個人事業主の税金一覧:所得税・住民税・個人事業税・消費税の仕組みと計算例(令和8年分対応)

個人事業主に主に関わる税金は、所得税(復興特別所得税を含む)・住民税・個人事業税・消費税の4つで、かかるかどうかは所得の金額、事業の業種、売上の規模、インボイス登録の有無で決まります。令和8年分(2026年1月〜12月)は所得税の基礎控除が最高104万円に上がり、消費税の2割特例は個人事業者にとって最後の年分になります。

4つの税金がかかる目安(令和8年分)

税目かかる目安主な納付時期
所得税・復興特別所得税所得(収入−必要経費−青色申告特別控除)が、基礎控除(最高104万円)などの所得控除の合計を超えるとき2027年3月15日まで
住民税前年の合計所得金額が、東京23区の単身者なら45万円を超えるとき2027年6月・8月・10月・2028年1月(新宿区)
個人事業税法定業種で、事業所得に青色申告特別控除額を足した金額が290万円を超えるとき2027年8月・11月(東京都)
消費税・地方消費税前々年(2024年)の課税売上高が1,000万円を超えるとき、またはインボイス登録をしているときなど2027年3月31日まで

所得税は、ほかに所得控除がなく、合計所得金額が489万円以下の場合の目安です。住民税の基準は家族の構成や市区町村によって異なります。詳しくはいくらから税金がかかるかで説明しています。

監修について
本記事は井手政紀税理士(井手政紀税理士事務所/元 新宿税務署長(第84代)/新宿間税会 税理士部会員)の監修内容を反映しています。2026年9月26日、令和8年度税制改正等に合わせて全面改訂し、2026年9月28日に監修者の確認が完了しました。

【確定】令和8年度税制改正で個人事業主に関係する主な変更(2026年9月26日時点)

  • 所得税の基礎控除:令和8年分・令和9年分は、合計所得金額489万円以下なら104万円など(2026年12月1日施行)。
  • 消費税の2割特例:個人事業者は令和8年分が最後。令和9年分・令和10年分は、要件を満たす個人事業者に限り3割特例(2026年10月1日施行)。
  • 免税事業者などからの仕入れで控除できる割合:2026年10月1日から80%が70%に。
  • 青色申告特別控除:令和9年分から75万円・65万円・10万円に。書面で申告する場合の上限は10万円。
  • 復興特別所得税:令和9年分から2.1%が1.1%に下がり、防衛特別所得税(1%)が加わる。合計の割合は2.1%のまま。

いずれも「所得税法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第12号、2026年3月31日成立)などによる改正です。

目次
  1. 個人事業主が納める税金の一覧
  2. いくらから税金がかかるか(令和8年分の目安)
  3. 所得別の税額の目安(早見表)
  4. 所得税・復興特別所得税の計算方法
  5. 住民税の計算方法と納付時期
  6. 個人事業税の計算方法と納付時期
  7. 消費税:納税義務の判定と2割特例・3割特例
  8. 青色申告の特典と令和9年分からの控除額
  9. 必要経費と家事按分
  10. 税負担を軽くする主な制度
  11. 納付時期と年間スケジュール(2026年10月〜2027年11月)
  12. よくある質問
  13. まとめと相談先
  14. 出典・参考資料

個人事業主が納める税金の一覧

4つの税金の種類、税率、申告の方法、納付の期限をまとめました。期限は原則の日付で、期限が休日にあたる場合は後ろにずれます。

個人事業主に主に関わる4つの税金
税目区分税率申告納付の期限(原則)
所得税・復興特別所得税国税所得税は5〜45%の7段階。復興特別所得税は所得税額の2.1%(令和9年分からは1.1%と防衛特別所得税1%)確定申告(翌年2月16日〜3月15日)翌年3月15日。予定納税がある人は7月・11月にも前払い
住民税(特別区民税・都民税)地方税所得割10%と均等割4,000円。このほか森林環境税(国税)1,000円所得税の確定申告をすれば不要普通徴収は6月・8月・10月・翌年1月の各末日(新宿区)
個人事業税地方税(都道府県)3〜5%(東京都。業種による)確定申告書の事業税の欄に記入すれば不要8月末・11月末(東京都)
消費税・地方消費税国税・地方税標準税率10%、軽減税率8%確定申告翌年3月31日

出典:国税庁 No.2260・No.2020・No.6601、東京都主税局「個人住民税」「個人事業税」、新宿区「住民税について」。

必要経費になるかどうかも税目で異なります。所得税と住民税は必要経費になりません。個人事業税は全額が必要経費になり、固定資産税は業務用の部分に限って必要経費になります(国税庁 タックスアンサー No.2210)。

このほかにかかることがある税金と保険料

事業に使う土地・建物や機械・備品を持っていれば固定資産税(償却資産を含む)、事業用の車があれば自動車税、契約書などを作れば印紙税がかかることがあります。

酒類を製造する事業者には酒税がかかります。酒類の小売業や飲食店を営む場合、酒税そのものは仕入れ価格にすでに含まれているため直接の納税義務者にはなりませんが、2026年10月1日の税率改正に伴う経過措置(手持品課税)の申告が必要になることがあります。詳しくは酒税の仕組みと2026年10月1日の税率改正をご覧ください。

