(株)山慶商店 代表取締役 坂野廣
P.7北新宿4丁目、小田急ハルクのそば、新宿大ガードに出る道です。午後1時なのにもう車は渋滞です。その渋滞の中に、お客様の車を、元気よく「ありがとうございましたァー」と言いながら割り込ませています。今回御紹介する石油商組合長、坂野廣さんのガソリンスタンドに来ています。
Q.御忙がしいのですネ
A.そうですね。車社会ですから。
Q.今のガソリンスタンドは、かっこいいですネ、宇宙基地のようで。
A.そうなんですが、日本だけです。消防法が大変うるさい、高価な土地の利用として地下タンクになっていますが、2面以上道に面していないと建築出来ませんから、いかに小さく狭い所で仕事出来るようにするか大変。なにしろ、新宿の土地が高くなって現在は70店ぐらいでしょ。車は増える。スタンドは減る。仕事は増えるけど人手不足。重労働に見えるし、きれいでない。仕方ないですネ。
Q.私の子供の頃より比べると車が増えているのは確です。組合のお話を聞かせて下さい。
A.知ってらっしゃいますか、昭和28年までは油は統制下にありました。今の組合は、『動物・植物油組合』というのが母体となって30年頃からです。油屋さん(天ぷら油など商っている)です。
Q.統制というと、すごく古い感じして、この"たっくす"お読みの方にも知らない人がいらっしゃる時代になったと思います。ずい分以前からですネ。
A.昭和27年からです。この地で、友達と2人で、その一字づつとって「山広」と言うのです。
Q.戦後なのですネ
A.そう21年に日本に帰って、以前入っていた三菱系の南方の会社は戦争でなくなってしまいましたので、新聞をみて、日本石油の子会社『かきみ』に入社。その社長が大変尊敬できる方で、その方のお陰で現在が有るのです。特別、車が好きという訳でもなく仕事を始めたのです。石川県で、昭和10年10月28日に生まれ、子供の頃、父親が東京で働いていましたのでそれから東京です。サラリーマン生活も16年程しましたし、戦前は南方で一旗上げたいなんて考えた事もあります。仕事が趣味とは言いませんが、仕事ばかりしていて現在が有る気がします。『かきみ』の社長のおかげで、こうなって良かったと思います。
Q.車が好きな方かと思っていましたら違うのでビックリしてます。何か趣味は?
A.しいて言うなら読書です。それも日本史。悪いと思われている人が善人だったりしますよネ。そんな時、うれしくなるんです。私達は、お客様より、よい車に乗ってはいけないと思っていますから、今、乗っているのも普通の国産車です。
Q.ガソリンの税金についてお聞かせいただけますか。
A.ガソリンには何重にも税金がかかっていますが、目的税でお陰で日本の道が良くなりました。日本のガソリンは高価と言われますが、他の物価と比べれば、そんなに高いとは思いません。生活が良くなるし、そこから何が生れるかだと思います。1ℓ 130円が高いかどうか? 缶ジュース1本100円しますが、1ℓではどうでしょうか? 日本では石油がほとんど採れないのですから。
このような坂野さんにお話を聞くと、新聞でワイワイ騒いでいるのが、不思議にそうかも知れないと思ってしまうのです。ガソリンスタンドの皆さん、今日もありがとう。