成できません。法人は、e-Taxソフト(ダウンロード版)か会計・税務ソフトで作成します。会計・税務ソフトで作った申告データ(拡張子.xtx)は、WEB版で読み込んで送信できます。〔e-Tax 各ソフト・コーナー、e-Tax よくある質問〕

ID・パスワード方式はまだ使えますか。

すでに届出をしている人は使えます。新規発行は2025年10月1日に停止され、令和9年分の確定申告からは使えなくなる予定です。ID・パスワード方式を使えるのは、確定申告書等作成コーナーだけです。〔e-Tax ID・パスワード方式について〕

令和8年分の申告と納付の期限はいつですか。

個人事業者は2027年3月31日(水)です。法人は課税期間の末日の翌日から2か月以内で、申告期限の延長の特例を受けていれば1か月延び、延びた期間の利子税がかかります。〔国税庁 タックスアンサー No.6601・No.6610〕

e-Taxで申告しても振替納税は使えますか。

個人事業者は使えます。振替依頼書もe-Taxで提出できます。令和8年分の振替日は「令和9年4月中旬〜下旬」とされ、日付は確定次第国税庁が掲載します。法人は振替納税を使えません。〔国税庁 タックスアンサー No.9201〕

マイナンバーカードのパスワードがロックされたときはどうしますか。

利用者証明用(数字4桁)は3回、署名用(英数字6〜16文字)は5回続けて間違えるとロックされます。スマートフォンの専用アプリで予約し、24時間以内にコンビニ等のキオスク端末で初期化・再設定できます(もう一方のパスワードが必要です)。両方とも分からないときは、住民票のある市区町村の窓口で手続きします。〔公的個人認証サービス〕

送信した後に誤りに気づいたらどうしますか。

申告期限内であれば、正しい内容の申告書を作成して送り直します。期限後は、修正申告書か更正の請求書で手続きします。作成コーナーで消費税の修正申告・更正の請求をするときは、パソコンを使います。〔国税庁 令和7年分 スマホご利用ガイド〕

提出した証拠はどうやって残しますか。

送信後にメッセージボックスに格納される受信通知で、受付日時や受付番号などを確認できます。受信通知から電子申請等証明書の交付を請求することもできます。書面で提出した申告書の控えには、2025年1月から収受日付印が押されていません。〔国税庁 収受日付印の押なつについて〕

e-Taxで申告するとき、本人確認書類は必要ですか。

必要ありません。マイナンバーカード等に組み込まれている電子証明書などで本人確認を行うため、本人確認書類の提示や写しの提出は不要です。〔e-Tax よくある質問〕

資本金1億円超の法人は、書面で申告書を出せますか。

原則として出せません。消費税の申告書はe-Taxで提出する義務があります。電気通信回線の故障や災害などでe-Taxを使うことが困難な場合は、事前に所轄税務署長の承認を受ければ、書面で提出できます。〔e-Tax 大法人の電子申告の義務化について〕

消費税の中間申告もe-Taxで出せますか。

出せます。e-Taxソフト(ダウンロード版)では、メッセージボックスに格納される「中間申告のお知らせ」から中間申告書を作成できます。中間申告書を期限までに提出しないと、前期の実績で計算した税額で申告があったものとみなされ、その税額を納付する必要があります。〔e-Tax よくある質問、国税庁 タックスアンサー No.6609〕

2割特例はいつまで使えますか。その後はどうなりますか。

令和8年9月30日を含む課税期間までで、個人事業者は令和8年分が最後です。要件を満たす個人事業者は、令和9年分・令和10年分に3割特例を選べます。法人には3割特例はありません。〔国税庁 令和8年度税制改正特集〕

まとめ

  • e-Taxで消費税の申告書を作るのは、個人事業者は確定申告書等作成コーナー(パソコン・スマートフォン)、法人はe-Taxソフト(ダウンロード版)か会計・税務ソフトです。e-Taxソフト(WEB版)では申告書を作れません。
  • 令和8年分の個人事業者の期限は2027年3月31日(水)です。法人は課税期間の末日の翌日から2か月以内で、資本金1億円超の法人などはe-Taxでの申告が義務です。
  • 送信はマイナンバーカード方式が基本です。ID・パスワードの新規発行は2025年10月1日に停止されています。
  • 送信した後は受信通知を保存し、申告とは別に期限までに納付します。
  • 個人事業者の2割特例は令和8年分が最後で、令和9年分・令和10年分は要件を満たせば3割特例を選べます。

出典・参考資料

いずれも2026年9月26日に内容を確認しました。

e-Tax(国税庁)

国税庁

東京国税局・その他

改訂履歴と監修について

著者:新宿間税会(新宿間税会について)

  • 2025年7月4日:公開
  • 2026年9月25日:誤記を訂正(e-Taxの利用率、ID・パスワード方式の新規発行停止、スマートフォン対応の時期、パソコンの推奨環境、e-Taxソフト(WEB版)でできる手続き、還付に関する記述、パスワードの初期化の手順、納期限、申告書の控えの保存)
  • 2026年9月26日:全面改訂(方法の早見表、個人事業者・法人別の手順、大法人の電子申告の義務化、申告期限の延長特例、中間申告、申告書の様式の区分、納付の方法、2025〜2027年の変更点の表、問い合わせ先、よくある質問を追加。手順を図からHTMLの文章と表に改め、根拠を確認できない数値と特定の会計ソフトの操作手順を削除)

監修の状況は、冒頭の「監修について」のとおりです。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については、税理士などの専門家や、所轄の税務署にご相談ください。

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