消費税とはどんな税でしょうか
P.10消費に広く薄い負担を求める「消費税」が平成元年4月1日から導入されました。個別間接税が直面していた問題を根本から解決し、税制全体の負担の公平感を高めるため、消費に広く薄く負担を求める「消費税」が平成元年4月1日から導入されました。
消費税とは
消費税は物品、サービスの売上げ(国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、資産の貸付け及び役務の提供)並びに輸入品(保税地域から引き取られる外国貨物)にかかります。
消費税は価格に上乗せされ、最終的には消費者が負担します。税務署への納税は、製造、卸、小売、サービスなどの各事業者に行っていただきます。輸入品にかかる消費税については、輸入者に税関へ納めていただきます。
消費税は各取引段階で課税されます。また、生産、流通の課程で二重三重に税がかかることのないような仕組みがとられています。
消費税のポイント
低い税率
税率は3%で売上税より低く、外国に比べても極めて低くなっています。
計算は年1回、申告・納付は2回
課税期間は原則として1年なので、税額の計算が必要なのは確定申告・納付の年1回だけです。また、申告・納付は確定申告納付、中間申告・納付の年2回です。
納税の事務負担の軽減の工夫
事業者の納税の事務負担を減らすため、簡易課税制度を設けたり、売上税のときの税額票のような書類を不要とするなど、様々な工夫がされています。
非課税範囲の限定
消費税は広く薄くほとんど全ての取引にかかります。非課税は金融、資本取引などのほか医療、福祉、教育の一部とし、売上税のときに比べ、非常に限定されています。このため、取引を課税分と非課税分に分ける手間が省け、納税事務は極めて簡単になります。
円滑・適正な転嫁のための対策
消費者、事業者に対し、消費税が転嫁を予定したものであることを幅広くきめ細かく説明していくこととしています。独占禁止法の特別措置として、暫定的に、中小事業者が共同して転嫁を行うことができることとしています。
消費税の納付税額の計算
P.11消費税は、簡素で、中小事業者の事務負担に配慮した仕組みになっています。
原則的な計算方法
(税込み経理の場合には、3/100 に代え、3/103 を用います)
税額の計算は、課税期間(個人は暦年、法人は事業年度)中の売上げに対する税額から、同じ期間中の仕入れに含まれる税額を差し引くだけです。仕入れに含まれる税額の方が多ければ、還付されます。
仕入れに含まれる税を控除するのは税が累積しないようにするためです。仕入れには商品の仕入れのほか事務用品の購入や設備投資など事業のための購入はすべて含まれます(ただし、給料・賃金は含まれません)。
仕入れの計算は、帳簿の記録や納品書、請求書などによって行うので簡単です。免税事業者や消費者から仕入れた場合にも仕入れ税額を控除できます。
免税事業者
前々年(前々事業年度)の年間課税売上げ(税抜き)3,000万円以下の事業者
消費税を納める必要はありません。輸出業者などの還付を受けられる事業者の場合は、選択により納税義務者となることもできます。
簡易課税制度
前々年(前々事業年度)の年間課税売上げ(税抜き)5億円以下の事業者
売上げのみから納付税額を計算できる仕組みが選択できます。
仕入れに含まれる税額を課税売上げに対する税額の8割(卸売業者は9割)とみなします。なお、いったんこの制度を選択した場合、2年間は変更できません。
限界控除制度
その年(事業年度)の年間課税売上げ(税抜き)6,000万円未満の事業者
免税事業者とのバランスを考慮し、納付税額の全部または一部を控除する制度です。
消費税の「弾力的運営」に係る規定等について
P.121. 税務執行の弾力的運営
平成元年9月30日までは、広報・相談・指導を中心に税務を執行する。なお、事業者の不慣れによる計算誤り等が生じることを十分に考慮して「悪質な不正事案を除き」調査は行わず、また、過小申告加算税は課さない。
2. 提出書類の期限の猶予
平成元年3月31日までに提出することとされている各種届出書については、その提出期限を平成元年9月30日まで延長する。
対象:
- 納税義務の免除の適用を受けない旨の届出書 ─ 免税事業者の課税選択
- 仕入れに係る消費税額の控除の特例の適用を受ける旨の届出書 ─ 簡易課税選択
- 課税売上割合に準ずる割合に関する承認
(注)課税事業者となる旨の届出書は、速やかに提出することとされていますが、その提出期限については弾力的に取り扱うことになっています。
3. 申告・納付期限の猶予
平成元年9月30日までに申告・納付期限が到来する確定申告については、その期限を平成元年9月30日まで延長する。
本法では「当該課税期間の末日の翌日から2月以内」に提出とされていますが、措置法で「平成元年7月30日前に終了する課税期間については、平成元年9月30日まで」に提出と変更されています。
4. 個人事業者の申告・納付期限の猶予
個人事業者の申告・納付期限について平成3年分までは、翌年3月末日に変更する。
本法では「当該課税期間の末日の翌日から2月以内」(毎年2月末まで)に提出とされていますが、措置法で「3月以内」(毎年3月末まで)に提出と変更されています。
印紙税法の一部改正
P.13平成元年4月から印紙税法の一部が変わりました。次の文書については、平成元年4月1日以後に作成するものから印紙税は課税されないことになりました。
非課税となった文書
- 物品切手(旧第4号文書) ─ 百貨店などの商品券、贈答品などの預り券、景品券、ワイシャツ券など
- 永小作権、地役権、質権、抵当権等の設定又は譲渡に関する契約書、無体財産権の実施権又は使用権の設定又は譲渡に関する契約書(旧第14号文書)
- 賃貸借又は使用貸借に関する契約書(旧第16号文書) ─ 建物賃貸借契約書、機械賃貸借契約書など(注:土地賃貸借契約書は引き続き課税文書です)
- 委任状又は委任に関する契約書(旧第17号文書) ─ 委任状、売買委託契約書、口座振替依頼書など
- 物品又は有価証券の譲渡に関する契約書(旧第19号文書) ─ 物品売買契約書、物品交換契約書など
(注)従来、これらの号に所属が決定されていた文書でも、他の号にも該当していたものは、引き続き課税文書に該当する場合がありますから、注意してください。
消費税の金額が区分記載された領収書等
消費税の金額が具体的な金額で区分して記載された、建物売買契約書等の第一号文書、請負契約書等の第2号文書及び領収書等の第17号文書については、その消費税の金額は記載金額に含めないこととされています(したがって、手形(第3号文書)や債権の譲渡契約書(第15号文書)に、この取扱いはありません)。
印紙税のかかる文書には、同じ種類の文書であっても、その文書に記載されている金額によって、納める印紙税額の異なるものがありますから、文書を作成する際には間違いのないようによく注意してください。
また、印紙税を誤って納めたときは、一定の手続きにより還付を受けることができます。