東京国税局から東京国税局間税会連合会(東京局間連)を通じて、次の2件の周知・広報の依頼がありました(令和8年9月30日)。会員の皆さまと、新宿で事業をされている皆さまにお知らせします。
今回の周知依頼
- 年末調整及びキャッシュレス納付等に関する周知・広報等への御協力のお願いについて(依頼)
- 飲食料品の消費税率引下げに係る周知・広報への協力について(依頼)
どちらの依頼文も、東京局間連のホームページの「お知らせ」に掲載されています。東京局間連からは、掲載された情報を原則として会員の皆さまに提供するよう依頼がありました。
1. 年末調整とキャッシュレス納付など
国税庁は、源泉徴収義務者(給与を支払う事業者など)が年末調整を適正かつ効率的に行えるよう、パンフレットや解説動画で周知・広報を行っています。あわせて、勤務先と従業員の双方の事務負担を軽くするための年末調整手続の電子化と、キャッシュレス納付を進めています。依頼文で周知を求められている主な内容は、次のとおりです。
年末調整がよくわかるページ(令和8年分)
国税庁の「年末調整がよくわかるページ」には、年末調整で使う各種様式や、手順を解説したパンフレット・動画が掲載されています。各種申告書の書き方や添付書類についての質問には、チャットボット(AIによる自動応答)も利用できます。
令和8年分のページでは、本年の年末調整について、次の見直しなどに注意するよう案内しています。
- 基礎控除の引上げ
- 給与所得控除の最低保障額の引上げ
- 扶養親族等の所得要件の改正
- 年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例の創設
年末調整手続の電子化
国税庁は、年末調整の一連の手続を電子化すると、勤務先と従業員の双方の事務負担の軽減が期待できるとして、電子化を進めています。従業員がマイナポータル経由で控除証明書等のデータを一括取得すると、各種申告書の該当項目に自動で入力される仕組み(マイナポータル連携)に対応した控除証明書等の発行事業者の拡大に取り組むとともに、従業員が年末調整の申告書を作成するための「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」(年調ソフト)を無償で提供しています。
国税庁の特集ページでは、令和8年10月1日に令和8年分の年調ソフト(正式版)と操作マニュアルが公開されました。令和8年分の年調ソフトは、令和8年12月1日以後に行われる令和8年分の年末調整に対応しています。
所得税徴収高計算書(納付書)の送付の見直し
国税庁は例年11月頃、年末調整関係書類と一緒に、翌年1年分の「所得税徴収高計算書(納付書)」を源泉徴収義務者に送付しています(e-Taxで徴収高計算書を提出した際に、事前送付を不要とした方を除きます)。令和9年送付分から、この送付の対象者が段階的に見直されます。依頼文に添付された国税庁の資料「源泉所得税の徴収高計算書の送付の見直し(協力依頼)」(令和8年9月)に示された予定は、次のとおりです。
| 時期 | 送付見直しの対象者 |
|---|---|
| 令和9年11月 | 地方公共団体、調査課特官所掌法人 |
| 令和10年11月 | 金融機関 |
| 令和11年11月 | 源泉所得税以外の納付をキャッシュレス納付で行っている法人 |
| 令和12年以降 | 上記以外の法人と個人事業者は、キャッシュレス納付の普及状況などを踏まえながら、送付の取りやめ時期などを検討 |
国税庁「源泉所得税の徴収高計算書の送付の見直し(協力依頼)」(令和8年9月)をもとに当会で作成しました。
源泉徴収義務者には、年末調整関係書類と一緒に、この見直しを知らせるリーフレット「所得税徴収高計算書(源泉所得税の納付書)の送付に関するお知らせ」が送付されます。リーフレットでは、法人税や消費税をダイレクト納付などのキャッシュレス納付で納めている方には、令和11年の年末調整の時期から納付書を送付しないこと、引き続き税務署や金融機関で納付書により納付する方は最寄りの税務署に問い合わせることが案内されています。
所得税徴収高計算書(納付書)の様式の変更
国税庁は、令和8年9月下旬以降に税務署の窓口で配付する所得税徴収高計算書(納付書)の様式を、A4三つ折りサイズ程度の複写式から、A4サイズの単票式に変更するとしています。例年11月頃に年末調整関係書類と一緒に送付される納付書は、令和8年は複写式の様式で送付されます。様式の変更後も、この複写式の様式で納付できます。
国税庁の「所得税徴収高計算書(納付書)の記載のしかた」のページによると、A4サイズの単票式は複写式ではないため、税額などの記載事項を3回記載する必要があり、記載を簡単にするための印字ツールが提供されています。また、整理番号欄がある複写式の納付書は、令和10年9月頃まで使用できる予定とされています。
源泉所得税のキャッシュレス納付
