免税店(輸出物品販売場)とは:仕組みと2026年11月からのリファンド方式
免税店(輸出物品販売場)は、外国人旅行者などの免税購入対象者が国外へ持ち帰る物品の販売について、消費税が免除される販売場です。土産品などを国外へ持ち帰ることは実質的に輸出と同じであることから設けられた制度で、免税店は販売場ごとに税務署長の許可を受けて開設します。2026年11月1日以後の販売からは「リファンド方式」に変わり、店舗は税込価格で販売し、購入者が出国時に税関の確認を受けた後で、消費税相当額を返金します。
リファンド方式への移行の日程と要点【確定】
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 10月1日(木) | リファンド方式に対応した免税店の許可申請の受付が始まる(これから免税店になる場合) |
| 10月31日(土) | 現行制度で免税販売できる最後の日。「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」を出していない販売場は、この日で許可の効力を失う |
| 11月1日(日) | この日以後の販売(商品の引渡し)からリファンド方式。現行制度と併用できる移行期間はない |
| 購入から90日 | 購入者が出国時に税関の確認を受ける期限。購入日の翌日から数えて90日目まで(例:2026年11月1日の購入なら2027年1月30日) |
2026年11月1日販売分から、一般物品と消耗品の区分、消耗品の上限(50万円)、特殊包装はなくなり、下限は区分をせずに税抜5,000円で判定します。2026年10月31日に一般型または手続委託型の許可を受けている免税店は、電子化の届出を済ませていれば、手続をしなくても新制度の一般型の許可を受けたものとみなされます(既存の免税店が確認すること)。新たに免税店を始める場合は、申請の時期をご覧ください。
本記事は井手政紀税理士(井手政紀税理士事務所/元 新宿税務署長(第84代)/新宿間税会 税理士部会員)の監修内容を反映しています。2026年9月26日、令和8年度税制改正等に合わせて全面改訂し、2026年9月28日に監修者の確認が完了しました。
【確定】リファンド方式への移行(2026年9月26日時点)
リファンド方式への移行は、令和7年度税制改正(令和7年法律第13号)と、関係する政令・省令の改正で決まっています。
【未公表】新制度用の許可申請書の様式
新制度用の許可申請書の様式は、2026年9月26日時点で国税庁の特設サイトに「準備中(令和8年秋ごろ公表予定)」と表示されています(これから免税店を始める場合の時期)。
目次
免税店(輸出物品販売場)とは:何のための制度か
免税店の正式な名称は「輸出物品販売場」です(消費税法8条)。訪日外国人旅行者(インバウンド)などへの販売に使われる販売場で、消費税の課税事業者が、販売場ごとに納税地の所轄税務署長の許可を受けて開設します。2026年11月1日以後は、免税店が免税購入対象者に免税対象物品を決められた方法で販売し、購入者が国外への持出しについて税関の確認を受け、免税店がその確認の情報(税関確認情報)を取得して購入記録情報とともに保存すると、その販売の消費税が免除されます(国税庁 詳細編Q&A 問1・問16)。
国外へ持ち帰る物品は「実質的に輸出と同じ」
外国人旅行者などの免税購入対象者が土産品などを国外へ持ち帰ることは、実質的に輸出と同じです。そのため、免税購入対象者が免税対象物品を一定の方法で購入した場合に、その購入に係る消費税が免除される制度が設けられています(国税庁 タックスアンサー No.6559)。
「免税店」と「免税事業者」は別の制度
名前は似ていますが、「免税事業者」は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることなどにより消費税の納税義務が免除される事業者のことで、免税店とは別の話です。免税店の許可を受けられるのは課税事業者だけで、免税事業者は許可を受けられません(国税庁 詳細編Q&A 問13)。インボイス発行事業者の登録を受けている場合などは、課税売上高が1,000万円以下でも課税事業者です。納税義務の判定は課税事業者と免税事業者の違いで、免税事業者との取引の仕入税額控除は免税事業者等からの仕入れの経過措置で説明しています。
空港の出国エリアにある店舗との違い