国民年金保険料や国民健康保険料(税)は税金ではありませんが、個人事業主にとって負担の大きい支出です。支払った全額が社会保険料控除として所得から差し引かれます(国税庁 タックスアンサー No.1130)。金額は市区町村や年度によって異なるため、この記事の早見表には含めていません。

いくらから税金がかかるか(令和8年分の目安)

所得税:基礎控除は令和8年分から最高104万円

【確定・2026年12月1日施行】所得税は、所得の合計から基礎控除などの所得控除を差し引いて残る金額(課税所得)があるとかかります。個人事業主の所得(事業所得)は、売上などの総収入金額から必要経費を差し引き、青色申告の場合はさらに青色申告特別控除を差し引いた金額です。基礎控除の額は、合計所得金額によって次のとおりです。

所得税の基礎控除の額
合計所得金額令和7年分令和8年分・令和9年分令和10年分以後
132万円以下95万円104万円99万円
132万円超336万円以下88万円104万円62万円
336万円超489万円以下68万円104万円62万円
489万円超655万円以下63万円67万円62万円
655万円超2,350万円以下58万円62万円62万円

合計所得金額が2,350万円を超える場合は、2,400万円以下48万円、2,450万円以下32万円、2,500万円以下16万円、2,500万円超0円です(各年分共通)。出典:国税庁 タックスアンサー No.1199(令和8年4月1日現在法令等)。

  • ほかに所得がなく所得控除も基礎控除だけの人なら、令和8年分は所得が104万円以下であれば所得税はかかりません。国民年金保険料などの社会保険料控除があれば、その分だけかかり始める所得は上がります。
  • 合計所得金額が489万円を超えると、基礎控除は104万円から67万円に下がります。所得が489万円前後の人は、青色申告特別控除などで所得がいくらになるかによって税額が大きく変わります(控除額による税額の違い)。
  • 令和8年分の基礎控除の規定は2026年12月1日に施行されます。個人事業主は、令和8年分の確定申告(2027年2月16日〜3月15日)で改正後の額を使います。

住民税:基礎控除は43万円のまま

住民税の基礎控除は43万円(合計所得金額2,400万円以下の場合)で、所得税のような引上げは行われていません(新宿区「令和7年度税額の算出方法等」、令和8年度税制改正の大綱)。このため、所得税はかからなくても住民税はかかる所得の幅があります。東京23区で住民税がかからない基準は次のとおりです。

住民税がかからない人(東京23区)
区分所得割・均等割ともかからない所得割だけかからない
同一生計配偶者・扶養親族がいない人前年の合計所得金額が45万円以下前年の総所得金額等が45万円以下
同一生計配偶者・扶養親族がいる人35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の人数)+31万円以下35万円×(同じ人数)+42万円以下

このほか、生活保護法による生活扶助を受けている人と、障害者・未成年者・寡婦・ひとり親で前年の合計所得金額が135万円以下の人もかかりません。23区以外では、均等割がかからない基準が異なる場合があります。出典:東京都主税局「個人住民税」、新宿区「住民税について」。

個人事業税:法定業種で290万円を超える部分

個人事業税は、法律で定められた70の業種(法定業種)の事業にかかります。事業主控除は年290万円(事業を行った期間が1年未満なら月割り)ですが、青色申告特別控除は差し引かないため、「事業所得+青色申告特別控除額」が290万円を超えるかどうかで判断します(東京都主税局「個人事業税」)。計算方法は個人事業税の節で説明します。

消費税:前々年の売上1,000万円とインボイス登録

基準期間(個人は前々年)の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として消費税の納税義務は免除されます。ただし、インボイス発行事業者の登録を受けている場合、特定期間(前年1月1日〜6月30日)の課税売上高が1,000万円を超える場合、課税事業者選択届出書を出している場合などは免除されません(国税庁 タックスアンサー No.6501)。判定の詳しい説明は課税事業者と免税事業者の違いにあります。

所得税の確定申告が必要な人

所得の合計が所得控除の合計を超え、その超える額に対する税額が配当控除などの額を超える人は、所得税の確定申告が必要です(国税庁 タックスアンサー No.2020)。会社員の副業のように、給与を受けている人は条件によって申告が不要になる場合があります(よくある質問)。住民税は、所得税の確定申告をしない場合でも申告が必要になることがあります(住民税の申告)。

所得別の税額の目安(早見表)

所得別に、所得税・住民税・個人事業税の合計がどのくらいになるかを、次の条件で計算しました(当会試算)。

  • 令和8年分(2026年)の所得で計算。住民税は、この所得に対する令和9年度分(2027年6月から納付)
  • 東京23区に住む単身者。所得は青色申告特別控除(65万円)を差し引いた後の事業所得で、ほかの所得はない
  • 所得控除は基礎控除だけ(社会保険料控除などを入れていないため、実際より高めに出ます)
  • 個人事業税は税率5%の業種。消費税は売上とインボイス登録の状況で決まるため含めていません
所得別の税額の目安(令和8年分・単身・東京23区)単位:円
所得(控除後)所得税・復興特別所得税住民税個人事業税合計所得に対する割合
100万円059,500059,5006.0%
200万円49,000159,5000208,50010.4%
300万円100,500259,50037,500397,50013.3%
400万円202,600359,50087,500649,60016.2%
500万円447,700459,500137,5001,044,70020.9%
600万円651,900559,500187,5001,398,90023.3%
800万円1,083,600759,500287,5002,130,60026.6%
1,000万円1,592,100959,500387,5002,939,10029.4%

