個人事業主の住民税はいくら?計算方法、納付時期、普通徴収と払えないときの相談先(令和8年度・新宿区)
個人事業主の住民税は、前年の事業所得から基礎控除43万円などの所得控除を引いた金額の10%(所得割)に、均等割4,000円と森林環境税1,000円を加えて決まります。東京23区では、所得割の10%が都民税4%と特別区民税6%に、均等割4,000円が都民税1,000円と特別区民税3,000円に分かれます。新宿区で納税通知書により納める普通徴収の令和8年度(2026年度)は、2026年6月30日・8月31日・11月2日と2027年2月1日の4回払いです。住民税は前年の所得をもとに決まるため、売上が減った年にも、前の年の所得に対する請求が届きます。
前年の事業所得別の住民税の年額(令和8年度・東京23区・単身・基礎控除のみ)
| 前年の事業所得 | 住民税の年額 | 年額÷12 |
|---|---|---|
| 100万円 | 59,500円 | 4,958円 |
| 200万円 | 159,500円 | 13,291円 |
| 300万円 | 259,500円 | 21,625円 |
| 400万円 | 359,500円 | 29,958円 |
| 500万円 | 459,500円 | 38,291円 |
| 600万円 | 559,500円 | 46,625円 |
| 800万円 | 759,500円 | 63,291円 |
| 1,000万円 | 959,500円 | 79,958円 |
当会が計算しました。事業所得は、売上から必要経費と青色申告特別控除を引いた後の金額です。所得控除は基礎控除43万円だけとし、調整控除2,500円を引いて、均等割と森林環境税の合計5,000円を加えています。社会保険料控除などがあれば、その分だけ下がります。所得税・個人事業税・国民健康保険料は含みません。年額÷12は、1円未満を切り捨てた、毎月取り分けておく場合の目安です(住民税は年4回払いです)。計算の中身は計算例、所得ごとの内訳は事業所得別の住民税の内訳にあります。
【確定】これから迫る期限と、今のうちにできること
目次
住民税の中身:都民税・特別区民税・森林環境税
【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。
住民税は何でできているか
個人の住民税は、都道府県に納める分(東京都では都民税)と、市区町村に納める分(東京23区では特別区民税)の合計で、住んでいる区市町村にまとめて納めます(総務省「個人住民税」)。所得に応じて決まる所得割と、所得にかかわらず定額の均等割があります。
| 区分 | 都民税 | 特別区民税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 所得割(税率) | 4% | 6% | 10% |
| 均等割(年額) | 1,000円 | 3,000円 | 4,000円 |
| 森林環境税(国税・年額) | ― | ― | 1,000円 |
出典:東京都主税局「個人住民税」、新宿区「令和7年度住民税」(税額の算出方法等、PDF)。所得割の税率は、調整控除などの税額控除を引く前の率です。森林環境税は国税で、区が均等割と併せて徴収します。平成26年度から令和5年度まで均等割に各500円が加算されていましたが、令和6年度からは森林環境税1,000円が加わっています(新宿区「住民税について」)。総務省が示す税率は全国共通の基準で、実際の税率は各自治体が決めます。
だれにかかるか
- 1月1日現在、新宿区に住所がある人には、所得割と均等割がかかります。
- 新宿区に住所がなくても、1月1日現在、区内に事務所・事業所・家屋敷がある人には、均等割だけがかかります(新宿区「住民税について」)。
- 1月2日以降に転出して住所が変わっても、その年度に納める区は変わりません(新宿区「納付のご案内」)。
住民税がかからない人(東京23区)
| 区分 | 所得割・均等割ともかからない | 所得割だけかからない |
|---|---|---|
| 同一生計配偶者・扶養親族がいない人 | 前年の合計所得金額が45万円以下 | 前年の総所得金額等が45万円以下 |
| 同一生計配偶者・扶養親族がいる人 | 35万円×(本人を含めた人数)+31万円以下 | 35万円×(同じ人数)+42万円以下 |
| (例)同一生計配偶者または扶養親族が1人の人(本人を含め2人) | 101万円以下 | 112万円以下 |
最後の行は、上の式に人数2を入れた当会計算です。このほか、生活保護法による生活扶助を受けている人と、障害者・未成年者・寡婦・ひとり親で前年の合計所得金額が135万円以下の人もかかりません。対象となる扶養親族は、16歳未満の人と控除対象扶養親族に限られます。23区以外では、均等割がかからない基準が異なる場合があります。出典:新宿区「住民税について」、東京都主税局「個人住民税」