国税庁は、ダイレクト納付やインターネットバンキング等による電子納税などのキャッシュレス納付の利用拡大に取り組んでいます。令和7年10月には、納付件数の多い源泉所得税について、キャッシュレス納付の利用割合の目標(令和8年度末までに36%)を設定しました。東京国税局では、令和7年度末の源泉所得税のキャッシュレス納付の利用割合が42.6%(速報値)に達しており、令和8年度末までに47.5%とする目標を予定しているとのことです。
国税庁の「源泉所得税の納税手続」のページによると、源泉所得税をキャッシュレス納付で納めるには、事前にe-Taxで徴収高計算書のデータを作成・送信する必要があります(e-Taxの利用開始手続も必要です)。納付する税額がない場合も、税額が0円の所得税徴収高計算書を提出する必要があります。キャッシュレス納付の方法として、ダイレクト納付、インターネットバンキング、クレジットカード納付、スマホアプリ納付などが案内されています。
e-Taxのホームページには、所得税徴収高計算書の作成・送信から、ダイレクト納付・インターネットバンキングによる納付までの流れを、e-Taxソフト(WEB版)と同様の画面で体験できる「源泉所得税のキャッシュレス納付体験コーナー」があります。体験コーナーから、実際に送信や納付が行われることはありません。
給与所得の源泉徴収票のみなし提出の特例
令和9年1月1日以後に提出すべき令和8年分以後の給与所得の源泉徴収票は、給与支払報告書を市区町村に提出した場合には、税務署に提出したものとみなされ、税務署へ提出する必要がなくなります。この場合、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を税務署に提出する必要もありません(給与所得の源泉徴収票以外の法定調書を税務署に提出する場合は、その調書について記載した合計表の提出が必要です)。
依頼文では、給与支払報告書をeLTAXで提出するよう、会員の皆さまへの働きかけが求められています。eLTAXで提出すると、提出先の市区町村へ自動で振り分けられます。また、令和9年1月以降、eLTAXで提出された給与支払報告書の給与情報はマイナポータル連携の対象となり、従業員が確定申告をする際に自動で入力されます。書面や光ディスク等で提出した給与支払報告書は、マイナポータル連携の対象になりません。給与情報を正しく連携するため、従業員のマイナンバー、氏名(カナを含みます)、住所、生年月日などを正しく入力してください。
マイナンバーカード・電子証明書の更新
平成29年に交付されたマイナンバーカードは、令和8年に交付から10年を迎えます。交付から10年目を迎えるカードは、カード本体(有効期限10年)と電子証明書(有効期限5年)が更新時期を迎えます。有効期限が過ぎると、マイナンバーカードを本人確認書類として使えなくなるほか、e-Taxなどの申告・申請手続、コンビニ交付、健康保険証などにも使えなくなります。
デジタル庁によると、カード本体の有効期限は、発行時に18歳以上の方は発行から10回目の誕生日まで、電子証明書は年齢に関わらず発行から5回目の誕生日までです。更新手続は、有効期限の3か月前から住所地の市区町村の窓口で行えます。早めの更新をお願いします。
2. 飲食料品の消費税率引下げ
依頼文によると、令和8年9月15日に「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」が閣議決定され、令和9年4月1日から2年間、飲食料品の消費税率を1%とすることが盛り込まれました。大綱では、飲食料品を製造・流通・販売している事業者や関連するシステムメーカー等が早期に準備に着手できるよう、関係府省庁が制度の詳細をできる限り早急に公表して広報活動を始めることとされています。これを受けて、国税庁はホームページに各種資料を掲載し、周知・広報を始めています。
東京国税局からは、対応が必要となる事業者の準備が円滑に進むよう、周知への協力を求められています。税務署からも、各単位会と会員の皆さまに同じ趣旨のお願いをするとのことです。
【予定・法案未成立】引下げ案の要点
- 期間:令和9年(2027年)4月1日から令和11年(2029年)3月31日までの2年間
- 税率:飲食料品の消費税率を1%(国と地方の合計)に引き下げ
- 対象:令和9年3月31日まで8%の対象である飲食料品と同じ範囲です。新聞の定期購読は8%、それ以外は10%のままです
法案はまだ成立していません。国税庁の特設サイトの資料も、今後、法案が国会に提出され、審議を経たうえで可決・成立した場合の内容とされています。
国税庁の「消費税率引下げ特設サイト」には、次の資料が掲載されています。
- リーフレット「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げについて」(令和8年9月、PDF)
- パンフレット「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げについて」(令和8年9月、PDF)
- 「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」(令和8年9月、PDF)
