適格請求書(インボイス)の記載事項と要件:6項目の書き方と記載例

インボイス(適格請求書)は、登録を受けた適格請求書発行事業者だけが交付できる請求書等で、買手は原則としてこれを保存して仕入税額控除を受けます。様式は決まっておらず、請求書・納品書・領収書・レシートなど名称を問わず、手書きでも電子データでも、次の6項目が書かれていれば要件を満たします。

適格請求書の記載事項(6項目)【確定・施行済(2023年10月1日から)】

番号記載事項
①適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
②取引年月日
③取引内容(軽減税率の対象品目であれば、その旨)
④税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜又は税込)及び適用税率
⑤税率ごとに区分した消費税額等
⑥書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

太字は、2023年9月30日までの区分記載請求書の記載事項から追加された主な部分です。根拠は消費税法57条の4第1項とインボイスQ&A 問54です。小売業・飲食店業などが交付する適格簡易請求書(レシートなど)は⑥が不要で、④の適用税率と⑤の消費税額等は、どちらか一方を書けば足ります(適格簡易請求書の書き方)。

監修について
本記事は井手政紀税理士(井手政紀税理士事務所/元 新宿税務署長(第84代)/新宿間税会 税理士部会員)の監修内容を反映しています。2026年9月26日、令和8年度税制改正等に合わせて全面改訂し、2026年9月28日に監修者の確認が完了しました。

【確定・施行前】2026年10月1日からの変更点(2026年9月26日時点)

適格請求書に書く6項目は、2026年10月1日以後も変わりません(国税庁の令和8年度税制改正特集に挙がっている改正項目に、記載事項の変更は含まれていません)。変わるのは、請求書を受け取る側の控除の計算と、売手の申告の特例です。

  • 受け取る側(一般課税の場合):登録番号のない請求書(免税事業者などからの仕入れ)で控除できる割合は、2026年10月1日以後の仕入れから80%が70%になります。2026年10月1日をまたぐ締め請求は、商品は引渡しの日ごとに分け、役務は全部が完了した日で判定します(日割りしません)。帳簿には「70%控除対象」などのように、経過措置の適用を受ける旨を書きます(登録番号のない請求書と2026年10月1日をまたぐ締め請求)。
  • 同じ仕入先からの経過措置の対象となる仕入れが年1億円(税込み)を超える部分には、経過措置を使えなくなります。2026年10月1日以後に開始する課税期間から(個人事業者は2027年分から)適用され、改正前の上限は10億円です。
  • 2割特例は、2026年9月30日を含む課税期間が最後です(個人事業者は2026年分、法人は2026年9月30日を含む事業年度)。要件を満たす個人事業者は、令和9年分(2027年分)・令和10年分(2028年分)に3割特例を選べます。
目次
  1. 適格請求書(インボイス)とは:区分記載請求書との違い
  2. 記載事項6項目の書き方
  3. 記載例:税抜・税込・10%のみ・月まとめ
  4. 端数処理:1枚の請求書につき税率ごとに1回
  5. 適格簡易請求書(レシート)の書き方
  6. 値引き・返品・リベート:適格返還請求書
  7. 記載を誤ったとき:修正した適格請求書の交付
  8. 電子インボイスの交付と保存・保存期間
  9. 受け取ったインボイスのチェック表
  10. 登録番号のない請求書と2026年10月1日をまたぐ締め請求
  11. よくある質問
  12. まとめ
  13. 出典・参考資料

適格請求書(インボイス)とは:区分記載請求書との違い

適格請求書は、売手が買手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるための書類で、一定の事項が記載された請求書や納品書などをいいます。税務署長の登録を受けた適格請求書発行事業者でなければ交付できません(国税庁 タックスアンサー No.6498)。制度全体の仕組みと免税事業者への影響は、インボイス制度の概要で説明しています。適格請求書を交付できるのは課税事業者のうち登録を受けた事業者だけなので、そもそもの課税事業者と免税事業者の違いも確認しておくと理解しやすくなります。

適格請求書発行事業者は、取引の相手方(課税事業者に限ります)から求められたときに適格請求書を交付し、交付した適格請求書の写しを保存する義務があります(同)。ただし、3万円未満の公共交通機関(船舶・バス・鉄道)による旅客の運送や、3万円未満の自動販売機・自動サービス機による商品の販売など、交付が難しい一定の取引は、交付義務が免除されます(消費税法施行令70条の9第2項、インボイスQ&A 問41)。

区分記載請求書から追加された3つの記載

2023年9月30日までの区分記載請求書と比べると、適格請求書では①の登録番号、④の適用税率、⑤の税率ごとに区分した消費税額等が加わりました。④の合計額は、区分記載請求書では税込価額でしたが、適格請求書では税抜・税込のどちらでも認められます(問54)。