個人事業主の場合、青色申告特別控除などを引いた後の事業所得が、単身で45万円以下なら住民税はかかりません。所得税の基礎控除(令和7年分は最高95万円、令和8年分は最高104万円)より、住民税の非課税の線は低いため、所得税がかからなくても住民税がかかる所得の幅があります。
住民税の計算方法
【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。
計算の流れ
- 所得金額:前年1月〜12月の総収入金額から必要経費と青色申告特別控除を引いた事業所得などです。所得の計算は所得税の計算の例によります(地方税法313条2項)。個人事業税は青色申告特別控除を引かない点が違います(東京都主税局「個人事業税」)。
- 課税所得金額:所得金額から、基礎控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、配偶者控除、扶養控除などを引きます。1,000円未満は切り捨てます(地方税法20条の4の2第1項)。
- 所得割額:課税所得金額に10%(都民税4%・特別区民税6%)をかけ、調整控除などの税額控除を引きます。都民税と特別区民税それぞれで、100円未満を切り捨てます(同条3項)。
- 年税額:所得割額に、均等割(4,000円)と森林環境税(1,000円)を足します。
住民税の基礎控除は、合計所得金額が2,400万円以下なら43万円です。2,400万円を超えると29万円・15万円と下がり、2,500万円を超えるとなくなります(地方税法314条の2第2項)。社会保険料(国民健康保険料・国民年金保険料など)と小規模企業共済等掛金は、支払った金額が所得控除になります(新宿区「令和7年度住民税」(PDF)の所得控除一覧表)。
計算例(事業所得435万円・単身・新宿区)
令和8年度(2026年度)の住民税を、次の条件で計算します(当会計算)。令和9年度分も、事業所得だけの単身者であれば同じ計算です。
- 前年の売上(総収入金額)800万円、必要経費300万円、青色申告特別控除65万円
- 社会保険料控除80万円(国民年金保険料・国民健康保険料の支払額として仮定)
- 単身で、ほかの所得・所得控除はない
課税所得金額:435万円−基礎控除43万円−社会保険料控除80万円=312万円
都民税の所得割:312万円×4%=124,800円 − 調整控除1,000円 = 123,800円
特別区民税の所得割:312万円×6%=187,200円 − 調整控除1,500円 = 185,700円
均等割4,000円と森林環境税1,000円を足して、年額 314,500円
年額を4回に分けると、1回あたりおよそ78,600円です(年額÷4、当会計算)。各期の実際の額は、区から届く納税通知書で確認してください。同じ人の所得税・個人事業税を含めた計算は、個人事業主の税金一覧にあります。
事業所得別の住民税の内訳
| 前年の事業所得 | 課税所得金額 | 都民税の所得割 | 特別区民税の所得割 | 均等割+森林環境税 | 年額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 45万円以下 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 70万円 | 270,000 | 9,800 | 14,700 | 5,000 | 29,500 |
| 100万円 | 570,000 | 21,800 | 32,700 | 5,000 | 59,500 |
| 300万円 | 2,570,000 | 101,800 | 152,700 | 5,000 | 259,500 |
| 500万円 | 4,570,000 | 181,800 | 272,700 | 5,000 | 459,500 |
| 1,000万円 | 9,570,000 | 381,800 | 572,700 | 5,000 | 959,500 |
当会計算。所得割は、課税所得金額に4%・6%をかけ、調整控除(都民税1,000円・特別区民税1,500円)を引いて、100円未満を切り捨てた金額です。所得控除は基礎控除43万円だけで、社会保険料控除などは入れていません。事業所得が45万円を超えて48万円未満のときは、課税所得金額が5万円に満たないため、調整控除は課税所得金額の5%(2,500円未満)になります。
課税所得金額がある範囲では、所得控除が10万円増えると所得割が1万円下がります(10万円×10%)。事業所得400万円の単身者の住民税は、年359,500円から、所得控除が10万円増えると349,500円になります(当会計算)。
