税制改正の最新情報:令和8年度改正の全体像と施行カレンダー

令和8年度税制改正は、所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)として2026年3月31日に成立・公布されました。施行は主に2026年4月・10月・12月で、以後は2029年にかけて段階的に実施されます。このページは、令和8年度改正に、令和7年度以前の改正で2026年以降に実施されるものと、酒税・たばこ税・揮発油税などの間接税の改正をあわせて施行日順に整理し、項目ごとに確定度を示しています(2026年9月26日時点の法令等に基づく)。

2026年10月〜12月に実施される主な改正【確定】

日付改正の内容
2026年10月1日免税事業者等からの仕入れの経過措置の控除割合が80%から70%に。3割特例と、簡易課税の届出期限の特例の規定を施行
2026年10月1日酒税:ビール・発泡酒・新ジャンルの税率を1klあたり155,000円に一本化。チューハイなどは100,000円に
2026年10月1日加熱式たばこの課税方式の見直し(第2段階)
2026年10月1日輸出免税の見直し(代金を現金等で受け取る輸出、非居住者向けの国内不動産の仲介など)
2026年11月1日免税店(輸出物品販売場)がリファンド方式に。電子化の届出をしていない免税店の許可は10月31日で効力を失う
2026年11月2日酒税の手持品課税の申告期限
2026年12月1日所得税の基礎控除の引上げなどを施行。令和8年分の年末調整で精算
2026年12月31日住宅取得等資金の贈与の非課税の期限(延長は要望段階)

いずれも法律で決まっている改正・期限です。2027年以後を含む一覧と項目ごとの確定度は施行カレンダーにあります。飲食料品の消費税率を1%にする案は閣議決定の段階で、法律は成立していません(飲食料品の消費税率1%の案)。

監修について
本記事は、井手政紀税理士(井手政紀税理士事務所/元 新宿税務署長(第84代)/新宿間税会 税理士部会員)の監修を受けて公開した記事です。2026年9月26日、令和8年度税制改正等に合わせて全面改訂し、2026年9月28日に監修者の確認が完了しました。

確定度の表示について

このページでは、各項目に次のいずれかを付けています。

  • 確定・施行済み:法律(地方税は条例を含む)が成立し、すでに施行されているもの
  • 確定・施行前:法律が成立していて、施行日がまだ来ていないもの
  • 予定・法案未成立:政府の大綱などとして閣議決定されているが、法律が成立していないもの
  • 大綱のみ:税制改正の大綱に記載があるが、実施に必要な通達などの改正を当会で確認できていないもの
  • 要望段階:各府省の税制改正要望に載っているだけで、実施するかどうかが決まっていないもの
  • 確定:法律・条例ですでに決まっている事実のうち、上の4区分(施行済み・施行前・予定・大綱のみ)による時期の区分になじまないもの。期限の到来、附則の定め、適用開始時期が未定のものなどを含みます

「確認できていない」と書いた事項は、改正がないという意味ではありません。延長・廃止などが要望段階にとどまる項目は、確定した内容の後ろに( )で補足しています。

目次
  1. 令和8年度税制改正の全体像
  2. 施行カレンダー(2025年12月〜2031年)
  3. 消費税・インボイスの改正
  4. 酒税・たばこ税など間接税の改正
  5. 所得税・法人税・相続税・贈与税の要点
  6. 令和9年度税制改正に向けた動き
  7. 令和7年分の取扱い(参考)
  8. よくある質問
  9. 出典・参考資料
  10. 改訂履歴と監修について

令和8年度税制改正の全体像

【確定】令和8年度税制改正の大綱は2025年12月26日に閣議決定され、所得税法等の一部を改正する法律案が2026年2月20日に国会に提出されて、3月31日に成立・公布されました。施行は原則として2026年4月1日で、インボイス関係の見直しは2026年10月1日、所得税の基礎控除の引上げなどは2026年12月1日の施行です(財務省 第221回国会における財務省関連法律)。軽油引取税の暫定税率の廃止や、自動車の環境性能割の廃止といった地方税の改正も、令和8年度税制改正の大綱に盛り込まれています。

令和8年度改正のほかにも、令和7年度改正で決まった防衛特別法人税・たばこ税の見直し・免税店のリファンド方式や、議員立法で決まったガソリンの暫定税率の廃止などが、2025年末から2029年にかけて順に実施されます。税目ごとの主な改正は次のとおりです。