所得税は基礎控除(国税庁 No.1199)と速算表(No.2260)で計算し、復興特別所得税(2.1%)は1円未満、合計は100円未満を切り捨てました。住民税は(所得−43万円)×10%から調整控除2,500円を差し引き、都民税・特別区民税ごとに100円未満を切り捨てて、均等割4,000円と森林環境税1,000円を足しました。個人事業税は(所得+65万円−290万円)×5%です。割合は小数第2位を四捨五入しました。実際の税額は、所得控除や税額控除、区の計算によって変わります。

所得400万円と500万円の間で所得税が大きく増えるのは、合計所得金額が489万円を超えると基礎控除が104万円から67万円に下がるためです。

所得税・復興特別所得税の計算方法

計算の流れ

  1. 事業所得:総収入金額−必要経費−青色申告特別控除
  2. 課税所得:所得の合計−所得控除(基礎控除、社会保険料控除など)。1,000円未満は切り捨てます
  3. 所得税額:課税所得×税率−控除額(下の速算表)。住宅ローン控除などの税額控除があれば差し引きます
  4. 復興特別所得税:所得税額(基準所得税額)×2.1%
  5. 申告納税額:所得税と復興特別所得税の合計から源泉徴収税額や予定納税額を差し引き、100円未満を切り捨てます

出典:国税庁 タックスアンサー No.2260、国税通則法(118条・119条)。

所得税の税率(速算表)

所得税の速算表(令和8年分)
課税される所得金額税率控除額
1,000円から1,949,000円まで5%0円
1,950,000円から3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円

出典:国税庁 タックスアンサー No.2260(令和8年4月1日現在法令等)。

計算例(令和8年分)

次の条件の人を例に、所得税・住民税・個人事業税を計算します(当会試算)。

  • 売上(総収入金額)800万円、必要経費300万円。インボイス登録をしていない免税事業者
  • 青色申告特別控除65万円(期限内にe-Taxで申告)
  • 社会保険料控除80万円(国民年金保険料・国民健康保険料の支払額として仮定)。東京23区に住む単身者で、ほかの所得・所得控除はない
  • 個人事業税は税率5%の業種
事業所得:800万円−300万円−65万円=435万円(合計所得金額が489万円以下なので基礎控除は104万円)
課税所得:435万円−104万円−80万円=251万円
所得税:251万円×10%−97,500円=153,500円
復興特別所得税:153,500円×2.1%=3,223円(1円未満切捨て)
申告納税額:153,500円+3,223円=156,723円 → 156,700円(100円未満切捨て)

同じ所得で令和7年分の基礎控除(68万円)を使うと、申告納税額は193,400円です(当会試算)。令和8年分は基礎控除が36万円増えるため、この例では36,700円少なくなります。

令和9年分からの復興特別所得税と防衛特別所得税

【確定・令和9年分から】令和9年分(2027年分)以後は、復興特別所得税の税率が2.1%から1.1%に下がり、課税の期間は令和29年分(2047年分)まで延びます。同時に、基準所得税額の1%の防衛特別所得税が課されます。合計の割合は2.1%で変わりません(財務省「令和8年度税制改正の大綱」(PDF)、国税庁 No.2260)。確定申告で初めて防衛特別所得税を計算するのは、令和9年分の申告(2028年2〜3月)です。

予定納税

前年分の申告納税額などをもとに計算した予定納税基準額が15万円以上の人は、その3分の1ずつを第1期(7月1日〜31日)と第2期(11月1日〜30日)に前払いし、確定申告で精算します。令和8年分の予定納税額には令和8年度税制改正による基礎控除の見直しは反映されておらず、確定申告で精算されます(国税庁 タックスアンサー No.2040)。

住民税の計算方法と納付時期

所得割と均等割

  • 所得割:(前年の所得−所得控除)×10%(都民税4%・特別区民税6%)から、調整控除などの税額控除を差し引きます。政令指定都市では道府県民税2%・市民税8%です。
  • 均等割:都民税1,000円・特別区民税3,000円の計4,000円です。
  • 森林環境税(国税):1,000円。2024年度から均等割と併せて徴収されています。

住民税は、1月1日に住んでいる市区町村が前年の所得をもとに計算し、納税通知書で知らせます。所得の金額は所得税と同じく青色申告特別控除を差し引いた後の金額ですが、基礎控除などの所得控除の額は所得税と異なります(総務省「個人住民税」、東京都主税局「個人住民税」)。

住民税は必要経費にならない

所得税・住民税が必要経費にならない点は個人事業主が納める税金の一覧で説明したとおりです(国税庁 タックスアンサー No.2210)。

計算例(上と同じ人・令和9年度分)