調整控除と、そのほかの税額控除
調整控除は、所得税と住民税で人的控除(基礎控除・配偶者控除・扶養控除など)の額が違うことによる負担増を調整するために、所得割から引く税額控除です。計算では、基礎控除の差を5万円として扱います。
- 合計課税所得金額が200万円以下のとき:人的控除額の差の合計額と、合計課税所得金額のいずれか少ない額の5%(都民税2%・特別区民税3%)を引きます。
- 200万円を超えるとき:人的控除額の差の合計額から(合計課税所得金額−200万円)を引いた額(5万円を下回る場合は5万円)の5%を引きます。
- 合計所得金額が2,500万円を超える人には適用されません。
人的控除が基礎控除だけの人は、合計課税所得金額が5万円以上であれば、どちらの場合も5万円×5%=2,500円(都民税1,000円・特別区民税1,500円)です(当会計算)。このほか、寄附金税額控除(ふるさと納税など)、配当控除、住宅借入金等特別税額控除(所得税で引ききれなかった額)などがあります(東京都主税局「個人住民税」、新宿区「令和7年度住民税」(PDF))。
所得税と、税率・控除額が違う
| 項目 | 住民税 | 所得税(令和8年分) |
|---|---|---|
| 税率 | 一律10% | 5%〜45%の7段階 |
| 基礎控除 | 最高43万円 | 最高104万円 |
| 扶養控除 | 33万円 | 38万円 |
| 特定扶養控除 | 45万円 | 63万円 |
出典:総務省「個人住民税所得割の計算の仕組み」(PDF)、国税庁 タックスアンサー No.2260。令和8年度の住民税のもとになる令和7年分の所得税の基礎控除は、合計所得金額が2,350万円以下の場合、58万円から95万円です(No.1199)。
総務省は、住民税が「地域社会の会費」的な性格を持つため、所得税のほうが控除額の大きいものが多いと説明しています(総務省「個人住民税」)。所得税は納税者が確定申告で税額を計算するのに対し、住民税は区が税額を計算して納税者に通知する仕組みです(新宿区「住民税について」)。所得税の仕組みはいくらから税金がかかるかで説明しています。
令和7年度・令和8年度の税制改正の影響
令和8年度(2026年度)の住民税は令和7年度税制改正の影響を受け、令和9年度(2027年度)分には令和8年度税制改正の内容が入ります。どちらも成立済みです。
| 項目 | 令和7年度分まで | 令和8年度分(令和7年の所得) | 令和9年度分(令和8年の所得) |
|---|---|---|---|
| 住民税の基礎控除 | 43万円 | 43万円(変更なし) | 43万円(改正の定めなし) |
| 同一生計配偶者・扶養親族の前年の合計所得金額の要件 | 48万円以下 | 58万円以下 | 62万円以下 |
| 給与所得控除の最低保障額(給与もある人) | 55万円 | 65万円 | 74万円(引上げ9万円のうち5万円は2年間の時限措置) |
地方税法の改正は、令和8年度分が令和7年度税制改正(令和7年法律第7号)、令和9年度分が令和8年度税制改正(令和8年法律第2号)によります。給与所得控除の最低保障額は、所得の計算が所得税の例によるため(地方税法313条2項)、所得税法の改正に従って変わります。出典:総務省「令和7年度地方税制改正(案)について」(PDF)、令和7年法律第7号 要綱(PDF)、令和8年法律第2号 概要(PDF)、同 要綱(PDF)、総務省「毎年度の地方税制改正」。
- 基礎控除は据え置きです。令和8年分の所得税の基礎控除は最高104万円に上がりますが、令和8年度税制改正の大綱の地方税の項目に、個人住民税の基礎控除の引上げは含まれていません(財務省「令和8年度税制改正の大綱」(PDF))。総務省の資料にも、基礎控除は最高43万円と示されています。
- 配偶者や親族の所得の線が上がりました。令和8年度分から58万円以下になり、給与収入だけの配偶者なら給与収入123万円以下が目安です(給与所得控除の最低保障額65万円と合計所得金額58万円の合計、当会計算)。令和9年度分からは62万円以下です。令和8年度分から、生計を一にする19歳以上23歳未満の親族等がいる場合の特定親族特別控除も創設されました。
- 給与所得控除の見直しは、事業所得だけの人には原則として関係しません。給与もある人の給与所得の計算に使われます。
国税の改正の全体像は、最新の税制改正の実施カレンダーでまとめています。
前年の所得に課税される仕組み
【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。
1月1日の住所と前年の所得で決まる