税目ごとの主な改正(2026年9月26日時点)
税目主な改正主な施行・適用日確定度
消費税(インボイス)2割特例は延長なし。個人事業者の3割特例、経過措置70%と1億円上限、簡易課税の届出期限の特例2026年10月1日確定・施行前
消費税(国際取引)輸出免税の見直し、免税店のリファンド方式、越境ECの少額輸入貨物の課税の見直し2026年10月1日、11月1日、2028年4月1日確定・施行前
消費税(飲食料品)飲食料品の税率を2年間1%にする案2027年4月1日(予定)予定・法案未成立
酒税ビール系飲料の税率の一本化、チューハイなどの引上げ2026年10月1日確定・施行前
たばこ税加熱式たばこの課税方式の見直し、国のたばこ税の税率の引上げ2026年4月1日・10月1日、2027〜2029年の各4月1日に3段階で確定(一部施行済み)
揮発油税・軽油引取税暫定税率(当分の間税率)の廃止2025年12月31日、2026年4月1日確定・施行済み
自動車の税環境性能割の廃止2026年3月31日で廃止確定・施行済み
国際観光旅客税出国1回につき1,000円から3,000円に2026年7月1日確定・施行済み
宿泊税(東京都)宿泊料金の3%に(1人1泊13,000円未満は課税しない)。対象施設を簡易宿所・民泊に拡大2027年4月1日確定・施行前
印紙税不動産の譲渡・建設工事の請負に関する契約書の軽減措置の期限2027年3月31日まで確定(延長は要望段階)
航空機燃料税国内線の軽減措置の軽減幅を縮小2027年4月1日確定・施行前
所得税基礎控除・給与所得控除の引上げ、扶養親族等の所得要件の見直し、防衛特別所得税2026年12月1日、2027年1月1日確定・施行前
法人税防衛特別法人税(令和7年度改正)、少額減価償却資産の特例の見直し2026年4月1日以後に開始する事業年度など確定
相続税・贈与税教育資金の一括贈与の終了、事業承継税制の特例承継計画の提出期限の延長2026年3月31日で終了、2027年9月30日まで確定

施行カレンダー(2025年12月〜2031年)

施行日・適用開始日の順に並べています。確定度は2026年9月26日時点のものです。「予定」の日付は、法律が成立していないため変わることがあります。各項目の説明は、このページの後半と、そこから案内する解説ページにあります。

施行済みの改正(2025年12月〜2026年9月)

施行・適用日内容確定度
2025年12月31日揮発油税・地方揮発油税の暫定税率を廃止(1klあたり合計53,800円から28,700円に)確定・施行済み
2026年1月1日以後の入居住宅ローン控除の適用期限を2030年12月31日までの入居に延長。既存住宅の借入限度額などを拡充確定・施行済み
2026年3月31日自動車税・軽自動車税の環境性能割を廃止確定・施行済み
2026年3月31日教育資金の一括贈与の非課税が終了(同日までに拠出した分は引き続き適用)確定・施行済み
2026年4月1日軽油引取税の暫定税率を廃止(1Lあたり32.1円から15.0円に)確定・施行済み
2026年4月1日加熱式たばこの課税方式の見直し(第1段階)確定・施行済み
2026年4月1日以後に開始する事業年度防衛特別法人税(令和7年度改正)確定・施行済み
2026年4月1日以後の支給分食事の現物支給の非課税限度額を月3,500円から7,500円に、深夜勤務の夜食代を1回300円から650円に。通勤手当の非課税限度額の見直し確定・施行済み
2026年7月1日国際観光旅客税を出国1回につき1,000円から3,000円に確定・施行済み
2026年9月30日2割特例の対象となる最後の日(この日を含む課税期間まで使える)。経過措置の控除割合80%の最後の日確定

2026年10月〜12月

施行・適用日内容確定度
2026年10月1日免税事業者等からの仕入れの経過措置の控除割合を70%に(2028年9月30日まで)。1億円の上限は同日以後に開始する課税期間から(個人事業者は2027年分から)。3割特例と、簡易課税の届出期限の特例の規定を施行確定・施行前
2026年10月1日酒税の税率改正(ビール系の一本化など)と手持品課税(申告期限は2026年11月2日)確定・施行前
2026年10月1日加熱式たばこの課税方式の見直し(第2段階)確定・施行前
2026年10月1日輸出免税の見直し(代金を現金等で受け取る輸出の証明書類の追加、非居住者向けの国内不動産の仲介などを対象外に)確定・施行前
2026年10月31日電子化の届出をしていない免税店の許可が効力を失う確定・施行前
2026年11月1日免税店(輸出物品販売場)のリファンド方式への移行確定・施行前
2026年12月1日所得税の基礎控除・給与所得控除の引上げと、扶養親族等の所得要件の見直しを施行(令和8年分の年末調整で精算)確定・施行前
2026年12月iDeCoの拠出限度額の引上げ(会社員で企業年金のない人は月2.3万円から6.2万円に、など)確定・施行前
2026年12月31日住宅取得等資金の贈与の非課税の期限(延長は要望段階)。個人事業者が2割特例を使える最後の年(令和8年分)が終わる確定