区分記載請求書と適格請求書の記載事項(インボイスQ&A 問54から当会作成)
項目区分記載請求書
(2019年10月1日〜2023年9月30日)
適格請求書
(2023年10月1日から)
発行者書類の作成者の氏名又は名称氏名又は名称及び登録番号
取引日取引年月日取引年月日(同じ)
取引内容取引内容(軽減税率の対象品目である旨を含む)取引内容(同じ)
合計額税率ごとに合計した税込価額税率ごとに区分して合計した税抜価額又は税込価額及び適用税率
消費税額等記載事項ではない税率ごとに区分した消費税額等
宛名交付を受ける事業者の氏名又は名称氏名又は名称(同じ)

請求書と納品書のように、複数の書類を合わせて6項目を満たす方法は、月まとめの請求書と納品書を組み合わせる場合で説明しています。

登録番号の構成と確認のしかた

  • 法人番号を持つ課税事業者:「T」+法人番号(数字13桁)
  • それ以外の課税事業者(個人事業者、人格のない社団等):「T」+数字13桁。マイナンバー(個人番号)は使われず、法人番号とも重複しない番号です。

一度付番された登録番号は変更できません。請求書には「T1234567890123」のほか「T-1234567890123」のように書いてもよく、半角・全角も問いません(問18)。取引先の登録状況は、国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで登録番号から確認できます。登録の申請方法は適格請求書発行事業者の登録手続きをご覧ください。

記載事項6項目の書き方

6つの記載事項ごとに、書き方と注意点をまとめます。番号は冒頭の表と同じです。

① 氏名又は名称と登録番号

発行する事業者の氏名又は名称と、登録番号を書きます(例:「○○商事株式会社 登録番号 T1234567890123」)。名称は、電話番号を書くなどして発行者を特定できれば、屋号や省略した名称でも認められます(問55)。取引先と共有している取引先コード表で登録番号を確認できる場合は、取引先コードの表示でも記載があると認められます(問56)。

② 取引年月日

商品を引き渡した日やサービスを提供した日(課税資産の譲渡等を行った年月日)を書きます。請求書を発行した日とは別のものです。課税期間の範囲内で一定期間の取引をまとめて1枚の適格請求書にする場合は、「10月分(10/1〜10/31)」のように、その期間を書けば足ります(問25)。

③ 取引内容と、軽減税率の対象である旨

商品名やサービスの内容を書きます。軽減税率(8%)の対象品目があるときは、そのことが客観的に分かるように示します。国税庁は次の方法を例に挙げています(消費税法基本通達1-8-4、問73)。

  • 対象品目に「※」などの記号を付け、「※は軽減税率対象」のように記号の意味を書く
  • 同じ請求書の中で、8%の品目と10%の品目を分けて書き、8%の区分であることを示す
  • 8%の品目と10%の品目で請求書を分け、8%の請求書に軽減税率の対象であることを書く

飲食料品でも酒類は軽減税率の対象外で、10%です(国税庁 No.6102)。対象品目の見分け方は軽減税率の対象品目、酒類にかかる酒税は酒税の仕組みと2026年10月の税率改正で説明しています。10%の品目しか扱わない場合、軽減税率の対象である旨の記載は不要です(問74)。

④ 税率ごとに区分して合計した対価の額と適用税率

取引の金額を税率ごと(10%と8%)に合計し、「10%対象」「8%対象」のように適用税率とあわせて書きます。合計額は税抜・税込のどちらでも認められます(問54)。10%の取引しかない場合、「8%対象 0円(消費税0円)」のような記載は不要ですが、「10%」という適用税率は必要です(問74)。

⑤ 税率ごとに区分した消費税額等

④の税率ごとの合計額をもとに計算した消費税額等を、税率ごとに書きます。消費税額等は、消費税額と、それを課税標準とする地方消費税額に相当する額の合計額です(消費税法57条の4第1項5号)。合計額が税抜なら10%(8%)を掛け、税込なら10/110(8/108)を掛けて計算します。1円未満の端数は、1枚の適格請求書につき税率ごとに1回処理します(端数処理のルール)。

⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

請求書を受け取る取引先の氏名又は名称を書きます。法令上の文言は「氏名又は名称」で、正式名称で書いておけば確実です。適格簡易請求書では、この記載は不要です(問58)。

6項目に入っていないもの(住所・請求書番号・振込先・押印)

発行者や取引先の住所、電話番号、請求書番号、支払期限、振込先、押印は、適格請求書の記載事項(消費税法57条の4第1項)に含まれていません。書かなくても適格請求書の要件は満たします。ただし、名称を屋号などで書く場合は、電話番号などで発行者を特定できるようにします(問55)。国税庁は、請求書に納品書番号を書いて、請求書と納品書を合わせて記載事項を満たす例を示しています(問65)。また、修正した適格請求書を交付するときは、当初に交付したものとの関連性を明らかにします(問33)。請求書番号を付けておくと、この関連を示しやすくなります(当会の例示です)。

記載例:税抜・税込・10%のみ・月まとめ

記載例の事業者名と金額は、説明のために当会が作成したものです。消費税額等の1円未満は切り捨てています(切上げや四捨五入も認められます)。

税抜で計算する記載例(10%と8%がある場合)

請求書の上部番号は記載事項の番号
欄記載内容番号
宛名株式会社△△ 御中⑥
請求日2026年10月31日―
対象期間10月分(10/1〜10/31)②
発行者○○商事株式会社
登録番号
T1234567890123
①