住民税は、その年の1月1日に住んでいる区市町村が、前年1月〜12月の所得に対して課税します。地方税法は、個人の住民税の賦課期日(課税の基準となる日)を当該年度の初日の属する年の1月1日と定め(地方税法39条・318条)、所得割の課税標準を前年の所得について算定した所得金額と定めています(同法313条1項)。新宿区も、住民税は1月1日現在に住む区で前年中の所得に対して課税すると案内しています(新宿区「納付のご案内」)。
区は、確定申告書の内容や住民税の申告書、勤務先などが出す給与支払報告書をもとに税額を計算し、納税通知書で知らせます(総務省「個人住民税」、新宿区「住民税について」)。令和8年度の新宿区は、普通徴収の納税通知書を2026年6月10日(水)に発送すると案内していました(新宿区「令和8年度特別区民税・都民税・森林環境税 税額通知書等発送のご案内」)。令和8年度分(2026年度)は、2025年(令和7年)の所得をもとに、2026年1月1日に新宿区に住所があった人へ課税されています。
売上が減った年の例
前年の所得で決まるため、事業所得が大きく減った年にも、減る前の年の所得に対する住民税を納めます。
| 年度 | もとになる所得 | 納める時期 | 住民税の年額 |
|---|---|---|---|
| 令和8年度分 | 2025年(令和7年)の事業所得600万円 | 2026年6月〜2027年2月 | 559,500円 |
| 令和9年度分 | 2026年(令和8年)の事業所得200万円 | 2027年6月ごろから | 159,500円 |
金額は、事業所得別の住民税の内訳と冒頭の表の600万円と200万円の行と同じです。令和9年度分の納付時期は、新宿区の令和8年度の納期限の決め方をあてはめた当会の見込みです。
この例では、2026年中の事業所得が200万円に減っていても、2026年6月から2027年2月までは、600万円の所得に対する559,500円を納めます。2026年中の所得に対する住民税は、2027年度に請求されます。
開業した年と、廃業した年
- 開業した年:その年の事業所得に対する住民税は、翌年度分として、翌年6月ごろから納めます。開業した年の6月に届く請求は、開業前の年の所得(会社員だった場合は給与)に対するものです。
- 勤務先を辞めたとき:給与から差し引かれていた住民税は、退職時に残りを一括で差し引かれた場合を除き、残額を普通徴収(納付書による納付)で納めます(新宿区「納付のご案内」)。
- 廃業した年:事業をやめても、翌年1月1日に区内に住所があれば、やめた年の所得に対する住民税が翌年度に課税されます。
開業のときの税務の手続きは、新規開業時の税務の注意点で説明しています。住民税は、所得税と同じく事業の必要経費になりません(国税庁 タックスアンサー No.2210)。
納付時期と納付方法(新宿区の普通徴収)
【確定】2026年10月6日時点の新宿区の案内に基づく。
納期限(年4回)
給与や公的年金以外の所得にかかる住民税は、区から届く納税通知書と納付書で、年4回に分けて納めます(普通徴収)。納期限は6月末・8月末・10月末・翌年1月末で、末日が土曜日・日曜日・祝日・休日にあたる場合は、翌開庁日になります(新宿区「納付のご案内」)。
| 期別 | 原則の納期限 | 令和8年度分(2026年度) | 令和9年度分(2027年度) |
|---|---|---|---|
| 第1期 | 6月末 | 2026年6月30日(火) | 2027年6月30日(水) |
| 第2期 | 8月末 | 2026年8月31日(月) | 2027年8月31日(火) |
| 第3期 | 10月末 | 2026年11月2日(月) | 2027年11月1日(月) |
| 第4期 | 翌年1月末 | 2027年2月1日(月) | 2028年1月31日(月) |
令和8年度分の第3期(2026年10月31日は土曜日)と第4期(2027年1月31日は日曜日)は、翌開庁日の月曜日になります。令和8年度分・令和9年度分の日付は、新宿区の案内の規則を当会がカレンダーにあてはめて計算した日付です(令和9年度分の第3期の2027年10月31日は日曜日)。期別を間違えて納付した場合は、別の期に充てられません(新宿区「納付のご案内」)。
納付方法
- 窓口・コンビニ:銀行・信用金庫・信用組合、ゆうちょ銀行・郵便局、区役所6階の税務課、特別出張所の窓口で納めます。コンビニエンスストアは、30万円以下の納付書が対象です。
- 口座振替:納期限の日に指定口座から引き落とされます。区役所の窓口・郵送・金融機関の窓口で申し込みます。
- スマートフォン決済アプリ:納付書のバーコードを読み取り、ネットバンキングやクレジットカードなどで納めます(納付書1枚の合計が30万円以下)。クレジットカードは決済手数料がかかります。