2027年

施行・適用日内容確定度
2027年1月1日防衛特別所得税(基準所得税額の1%)を課税し、復興特別所得税を2.1%から1.1%に。源泉徴収税額表の改正確定・施行前
2027年1月1日こどもNISA(0〜17歳もつみたて投資枠を使える)確定・施行前
2027年1月1日個人事業者の3割特例の対象期間が始まる(令和9年分・令和10年分)確定・施行前
2027年1月1日以後の相続生前贈与加算の対象期間が、死亡前3年から段階的に延び始める確定・施行前
2027年1月1日以後に法定申告期限が来る国税一定のシステムで保存し届出をした電子取引データなどを、改ざん等があった場合の重加算税の加重措置の対象から除外(令和7年度改正)確定・施行前
令和9年分(2027年分)から青色申告特別控除の再編(期限内のe-Tax申告で65万円、一定の電子帳簿保存の要件も満たすと75万円)確定・施行前
2027年3月31日個人事業者の令和8年分の消費税の申告・納付期限(2割特例を使える最後の申告)確定
2027年3月31日結婚・子育て資金の一括贈与の非課税の期限。印紙税の軽減措置(不動産の譲渡・建設工事の請負の契約書)の期限。中小法人の軽減税率の特例(同日までに開始する事業年度まで)確定(延長・廃止は要望段階)
2027年4月1日国のたばこ税の引上げ(1段階目:1,000本あたり6,802円から7,302円に)確定・施行前
2027年4月1日航空機燃料税の軽減措置の縮小(一般の国内航空機は1klあたり15,000円から18,000円に)確定・施行前
2027年4月1日東京都の宿泊税を宿泊料金の3%に(1人1泊13,000円未満は課税しない)確定・施行前
2027年4月1日(予定)飲食料品の消費税率を1%に(2029年3月31日までの2年間)。就業者負担軽減支援金の導入予定・法案未成立
2027年9月30日法人版事業承継税制(特例措置)の特例承継計画の提出期限確定
2027年10月1日越境ECの見直しに伴う、特定少額資産販売事業者の登録申請の受付開始確定・施行前
2027年12月31日法人版事業承継税制(特例措置)の対象となる贈与・相続の期限確定

2028年以後

施行・適用日内容確定度
2028年4月1日越境ECの少額輸入貨物(1万円以下)の課税の見直し、物品販売のプラットフォーム課税。関税の個人使用貨物の課税価格の特例の廃止確定・施行前
2028年4月1日国のたばこ税の引上げ(2段階目:7,802円に)確定・施行前
2028年10月1日経過措置の控除割合が70%から50%に確定・施行前
2028年12月31日3割特例を使える最後の年(令和10年分)が終わる確定
2029年3月31日(予定)飲食料品の消費税率1%の期間の終わり予定・法案未成立
2029年4月1日国のたばこ税の引上げ(3段階目:8,302円に)確定・施行前
2029年9月30日少額特例(税込1万円未満の課税仕入れ)の期限確定
2030年10月1日経過措置の控除割合が50%から30%に確定・施行前
2031年10月1日経過措置の控除割合が0%に(控除できなくなる)確定・施行前

消費税・インボイスの改正

2割特例の終了と個人事業者の3割特例

【確定】2割特例は「令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間」に使える経過措置で、令和8年度改正でも延長されませんでした。個人事業者は令和8年分(申告期限は2027年3月31日)が最後、法人は2026年9月30日を含む事業年度が最後です。決算月ごとの最後の事業年度は、消費税の2割特例はいつまで?の早見表で確認できます。

2割特例の後、個人事業者に限り、令和9年分と令和10年分は納付税額を売上税額の3割にできる「3割特例」を使えます。対象は、インボイス登録(又は課税事業者選択届出書の提出)を機に免税事業者から課税事業者になった個人事業者で、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることなど他の要件もあります。もともとの売上規模などにより登録と関係なく課税事業者になる年分には使えません。事前の届出は要りません。法人は対象外です。詳しい要件、使えない年分、計算例、簡易課税との比較は3割特例の解説にあります。

また、翌課税期間が2026年10月1日以後に終わる場合は、2割特例や3割特例を使った課税期間の翌課税期間から簡易課税を選ぶときの届出期限が、その翌課税期間の確定申告期限まで延びました。いずれも2026年10月1日の施行です(国税庁 インボイス制度 令和8年度税制改正特集)。