空港で出国審査を通過した後の制限エリアにある店舗(いわゆるデューティーフリー店)が商品を税抜価格で販売するのは、輸出物品販売場の制度ではなく、保税蔵置場の許可を受けた者が海外旅行者に販売する場合の輸出免税の取扱い(消費税法基本通達7-2-21)に準じた取扱いによるものです(国税庁 詳細編Q&A 問1(注)2)。この記事では、街なかの店舗が許可を受けて行う輸出物品販売場の制度を扱い、空港の制限エリアの店舗の関税などの扱いには触れません。
2026年11月1日から何が変わるか(早見表)
リファンド方式(2026年11月1日販売分から)と現行制度(2026年10月31日販売分まで)の主な違いは次のとおりです。
| 項目 | 2026年11月1日販売分から | 2026年10月31日販売分まで |
|---|---|---|
| 販売する価格 | 税込価格(課税) | 免税価格(税抜) |
| 免税になる時点 | 税関確認情報を取得し、購入記録情報とあわせて保存した時 | 所定の免税販売手続をして販売した時(出国時に物品を持っていなければ、購入者から消費税相当額を徴収) |
| 購入者の出国時の手続 | 購入日から90日以内の出国時、手荷物を預ける前に税関の確認を受ける | 税関に旅券を提示する |
| 物品の区分 | 区分なし | 一般物品と消耗品 |
| 金額の要件(同じ人・同じ販売場・同じ日の税抜合計) | 5,000円以上(上限なし) | 一般物品は5,000円以上、消耗品は5,000円以上50万円以下(一般物品を消耗品と同じ方法で包装すれば合算可) |
| 特殊包装 | 不要 | 消耗品は必要 |
| 対象となる物品 | 金・白金の地金、金貨・白金貨と、非課税の物品以外(用途は問わないが、出国時に自分で持ち出せる数量に限られる) | 通常生活の用に供する物品(金・白金の地金を除く。事業用・販売用の購入は対象外) |
| 販売場の区分 | 一般型・自動販売機型(一般型から免税手続カウンターに手続を委託できる) | 一般型・手続委託型・自動販売機型 |
| 単価(税抜)100万円以上の商品 | 購入記録情報に「商品情報詳細」(シリアル番号など)を設定する | ― |
| 日本国籍の人の証明書類 | 在留証明、戸籍の附票の写し、マイナンバーカード(国外に転出した旨の記載があるもの)のいずれか | 在留証明、戸籍の附票の写し |
| 返金 | 店舗(または委託先)が消費税相当額を返金 | なし |
| 保存するもの | 購入記録情報と税関確認情報 | 購入記録情報 |
| 別送(EMSなどで先に国外へ送る) | 認められない(返金の対象外) | 2025年4月1日以後の購入分は認められない |
| 国外への直送 | 消費税法7条の輸出免税による | 免税販売手続による |
出典:国税庁 輸出物品販売場制度に関するQ&A(リファンド方式・概要編)問1〜問7・問22・問23、タックスアンサー No.6559。
適用は「販売日」が基準で、移行期間はない
リファンド方式は、購入者の出国日ではなく、2026年11月1日午前0時以後に行う販売(商品の引渡し)から適用されます。現行制度と併用できる移行期間はありません(国税庁 概要編Q&A 問8・問9)。販売日で判定するため、10月31日までの販売は、購入者の出国が11月1日以後になっても現行制度の扱いです。
例えば午前1時で日々の売上を締めている店舗が、継続している売上計上の基準に従って、11月1日の午前0時から1時までの販売を10月31日分の売上に計上する場合は、その販売を現行制度の手続で行ってかまいません。この場合、購入記録情報は現行制度用のインターフェース(ver1またはver2)で送信します(同 問9)。
見直しの背景
令和6年度税制改正の大綱は、外国人旅行者向け免税制度について「制度が不正に利用されている現状を踏まえ」、免税販売の要件として税関確認情報の保存を求める方向を示しました(財務省 令和6年度税制改正の大綱)。国税庁は、多額・多量の免税購入物品が国外に持ち出されずに国内で横流しされていると疑われる事例が多発し、出国時に物品を持っていない旅行者から消費税を徴収しようとしても多くが滞納になっていると説明しています。国税庁は、こうした不正利用を排除し、免税店が不正の排除のための負担を負うことのない制度にするための見直しだと説明しています(国税庁 リーフレット(令和7年5月改訂))。ただし、税関確認情報の取得や返金などの事務は、店舗に新たに加わります(次の項目)。
旅行者と店舗の手間はどう変わるか