- Pay-easy(ペイジー):納付書に記載された番号を入力して、対応するATM・パソコン・スマートフォンから納めます。
- 地方税統一QRコード(eL-QR)・eL番号:納付書に印字されたQRコードや番号で、スマートフォン・パソコン・ATMなどから納めます(eLTAXの「eLお支払サイト」)。
出典:新宿区「納付のご案内」、新宿区「バーコードを利用したスマートフォン決済アプリでの納付」。決済手数料は、納付額1円〜5,000円で27円、20,001円〜30,000円で275円などと、新宿区の案内に示されています(変更される場合があります)。
口座振替の申込み
口座振替は、納め忘れを防げる方法として新宿区が案内しています。振替日は各期の納期限の日で、申込み締切日は、第1期分が5月10日、第2期分が7月10日、第3期分が9月10日、第4期分(翌年1月末の振替)が12月10日です。1年分を一括前納する場合は、6月末日の振替で、締切日は5月10日です。申込み後に振替開始のお知らせが届き、開始までの期は納付書で納めます。残高不足で振替できなかった場合は再振替ができず、後日、納付書が送られます(新宿区「口座振替(普通徴収)について」)。
普通徴収と特別徴収:給与もある人は
【確定】2026年10月6日時点の新宿区の案内に基づく。なお、新宿区の「税額の算出方法等」は令和7年度版を確認しています。令和8年度版は2026年10月6日時点で、同区のページには掲載されていませんでした。
3つの納め方
住民税の納め方には、普通徴収、給与からの特別徴収、年金からの特別徴収の3種類があります。原則として、給与と公的年金等の所得にかかる住民税は特別徴収で、それ以外の所得にかかる住民税は普通徴収で納めます(新宿区「住民税について」)。
| 所得の種類 | 納め方 |
|---|---|
| 事業所得だけの個人事業主 | 普通徴収。区から届く納税通知書で、年4回納めます |
| 給与(勤務先がある人) | 給与からの特別徴収。通常は6月分から翌年5月分までの12回に分けて、毎月の給与から差し引かれます |
| 65歳以上の公的年金等 | 年金からの特別徴収。偶数月の年金の支払時に引き落とされます |
| 給与のほかに事業所得などがある人 | 給与の分は特別徴収、そのほかの分は普通徴収が原則。確定申告書で、給与から差し引く方法を選ぶこともできます |
出典:新宿区「住民税について」、新宿区「令和7年度住民税」(PDF)。令和7年度の住民税から、複数の勤務先から給与を受けている場合は、すべての給与を合算して税額を計算し、給与にかかる住民税を主たる給与の事業者から特別徴収します(新宿区「住民税について」)。
確定申告書第二表の「住民税・事業税に関する事項」
給与・公的年金等以外の所得にかかる住民税は、確定申告書の第二表の欄で、納め方を選べます。給与から差し引くことを希望する場合は「特別徴収」の欄に、給与から差し引かないで自分で納めることを希望する場合は「自分で納付」の欄に、〇を記入します(国税庁「手順6 住民税、事業税に関する事項を記入する」、令和7年分の手引き)。
- 新宿区は、「特別徴収」にチェックすると、当初からすべての年税額を給与からの特別徴収で納められると案内しています(令和7年度版)。
- 給与以外に所得がある人には、年税額から特別徴収税額を引いた差額を普通徴収で納めるため、区から納税通知書が送られます(令和7年度版)。
- 普通徴収から特別徴収へ切り替えるには、特別徴収義務者(雇用主)の承諾が必要です(新宿区「納付のご案内」)。
- 確定申告書の同じ欄には、ふるさと納税などの寄附金税額控除の金額も記入します。
確定申告書の作成と提出の手順は、e-Taxで所得税を確定申告するやり方で説明しています。
従業員を雇う個人事業主の場合
従業員の住民税は、事業主が毎月の給与から差し引いて、翌月10日(10日が土曜日・日曜日・祝日・休日の場合は翌開庁日)までに納めます(新宿区「納付のご案内」)。新宿区は、平成29年度から原則としてすべての事業主を特別徴収義務者に指定しています(新宿区「令和7年度住民税」(PDF))。事業主自身の住民税とは別のものです。
住民税の申告:確定申告をした人は原則不要
【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。
確定申告をした人は、住民税の申告は不要
税務署に所得税の確定申告をする人は、住民税の申告をする必要がありません(新宿区「住民税について」)。地方税法は、確定申告書を提出した場合には、住民税の申告書が提出されたものとみなすと定めています(地方税法317条の3第1項、政令で定める場合を除く)。確定申告書には、住民税のために必要な事項を付記します(同条3項)。個人事業税についても、確定申告書や住民税の申告書の「事業税に関する事項」の欄に記入すれば、別の申告は不要です(東京都主税局「個人事業税」)。