免税事業者等からの仕入れの経過措置:2026年10月から70%

【確定・施行前】インボイスを発行できない免税事業者などからの仕入れについて、仕入税額相当額の一定割合を控除できる経過措置は、割合と期間が次のように見直されました。

控除できる割合(課税仕入れの時期で判定)
課税仕入れの時期改正後改正前の予定
2023年10月1日〜2026年9月30日80%80%
2026年10月1日〜2028年9月30日70%50%
2028年10月1日〜2029年9月30日50%50%
2029年10月1日〜2030年9月30日50%0%
2030年10月1日〜2031年9月30日30%0%
2031年10月1日以後0%0%

改正後の割合が変わらない期間も、改正前の予定と比較できるよう行を分けています。

あわせて、同じ免税事業者等からの課税仕入れの合計額(税込み)が、その年またはその事業年度で1億円(改正前は10億円)を超える場合、超えた部分にはこの経過措置を使えなくなります。2026年10月1日以後に開始する課税期間から適用されます(個人事業者は令和9年分=2027年分から。国税庁 リーフレット「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」(PDF))。9月30日と10月1日をまたぐ取引の判定、帳簿の記載、1億円の数え方は免税事業者等からの仕入れの経過措置の解説で説明しています。

なお、税込1万円未満の課税仕入れにはインボイスの保存がなくても帳簿の保存で仕入税額控除ができる「少額特例」は改正されておらず、期限は2029年9月30日のままです(国税庁 少額特例の概要)。

輸出免税の見直しと免税店のリファンド方式

【確定・施行前】2026年10月1日以後の輸出で代金を現金等で受け取るものについて輸出免税を受けるには、これまでの証明書類に加えて、輸入国の輸入許可書等(電磁的記録を含む)の保存が必要になります。また、非居住者に対して行う国内の不動産に関する役務の提供(売買・貸借の仲介など)は、輸出免税の対象から外れます。2026年3月31日までに結んだ契約に基づくものは従前どおりです(財務省 令和8年度税制改正の大綱(4/9))。輸出免税の要件は輸出入と消費税Q&Aをご覧ください。

免税店(輸出物品販売場)は、2026年11月1日からリファンド方式に変わります。免税店は免税購入対象者にもいったん税込価格で販売し、出国の際に税関の確認を受けた後で消費税相当額を返金します。2026年10月31日までに「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」を出していない(免税販売手続の電子化に対応していない)販売場は、同日で許可の効力を失います(国税庁 輸出物品販売場制度のリファンド方式への見直し)。手続の流れは免税店制度の解説にあります。

越境ECの少額輸入貨物の課税の見直し(2028年4月)

【確定・施行前】国外から通信販売で国内に送られる1万円以下の商品は、今は輸入の際に消費税が免除されていますが、2028年4月1日以後は、販売した事業者が消費税を納める国内取引として課税されます。取引額が年50億円を超えるプラットフォームを通じた国外事業者の販売は、指定を受けたプラットフォーム事業者が納税します。販売事業者の登録申請は2027年10月1日から受け付けます。あわせて、関税の個人使用貨物の課税価格の特例(海外の小売価格の6割を課税価格とする特例)も廃止されます(財務省 令和8年度税制改正の解説「消費税法等の改正」(PDF)、財務省 関税定率法等の一部を改正する法律案)。

飲食料品の消費税率1%の案

【予定・法案未成立】飲食料品の消費税率1%(2026年9月26日時点)

2026年9月15日に閣議決定された「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」では、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、軽減税率の対象の飲食料品の消費税率を1%(国0.78%、地方0.22%)に引き下げるとしています。対象は今の軽減税率の対象と同じ範囲の飲食料品で、酒類や外食は含まれません。週2回以上発行される新聞の定期購読は8%のままとされています。法律はまだ成立しておらず、国税庁の案内も、法案が国会に提出され、成立した場合の内容として示されています(大綱(内閣官房、PDF)、国税庁 消費税率引下げ特設サイト)。

同じ大綱は、就業者負担軽減支援金を2027年4月から導入するとしています。支給の対象となる所得の基準などの具体的な額は、まだ示されていません。

1%になった場合の税込価格や税額の計算は消費税の計算方法の「食料品の消費税が1%になった場合の計算」で、対象品目の考え方は軽減税率の対象品目と1%案の状況で説明しています。

酒税・たばこ税など間接税の改正

酒税:2026年10月1日にビール系の税率を一本化

【確定・施行前】平成29年度改正で決まった段階的な見直しの最後の段階として、2026年10月1日にビール・発泡酒・新ジャンルの税率がそろいます。

主な酒類の税率1klあたり
区分2026年9月30日まで2026年10月1日から
ビール181,000円155,000円
発泡酒(麦芽比率25%未満、アルコール分10度未満)・新ジャンル134,250円155,000円
その他の発泡性酒類(チューハイなど、アルコール分10度未満)80,000円100,000円