請求日は6項目に入っていません(②の取引年月日とは別のものです)。

明細金額は税抜、単位は円
日付品名数量×単価金額
10/3コピー用紙5箱×2,98014,900
10/3トナーカートリッジ1個×8,5568,556
10/15ペットボトル茶 ※24本×1182,832
10/15菓子 ※6箱×3482,088

※は軽減税率(8%)対象(記載事項③)。

税率ごとの合計と消費税額等(記載事項④⑤)
区分金額(税抜)消費税額等
10%対象23,456円2,345円
8%対象4,920円393円
合計28,376円2,738円
ご請求額31,114円

消費税額等の計算:23,456円×10%=2,345.6円→2,345円、4,920円×8%=393.6円→393円(いずれも1円未満切捨て)。ご請求額は28,376円+2,738円=31,114円です。

税込で計算する記載例

明細を税込の金額で書く場合は、税率ごとの税込の合計額に10/110(8%は8/108)を掛けて消費税額等を出します(問57の記載例と同じ方法)。

明細金額は税込、単位は円
日付品名数量×単価金額
10/7名刺印刷1式×8,8008,800
10/7封筒1箱×3,5453,545
10/21会議用弁当 ※6個×8425,052
10/21缶コーヒー ※4本×95380

※は軽減税率(8%)対象。宛名・対象期間・発行者と登録番号の欄は、税抜の記載例と同じです。

税率ごとの合計と消費税額等(記載事項④⑤)
区分金額(税込)うち消費税額等
10%対象12,345円1,122円
8%対象5,432円402円
ご請求額17,777円1,524円

消費税額等の計算:12,345円×10/110=1,122.27…円→1,122円、5,432円×8/108=402.37…円→402円(いずれも1円未満切捨て)。

10%の取引しかない場合の記載例

10%の品目しかない場合は、「※」の凡例や「8%対象 0円」の欄は要りません。ただし、④の「10%」という適用税率と、⑤の消費税額等は省略できません(問74)。

明細と合計金額は税抜
日付内容金額
10/14設定作業(3時間×6,500円)19,500円
10/31システム保守(10月分)50,000円
10%対象69,500円
消費税額等(10%)6,950円
ご請求額76,450円

月まとめの請求書と納品書を組み合わせる場合

取引のたびに納品書を渡し、請求書は1か月分をまとめて出している場合は、次のどちらかで対応できます(問65)。

  1. 請求書に6項目をすべて書く。この場合、納品書の様式を変える必要はありません。
  2. 請求書と納品書を合わせて6項目を満たす。請求書に納品書番号を書くなどして、書類どうしの関連を明確にします。
2の方法での分担の例(インボイスQ&A 問65の記載例から当会作成)
記載事項請求書に書くもの納品書に書くもの
①名称と登録番号名称
②対象期間(10月分(10/1〜10/31)など)納品日
③納品書番号と納品書ごとの金額品名と「※」などの軽減税率の対象である旨
④税率ごとの合計額と適用税率―
⑤税率ごとの消費税額等―
⑥宛名宛名

逆に、納品書に税率ごとの合計額・適用税率・消費税額等を書き、請求書に登録番号を書いて組み合わせることもできます。この場合、消費税額等の端数処理は、納品書1枚につき税率ごとに1回です(問67)。

端数処理:1枚の請求書につき税率ごとに1回

【確定・施行済】適格請求書に書く消費税額等に1円未満の端数が出るときは、1枚の適格請求書につき、税率ごとに1回だけ端数処理をします。切上げ・切捨て・四捨五入のどれにするかは任意です。商品ごとに消費税額等を計算して端数処理し、その合計を消費税額等として書く方法は認められません(消費税法施行令70条の10、消費税法基本通達1-8-15、問57)。

認められない例:商品ごとに切り捨てて合計する

10%対象の商品4点(税抜)を1枚の請求書に書く場合で比べます。

商品ごとに計算した場合(認められない)単位は円
商品金額(税抜)金額×10%商品ごとに切り捨てた額
商品A1,234123.4123
商品B2,345234.5234
商品C3,456345.6345
商品D4,567456.7456
合計11,6021,160.21,158
  • 正しい処理:税率ごとの合計額で1回計算します。11,602円×10%=1,160.2円→1,160円(切捨て)
  • 認められない処理:商品ごとに切り捨てて合計すると1,158円になり、2円少なくなります。

申告のときの売上税額・仕入税額の計算方法(積上げ計算・割戻し計算)と、税込・税抜の換算は、消費税の計算方法と計算式(10%・8%)で説明しています。1つの金額の税込・税抜の換算は、消費税計算ツールでも試算できます。

適格簡易請求書(レシート)の書き方

交付できる事業

不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う次の事業では、適格請求書に代えて、記載事項を簡易にした適格簡易請求書を交付できます(消費税法57条の4第2項、消費税法施行令70条の11、インボイスQ&A 問24)。

  • 小売業、飲食店業、写真業、旅行業、タクシー業
  • 駐車場業(不特定かつ多数の者に対するものに限ります)
  • その他これらの事業に準ずる事業で、不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う事業