リファンド方式で旅行者と店舗に加わる手続(いわゆるデメリットとして挙げられる負担)は、次のとおりです。
免税で購入できる人(免税購入対象者)
免税で購入できるのは、外国為替及び外国貿易法の非居住者のうち、次の要件に当てはまる「免税購入対象者」です。2023年4月1日から、非居住者であることに加えて、外国籍の人は在留資格など、日本国籍の人は国外での居住期間の要件を満たす人に限られています(観光庁 消費税免税制度改正のお知らせ、国税庁 詳細編Q&A 問3・問16)。
| 国籍 | 免税購入対象者 | 提示を受ける書類 |
|---|---|---|
| 外国籍 | 非居住者で、在留資格「短期滞在」「外交」「公用」で在留する人 | 旅券(上陸許可の証印を受けたもの。Visit Japan Webの二次元コードでも可) |
| 非居住者で、寄港地・船舶観光・通過・乗員・緊急・遭難による上陸許可を受けて在留する人 | 寄港地・通過:旅券(上陸許可の証印を受けたもの) 船舶観光・乗員・緊急・遭難:上陸許可書と旅券 | |
| 合衆国軍隊の構成員等 | 旅券(SOFAスタンプのあるもの) | |
| 日本国籍 | 非居住者で、国内以外の地域に引き続き2年以上住所または居所を有する人 | 旅券(証印を受けたもの)と、マイナンバーカード(国外に転出した旨の記載があるもの)、在留証明、戸籍の附票の写しのいずれか |
外国籍の人でも、日本国内の事務所に勤務している人や、入国後6か月以上たった人は、原則として非居住者に当たらず、免税で購入できません(国税庁「輸出物品販売場制度のポイント」令和3年10月)。ただし、在留資格「外交」「公用」で在留する人には、入国後の期間の要件はありません(観光庁「在留資格が外交・公用の方の免税について」)。日本国籍の人も、国内に住所や居所がある人、国内の事務所に勤務している人、入国後6か月以上たった人などは対象外です(詳細編Q&A 問5(注))。
日本国籍の人の確認方法と、11月1日以後の変更点
日本国籍の人は、旅券に加えて証明書類の提示を受け、最後に入国した日までに国外に引き続き2年以上住んでいたことを確認します(詳細編Q&A 問5)。
- 2026年10月31日販売分まで:在留証明または戸籍の附票の写しで、最後に入国した日から起算して6月前の日以後に作成されたもの。在留証明は住所(居所)を定めた年月日と本籍地の地番、戸籍の附票の写しは本籍地の地番の記載があるものに限ります(タックスアンサー No.6559)。購入記録情報に必要事項(証明書類の種類、作成年月日、本籍など)を設定するか、証明書類の写しなどを保存します。
- 2026年11月1日販売分から:上の書類のほか、国外に転出した旨の記載があるマイナンバーカード(スマートフォンのマイナンバーカードを含む)も使えます。本籍の記載は不要になり、2年以上かどうかは、証明書類の作成日ではなく、国外転出予定日(国外定住日)から最終入国日(旅券の帰国年月日)までの期間で判定します。購入記録情報には「証明書類の種類」と「国外転出予定日又は国外定住日」を設定し、写しの保存は不要になります(国税庁 概要編Q&A 問3)。
マイナンバーカードは原本で確認し、コピーや写しは使えません。スマートフォンのマイナンバーカードは、デジタル庁の「マイナンバーカード対面確認アプリ」などの確認用アプリを通じて提示を受けます(観光庁 免税店向けよくある質問(リファンド方式)問1)。
旅券に上陸許可の証印がない場合
旅券で免税購入対象者であることを確認できない場合は、免税販売手続はできません。日本国籍の人などが空港の自動化ゲートで入国すると、旅券に証印が押されないことがあります。免税店を利用する予定の人は、自動化ゲートを通った後、税関検査の前に審査場の職員に申し出れば証印を受けられます。トラスティド・トラベラー・プログラムで入国した外国人は、旅券と特定登録者カードで確認できれば免税販売手続ができます(詳細編Q&A 問4)。
免税の対象となる物品と金額
対象にならない物品
2026年11月1日以後の販売では、次の物品以外は、用途を問わず免税対象物品になります(概要編Q&A 問4、詳細編Q&A 問6)。
- 金・白金の地金と、金貨・白金貨(消費税の不正の目的で購入されるおそれが高い物品)
- 消費税が非課税とされる物品
