この季節、世のご婦人連関心の的"毛皮"についての、あれこれを……
小田急百貨店、ファッションコーディネーター・倉屋勇治氏にお忙しいなかをさいて戴いてお伺い致しました。
毛皮とファッションについて
もともとは、ブランド志向の強いものでしたが、近ごろは他のおしゃれと同じ流れとなって来ているようです。そして裁断の向上によりレザー&毛皮など異系材を合わせる技術がクローズアップされ、従来のファッションに加え新しいジャンルを作り出しています。
毛皮の主な生産地
世界の三大産地として、ソ連・カナダ・中国があげられます。いずれも国土が広大で、寒冷地であることが共通しています。
主なものを種類、名称ごとにあげますと
| 種類 | 名称(産地) |
|---|---|
| テン | ロシヤンセーブル・ストーンマーチン(ソ連)、アメリカンセーブル |
| ミンク | (カナダ) |
| イタチ | コリンスキー(ソ連)、ウィーゼル(中国) |
| スカンク | (米国) |
| ウルフ | (カナダ) |
| キツネ | ブルーホックス(グリーンランド)、シャドー・ホワイト・シルバーホックス(カナダ)、レッドホックス(ソ連)、プラチナホックス(ノルウェー) |
| タヌキ | (日本) |
| ヒョウ | レオパード(ソマリア) |
| ネコ | リンクス(カナダ) |
| チンチラ | (ボリビア) |
| ラム | (中国ほか) |
毛皮の価値感と耐久性
天然の有機物である毛皮を衣料として完成させ、その美しさや、しなやかさを長持ちさせる為「デザイン→裏地つけ」まで10数回のいろいろな工程をふんで造られます、工程は人の手から手へわたる手造りの要素が強く厳密にいえば二着として同じものはないといえます、この辺に毛皮の価値感があると思います、同時に一生ものといわれるゆえんでしょう。
耐久性については種類によって差があり値段の高いものが必ずしも長持ちするとは限りません、一般的には水棲動物の毛皮がすぐれているといわれています、強いものから順に掲げてみると、
| 100〜90% | オットセイ |
| 90〜80% | ビーバー・ミンク(養殖)・オセロット |
| 80〜70% | レオパード・ミンク(野生)・ラム・リス |
| 70〜60% | ビーバー・ウルフ |
| 60〜50% | フォックス類・リンクス・セーブル・タヌキ |
| 50〜40% | カーフ・コリンスキー |
| 40〜30% | ブロードテール・チンチラ・ラビット(刈毛) |
| 20〜10% | スワカラ・ラビット(長毛) |
| 10〜5% | ヘア(野うさぎ) |
毛皮の取引経路
毛皮が高価な理由は、狩猟は勿論、養殖でも非常に手間がかかり、流通形態も複雑な段階と長期にわたる工程を経て消費者の手に渡ることとなるためです。
毛皮生産者 → 競売機関 → 原皮業者 → なめし業者 → 染色業者 → 縫製業者 → 毛皮問屋・商社 → 毛皮専門店・百貨店等
今一番人気のあるのは
昭和37年毛皮の輸入が再開され、当時はフォックスの衿とボアがブームでした。その後ラビット・ラム・ミンクと移行するとともに種類もコート・ジャケットなどのガーメント(外衣)へと変わってきました。最近ではカジュアル化が一層すすみ市場が拡大されています。
ここで最近のベスト3をあげると、(1)ミンク、(2)ダイドフォックス、(3)ミンク&レザー、でありデザイン面からではシェブロン加工と云われているミンク&レザータッチの汎用性にすぐれたものが主流となっているようです。
購入時の注意点
かなり身近になったとは云え、やはり大きな買物ですから次の点に注意しましょう。
(1) 着る目的にあわせて選ぶ
- 普段着なら毛足の短目で軽いもの。
- 長期間にわたるおしゃれ用なら色が濃く少し重めの丈夫なもの。
- 初めての方はカジュアルなものから。
(2) 数多く試着し似合うものから選ぶ
毛皮は個性の強いものです。それだけに着る人の個性とマッチすることが大切で、試着の時は下に着るものも実際に毛皮を着る時に近いものを用意するようにしましょう。
(3) 予算の範囲内でより良いものを
一般的にはミンクの低価格品を買うよりは、同価格のフォックスの方が実質価値は高いと云われています。
(4) アフターサービスを考える
保管・修理・クリーニングなど十分サービスが受けられる店かどうかを確めましょう。
最近海外旅行で購入される方も多く見かけますが、事実海外では毛皮製品の値段は確かに安いのですがどうでしょう。アフターサービスが充分でない点とか、輸入関税がかかること、或いはものによっては通関に手間のかかることなど考え合わせると必ずしも割安とは云えません。
保管方法
シーズンが終わったら次のことに心がけましょう。
(1) 先づゴミと湿気を除くこと
そのまましまい込まず、4月〜5月のカラッとした日に何度も振り、細いムチのようなものでホコリをたたき風通しのよい日陰で数時間ハンガーにつるしたまま湿気を除いて下さい。
(2) 重ねることは禁物
布袋などですっぽりつつみ十分空間をとってタンスなどに吊す、ストールなどは自然な形にそってふんわり丸めるかハンガーにかける。
(3) 大敵は虫とカビ
防虫剤は樟脳が最もよく2種類以上は同時に使用はしないように、そして毛皮にふれないようにする。虫干はとくに必要はありません。なお専門店などに依頼すればあらゆる面で安心出来ます。