小売業からタクシー業までの5つの事業には「不特定かつ多数の者に対するもの」という限定がなく、例えば小売業として行う販売であれば、形態を問わず適格簡易請求書を交付できます(問24)。

適格請求書との違い

適格請求書では①〜⑥のすべてが必要です。適格簡易請求書では、④の適用税率と⑤の消費税額等はどちらか一方でよく、⑥の宛名は要りません(消費税法57条の4第2項、問58)。

適格簡易請求書の記載事項(インボイスQ&A 問58から当会作成)
記載事項適格簡易請求書での扱い
① 名称・登録番号必要
② 取引年月日必要
③ 取引内容必要(軽減税率の対象品目であれば、その旨も)
④ 合計額必要(税率ごとに区分して合計した税抜又は税込の金額)
④ 適用税率⑤の消費税額等とどちらか一方でよい(両方書いてもよい)
⑤ 消費税額等④の適用税率とどちらか一方でよい(両方書いてもよい)
⑥ 宛名不要

レシートの記載例

小売店で、10%の日用品と8%の食品を販売した場合のレシートの例です(金額は税込)。

レシートの記載例番号は記載事項の番号
欄記載内容番号
店名○○ストア
登録番号
T1234567890123
①
日付2026年10月12日②
明細牛乳 ※ 1点 248円
食パン ※ 2点 432円
ティッシュペーパー 1点 297円
洗剤 1点 385円
③
合計1,362円―
税率ごと10%対象 682円
8%対象 680円
④
凡例※は軽減税率対象商品③

この例は、④の適用税率を書き、⑤の消費税額等を省く方法です。消費税額等だけを書く場合は、税率ごとの欄を「682円(内消費税等 62円)」「680円(内消費税等 50円)」のように書きます。両方を書くこともできます(問58)。消費税額等は、682円×10/110=62円、680円×8/108=50.37…円→50円(切捨て)です。

手書きの領収書でも、記載事項がそろっていれば適格簡易請求書になります。宛名は省略でき、「上様」と書くこともできます(問58-2)。業種ごとの実務は、小売業の消費税・インボイス(業種別ガイド)と飲食業の消費税・インボイス(業種別ガイド)で扱っています。

値引き・返品・リベート:適格返還請求書

適格請求書発行事業者は、課税事業者に返品・値引き・割戻し(リベート)などの売上げに係る対価の返還等を行う場合、適格返還請求書(返還インボイス)を交付する義務があります(消費税法57条の4第3項、インボイスQ&A 問60)。

記載事項(5項目)

  1. 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
  2. 対価の返還等を行う年月日と、その基になった取引を行った年月日(適格請求書を交付した売上げに係るものは、課税期間の範囲内で一定の期間の記載も認められます)
  3. 対価の返還等の基になった取引の内容(軽減税率の対象品目であれば、その旨)
  4. 対価の返還等の税抜価額又は税込価額を、税率ごとに区分して合計した金額
  5. 対価の返還等の金額に係る消費税額等又は適用税率(どちらか一方でよく、両方書くこともできます)

5つ目の項目は、適格請求書と違い、消費税額等か適用税率のどちらか一方で足ります(問60)。

税込1万円未満の返還は交付義務が免除

【確定・施行済(2023年10月1日から)】対価の返還等の税込価額が1万円未満であれば、適格返還請求書の交付義務は免除されます(消費税法57条の4第3項、消費税法施行令70条の9第3項2号、問28)。1万円未満かどうかは、税率ごとの金額ではなく、返還した金額や値引き等の対象となる請求・債権の単位ごとに判定します。国税庁は次の例を示しています(問28)。

  • 500,000円の請求に対し、買手が振込手数料相当額440円を差し引いて499,560円を支払い、売手が440円を対価の返還等として処理した場合:1万円未満なので、交付義務は免除されます。
  • 400,000円の請求に関し、1商品当たり100円のリベートを後日まとめて支払う場合(合計20,000円):1万円以上なので、交付義務は免除されません。

請求書と返還インボイスを1枚にまとめる書き方

当月の請求書で前月分のリベートを差し引く場合、1枚の書類に、適格請求書と適格返還請求書のそれぞれの記載事項を書いて交付できます。また、継続して、売上げの金額から対価の返還等の金額を差し引いた金額と、その金額をもとに計算した消費税額等を税率ごとに書く方法でも、両方の金額と消費税額等の記載を満たします。この場合の端数処理は、差し引いた後の金額について税率ごとに1回です(消費税法基本通達1-8-20、問62)。リベートの基になった取引の年月日(期間)と内容は、別に書きます。

差し引いた後の金額で書く例(当会作成)金額は税抜、単位は円
区分差引後の金額消費税額等
10%対象188,00018,800
8%対象50,0004,000
ご請求額260,800

10%対象の188,000円は、当月の売上200,000円から前月分のリベート12,000円を差し引いた金額です(8%対象の売上50,000円にはリベートはありません)。リベートは税込13,200円(12,000円+消費税額等1,200円)で1万円以上なので、返還インボイスの記載事項が必要です。188,000円×10%=18,800円、50,000円×8%=4,000円。ご請求額は188,000円+18,800円+50,000円+4,000円=260,800円です。