18金やプラチナだけでできた地金のネックレスのように、金・白金の地金を原材料とした加工製品は対象になります(観光庁 免税店向けよくある質問 問3)。「通常生活の用に供する物品」かどうかの判断は不要になりますが、購入者が出国時に自分で所持して持ち出せる数量に限られます。持ち出せなければ税関の確認を受けられず、免税になりません(詳細編Q&A 問7)。
下限は税抜5,000円(同じ人・同じ販売場・同じ日)
免税になるのは、同じ免税購入対象者に、同じ販売場で、同じ日に販売した物品の税抜価額の合計が5,000円以上の場合です。時間や売場が違っても、同じ日・同じ販売場の販売は合算して判定できます(詳細編Q&A 問6、消費税法基本通達8-1-3)。11月1日以後は税込価格で販売しますが、5,000円の判定は税抜価額で行い、購入記録情報の販売価額も税抜価額で設定します(概要編Q&A 問2・問32)。上限はありません。
| 購入した物品 | 税抜合計 | 支払額(税込) | 返金される額 |
|---|---|---|---|
| 例1:雑貨 税抜10,000円(10%) | 10,000円 (対象) | 11,000円 | 1,000円 |
| 例2:菓子 税抜3,000円(8%)と雑貨 税抜2,500円(10%) | 5,500円 (対象) | 5,990円 | 490円 (8%分240円 +10%分250円) |
| 例3:税込5,000円(10%)の商品1点 | 約4,545円 (対象外) | 5,000円 | ― |
例3の税抜価額は、5,000×100/110=4,545.45…円で、5,000円に届かないため対象外です。税込価格を「税抜価格×1.1(8%は1.08)」で決めている場合、税抜5,000円は、10%の商品なら税込5,500円、8%の商品なら税込5,400円に当たります。飲食料品(酒類を除く)の返金額は8%分です(軽減税率の対象品目)。税込・税抜の計算は消費税の計算方法にまとめています。
酒類の製造場で、輸出物品販売場の許可に加えて輸出酒類販売場の許可を受けた販売場が酒類を販売する場合は、購入記録情報の販売価額を、酒税額を含めた金額(消費税相当額を含まない税抜価額)で設定します(概要編Q&A 問32)。酒税の仕組みは酒税の税率と2026年10月の改正で説明しています。
単価(税抜)100万円以上の商品は「商品情報詳細」を設定する
単価(税抜)100万円以上の商品を販売したときは、購入記録情報の「商品情報詳細」に、具体的な名称、ブランド名、型番、形状や色などの特徴、鑑定書・保証書付きである旨を、商品を特定できるように組み合わせて設定し、シリアル番号がある商品はシリアル番号も設定します。国税庁は、サックスを「楽器」とだけ、指輪を「ブランド名△△△」とだけ、腕時計を「黒色」とだけ設定した例を、商品を特定できず税関の確認を受けられないおそれがある不適切な例として示しています。同じ商品を複数販売したときも1点ずつ設定します(概要編Q&A 問13・問13-2)。100万円未満の商品では任意ですが、品名などから税関が商品を特定できなければ、確認を受けられないことがあります(同 問14)。
(参考)2026年10月31日販売分までのルール
10月31日までの販売では、一般物品(家電、バッグ、衣料品など)は税抜5,000円以上、消耗品(飲食料品、医薬品、化粧品など)は税抜5,000円以上50万円以下が対象で、消耗品は指定された方法で包装します。一般物品と消耗品がそれぞれ5,000円未満でも、合計が5,000円以上なら、一般物品を消耗品と同じ方法で包装して消耗品として扱い、免税販売できます。事業用・販売用として購入される物品は対象外です(国税庁 タックスアンサー No.6559、「輸出物品販売場制度のポイント」令和3年10月)。
リファンド方式の手続の流れ
一般型の免税店が2026年11月1日以後に販売する場合の流れは次のとおりです(国税庁 概要編Q&A 問2、詳細編Q&A 問16)。
- 旅券などの提示:購入者本人から旅券など(Visit Japan Webの二次元コードを含む)の提示を受け、記載された情報の提供を受けます。
- 免税購入対象者であることの確認:在留資格や上陸年月日、日本国籍の人は証明書類で確認します。
- 必要事項の説明:税関の確認の期限などを説明します(説明すること)。
- 税込価格で販売・引渡し:この時点では課税売上です。
- 購入記録情報の提供:遅滞なく国税庁の免税販売管理システムに送信します。販売価額は税抜で設定します。