課税所得:435万円−基礎控除43万円−社会保険料控除80万円=312万円
所得割:312万円×10%=312,000円 − 調整控除2,500円 = 309,500円(都民税123,800円、特別区民税185,700円)
均等割4,000円と森林環境税1,000円を足して、合計 314,500円

計算例(当会試算)。調整控除は、所得税と住民税の人的控除の差(この例では基礎控除の5万円だけ)をもとに計算します。課税所得が200万円を超えるため、最低額の5万円×5%=2,500円(都民税1,000円、特別区民税1,500円)になります(新宿区「令和7年度税額の算出方法等」(PDF))。実際の税額は区の計算によって異なる場合があります。

所得税が0円でも住民税がかかる例

令和8年分の所得が100万円の単身者で、ほかに所得控除がない場合、所得税は基礎控除(104万円)以下なので0円です。住民税は(100万円−43万円)×10%−調整控除2,500円=54,500円に、均等割と森林環境税の5,000円を足した59,500円がかかります(当会試算)。

納付時期(新宿区の普通徴収)

給与や公的年金以外の所得にかかる住民税は、区から届く納税通知書で年4回に分けて納めます(普通徴収)。新宿区の納期限は次のとおりで、土曜日・日曜日にあたる場合は翌月曜日になります(新宿区「住民税について」)。

新宿区の住民税(普通徴収)の納期限
期別原則の納期限令和8年度分(2026年度)令和9年度分(2027年度)
第1期6月30日2026年6月30日(火)2027年6月30日(水)
第2期8月31日2026年8月31日(月)2027年8月31日(火)
第3期10月31日2026年11月2日(月)2027年11月1日(月)
第4期翌年1月31日2027年2月1日(月)2028年1月31日(月)

曜日と繰り下げ後の日付は、新宿区の案内(土・日曜日は翌月曜日)に基づき当会で計算しました。

給与から住民税が差し引かれている人(特別徴収)で給与以外の所得がある人は、その分を普通徴収で納めるのが原則ですが、確定申告書第二表の「住民税に関する事項」で特別徴収を選ぶと、給与から差し引く方法で納めることもできます(新宿区「令和7年度税額の算出方法等」)。

住民税の申告

所得税の確定申告をした人は、住民税の申告をする必要はありません。確定申告をしない人でも、1月1日に新宿区に住所があり前年に所得があった人は、原則として住民税の申告が必要です。年末調整を受けた給与のほかに所得がない人や、公的年金等の所得だけで各種控除を受けない人などは不要です(新宿区「住民税について」)。

個人事業税の計算方法と納付時期

対象の業種と税率(東京都)

個人事業税の法定業種と税率(東京都)
区分税率主な業種
第1種事業(37業種)5%物品販売業、飲食店業、製造業、請負業、広告業、不動産貸付業、運送業など
第2種事業(3業種)4%畜産業、水産業、薪炭製造業
第3種事業(30業種)5%医業、税理士業、弁護士業、デザイン業、コンサルタント業、理容業、美容業など
第3種事業のうち一部3%あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復その他の医業に類する事業、装蹄師業

出典:東京都主税局「個人事業税」。すべての業種は同ページの一覧で確認できます。自分の事業が法定業種に当たるか分からない場合は、事業所を所管する都税事務所(東京都主税局「都税事務所等一覧」)に問い合わせてください。

計算式と計算例

個人事業税 =(事業所得 + 青色申告特別控除額 − 事業主控除290万円)× 税率

正確には、事業専従者給与(控除)の調整もあり、白色申告の事業専従者控除は、配偶者86万円、その他の親族は1人50万円が限度です。個人事業税で差し引く控除は、損失の繰越控除などと事業主控除で、所得税・住民税の基礎控除や社会保険料控除のような控除はありません(東京都主税局「個人事業税」)。

計算例(上と同じ人・税率5%の業種):(435万円+65万円−290万円)×5%=105,000円

「所得290万円以下ならかからない」は誤り

青色申告特別控除(65万円)を差し引いた後の事業所得が250万円でも、個人事業税では65万円を足し戻すため、(250万円+65万円−290万円)×5%=12,500円がかかります(当会試算)。

申告と納付

所得税の確定申告や住民税の申告をした人は、個人事業税の申告は不要で、申告書の「事業税に関する事項」の欄に記入します。東京都では、原則として8月に納税通知書が届き、第1期は8月31日、第2期は11月30日(休日の場合はその翌日)が納期限です。年の途中で事業を廃止した場合は、廃止の日から1か月以内に申告します(東京都主税局「個人事業税」)。都内で事業を始めたときなどに出す「事業開始(廃止)等申告書」は、東京都主税局の申請様式のページに様式があり、LoGoフォームからも提出できます。

納めた個人事業税は、全額が所得税の計算上の必要経費になります(国税庁 No.2210)。

消費税:納税義務の判定と2割特例・3割特例

納税義務の判定

次のいずれかに当たる年分は、消費税の課税事業者として申告と納付が必要です(国税庁 No.6501)。

課税事業者になる主な場合(個人事業者)
条件説明
基準期間の課税売上高が1,000万円超基準期間は前々年。令和8年分なら2024年の課税売上高で判定します
特定期間の課税売上高が1,000万円超特定期間は前年1月1日〜6月30日。課税売上高に代えて給与等の支払額の合計で判定することもでき、どちらで判定するかは任意です
インボイス発行事業者の登録を受けている基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも、納税義務は免除されません
課税事業者選択届出書を出している同上