値引きは時期によって書き方が変わる

請求額の端数を値引きする「出精値引き」などは、値引きの時期で扱いが分かれます(問70)。

  • すでに行った取引の値引き:売上げに係る対価の返還等として扱い、適格返還請求書の記載事項が必要です(税込1万円未満なら交付義務は免除。問28)。適格請求書と1枚にまとめて書けます。
  • これから行う取引の値引き(取引の際に対価を減額する場合):対価の額から直接差し引き、値引き後の対価の額に係る消費税額等を書きます。10%と8%の取引をまとめて値引きするときは、値引額を金額の比率であん分するなどして、税率ごとに区分します。10%の品目だけから値引きしたとする場合も、値引額か値引き後の対価の額が明らかであれば、合理的に区分されていることになります(消費税法基本通達1-8-5)。
  • 値引きが取引の前か後かを厳密に区分するのが難しい場合は、どちらの方法で処理してもよいとされています。

取引の際に、請求額の端数600円を出精値引きする例です。問70の記載例と同じ方法で、値引額を税抜価額の比率であん分しています(当会作成)。

取引の際に出精値引きをする場合の記載例単位は円
区分値引き前値引き後
10%対象(税抜)30,00029,673
消費税額等(10%)3,0002,967
8%対象(税抜)20,00019,778
消費税額等(8%)1,6001,582
総計(税込)54,60054,000

出精値引き600円を、税抜価額の比率(30,000:20,000)で10%分360円・8%分240円にあん分します。10%対象:33,000円−360円=32,640円(値引き後の税込価額)、32,640円×10/110=2,967.27…円→2,967円、税抜は32,640円−2,967円=29,673円。8%対象:21,600円−240円=21,360円、21,360円×8/108=1,582.22…円→1,582円、税抜は21,360円−1,582円=19,778円(いずれも1円未満切捨て)。請求書には、値引き前の総計54,600円、「出精値引き ▲600円」(▲はマイナス)、値引き後の総計54,000円とあわせて、値引き後の税率ごとの金額と消費税額等を書きます。

記載を誤ったとき:修正した適格請求書の交付

売手:修正した書類を交付し、当初の写しも保存する

交付した適格請求書・適格簡易請求書・適格返還請求書(電子データで提供したものを含みます)の記載事項に誤りがあったときは、売手は、交付した相手方に、修正した書類を交付しなければなりません(消費税法57条の4第4項・第5項、インボイスQ&A 問32)。交付の方法として、国税庁は次の2つを例に挙げています(問33)。

  • 誤りがあった事項を修正し、改めて記載事項のすべてを記載したものを交付する
  • 当初に交付したものとの関連性を明らかにし、修正した事項を明示したものを交付する

修正した書類を交付した売手は、当初交付した適格請求書の写しと、修正した書類の写しの両方を保存します(問33)。当初の請求書の控えを処分しないようにします。

買手:自分では直さず、修正した請求書をもらうか、売手の確認を受ける

受け取った適格請求書の誤りを、買手が自分で追記・修正することは原則としてできません。売手に修正した適格請求書の交付を求め、それを保存します(問92)。

ほかに、買手には次の方法もあります。いずれの場合も、売手は当初交付した適格請求書の写しを保存しなければなりません(同)。

  • 買手が誤りを修正した仕入明細書等を作り、売手の確認を受けて保存する(この場合、売手は改めて修正した適格請求書を交付する必要はありません。問32・問92)
  • 受け取った適格請求書に買手が修正を書き入れ、その修正した事項について売手の確認を受けて保存する(問92)

電子インボイスの交付と保存・保存期間

電子データでの交付

適格請求書は、紙で交付する代わりに、記載事項を記録した電子データで提供できます。電子メールでの送付、インターネット上のサイトを通じた提供、EDI取引などがこれに当たります(消費税法57条の4第5項、消費税法基本通達1-8-2、インボイスQ&A 問31)。

売手の保存:データのまま、又は紙に印刷して

電子データで提供した適格請求書は、そのデータのまま保存するか、紙に印刷して保存します(消費税法57条の4第6項、消費税法施行規則26条の8、問81)。データのまま保存する場合は、タイムスタンプ、訂正・削除の履歴が残るシステム、訂正・削除の防止に関する事務処理規程のいずれかによる改ざん防止の措置、ディスプレイ等の備付け、検索機能の確保などが必要です(問81)。

買手の保存:消費税と、所得税・法人税で扱いが違う

電子データで受け取ったインボイスの保存
税目紙に印刷して保存する方法根拠
消費税(仕入税額控除)認められます。整然とした形式・明瞭な状態で出力した書面を保存すれば、請求書等の保存要件を満たします。消費税法施行規則15条の5第2項、問85
所得税・法人税(電子帳簿保存法)印刷だけでは足りません。2024年1月1日以後に行う電子取引の取引情報は、要件に従って電子データのまま保存します。問85、国税庁パンフレット(令和6年11月)