- 購入者が税関の確認を受ける:購入日から90日以内の出国時に、手荷物を預ける前に、空港や港の免税手続用の端末に旅券を読み込ませます。検査不要と判定されれば(グリーン判定)終わり、検査が必要と判定されれば(レッド判定)税関の検査場所で物品の確認を受けます。
- 税関確認情報の取得と保存:店舗(または委託先)が免税販売管理システムから税関確認情報を取得し、購入記録情報とともに保存します。
- 免税の成立と返金:税関確認情報などに基づいて、消費税相当額を購入者に返金します。
成田国際空港、羽田空港、関西国際空港、中部国際空港、新千歳空港、福岡空港、那覇空港では、国際線出発ロビーの専用無線LANにつながるエリア内(保安検査場の前まで)で、購入者のスマートフォンからVisit Japan Webを通じて税関の確認を受けることもできます。事前にVisit Japan Webへの登録が必要です(詳細編Q&A 問33)。
購入記録情報と税関確認情報は、販売した日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間、納税地またはその取引に係る事務所等(販売場を含む)に、電子データか、整然とした形式で印刷した書面で保存します(詳細編Q&A 問31)。
店舗が購入者に説明すること
免税販売手続の際は、次の3つを購入者に説明しなければなりません(消費税法施行令18条3項、消費税法施行規則6条の3、詳細編Q&A 問16)。
- 購入日から90日以内の出国時に、税関で旅券を提示するなどして確認を受けること
- 税関から求められたら、購入した物品を提示できるようにしておくこと
- 税関の確認を受けた物品は遅滞なく輸出しなければならず、輸出しなかった場合は免除された消費税に相当する額を徴収され、罰則の対象になること
あわせて、空港や港で手荷物を預けた後は確認を受けられないため、預ける前に手続をするよう説明します(詳細編Q&A 問16・問18の記載例)。
説明は口頭のほか、外国語の書類を渡したり、店内に掲示したりする方法でもできますが、「書類をご一読ください」と伝えるなど、確認を促す必要があります(詳細編Q&A 問18)。国税庁は、リファンド方式に対応した説明用のリーフレット(多言語併記版、英語、簡体字、繁体字、韓国語、日本語訳)をリファンド方式の特設サイトに掲載しています。2026年11月1日以後の販売から使うものです。
90日の数え方
「購入日から90日以内」は、購入日の翌日から数えて90日目までです(概要編Q&A 問19)。
| 購入日 | 期限(この日の出国まで) |
|---|---|
| 2026年11月1日 | 2027年1月30日 |
| 2026年12月1日 | 2027年3月1日 |
| 2026年12月20日 | 2027年3月20日 |
販売から90日を過ぎても税関確認情報が提供されない販売は、課税売上が確定します。免税販売管理システムから返ってくる確認結果には「税関確認済」と「免税不可」があり、免税の適用のために保存が必要なのは「税関確認済」です(概要編Q&A 問2・問17・問37)。
税関の確認を受けられない場合
税関の確認は、購入記録情報(1回の会計。通常はレシート1枚の単位)ごとに行われます。同じ会計の物品が一つでも手元になければ、その会計の物品すべてが確認を受けられず、免税になりません(概要編Q&A 問20)。例えば次のような場合です。
- 菓子や化粧品などの消耗品を、出国前に一部でも食べたり使ったりした場合(消耗品以外の物品は、国内で使っていても、出国時に持ち出せば確認を受けられます)
- 箱や袋などの梱包材を捨てたり中身と分けたりして、購入した物品と特定できない場合
- 購入記録情報の誤りや入力漏れで、税関が確認できない場合
- 手荷物を預けた後になった場合や、搭乗手続に間に合わず検査を途中でやめた場合
購入者から、出国前に食べたなどの申出があったときは、免税にならないことを説明し、購入記録情報の取消データを送信します(概要編Q&A 問18・問21・問21-2)。
返品があった場合
販売後に一部の返品を受けて代金を返したときは、当初の購入記録情報の取消データを送った後で、訂正後の購入記録情報を送ります(洗替方式)。現行制度で使える、差額だけを送る方式(差分方式)は使えなくなります。「税関確認済」となった後に不良品の返金などをする場合は、購入記録情報を取り消す必要はありません(概要編Q&A 問16)。
別送と直送