計算方法の種類

消費税の計算方法(個人事業者)
方法納付税額(国税分)の考え方使える人・期間
一般課税売上税額−仕入税額(インボイスなどに基づいて計算)すべての課税事業者
簡易課税売上税額−売上税額×みなし仕入率(業種により90%〜40%)基準期間の課税売上高5,000万円以下で、事前に届出書を出した人(原則2年間継続)
2割特例売上税額×20%令和8年分まで。インボイス登録がなければ免税事業者となる年分など
3割特例売上税額×30%令和9年分・令和10年分。インボイス登録がなければ免税事業者となる年分で、基準期間の課税売上高1,000万円以下など。法人は使えません

出典:国税庁 No.6505 簡易課税制度、インボイス制度 令和8年度税制改正特集、リーフレット「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」(PDF)。

それぞれの詳しい要件は、簡易課税制度の事業区分とみなし仕入率、2割特例はいつまで使えるか、3割特例の要件と簡易課税との比較で説明しています。2割特例・3割特例を使った翌年分から簡易課税に切り替える場合は、その翌年分の確定申告期限までに届出書を出せば間に合います(翌年分が2026年10月1日以後に終わる場合)。例えば令和8年分に2割特例を使い、令和9年分から簡易課税にする場合の期限は2028年3月31日です。

2割特例と3割特例の税率

2割特例は納付税額を売上税額の20%にする方法で、個人事業者は令和8年分(2026年分)が最後です。3割特例は納付税額を売上税額の30%にする方法で、令和9年分・令和10年分に、インボイス登録がなければ免税事業者となる年分で、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることなどの要件を満たす個人事業者が使えます。法人は3割特例を使えません。同じ売上でも、3割特例は2割特例より納付額が多くなります。みなし仕入率が70%より高い卸売業(消費税の簡易課税では第1種事業、みなし仕入率90%)や小売業など(同・第2種事業、みなし仕入率80%)は、簡易課税のほうが3割特例より納付額が少なくなります(この第1種・第2種は消費税の簡易課税の事業区分で、個人事業税の第1種・第2種とは異なります。比べ方の考え方は国税庁 インボイスQ&A 問117-3)。税込・税抜の計算や一般課税の手順は消費税の計算方法で説明しています。

免税事業者のまま取引を続ける場合

【確定・2026年10月1日施行】インボイス登録をしていない免税事業者から仕入れた事業者は、経過措置により、仕入れにかかった消費税相当額の一定割合を控除できます。控除できる割合は2026年9月30日までの80%から2026年10月1日以後は70%に下がり、その後も段階的に縮小して2031年10月1日以後は控除できなくなります。一の相手先からの仕入れが年1億円を超える部分は対象外です。詳しくは免税事業者等からの仕入れの経過措置(70%控除と1億円上限)、登録の方法はインボイス登録の手続をご覧ください。

申告・納付の期限

個人事業者の消費税の確定申告と納付の期限は、翌年3月31日です(国税庁 タックスアンサー No.6601)。所得税の3月15日とは異なります。令和8年分は2027年3月31日(水)が期限で、2割特例を使える最後の申告です。前年の消費税の年税額(地方消費税を除く)が48万円を超える場合は、中間申告も必要です(国税庁 タックスアンサー No.6609)。納付の方法は消費税の納付期限、申告書の各欄は消費税申告書の書き方、e-Taxでの申告はe-Taxで消費税を申告する方法で説明しています。

【予定・法案未成立】飲食料品の消費税率1%(2026年9月26日時点)

2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、飲食料品の消費税率を1%に引き下げる案が、2026年9月15日に閣議決定されました。国税庁の消費税率引下げ特設サイトは、掲載している内容を、今後法案が国会に提出され、可決・成立した場合のものと説明しています。法案が成立するまでは、確定した制度ではありません。

青色申告の特典と令和9年分からの控除額

青色申告特別控除(令和8年分まで)

青色申告特別控除の要件(令和8年分まで)
控除額主な要件
65万円55万円の要件を満たし、さらに、確定申告書・貸借対照表・損益計算書などを期限内にe-Taxで送信するか、仕訳帳と総勘定元帳を優良な電子帳簿で保存する(届出書が必要)
55万円事業所得(または不動産所得)を生ずべき事業を営み、正規の簿記(一般的には複式簿記)で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付して、期限(翌年3月15日)までに申告する
10万円上記に当たらない青色申告者