電子帳簿保存法で電子取引データを保存するときの原則的なルールは、次の3つです(国税庁パンフレット「電子取引データを適切に保存できていますか?」(令和6年11月、PDF))。

  1. 改ざん防止の措置をとること(タイムスタンプが付されたデータを受け取る、受け取ったデータにタイムスタンプを付す、訂正・削除の履歴が残るシステム等でやり取り・保存する、改ざん防止のための事務処理規程を定めて運用し備え付ける、のいずれか)
  2. 保存したデータを確認するためのディスプレイやプリンタ等を備え付けること
  3. 「日付・金額・取引先」で検索できるようにすること(あわせて、日付又は金額の範囲指定や2つの要素を組み合わせた検索ができるか、税務調査等の際にデータのダウンロードの求めに応じられるようにします)

基準期間(2年前又は2期前)の売上高が5,000万円以下の事業者などは、税務調査等の際に電子取引データのダウンロードの求めに応じられるようにしていれば、3の検索要件を満たす必要はありません。また、原則のルールに従って保存できなかったことについて所轄税務署長が相当の理由があると認め、税務調査の際にデータのダウンロードの求めと、印刷した書面の提示・提出の求めのそれぞれに応じられるようにしている場合は、データを保存しておくだけでよいとする猶予措置があります。この猶予措置に事前の届出は要りません(同パンフレット)。

保存期間:7年間

【確定・施行済】売手は、交付した適格請求書の写し(電子データで提供したものを含みます)を、原則として、交付した日(提供した日)の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間、納税地などに保存します(消費税法57条の4第6項、消費税法施行令70条の13第1項、問79)。買手が仕入税額控除のために保存する帳簿と請求書等も、同じく7年間です(消費税法施行令50条1項、問79)。消費税の申告期限の延長特例(消費税法45条の2第1項)を受ける法人は、起算日が課税期間の末日の翌日から3か月を経過した日(申告書の提出期限の翌日)になります(消費税法施行令63条の2第2項、国税庁 タックスアンサー No.6625)。買手の帳簿と請求書等は、6年目と7年目はどちらか一方を保存すればよいとされています(同)。

(参考)デジタルインボイスの自動連携と重加算税

【確定・適用前(2027年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税から)】令和7年度税制改正で、国税庁長官が定める基準に適合するシステムを使い、デジタルインボイス(Invoice JP PINT など)や預貯金口座の決済データといった電子取引データを一定の要件に従って送受信・保存し、あらかじめ届出書を提出した場合、そのデータに関連する隠蔽・仮装行為について、重加算税の10%加重の対象から除く制度が設けられました(国税庁パンフレット「請求書等を帳簿に自動連携する仕組みに対応した制度が新設されました」(令和7年4月、PDF))。

受け取ったインボイスのチェック表

受け取った請求書等が適格請求書の記載事項を満たしているかは、次の表で確認できます。

受け取ったインボイスの確認項目
記載事項確認すること
① 登録番号発行者の名称と「T」+13桁の登録番号があるか。取引の時点で登録されているかを公表サイトで確認
② 取引日取引の日か、まとめて請求する期間が書かれているか
③ 内容8%の品目に「※」などの記号と凡例があるか、又は区分して書かれているか
④ 合計額「10%対象」「8%対象」のように、適用税率と税率ごとの合計額があるか
⑤ 税額税率ごとの消費税額等が書かれているか(適格簡易請求書は、適用税率の記載があれば不要)
⑥ 宛名自社の氏名又は名称があるか(適格簡易請求書は不要)

記載に誤りや不足があるときは、次のように対応します。

  • ①〜⑥の誤りや不足(相手が適格請求書発行事業者の場合):売手に修正した適格請求書の交付を求めるか、修正した仕入明細書等を作って売手の確認を受けます(買手の対応、問92)。
  • 登録番号の記載がない場合:登録していない相手(免税事業者など)からの仕入れは、経過措置の対象です。適格請求書発行事業者から受け取った登録番号のない請求書でも、区分記載請求書等と同様の事項が書かれていれば、経過措置の対象になります(問113-2)。

請求書等がなくても控除できる取引

次のような取引は、一定の事項を記載した帳簿の保存だけで仕入税額控除を受けられます(消費税法施行令49条1項、消費税法施行規則15条の4、問104)。

  • 3万円未満の公共交通機関(船舶・バス・鉄道)による旅客の運送
  • 3万円未満の自動販売機・自動サービス機からの商品の購入等
  • 郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります)
  • 従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)
  • 古物営業・質屋・宅地建物取引業を営む者が、適格請求書発行事業者でない者から棚卸資産を買い受ける取引など
  • 特定金属くず買受業の届出をしている事業者が、2026年9月1日以後に適格請求書発行事業者でない者から購入する特定金属くず(棚卸資産に該当するもの)

また、基準期間の課税売上高が1億円以下(又は特定期間の課税売上高が5,000万円以下)の事業者は、2029年9月30日までに行う税込1万円未満の課税仕入れについて、帳簿の保存だけで仕入税額控除を受けられます(少額特例)。1万円未満かどうかは1回の取引の金額で判定し、月まとめの請求書の単位では判定しません(問111・問112、国税庁「少額特例の概要」)。