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になるとき
確定申告をしない人でも、1月1日現在、新宿区内に住所があり、前年に所得があった人は、原則として住民税の申告が必要です。申告が必要ない人は、年末調整が終わった給与の報告書が区に出されていて、ほかに所得がない人や、公的年金等の所得だけで各種控除を受けない人などです(新宿区「住民税について」)。法律上の申告期限は3月15日で、1月1日現在の住所地の区市町村長に提出します(地方税法317条の2第1項)。
- 所得が少なく、所得税がかからない個人事業主:所得税の確定申告が不要でも、事業所得が45万円(単身の場合)を超えれば住民税がかかるため、住民税の申告が必要になります。事業所得70万円の単身者を例にすると、令和7年分は、合計所得金額が132万円以下の場合の基礎控除95万円(国税庁 タックスアンサー No.1199)が所得を上回るため所得税はかかりませんが、令和8年度の住民税は29,500円です(当会計算、事業所得別の住民税の内訳)。
- 給与のほかに副業の所得がある人:給与の収入が2,000万円以下で、給与を1か所から受けていて、全部が源泉徴収されている人は、給与と退職以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告が不要です(国税庁 タックスアンサー No.1900)。ただし、その所得も住民税の対象なので、住民税の申告が必要です(新宿区「住民税について」)。
所得税の確定申告が必要かどうかの判定は、個人事業主の確定申告はいくらからで説明しています。
新宿区の申告の方法
令和8年度(令和7年分の所得)の新宿区の住民税の申告は、2026年2月9日(月)から3月16日(月)まで(土曜日・日曜日・祝日を除く)、本庁舎6階の税務課で受け付けました。窓口のほか、郵送でも受け付け、令和8年度の申告分から、マイナンバーカードを使ったスマートフォン・パソコンでの電子申告も利用できます(新宿区「令和8年度住民税の申告について」)。収入が一定額以下の人でも、申告の内容は国民健康保険料や介護保険料などの算定の資料になるため、申告書の提出に協力するよう区は求めています(同ページ)。令和9年度分の受付期間は、当会は2026年10月6日時点で確認できていません。
赤字の年も、申告を続ける
青色申告で赤字になった年の損失(純損失)を、翌年以降の住民税の計算で引くには、損失が生じた年分の所得税で青色申告書を提出し、その後も毎年、住民税の申告書(確定申告書を提出すれば提出したものとみなされます)を提出し続けている必要があります(地方税法313条8項・317条の3)。個人事業税の損失の繰越控除も、原則として、毎年の申告を一定の期限内に続けている必要があります(東京都主税局「個人事業税」)。所得がなかった年も、確定申告または住民税の申告は続けておきます。
住民税を払えないとき
【確定】2026年10月6日時点の新宿区の案内に基づく。
まず、納期限の前に相談する
新宿区は、納付が困難なときは相談するよう案内しています。来庁のほか、電話でも相談できます。電話相談窓口は新宿区納付案内センター(03-5273-4311)です(新宿区「納税相談」)。納期限までに納められない場合は、早めに滞納対策課へ相談すると、納税額を分割して納められる場合があります(新宿区「令和7年度住民税」(PDF))。
平日に来庁できない人のために、休日納付相談も開かれています。令和8年度(2026年度)の残りの日程は、2026年10月25日・11月22日・12月27日、2027年1月24日・2月28日・3月28日(いずれも日曜日)です。時間は午前9時から午後5時(受付は4時30分まで)、会場は本庁舎6階の滞納対策課です(新宿区「休日納付相談」)。
猶予の制度
特別区税を一時に納付することが困難と認められる事由があるときは、一定期間猶予する制度があります。申請先や詳しい要件は、滞納対策課徴収係に確認します(新宿区「納税相談」)。
- 徴収猶予:災害・盗難・病気・事業の休廃止などによる場合や、本来の納期限から1年を経過した日以後に税額が確定して一時に納められない場合に、申請により1年以内の期間に限り猶予が認められる場合があります(後者は納期限までに申請)。
- 換価の猶予:一時に納めると事業の継続や生活の維持ができなくなるおそれがあるなど、一定の要件にあてはまるとき、納期限から6か月以内に申請すると、1年以内の期間に限り猶予が認められる場合があります。ほかに滞納がある場合は、原則として認められません。