現金主義による所得計算の特例を受けている人は、55万円・65万円の控除を受けられません。出典:国税庁 タックスアンサー No.2072。

令和9年分以後の控除額

【確定・令和9年分から】

青色申告特別控除の要件(令和9年分以後)
控除額主な要件
75万円65万円の要件に加えて、①仕訳帳と総勘定元帳をその年の最初から優良な電子帳簿で保存するか、②電子取引のデータを国税庁長官が定める基準に適合するシステムで送受信・保存する(デジタルシームレス保存)。いずれも確定申告期限までに届出書を出す
65万円正規の簿記で記帳し、確定申告書と青色申告決算書(貸借対照表を含む)のデータを、期限までにe-Taxで送信する
10万円上記以外の青色申告者。ただし、簡易な簿記で記帳していて、前々年分の事業所得(または事業的規模の不動産所得)の収入金額が1,000万円を超える人は受けられない

令和8年分までは書面で申告しても55万円の控除を受けられましたが、令和9年分以後は、書面で申告すると上限は10万円になります。75万円の控除を優良な電子帳簿で受ける場合は、その年の最初から要件を満たす必要があるため、令和9年分で受けるなら2027年1月1日からの帳簿を要件に合う会計ソフトなどで付ける必要があります。出典:国税庁リーフレット「令和9年分から青色申告特別控除はどう変わる?」(令和8年4月、PDF)、「75万円の青色申告特別控除」(令和8年8月、PDF)。

控除額による税額の違い(計算例)

所得税・住民税の計算例と同じ人(売上800万円、必要経費300万円、社会保険料控除80万円、単身、税率5%の業種)で、令和8年分の青色申告特別控除の額による違いを計算しました(当会試算)。

青色申告特別控除の額と税額(令和8年分)単位:円
青色申告特別控除事業所得基礎控除所得税・復興特別所得税住民税(令和9年度分)個人事業税
65万円4,350,0001,040,000156,700314,500105,000
55万円4,450,0001,040,000166,900324,500105,000
10万円4,900,000670,000263,900369,500105,000
なし5,000,000670,000284,300379,500105,000

65万円の控除を受けた場合と受けなかった場合とでは、所得税と住民税の合計に192,600円の差があります。この例では、控除によって合計所得金額が489万円以下になり、所得税の基礎控除が67万円から104万円に増えることも差を大きくしています。個人事業税は青色申告特別控除を足し戻して計算するため、変わりません。

そのほかの主な特典

  • 純損失の繰越し:赤字を翌年以後3年間繰り越して、各年分の所得から差し引けます(特定非常災害による一定の損失は5年)。
  • 純損失の繰戻し:前年も青色申告をしている場合は、赤字を前年分の所得に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることもできます。
  • 青色事業専従者給与:生計を一にする配偶者などの親族(15歳以上)で事業に専ら従事する人への給与を、事前に届け出た金額の範囲内で、労務の対価として適正な額なら必要経費にできます。
  • 少額減価償却資産の特例:一定の要件を満たす青色申告者は、取得価額10万円以上40万円未満(2026年3月31日までに取得したものは30万円未満)の減価償却資産を、合計300万円まで、使い始めた年の必要経費にできます(2029年3月31日までの取得分)。

出典:国税庁 タックスアンサー No.2070、No.2100。

開業と青色申告の届出

事業を始めたときは、税務署に「個人事業の開廃業等届出書」を出します。国税庁のタックスアンサー No.2090(令和8年4月1日現在法令等)では、提出期限は事業を始めた日の属する年分の確定申告期限までとされています。青色申告をするには「所得税の青色申告承認申請書」を、青色申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後に事業を始めた場合は、始めた日から2か月以内)に出します。令和9年分から青色申告にするなら、期限は2027年3月15日(月)です(国税庁 タックスアンサー No.2090、No.2070)。

必要経費と家事按分

必要経費になるもの

必要経費になるのは、売上原価など総収入金額を得るために直接かかった費用と、その年に生じた販売費・一般管理費など業務上の費用です。その年に債務が確定したものが対象で、その年に支払っていても債務が確定していないものはその年の必要経費にならず、支払っていなくても債務が確定していればその年の必要経費になります(国税庁 No.2210)。

家事按分(家事関連費)

自宅兼事務所の家賃や水道光熱費のように、一つの支出が家事と業務の両方に関わるものを家事関連費といいます。必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて、業務の遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合の、その区分できる金額に限られます(国税庁 No.2210)。面積や使用時間など、区分の根拠を記録しておくことが大切です。

計算例:家賃が月10万円で、住まい全体の床面積40㎡のうち仕事専用の部屋が10㎡なら、面積で按分した業務用の割合は25%(10㎡÷40㎡)です。必要経費に算入する家賃は月25,000円、年300,000円になります。

必要経費にならないもの

  • 所得税と住民税
  • 罰金、科料、過料など
  • 生計を一にする配偶者やその他の親族に支払う地代家賃や給与(青色事業専従者給与などを除きます)
  • 小規模企業共済の掛金(必要経費ではなく、小規模企業共済等掛金控除として所得から差し引きます)

出典:国税庁 No.2210、中小機構「小規模企業共済の掛金」。

帳簿と書類の保存

青色申告者の帳簿や書類は原則として7年間の保存が必要で、請求書・見積書・納品書など5年間でよいものもあります(国税庁 No.2070)。請求書や領収書などをデータでやり取りした場合は、そのデータを一定の要件に従って保存する必要があります(国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」)。