登録番号のない請求書と、2026年10月1日をまたぐ締め請求

【確定・施行前(2026年10月1日から)】免税事業者、登録を受けていない課税事業者、消費者など、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れは、原則として仕入税額控除ができません。ただし経過措置により、仕入税額相当額の一定割合を控除できます。令和8年度税制改正で、2026年10月1日以後の割合が見直されました(平成28年改正法附則52条・53条、インボイスQ&A 問113、国税庁リーフレット「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」(PDF))。

免税事業者等からの仕入れで控除できる割合(仕入れた日で判定)
仕入れた日仕入税額相当額のうち控除できる割合
2023年10月1日〜2026年9月30日80%
2026年10月1日〜2028年9月30日70%
2028年10月1日〜2030年9月30日50%
2030年10月1日〜2031年9月30日30%
2031年10月1日以後控除できない

割合の見直しで納める税額が変わるのは、一般課税(原則課税)で申告する事業者です。簡易課税・2割特例・3割特例は売上税額から控除額を計算するので、この割合は計算に影響しません。登録番号が書かれた適格請求書による仕入れは、2026年10月1日の前後で扱いは変わりません。

規模感の目安としては、例えば税込110,000円の仕入れ(10%対象)なら、消費税等相当額はおよそ10,000円です。2026年9月30日までの仕入れならその80%の8,000円、2026年10月1日以降の仕入れならその70%の7,000円が、控除できる金額の目安になります。国税・地方税を分けた厳密な計算は、次の計算式によります。

2026年10月1日をまたぐ締め請求の判定

割合は、請求書の日付や代金の支払日ではなく、課税仕入れを行った日で判定します。商品は原則として引渡しのあった日、役務は原則として約した役務の全部が完了した日です(問113-3)。例えば2026年9月21日〜10月20日分の請求書なら、商品は9月30日までに引渡しを受けた分が80%、10月1日以後の分が70%で、9月21日に始まり10月20日に完了した役務は、日割りせず全体が70%です。

仕入税額とみなす額は、国の消費税分で「税込の仕入額×7.8/110(8%の仕入れは6.24/108)×割合」により計算します(問130)。同じ仕入先からの経過措置の対象となる仕入れが年1億円(税込み)を超える部分は、2026年10月1日以後に開始する課税期間から(個人事業者は2027年分から)経過措置の対象外です(問113)。経過措置を受けるには、区分記載請求書等と同様の事項が書かれた請求書等と、経過措置の適用を受ける旨を書いた帳簿の両方を保存します(同)。締め請求の計算例、1億円の上限の数え方、帳簿と請求書等の具体的な書き方は、免税事業者等からの仕入れの経過措置(70%控除・1億円上限・帳簿の書き方)で説明しています。

売手側:2割特例の終了と3割特例

【確定・適用前(3割特例は令和9年分から)】インボイスの登録を機に免税事業者から課税事業者になった事業者などが使える2割特例は、2026年9月30日を含む課税期間が最後です(個人事業者は2026年分)。個人事業者は、要件を満たせば、令和9年分・令和10年分に3割特例を選べます。法人には3割特例はありません。2割特例・3割特例を使う場合も、交付する適格請求書の記載事項は同じです。それぞれの期限と要件は、2割特例はいつまで使えるか(個人・法人別)と3割特例(令和9年分・令和10年分の個人事業者)で説明しています。

よくある質問

適格請求書に決まった様式はありますか。

ありません。様式は法令等で定められておらず、6つの記載事項が書かれていれば、請求書・納品書・領収書・レシートなど名称を問わず適格請求書に当たります。手書きでも認められます。〔インボイスQ&A 問25・問26〕

住所や請求書番号、振込先は書かなければいけませんか。

6つの記載事項には入っていないので、書かなくても適格請求書の要件は満たします。ただし、発行者の名称を屋号や省略した名称で書く場合は、電話番号を書くなどして発行者を特定できるようにします。請求書と納品書を合わせて記載事項を満たす場合は、請求書に納品書番号を書くなどして、書類どうしの関連を明確にします。〔消費税法57条の4第1項、インボイスQ&A 問55・問65〕

10%の取引しかない場合、8%の欄は必要ですか。

必要ありません。「8%対象 0円(消費税0円)」のような記載は不要です。ただし、「10%」という適用税率と、10%対象の消費税額等は書く必要があります。〔インボイスQ&A 問74〕

登録番号はハイフン付きや全角で書いてもよいですか。

書いても差し支えありません。国税庁のQ&Aは「T1234567890123」のほか「T-1234567890123」の書き方を例に挙げ、半角・全角も問わないとしています。取引先と共有している取引先コード表で登録番号を確認できる場合は、取引先コードの表示でも認められます。〔インボイスQ&A 問18・問56〕

手書きの領収書でもインボイスになりますか。

なります。適格請求書の6つの記載事項(適格簡易請求書を交付できる事業なら5つの記載事項)が書かれていれば、手書きでも認められます。適格簡易請求書では宛名を省略でき、「上様」と書くこともできます。〔インボイスQ&A 問26・問58-2〕