出典:財務省 酒税に関する資料。350mlあたりでは、ビールが63.35円から54.25円、発泡酒・新ジャンルが約46.99円から54.25円、チューハイなどが28円から35円になります(当会計算)。清酒と果実酒は2023年10月に1klあたり100,000円にそろっており、今回は変わりません。

2026年10月1日午前0時に、税率が上がる酒類を販売のために合計2,000L以上所持している酒販店・飲食店等は、2026年11月2日(月)までに手持品課税の申告が必要です(国税庁 酒類の手持品課税(戻税)について)。数量の数え方や計算例は酒税の仕組みと2026年10月1日の税率改正で説明しています。

たばこ税:加熱式たばこの見直しと2027年4月からの引上げ

【確定】加熱式たばこは、紙巻たばこの本数への換算方法が、重量を基準とする方法に改められました。スティック型は0.35g、スティック型以外は0.2gを紙巻たばこ1本に換算し、軽いものには最低課税の仕組みがあります。2026年4月1日に第1段階(改正前と改正後の換算方法を半分ずつ)、10月1日に第2段階(改正後の換算方法のみ)が実施されます(国税庁 加熱式たばこに係る課税方式の見直しについて)。

そのうえで、国のたばこ税の税率が3段階で引き上げられます。いずれも令和7年度改正で決まったもので、防衛力強化に係る財源確保のための税制措置の一つです。

国のたばこ税の税率紙巻たばこ1,000本あたり
適用日税率
現行6,802円
2027年4月1日7,302円
2028年4月1日7,802円
2029年4月1日8,302円

出典:財務省 令和7年度税制改正の大綱(6/9)、財務省 たばこ税等に関する資料。1本あたりでは各段階0.5円、20本入り1箱では各段階10円、3段階の合計で30円の引上げです(国のたばこ税の分。消費税相当分は含みません。当会計算)。

引上げの対象は国のたばこ税で、地方のたばこ税(道府県たばこ税・市町村たばこ税)は対象になっていません。各段階では手持品課税が行われます。販売店が申告の対象になるかどうかは、実施の前に国税庁が示す案内で確認する必要があります。加熱式たばこの本数換算の計算例や、販売店が手持品課税の対象になるかどうかの判定はたばこ税の仕組みと改正で説明しています。

揮発油税・軽油引取税の暫定税率の廃止

【確定・施行済み】ガソリンにかかる揮発油税・地方揮発油税と、軽油にかかる軽油引取税の暫定税率(当分の間税率)は、次のとおり廃止されました。

廃止前後の税率1klあたり(かっこ内は1Lあたり)
税目廃止日廃止前廃止後
揮発油税・地方揮発油税の合計(ガソリン)2025年12月31日53,800円(53.8円)28,700円(28.7円)
軽油引取税2026年4月1日32,100円(32.1円)15,000円(15.0円)

出典:国税庁 揮発油税等の特例税率の廃止について、群馬県 軽油引取税の「いわゆる暫定税率」の廃止、東京都主税局 軽油引取税。1Lあたりでは、ガソリンが25.1円、軽油が17.1円の引下げです(当会計算)。揮発油税の内訳は、1klあたり48,600円から24,300円、地方揮発油税は5,200円から4,400円です。

消費税の計算では、揮発油税は販売価格の一部として課税標準に含まれます。一方、軽油引取税は、特別徴収義務者である特約店等が販売し、請求書等で税額を明らかにして区分している場合は課税標準に含まれません(国税庁 タックスアンサー No.6313)。運送業での経理の扱いは運輸・物流業の消費税・インボイスのガイドで説明しています。

自動車税・軽自動車税の環境性能割の廃止

【確定・施行済み】自動車を取得したときにかかっていた自動車税環境性能割と軽自動車税環境性能割は、2026年3月31日をもって廃止されました。同日までの取得に対しては、従前の例により課税されます。あわせて、自動車税種別割は「自動車税」、軽自動車税種別割は「軽自動車税」という名称になりました(東京都主税局 自動車税環境性能割、財務省 令和8年度税制改正の大綱(4/9))。

国際観光旅客税:出国1回3,000円に

【確定・施行済み】2026年7月1日以後の出国から、国際観光旅客税は出国1回につき1,000円から3,000円になりました。同日より前に結ばれた一定の運送契約による出国(観光庁の案内では、2026年6月30日までに発券された一定の航空券等による出国)は、1,000円のままです。2歳未満の乳幼児などは課税されません。航空会社や船舶会社が、チケット代金に上乗せするなどの方法で日本から出国する旅客から徴収し、国に納付します(国税庁 タックスアンサー No.7195、観光庁 リーフレット(PDF))。