購入した物品を出国前にEMSなどで国外に送る「別送」の取扱いは、2025年3月31日で廃止されました。2025年4月1日以後に購入した物品を別送すると、税関の確認を受けられません。2026年10月31日までの購入分は購入者が消費税相当額を徴収され、11月1日以後の購入分は返金の対象になりません(概要編Q&A 問23)。
購入者が販売場で国際第二種貨物利用運送事業者と運送契約を結び、その場で商品を引き渡して国外へ送る「直送」は、2026年11月1日以後、消費税法7条の輸出免税として扱います。免税購入対象者に限らず居住者も利用でき、5,000円の判定や購入記録情報の提供は不要です。販売場は運送契約書などを7年間保存します(概要編Q&A 問22)。代金を現金など(支払いが取引の相手からのものと明らかでない方法を含む)で受け取る場合は、仕向国の輸入許可書に相当する書類も保存します。クレジットカードなど、それ以外の方法で決済した場合は不要です(概要編Q&A 問22(注)2)。この書類の要件は、令和8年度税制改正で輸出免税に加わったものです(2026年10月1日以後)。輸出免税の要件は輸出入と消費税で説明しています。
消費税相当額の返金
返金の方法
返金をどう行うかは、消費税の法令では決められていません。店舗が自ら返金するほか、承認送受信事業者などに委託する方法があり、銀行振込、クレジットカードへの送金、アプリ送金、税関の確認を受けた出国港内での現金による返金などが考えられるとされています(国税庁 概要編Q&A 問29)。特定の施設で使えるクーポン券やポイントを渡す方法や、預かった消費税相当額より多く返金する方法も取れます(観光庁 免税店向けよくある質問 問19)。
返金手数料(いわゆる免税手数料)
返金を代行業者に委託した場合のリファンド手数料を、旅行者と店舗のどちらが負担するかは決められていません。観光庁は委託先とよく相談するよう案内し、諸外国では旅行者の負担とするのが一般的だとしています。政府が返金手続の手数料を徴収することはありません(観光庁 免税店向けよくある質問 問17)。旅行者の負担とする場合、受け取る返金額は消費税相当額より少なくなります。代行業者に委託しても、販売時に返金方法の登録などを案内する必要が生じることがあるため、店頭で案内する内容を委託先と決めておきます(同 問20)。
税関の確認の前に返金する場合
税関確認情報を取得する前に返金することもできます。ただし、購入者が税関の確認を受けなかったときは免税にならず、返金した後の金額で課税販売をしたことになります。こうしたリスクを踏まえ、店舗の責任で行う必要があります(概要編Q&A 問29)。
返金できなかった場合
税関確認情報を保存していれば、返金できなくても免税の適用は受けられます。返金先の口座番号の誤りなど購入者側の都合で返金できず、当事者間の契約で返金不要となった消費税相当額は、雑益(不課税)として処理します。雑益にするまでの期間は法令で決まっていないため、販売時に「返金の申請がない場合は、一定の日数が過ぎた時点で返金できなくなる」などと案内して合意しておく方法が示されています(概要編Q&A 問30、詳細編Q&A 問59)。
返金を代行する事業者
返金の委託先は、消費税の法令上の承認送受信事業者などである必要はありません。ただし、委託を受けた事業者には、資金決済法による資金移動業の登録、犯罪収益移転防止法による本人確認、外為法の許可の対象でないかの確認などが必要になる場合があります。店舗が自ら返金する場合も、資金移動業の登録が必要になることがあるほか、本人確認などの対応が必要です。代行業者に委託する店舗が資金移動業の登録を受ける必要はありません(概要編Q&A 問29-2、観光庁 免税店向けよくある質問 問18)。
返金に対応する予定の承認送受信事業者の一覧は、全国免税店協会のウェブサイトに掲載されています。国税庁は、この一覧が国として返金に関する認可や保証を表すものではないと注記しています(国税庁 リファンド方式の特設サイト)。当会は特定の事業者やシステムを推薦しません。
経理と申告の実務
販売時は課税売上、税関確認の後に免税売上へ振り替える
販売時は課税売上として処理し、税関確認情報を保存した後で免税売上へ振り替えます。振替は、税関確認情報を取得するたびに行っても、月次などでまとめて行ってもかまいません(国税庁 概要編Q&A 問26)。国税庁の仕訳例(税抜10,000円・10%)は次のとおりです。
| 時点 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 販売時 | 現預金 11,000円 | 売上(課税) 10,000円 仮受消費税 1,000円 |