税負担を軽くする主な制度

所得控除は、控除額にその人の税率を掛けた分だけ税額を減らします。税率は所得によって異なるため、効果の金額も人によって異なります。

  • 小規模企業共済:掛金は月1,000円〜70,000円(500円単位)で、全額が小規模企業共済等掛金控除の対象です(中小機構「小規模企業共済の掛金」、国税庁 タックスアンサー No.1135)。
  • iDeCo(個人型確定拠出年金):掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除の対象です(国税庁 No.1135)。自営業者など(第1号加入者)のiDeCoと国民年金基金の共通の拠出限度額は、2026年12月1日から月額7.5万円に引き上げられる予定です(厚生労働省「2025年の制度改正」)。
  • 国民年金保険料・国民健康保険料(税):支払った全額が社会保険料控除の対象です(国税庁 No.1130)。
  • 青色申告:青色申告特別控除や少額減価償却資産の特例などがあります(青色申告の特典)。
  • 医療費控除・ふるさと納税(寄附金控除):支払った医療費や、都道府県・市区町村への寄附金(ふるさと納税を含む)の額に応じて所得から差し引かれます(国税庁 タックスアンサーNo.1120・No.1150)。ふるさと納税のワンストップ特例制度は、本来確定申告が不要な給与所得者等が対象のため、確定申告をする個人事業主は使えず、寄附金控除として確定申告で申告します(総務省「ふるさと納税のしくみ」)。

法人化(法人成り)を考えるとき

所得がいくらを超えれば法人にしたほうが有利になる、という法令上の基準はありません。法人にすると、所得税に代わって法人税などがかかるほか、社会保険や事務の負担も変わるため、それらを含めて比較することが大切です。法人の税金の概要は法人の税務で説明しています。

納付時期と年間スケジュール(2026年10月〜2027年11月)

個人事業主に関係する主な期限と施行日です。住民税は新宿区、個人事業税は東京都の例です。振替納税の引落日は、国税庁の発表後に確認してください。

主な期限と施行日
日付内容
2026年10月1日(木)免税事業者などからの仕入れで控除できる割合が80%から70%に。3割特例の規定などの施行
2026年11月2日(月)住民税 第3期の納期限(10月31日が土曜日のため)
2026年11月30日(月)所得税の予定納税 第2期の納期限/個人事業税 第2期の納期限
2026年12月1日(火)令和8年分の基礎控除などの改正規定の施行/iDeCoの拠出限度額の引上げ(施行予定)
2027年1月1日(金)防衛特別所得税と復興特別所得税1.1%の開始(令和9年分から)。75万円の青色申告特別控除を優良な電子帳簿で受ける場合は、この日からの帳簿が対象
2027年2月1日(月)住民税 第4期の納期限(1月31日が日曜日のため)
2027年2月16日(火)〜3月15日(月)令和8年分の所得税の確定申告と納付。令和9年分から青色申告をする場合の承認申請の期限も3月15日
2027年3月31日(水)令和8年分の消費税の確定申告と納付の期限(2割特例を使える最後の申告)
2027年4月1日(木)【予定・法案未成立】飲食料品の消費税率1%
2027年6月30日(水)令和9年度分の住民税 第1期の納期限
2027年8月2日(月)所得税の予定納税 第1期の納期限(7月31日が土曜日のため)
2027年8月31日(火)住民税 第2期の納期限/個人事業税 第1期の納期限
2027年11月1日(月)住民税 第3期の納期限(10月31日が日曜日のため)
2027年11月30日(火)所得税の予定納税 第2期の納期限/個人事業税 第2期の納期限

予定納税は予定納税基準額が15万円以上の人だけが対象です。休日にあたる期限の繰り下げは、国税は国税通則法10条2項、住民税は新宿区の案内、個人事業税は東京都主税局の案内に基づき当会で計算しました。

よくある質問

個人事業主は所得がいくらから所得税がかかりますか。

令和8年分は、合計所得金額が489万円以下なら基礎控除が104万円なので、ほかに所得控除がなければ、所得(売上などの収入から必要経費と青色申告特別控除を差し引いた金額)が104万円を超えると所得税がかかります。社会保険料控除などがあれば、その分だけかかり始める所得は上がります。令和8年分の基礎控除の規定は2026年12月1日に施行されます。〔国税庁 タックスアンサー No.1199〕

所得税がかからなくても住民税はかかりますか。

かかる場合があります。住民税の基礎控除は43万円で、所得税の基礎控除(令和8年分は最高104万円)より小さいためです。東京23区では、単身者は前年の合計所得金額が45万円以下なら住民税はかかりません。扶養親族がいる場合やほかの市区町村では基準が異なります。〔新宿区「住民税について」、東京都主税局「個人住民税」〕

住民税や所得税は経費にできますか。

できません。所得税と住民税は必要経費になりません。個人事業税は全額が必要経費になり、固定資産税は業務用の部分に限って必要経費になります。〔国税庁 タックスアンサー No.2210〕