月末締めでまとめて請求する場合、取引年月日はどう書きますか。

課税期間の範囲内で一定期間の取引をまとめて適格請求書を作る場合は、「10月分(10/1〜10/31)」のように、その期間を書けます。日々の取引の内容を納品書に書き、請求書と合わせて記載事項を満たす方法もあります。〔インボイスQ&A 問25・問65〕

振込手数料を差し引かれた場合、返還インボイスは必要ですか。

売手が差し引かれた振込手数料相当額を対価の返還等として処理する場合、その金額が税込1万円未満であれば、適格返還請求書の交付義務はありません。1万円未満かどうかは、税率ごとではなく、値引き等の対象となる請求や債権の単位ごとに判定します。〔インボイスQ&A 問28〕

外貨建ての取引の請求書はどう書きますか。為替レートはどれを使いますか。

円で書く必要があるのは「税率ごとに区分した消費税額等」だけで、ほかの記載事項は外国語や外貨で書いても差し支えありません。円換算は、所得税・法人税で売上金額を円換算するときの取扱いの例により行います(取引日の電信売買相場の仲値(TTM)など)。それが難しい場合は、請求書を交付する日や決済日の換算レートを継続して使うなど、合理的な方法でもよいとされています。〔インボイスQ&A 問68〕

メールで届いたPDFの請求書を印刷して保存してもよいですか。

消費税の仕入税額控除のためであれば、整然とした形式・明瞭な状態で印刷した書面を保存すれば要件を満たします。一方、所得税・法人税では、2024年1月1日以後に行う電子取引の取引情報は、電子帳簿保存法の要件に従って電子データのまま保存する必要があります。要件に従って保存できない相当の理由がある場合などの猶予措置もあります。〔インボイスQ&A 問85、国税庁パンフレット(令和6年11月)〕

登録番号のない請求書を受け取りました。2026年10月以降はどうなりますか。

免税事業者など適格請求書発行事業者以外の者からの仕入れは、経過措置により、2026年10月1日から2028年9月30日までの仕入れについて仕入税額相当額の70%を控除できます(2026年9月30日までの仕入れは80%)。割合は仕入れた日で判定し、商品は引渡しの日、役務は全部が完了した日が原則です。2026年10月1日をまたぐ締め請求では、商品は日付ごとに80%と70%に分けます。経過措置の適用を受けるには、区分記載請求書等と同様の事項が書かれた請求書等と、経過措置の適用を受ける旨を書いた帳簿の保存が必要です。簡易課税・2割特例・3割特例で申告する場合、この割合は納める税額に影響しません。〔インボイスQ&A 問113・問113-3〕

まとめ

  • 適格請求書の要件は、①氏名又は名称と登録番号、②取引年月日、③取引内容(軽減税率の対象である旨)、④税率ごとの合計額と適用税率、⑤税率ごとの消費税額等、⑥交付を受ける事業者の氏名又は名称の6項目です。様式や名称は問いません。
  • 消費税額等の端数処理は、1枚の適格請求書につき税率ごとに1回です。商品ごとに端数処理して合計する方法は認められません。
  • レシートなどの適格簡易請求書は、宛名が不要で、適用税率か消費税額等のどちらか一方で足ります。
  • 返品・値引き・リベートには適格返還請求書(5項目)が必要です。税込1万円未満の返還は交付義務が免除されます。
  • 記載を誤ったときは、売手が修正した書類を交付し、当初の写しと修正した書類の写しを保存します。
  • 電子で受け取ったインボイスは、消費税では印刷して保存することも認められますが、所得税・法人税では電子データのまま保存します。保存期間は原則として7年間です。
  • 登録番号のない請求書による仕入れは、2026年10月1日以後の分から控除割合が70%になります。2026年10月1日をまたぐ締め請求は、商品は引渡しの日、役務は完了の日で判定します。

出典・参考資料

いずれも2026年9月25日から26日にかけて内容を確認しました。

国税庁 タックスアンサー

国税庁 インボイスQ&A(令和8年5月改訂)

国税庁 令和8年度税制改正・電子帳簿保存

財務省・法令

改訂履歴と監修について

著者:新宿間税会(新宿間税会について)

  • 2025年7月3日:公開
  • 2026年9月25日:誤記を訂正(適格簡易請求書との比較表、返還インボイスの記載事項、修正インボイスの対応と保存、外貨建ての記載、電子インボイスの保存方法と保存期間など)
  • 2026年9月26日:全面改訂(令和8年度税制改正への対応、税抜・税込・10%のみ・月まとめの記載例と、端数処理・出精値引きの計算例を表で追加、受け取る側のチェック表、請求書等がなくても控除できる取引、登録番号のない請求書と2026年10月1日をまたぐ締め請求の判定を追加。図を表に置き換え、よくある質問を差し替え)

監修の状況は、冒頭の「監修について」のとおりです。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については、税理士などの専門家や、所轄の税務署にご相談ください。無料で相談できる公的な窓口は、新宿で税金の相談をしたいとき(無料の公的な相談窓口)にまとめています。

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