航空機燃料税:2027年4月から軽減幅を縮小

【確定・施行前】国内線の航空機燃料税の軽減措置は2028年3月31日までで、2027年4月1日から軽減幅が小さくなります。本則の税率は1klあたり26,000円です。

軽減後の税率1klあたり
期間一般の国内航空機沖縄路線特定離島路線
2025年4月1日〜2027年3月31日15,000円7,500円11,250円
2027年4月1日〜2028年3月31日18,000円9,000円13,500円

出典:国税庁 航空機燃料税の軽減措置について。国土交通省は、令和9年度税制改正で一般の国内航空機を1Lあたり15円に据え置いて延長するよう要望しています(要望段階)。

宿泊税:東京都は2027年4月から宿泊料金の3%

【確定・施行前】東京都の宿泊税は、今は1人1泊の宿泊料金が10,000円以上15,000円未満なら100円、15,000円以上なら200円です。2027年4月1日からは宿泊料金の3%になり、13,000円未満の宿泊には課税されません。対象の施設は、ホテル・旅館に加えて簡易宿所と民泊(新法民泊、特区民泊)に広がります(東京都主税局 宿泊税の見直し)。宿泊税は自治体が条例で設ける法定外目的税で、税率や対象は自治体ごとに異なります(総務省 法定外税の状況)。

印紙税:軽減措置は2027年3月31日まで

【確定(延長は要望段階)】不動産の譲渡に関する契約書と建設工事の請負に関する契約書の印紙税の軽減措置は、2027年3月31日までに作成される文書が対象です(国税庁 タックスアンサー No.7108)。令和9年度税制改正に向けて、国土交通省はこの措置の延長を、経済産業省は「印紙税のあり方の検討」を要望しています。いずれも要望段階で、決まっていません。

所得税・法人税・相続税・贈与税の要点

所得税・法人税・相続税・贈与税の改正は、ここでは要点だけを示します。内容と計算、年末調整と源泉徴収の実務は令和8年度税制改正の確定事項(所得税・法人税・資産課税)で説明しています。

所得税

項目改正の要点適用確定度
基礎控除令和8年分・9年分は、合計所得金額489万円以下なら104万円、489万円超655万円以下は67万円、655万円超2,350万円以下は62万円令和8年分から(2026年12月1日施行)確定・施行前
給与所得控除最低保障額は令和8年分・9年分が74万円、令和10年分以後が69万円。給与収入だけの人の課税最低限は、令和8年分・9年分で178万円令和8年分から確定・施行前
扶養親族等の所得要件合計所得金額62万円以下(給与収入だけなら136万円以下)。特定親族特別控除の対象は62万円超123万円以下令和8年分から確定・施行前
年末調整・源泉徴収11月までの毎月の源泉徴収は変わらず、令和8年分の年末調整で精算。源泉徴収税額表は2027年1月1日以後に支払う給与から改正2026年12月、2027年1月確定
防衛特別所得税基準所得税額の1%。同時に復興特別所得税を2.1%から1.1%に下げ、課税期間を令和29年分まで延長。合計の割合(2.1%)は変わらない令和9年分から確定・施行前
物価への連動令和10年分以後は、2年ごとに消費者物価指数に基づいて基礎控除などを見直すことを基本とする令和10年分以後確定(附則)
住宅ローン控除2030年12月31日までの入居に延長。既存住宅の認定住宅・ZEH水準省エネ住宅は借入限度額3,500万円(子育て世帯・若者夫婦世帯は4,500万円)、控除期間13年2026年1月1日以後の入居確定・施行済み
iDeCo拠出限度額の引上げ(会社員で企業年金のない人は月2.3万円から6.2万円に、自営業者などは国民年金基金との合計で月6.8万円から7.5万円に、など)2026年12月から確定・施行前
こどもNISA0〜17歳もつみたて投資枠を使える(年60万円、非課税保有限度額600万円)2027年1月1日から確定・施行前
青色申告特別控除期限内のe-Tax申告を要件として65万円、一定の電子帳簿保存の要件も満たすと75万円令和9年分以後確定・施行前
暗号資産登録業者を通じた一定の暗号資産の譲渡などを申告分離課税(20%)に。開始時期は改正金融商品取引法の施行日次第(当会未確認)。令和8年分は従来どおり未定確定(開始時期は未定)

出典:国税庁 令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について、財務省 所得税法等の一部を改正する法律案要綱ほか、出典一覧のとおり。