猶予が認められると、財産と収支の状況に応じて、原則として各月に分割して納めます。猶予期間中の延滞金の全部または一部が免除され、財産の差押えや換価(売却など)も猶予されます(新宿区「納税相談」)。生活保護法による扶助を受けている人や、災害により財産に被害を受けた人などは、減免の申請もできます。減免は各納期限までに申請する必要があり、すでに納期限が過ぎた税金は対象になりません。窓口は税務課収納管理係(03-5273-4139)です(新宿区「住民税等の減免について」)。
納期限を過ぎたときの延滞金と督促
納期限までに納めないと、納期限の翌日から納付日までの日数に応じた延滞金が加算されます。令和8年(2026年)の割合は、納期限の翌日から1か月までが年2.8%、1か月を過ぎた日以降が年9.1%です。滞納税額が2,000円未満のときは、延滞金は加算されません(新宿区「納付のご案内」)。
納期限までに納められなかった場合は、督促状が発送され、新宿区納付案内センターから電話やSMSで案内があります。督促状が発送された日から10日を経過しても納められないときは、法律の定めにより財産を差し押さえることがあります(新宿区「納税相談」)。区が決めた税額に不服があるときは、新宿区長に対する審査請求ができ、期間は原則として処分があったことを知った日から3か月以内です(新宿区「納付のご案内」)。
所得税・個人事業税・消費税との違い
【確定】2026年10月6日時点の法令等に基づく。
個人事業主が納める主な税金は4つあり、課税する団体、税の基準、納める時期が違います。住民税は、個人事業税とは別の税です。
| 税目 | 課税する団体 | 税の基準 | 納める時期(原則) |
|---|---|---|---|
| 住民税(都民税・特別区民税) | 東京都・新宿区 | 前年の所得(所得割10%と均等割) | 新宿区の普通徴収は6月末・8月末・10月末・翌年1月末 |
| 所得税・復興特別所得税 | 国 | その年の所得(5%〜45%の7段階) | 翌年3月15日(確定申告) |
| 個人事業税 | 東京都 | 法定業種の事業所得に青色申告特別控除額を足し、事業主控除290万円を引いた金額(税率3%〜5%) | 8月・11月(東京都の第1期は8月31日、第2期は11月30日) |
| 消費税・地方消費税 | 国・都道府県 | 課税売上高など | 翌年3月31日(確定申告) |
出典:東京都主税局「個人事業税」、新宿区「納付のご案内」、国税庁 タックスアンサー(No.2260 所得税の税率、No.2020 確定申告の期間と納付期限、No.6601 個人事業者の消費税の申告と納税の期限)。所得税と消費税の詳しい説明は個人事業主の税金一覧にあります。
個人事業税は、住民税とは別に、法定業種の事業所得に青色申告特別控除額を足した金額が、事業主控除290万円を超えるとかかります。計算方法と納付は、個人事業税の計算方法と納付時期で説明しています。個人事業税は全額が必要経費になるのに対し、住民税は必要経費になりません。
よくある質問
個人事業主の住民税はいくらですか?
前年の所得によって決まります。単身・東京23区で、所得控除が基礎控除43万円だけの場合、前年の事業所得(青色申告特別控除などを引いた後)が100万円なら年59,500円、300万円なら年259,500円、500万円なら年459,500円です(当会計算)。社会保険料控除などがあれば下がります。計算は、(所得金額−所得控除)×10%から調整控除を引き、均等割4,000円と森林環境税1,000円を足します。〔東京都主税局「個人住民税」、総務省「個人住民税」〕
個人事業主の住民税の計算方法は?
前年1月〜12月の所得金額から、基礎控除43万円、社会保険料控除などの所得控除を引いて課税所得金額を出し、10%(都民税4%・特別区民税6%)をかけます。そこから調整控除などの税額控除を引き、均等割(都民税1,000円・特別区民税3,000円)と森林環境税1,000円を足します。事業所得435万円、社会保険料控除80万円の単身者の場合、令和8年度の年額は314,500円です(当会計算)。〔新宿区「令和7年度住民税」(PDF)、地方税法313条・314条の2・314条の3〕
個人事業主の住民税はいつ払いますか?
新宿区の普通徴収では、令和8年度分は2026年6月30日、8月31日、11月2日、2027年2月1日の年4回です。原則は6月末・8月末・10月末・翌年1月末で、末日が土曜日・日曜日・祝日・休日の場合は翌開庁日になります。納税通知書は、2026年6月10日(水)の発送と案内されていました。〔新宿区「納付のご案内」、新宿区「令和8年度 税額通知書等発送のご案内」〕
住民税が前年の所得に課税されるのはなぜですか?
