「信用と先見性で...」
各界著名の士である会員からお話しを!
今回は質屋業界トップにあってご活躍中の、カワノ商事(株)社長川野政三氏に、今日有るまでの苦労話しや、営業信条などのあれこれを、非常に忙しいなか時間を割いて頂きました。
――今日は、初めてお目にかかります。新宿駅や、いろんな所でよく宣伝をおみかけして、新宿というイメージの会社ですが、まず社歴からお話しして頂けますか。
昭和23年に会社を設立しました。神田で洋服の卸をしていましてその頃"高久さん、三峰さん"などに卸していました。あの頃は"一織ガチャマン"(一織一万円)と言われた戦後の時代で物が手に入れば売れる時代でした。中京の津島、一の宮まで仕入れに行ったもので本当によく売れました。儲りましたネ。しかしよく働きましたヨ。
――質屋さんのイメージが強いのですが?いつから始められましたか。
神田で洋服卸をしている頃も家内が新宿で質業をやっていました。自分には不向きな仕事であり又性格に合っていないというのが正直なところです。
――TAXに関係ありそうな話題を一つ。
その戦後の時代品物があればよく売れた頃、それは儲って、儲って、だが結局目先だけの儲けではいけませんね、第一そういう金は雑に使うよとよく言われたものです。まあいろんなことに神経を使うより、仕事に神経を使った方がそれは健康的にもよいことです。そんな過渡期を過ぎ会社をきちんとしなければと経理専門の人を入れました。
ところがですね、税務署の方に不正を見付けてもらったことがあったんですよ。実は当時当局の特別調査を受けたんです。それが、私共は地元の銀行しか取引していないのに、池袋の銀行に私共の小切手が毎日入るということでこれが調査の入った原因であったようです。ところが調査したところ経理担当者が不正をしていたわけなんです。こんなこともありました。まあ使用人のしたことですが、全く寿命の縮む思いでしたヨ。
お金は"命"の次だ、一番大切なものが"命"その次が"金"ですか。あなたは違いますか。名誉? 昔と違って学歴、感謝状。今はお金の時代だ、金の為人を殺す人もいるし。私の場合はお金が2、3番です。
――そろそろお商売のポリシーと時代の先取りの為の勉強はどうなさったか。人生のポリシーなどを聞かせて下さい。
"信用ない商売は商売ではない"信用が今日のカワノを作ったんです。
それと時代を読むことです。私共では、質、金融の商売から新しい貴金属小売店へと転換しており、新しい店作りを目指しております。
明治の頃は銀行以上の信用が有りました。カワノは金融ですがお客様の希望があれば質もします。
あたりまえのことですがお客様の立場、身になって低利、高額融資、秘密を大切にしています。
それにどの商売にもカワノと云う自分の名前を使っています。自信と信用があるから。
"人から騙されても、人を騙すな"
これ親から言われていますから経験と共に大切に守るこの商道を続けています。
私の長兄(故人)が秀れた人で思考力あり、又努力家で如才がなく、すべてに秀れた兄であったと尊敬しています。
運がよかったんですネ。でも努力一筋かな? 見て覚える。研究する。考える。やはり努力からこれらは生れると思います。
――これからの方針について。
人材の育成、これが遅れた気がします。今後の方針課題です。