法人税

項目改正の要点適用確定度
防衛特別法人税(基準法人税額−500万円)×4%。令和7年度改正で創設2026年4月1日以後に開始する事業年度確定・施行済み
中小法人の軽減税率年800万円以下の所得に15%の特例は、2027年3月31日までに開始する事業年度まで。延長は経済産業省が要望〜2027年3月31日開始の事業年度確定(延長は要望段階)
少額減価償却資産特例の対象を取得価額30万円未満から40万円未満に引き上げ、適用期限を3年延長(常時使用する従業員が400人を超える法人は対象外)2026年4月1日以後に取得等をする資産から確定・施行済み
賃上げ促進税制大企業向けの措置は2026年3月31日で廃止。中堅企業向けは要件を厳しくした2026年4月1日以後確定

相続税・贈与税

項目改正・期限の要点確定度
教育資金の一括贈与の非課税2026年3月31日で終了(同日までに拠出した分は引き続き適用)確定
住宅取得等資金の贈与の非課税2026年12月31日までの贈与が対象。2027年以後について国土交通省が「所要の措置」を要望確定(延長は要望段階)
結婚・子育て資金の一括贈与の非課税2027年3月31日まで。金融庁とこども家庭庁が廃止を要望確定(廃止は要望段階)
生前贈与加算相続開始が2027年1月1日から2030年12月31日までなら2024年1月1日から死亡の日までの贈与、2031年1月1日以後は死亡前7年以内の贈与が加算の対象(令和5年度改正)確定
事業承継税制(法人版・特例措置)特例承継計画の提出期限は2027年9月30日(令和8年度改正で延長)。特例の対象となる贈与・相続は2027年12月31日まで確定
貸付用不動産などの評価相続開始前5年以内に対価を払って取得した一定の貸付用不動産や、不動産小口化商品の評価を見直す(2027年1月1日以後の相続等から)大綱のみ(財産評価基本通達の改正は当会で確認できていない)

贈与税の各特例の期限は贈与税の基本で、事業承継税制の手続は事業承継と税金で説明しています。

令和9年度税制改正に向けた動き(2026年9月26日時点)

令和9年度税制改正の大綱は、2026年9月26日時点ではまだ決まっていません。参考までに、令和8年度の大綱は2025年12月26日、令和7年度の大綱は2024年12月27日に閣議決定されています。大綱が決まったら、このページに内容を追記します。

各府省の税制改正要望(要望段階)

財務省は、各府省から2026年8月31日付で出された令和9年度税制改正要望を公表しています(重複を除いて要望124項目)。要望は各府省の意見で、実施されるかどうかは決まっていません。このページで扱った税目に関係する主なものは次のとおりです(財務省 令和9年度税制改正要望)。

税目要望の項目要望した府省
印紙税印紙税のあり方の検討経済産業省
印紙税工事請負契約書及び不動産譲渡契約書に係る印紙税の特例措置の延長国土交通省
消費税・酒税電子渡航認証制度(JESTA)の導入に伴う外国人旅行者向け消費税免税制度の確認事務等の見直し国土交通省ほか
自動車重量税車体課税の抜本見直し経済産業省
航空機燃料税航空機燃料税に係る特例措置の拡充・延長国土交通省
法人税中小企業者等の法人税率の特例の延長等経済産業省
相続税・贈与税事業承継税制の抜本見直し経済産業省、厚生労働省
贈与税住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等に係る所要の措置国土交通省
贈与税直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の廃止金融庁、こども家庭庁

検討が続いている事項

  • インボイスの経過措置の1億円の上限:与党の令和8年度税制改正大綱は、この上限について「取引実態等を踏まえ、今後、更なる引下げについて検討する」としています。具体的な案は示されていません(財務省 令和8年度税制改正の解説「消費税法等の改正」の注記)。
  • 給付付き税額控除【予定・法案未成立】:2026年8月5日に閣議決定された基本方針は、所得に連動した給付を令和11年度に本格導入するとし、それまでの2年間のつなぎとして、飲食料品の消費税率の引下げと給付の先行導入を組み合わせるとしています(内閣官房「給付付き税額控除」の制度導入の基本方針(PDF))。

令和7年分の取扱い(参考)

令和7年分の確定申告や更正の請求では、令和7年度改正後の額を使います。令和8年分とは額が違うので注意してください。

所得税の基礎控除(合計所得金額2,350万円以下の場合)
合計所得金額令和7年分令和8年分・9年分
132万円以下95万円104万円
132万円超336万円以下88万円104万円
336万円超489万円以下68万円104万円
489万円超655万円以下63万円67万円
655万円超2,350万円以下58万円62万円