- 説明動画(概要版 約2分30秒、詳細版 約28分。詳細版は令和8年10月6日に掲載)
特設サイトには、レジやシステムの改修を行う開発事業者向けに、税制面の問い合わせについての案内も掲載されています。飲食料品の消費税率引下げに関する一般的な相談は、「消費税軽減税率・インボイスコールセンター」(専用ダイヤル 0120-205-553、受付時間 9:00〜17:00、土日祝日を除く)で受け付けています。
当会では、引下げ案の内容と、インボイスの書き方、値札の特例、簡易課税の特例など事業者の実務への影響を、【予定・法案未成立】の表示を付けて解説しています。価格の確認には、当会の税務ツール「飲食料品1%の価格表メーカー」もご利用ください。
お問い合わせ先
個別の税務のご相談は、税務署や国税庁の窓口をご利用ください。新宿間税会では、個別の税務相談にはお答えしていません。新宿で利用できる無料の公的な相談窓口は「新宿で税金の相談をしたいとき」にまとめています。
- 飲食料品の消費税率引下げ、軽減税率制度、インボイス制度に関する一般的な相談:消費税軽減税率・インボイスコールセンター(0120-205-553、9:00〜17:00、土日祝日を除く)
- 年末調整手続の電子化、年調ソフトの操作方法:年調ソフトヘルプデスク(0570-02-4563、ナビダイヤル、9:00〜17:00。10月1日〜12月28日は毎日受付)
- 個々の取引や事実関係に応じた相談:所轄の税務署(電話で面接日時などを予約)
出典
- 東京国税局「年末調整及びキャッシュレス納付等に関する周知・広報等への御協力のお願いについて(依頼)」(令和8年9月30日、別添を含む、PDF)(2026年10月8日に確認)東京国税局間税会連合会ホームページ「お知らせ」 https://www.kanzeikai.jp/tokyo/
- 東京国税局「飲食料品の消費税率引下げに係る周知・広報への協力について(依頼)」(令和8年9月30日、PDF)(2026年10月8日に確認)東京国税局間税会連合会ホームページ「お知らせ」 https://www.kanzeikai.jp/tokyo/
- 東京国税局間税会連合会 事務局「送信のご案内」(令和8年9月30日、各間税会会長あて)当会あての送付文書
- 国税庁「年末調整がよくわかるページ(令和8年分)」(2026年10月8日に確認)https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/index.htm
- 国税庁「年末調整手続の電子化に向けた取組について」(2026年10月8日に確認)https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/nencho.htm
- 国税庁「所得税徴収高計算書(納付書)の記載のしかた」(2026年10月8日に確認)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/keisansho/01.htm
- 国税庁「源泉所得税の納税手続」(2026年10月8日に確認)https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/index/gensen_nouzei/cashless.htm
- e-Tax「源泉所得税のキャッシュレス納付体験コーナー」(2026年10月8日に確認)https://www.e-tax.nta.go.jp/taiken/gensencashless.htm
- 国税庁 リーフレット「源泉徴収票の提出方法が変わります」(PDF)(2026年10月8日に確認)https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/mynumberinfo/pdf/0025004-071.pdf
- デジタル庁「マイナンバーカードおよび電子証明書の有効期限・更新」(2026年10月8日に確認)https://www.digital.go.jp/policies/mynumber/expiration-date
- 国税庁「消費税率引下げ特設サイト」(2026年10月8日に確認)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/zeiritsuhikisage.htm
- 国税庁 リーフレット「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げについて」(令和8年9月、PDF)(2026年10月8日に確認)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0026008-127_leaflet.pdf
- 国税庁「消費税軽減税率・インボイスコールセンター(消費税軽減税率・インボイス制度電話相談センター)」(2026年10月8日に確認)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/04-1.htm