株式会社 新宿高野
社長 高野吉太郎 氏
今回は、新宿の老舗、(株)新宿高野の社長 高野吉太郎氏に創業時の状況や経営信条などについて、忙しいなか時間をさいてお話をうかがいました。
店は白寿、私は本卦帰り
私どもの店が「高野果実店」として、新宿(昔の東京府南豊玉郡淀橋町)に創業したのは明治十八年(1885)でございます。以来今年で九十九年(1984-1885=99)になります。なお新宿駅も同じ年に開設しておりますので、人間ならさしずめともに白寿を迎えることになります。
私が新宿で生まれた(二代高野吉太郎長男)のは関東大震災翌年の大正十三年(1924)ですので、今年は六十才の本卦帰りでございます。昔からいう「六十の手習い」の警えどおり、ご時勢に負けないように、もういちど経営の手習いをはじめようと思っております。
タカノ・フルーツパーラーができたのも、私の生まれた同じ大正十三年ですので、これまた私と同じ還暦を迎えることになります。
店は九十九年で白寿、私とフルーツパーラーは六十年で還暦、これからが私の正念場だと思っています。私の信条である「フレッシュ&フレッシュ」の気もちで、来年に迎える創業百年に向かってひたすらというのが今の気もちです。
温故知新がベースの世代創業
私は初代創業者精神をベースとした「世代創業者」という考え方を経営信条としています。すなわち、二代は初代にも増した創業者精神で経営に当たり、三代は二代にも増した創業者精神で経営に当たる姿勢、言葉をかえれば、先代、先達の訓示を鑑として、絶えず創造的な経営に挑むというのが、私のいう「世代創業者」という考え方です。
経営コンセプトはツーウェイ
私どもの店の経営コンセプト
店=売り場 ...... 価値ある暮らしへの提案
客=買い場 ..... 味とハートを感じる店
店から客へ、客から店への往復路線、すなわちツーウェイ・コミュニケーションを見直し、味とハートを本当に感じていただける店にしよう、というのが私どもの経営コンセプトです。
食、衣、さらにアートの美
専門店である以上、食では美味しい美を、衣では装いの美を、商品として、情報として客に提供提案するのはもちろんです。しかし街の文化としてもアートがもとめられる時代だと思います。私どもの別館にギャラリーを設けたのも、そういう意味が多分にありました。
健康第一に
今までの六十年間、比較的丈夫に過ごしてこられたのも、いい古された言葉ですが、やはり健康第一です。健康第一であったればこそ、私は仕事第一、趣味(ゴルフ)も第一だといいきることができます。
これからも健康第一に考えて、六十の手習いに精をだし、フレッシュ一途の白寿の店に、さらに輝やく百年=一世紀を迎えられるようにがんばりたいと考えております。