出典:国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」(PDF)。

令和7年分の給与所得控除の最低保障額は65万円で、給与収入だけの人の課税最低限は160万円(基礎控除95万円+給与所得控除65万円)です。扶養親族の所得要件は合計所得金額58万円以下(給与収入だけなら123万円以下)で、特定親族特別控除の対象は58万円超123万円以下です。いずれも令和8年分から変わります。

よくある質問

令和8年度税制改正はいつ成立しましたか。

所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)が2026年3月31日に成立し、同日に公布されました。施行は原則として2026年4月1日で、インボイス関係の見直しは2026年10月1日、所得税の基礎控除の引上げなどは2026年12月1日の施行です。〔財務省 第221回国会における財務省関連法律、国税庁 令和8年度税制改正(基礎控除の引上げ等関係)Q&A〕

2026年10月1日から何が変わりますか。

消費税では、免税事業者等からの仕入れの経過措置の控除割合が80%から70%に下がり、3割特例と簡易課税の届出期限の特例の規定が施行されます。代金を現金等で受け取る輸出で輸出免税を受けるには、輸入国の輸入許可書等の保存も必要になります。酒税は、ビール・発泡酒・新ジャンルの税率が1klあたり155,000円にそろい、加熱式たばこの課税方式の見直しは第2段階に入ります。〔国税庁 インボイス制度 令和8年度税制改正特集、財務省 令和8年度税制改正の大綱(4/9)、財務省 酒税に関する資料、国税庁 加熱式たばこに係る課税方式の見直しについて〕

飲食料品の消費税率1%は決まったのですか。

まだ法律は成立していません。2026年9月15日に、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、飲食料品の消費税率を1%にする大綱が閣議決定された段階です。国税庁の案内も、法案が国会に提出され、成立した場合の内容として示されています。〔内閣官房 飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱、国税庁 消費税率引下げ特設サイト〕

ガソリンと軽油の暫定税率はいつ廃止されましたか。

ガソリンにかかる揮発油税・地方揮発油税の暫定税率は2025年12月31日に廃止され、1klあたりの合計の税率が53,800円から28,700円(1Lあたり25.1円の引下げ)になりました。軽油引取税の暫定税率は2026年4月1日に廃止され、1Lあたり32.1円から15.0円になりました。〔国税庁 揮発油税等の特例税率の廃止について、群馬県 軽油引取税の「いわゆる暫定税率」の廃止、東京都主税局 軽油引取税〕

令和8年分の年末調整では何が変わりますか。

基礎控除の引上げなどが2026年12月1日に施行され、令和8年分の年末調整で精算します。11月までの毎月の源泉徴収は変わりません。令和8年分の基礎控除は、合計所得金額489万円以下の人は104万円です。扶養親族の所得要件は合計所得金額62万円以下(給与収入だけなら136万円以下)になります。源泉徴収税額表は、2027年1月1日以後に支払う給与から改正されます。〔国税庁 令和8年度税制改正(基礎控除の引上げ等関係)Q&A〕

令和9年度税制改正はいつ決まりますか。

2026年9月26日時点で、令和9年度税制改正の大綱はまだ決まっていません。各府省の要望(2026年8月31日付)が公表されている段階です。参考までに、令和8年度の大綱は2025年12月26日、令和7年度の大綱は2024年12月27日に閣議決定されました。大綱が決まったら、このページに追記します。〔財務省 令和9年度税制改正要望〕

出典・参考資料

いずれも2026年9月26日までに内容を確認しました。

財務省・内閣官房(法律・大綱・要望)

国税庁(消費税・インボイス)

国税庁・地方公共団体ほか(酒税・たばこ税など)

国税庁ほか(所得税・法人税・相続税・贈与税)

改訂履歴と監修について

著者:新宿間税会(新宿間税会について)

  • 2025年7月22日:公開(令和7年度税制改正の解説)
  • 2026年9月26日:全面改訂(令和8年度税制改正と間接税の改正を施行日順に整理した一覧に改めました。令和7年度改正の内容は「令和7年分の取扱い(参考)」に要点を残し、現在の制度と合わなくなった記述と図を削除しました)

監修の状況は、冒頭の「監修について」のとおりです。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については、税理士などの専門家や所轄の税務署にご相談ください。無料で相談できる公的な窓口は、新宿で税金の相談をしたいときにまとめています。

業種別の税務ガイド

飲食業・IT・建設・小売・医療・不動産・教育・製造・フリーランス・運輸の10業種について、業種ごとの計算例や年間の税務スケジュールをまとめています。

新宿間税会に入会しませんか?

消費税に関する知識習得、異業種との交流、税制への提言など、様々な活動に参加できます。

年会費は、2027年6月の定期総会までは正会員4,800円・賛助会員1,200円、定期総会の後は正会員8,000円・賛助会員6,000円で、入会金はかかりません。

入会のご案内