地方税法が、個人の住民税の賦課期日を1月1日と定め、所得割の課税標準を前年の所得について算定した所得金額と定めているためです。1月1日に住んでいる区市町村が、前年1月〜12月の所得をもとに税額を計算し、納税通知書で知らせます。事業所得が減った年にも、前年の所得に対する住民税を納めます。〔地方税法39条・313条・318条、新宿区「納付のご案内」〕
個人事業主の住民税は普通徴収ですか、特別徴収ですか?
事業所得だけの個人事業主は、普通徴収です。区から届く納税通知書の納付書で、年4回納めます。給与もある人は、給与の分は給与から差し引かれ(特別徴収)、給与以外の所得の分は、確定申告書の第二表で「特別徴収」(給与から差し引く)か「自分で納付」を選べます。従業員を雇っている場合は、従業員の住民税を給与から差し引いて納める義務が別にあります。〔新宿区「住民税について」、国税庁「手順6 住民税、事業税に関する事項を記入する」〕
確定申告をすれば、住民税の申告は不要ですか?
原則として不要です。税務署に所得税の確定申告をする人は、住民税の申告をする必要がありません。確定申告書を提出した場合には、住民税の申告書が提出されたものとみなされます。反対に、所得税の確定申告をしない人でも、1月1日に新宿区に住所があり、前年に所得があった人は、年末調整済みの給与だけの人などを除いて、住民税の申告が必要です。〔新宿区「住民税について」、地方税法317条の2・317条の3〕
所得税がかからなくても、住民税はかかりますか?
かかる場合があります。住民税の基礎控除は最高43万円で、所得税の基礎控除(令和8年分は最高104万円)より小さいためです。東京23区では、単身で前年の合計所得金額が45万円以下なら、住民税はかかりません。扶養親族がいる場合や、23区以外では基準が異なります。〔新宿区「住民税について」、総務省「個人住民税所得割の計算の仕組み」(PDF)〕
個人事業主の住民税が払えないときはどうすればよいですか?
納期限の前に、新宿区納付案内センター(03-5273-4311)へ相談します。納税額を分割して納められる場合があります。一時に納めると事業の継続や生活の維持ができなくなるおそれがあるときなどは、徴収猶予・換価の猶予の制度があり、猶予が認められると、延滞金の全部または一部が免除され、差押えも猶予されます。納期限を過ぎると延滞金が加算されます。〔新宿区「納税相談」、新宿区「納付のご案内」〕
住民税は経費にできますか?
できません。所得税と住民税は必要経費になりません。事業税は全額が必要経費になります。〔国税庁 タックスアンサー No.2210〕
個人事業税と住民税は同じ税金ですか?
別の税金です。住民税は前年の所得に対する税で、新宿区が納税通知書を送ります。個人事業税は、都内で法定業種の事業を営む人に東京都が課す税で、事業主控除は年290万円、税率は業種により3%〜5%です。東京都の納期限は原則として8月31日と11月30日です。〔東京都主税局「個人事業税」〕
出典・参考資料
いずれも2026年10月6日に内容を確認しました。
総務省
- 個人住民税、個人住民税所得割の計算の仕組み(PDF)
- 毎年度の地方税制改正(令和7年法律第7号・令和8年法律第2号)
- 令和7年度地方税制改正(案)について(PDF)、令和7年法律第7号 要綱(PDF)
- 令和8年法律第2号 概要(PDF)、同 要綱(PDF)
財務省
東京都主税局
新宿区
- 住民税について、令和7年度住民税(税額の算出方法等、PDF)
- 納付のご案内、令和8年度 税額通知書等発送のご案内
- 口座振替(普通徴収)について、スマートフォン決済アプリでの納付
- 納税相談、休日納付相談、住民税等の減免について
- 令和8年度住民税の申告について
国税庁
法令(e-Gov法令検索)
- 地方税法(20条の4の2・39条・313条・314条の2・314条の3・317条の2・317条の3・318条ほか)
新宿区の「税額の算出方法等」は、2026年10月6日時点で同区のページに掲載されている令和7年度版(PDF)を確認しました。令和8年度の税率・控除額は、東京都主税局、総務省、地方税法の現行の条文で確認しています。
改訂履歴
著者:新宿間税会(新宿間税会について)
- 2026年10月6日:公開(同日時点の法令等と、総務省・財務省・東京都主税局・新宿区・国税庁の資料に基づく)
本記事は一般的な情報提供を目的としています。住民税の税額や申告の要否など、個別の判断については、新宿区役所の税務課や税務署、税理士などの専門家にご相談ください。