個人事業税は、所得が290万円以下ならかかりませんか。

青色申告特別控除を差し引いた後の所得で判断すると誤ります。個人事業税では青色申告特別控除を差し引かないため、控除後の事業所得が250万円でも、65万円を足し戻した315万円から事業主控除290万円を引いた25万円に税率がかかります(税率5%の業種なら12,500円)。法定業種に当たらない事業にはかかりません。〔東京都主税局「個人事業税」〕

消費税の2割特例はいつまで使えますか。その後はどうなりますか。

個人事業者は令和8年分(2026年1月〜12月。申告期限は2027年3月31日)が最後です。令和9年分と令和10年分は、インボイス登録がなければ免税事業者となる年分で、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることなどの要件を満たせば、納付税額を売上税額の3割にする3割特例を使えます。法人は3割特例を使えません。〔国税庁 インボイス制度 令和8年度税制改正特集〕

青色申告特別控除は令和9年分からどう変わりますか。

正規の簿記(一般的には複式簿記)で記帳し、期限内にe-Taxで申告した場合は65万円、これに加えて優良な電子帳簿の保存(その年の最初から)かデジタルシームレス保存を行い、届出書を出した場合は75万円です。書面で申告した場合の上限は10万円になります。簡易な簿記で記帳していて、前々年分の事業所得(または事業的規模の不動産所得)の収入金額が1,000万円を超える人は、10万円の控除も受けられなくなります。〔国税庁リーフレット(令和8年4月)、国税庁リーフレット(令和8年8月)〕

会社員の副業で、所得が20万円以下なら申告は不要ですか。

給与の収入が2,000万円以下で、給与を1か所から受けていて、その全部が源泉徴収の対象となっている人などは、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円以下なら、所得税の確定申告は不要です。ただし住民税の申告は別で、新宿区では、確定申告をしない人でも、1月1日に区内に住所があり前年に所得があった人は、原則として住民税の申告が必要です。〔国税庁 タックスアンサー No.1900・No.2020、新宿区「住民税について」〕

消費税の確定申告の期限はいつですか。

個人事業者は翌年の3月31日で、所得税の確定申告の期限(3月15日)とは異なります。令和8年分の期限は2027年3月31日(水)です。〔国税庁 タックスアンサー No.6601〕

予定納税とは何ですか。

前年分の申告納税額などをもとに計算した予定納税基準額が15万円以上の人が、その3分の1ずつを第1期(7月)と第2期(11月)に前払いする制度で、確定申告で精算します。令和8年分の予定納税額には令和8年度税制改正による基礎控除の見直しが反映されておらず、確定申告で精算されます。〔国税庁 タックスアンサー No.2040〕

まとめと相談先

  • 個人事業主に主に関わる税金は、所得税(復興特別所得税を含む)、住民税、個人事業税、消費税の4つで、かかるかどうかは所得・業種・売上・インボイス登録で決まります。
  • 令和8年分の所得税の基礎控除は、合計所得金額489万円以下なら104万円です。住民税の基礎控除は43万円のままなので、所得税が0円でも住民税がかかることがあります。
  • 個人事業税は、青色申告特別控除を足し戻した所得から事業主控除290万円を差し引いて計算します。
  • 消費税の2割特例は、個人事業者は令和8年分が最後です。令和9年分・令和10年分は、要件を満たせば3割特例を使えます。
  • 青色申告特別控除は令和9年分から変わり、書面で申告すると上限は10万円になります。

相談先

個別の事情に応じた判断は、税理士や税務署などにご相談ください。国税局の電話相談センター、新宿税務署、東京税理士会、新宿区役所など、新宿で利用できる無料の公的な窓口は新宿で税金の相談をしたいときの公的な窓口にまとめています。個人事業税は事業所を所管する都税事務所、新宿区の住民税は新宿区役所の税務課が窓口です。

出典・参考資料

いずれも2026年9月26日までに内容を確認しました。

国税庁 所得税

国税庁 消費税

財務省・法令

東京都・新宿区・総務省

その他

改訂履歴と監修について

著者:新宿間税会(新宿間税会について)

  • 2025年7月11日:公開
  • 2026年9月25日:所得税の基礎控除と計算の説明、復興特別所得税・防衛特別所得税、住民税の均等割、個人事業税、消費税の2割特例・3割特例、青色申告特別控除などの記述を訂正
  • 2026年9月26日:全面改訂(令和8年度税制改正への対応、4つの税金の一覧表、いくらからかかるかの目安、所得別の早見表、住民税・個人事業税の計算例と納付時期、青色申告特別控除の額による税額の違い、年間スケジュール、よくある質問を追加。数値を含む図を表に置き換え、根拠を示せない金額の表示を削除)

監修の状況は、冒頭の「監修について」のとおりです。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については、税理士などの専門家や、所轄の税務署にご相談ください。

業種別の税務ガイド

飲食業・IT・建設・小売・医療・不動産・教育・製造・フリーランス・運輸の10業種について、業種ごとの計算例や年間の税務スケジュールをまとめています。

新宿間税会に入会しませんか?

消費税に関する知識習得、異業種との交流、税制への提言など、様々な活動に参加できます。

年会費は、2027年6月の定期総会までは正会員4,800円・賛助会員1,200円、定期総会の後は正会員8,000円・賛助会員6,000円で、入会金はかかりません。

入会のご案内