| 税関確認情報の保存時 | 売上(課税) 10,000円 仮受消費税 1,000円 | 売上(免税) 10,000円 未払金 1,000円 |
| 返金時 | 未払金 1,000円 | 現預金 1,000円 |
販売した課税期間と、税関確認情報を保存した課税期間が違う場合
販売した課税期間(X1期)の末日までに税関確認情報を取得すれば、その期に振り替えます。取得が翌期(X2期)になった場合は、X1期は課税売上として申告し、X2期に免税売上とする処理を継続して行っているときは、その処理が認められます。X2期では、(1)売上に係る対価の返還等があったものとして処理する方法か、(2)X2期の課税売上の合計からX1期に課税売上とした額を差し引く方法のどちらかによります(消費税法基本通達8-3-4、概要編Q&A 問27)。(1)の方法でも、返還インボイスを交付する必要はありません。
| 項目 | X1期 | X2期 ((1)の方法) | X2期 ((2)の方法) |
|---|---|---|---|
| 居住者への販売(課税) | 500 | 900 | 900 |
| 免税店での販売(税関確認情報はX2期に保存) | 300 | 0 | 0 |
| 課税標準額 | 800 | 900 | 600 |
| 免税売上 | 0 | 300 | 300 |
| 消費税額 | 62.4 | 70.2 | 46.8 |
| 返還等対価に係る税額 | ― | ▲23.4 | ― |
| 差引税額 | 62.4 | 46.8 | 46.8 |
当会で検算しました(800×7.8%=62.4、900×7.8%=70.2、300×7.8%=23.4、600×7.8%=46.8)。
例えば12月決算の法人が2026年12月20日に販売し、購入者が2027年1月に税関の確認を受けた場合は、この扱いにより、2026年12月期は課税売上として申告し、2027年12月期に振り替える処理ができます。個人事業者の課税期間は暦年なので、2026年11月・12月の販売で、税関確認情報の取得が2027年になるものも同じです(2026年分の消費税の申告期限は2027年3月31日)。翌期に振り替えずにX1期の申告を直す場合は、一般的には更正の請求をすることになります(観光庁 免税店向けよくある質問 問16)。
インボイスの交付
免税店での販売は外国人旅行者などへの販売のため、一般的にはインボイスの交付義務は生じないと考えられています。インボイスや簡易インボイスを交付してもかまわず、後で免税になっても特別な処理は求められません。「税関確認後は免税となる」旨をスタンプなどで表示することもできます。税関確認情報が得られずに課税売上となった取引は、インボイスなどの写しを保存していれば、売上税額の積上げ計算ができます(概要編Q&A 問28)。インボイスの基本はインボイス制度の概要をご覧ください。
免税店になるための許可要件と申請手続
許可要件
| 要件 | 2026年11月1日から | 2026年10月31日まで |
|---|---|---|
| 事業者 | 消費税の課税事業者であること、現に国税の滞納(その徴収が著しく困難なものに限る)がないこと、過去に免税店の許可を取り消された場合は取消しから3年を経過していることなど(11月1日以後に加わる取消要件で取り消された場合の例外は許可の取消要件の追加) | |
| 販売場・体制 | 免税販売手続を適正に実施する体制が整っていること 購入記録情報の提供と税関確認情報の受領を適正に実施する体制が整っていること | 免税購入対象者が利用する場所、または利用が見込まれる場所にあること 免税販売手続に必要な人員を配置し、手続を行う設備があること |
Visit Japan Webへの対応は許可要件ではありません。インターネットのウェブサイト上に設けた販売の場所は「販売場」に当たらず、オンラインショップは免税店になれません(詳細編Q&A 問14)。海外の購入者へのネット販売は越境ECの税務で扱っています。販売委託の形態では委託者が、いわゆる消化仕入れの形態では百貨店などが、通常は許可を受ける事業者に当たります(詳細編Q&A 問1(注)1)。
申請書類と提出先
11月1日以後の制度で許可を受けるには、新様式の「輸出物品販売場許可申請書」に次の書類を添付して、納税地の所轄税務署長に提出します。e-Taxでも提出できます。許可は販売場ごとに受けます(国税庁「リファンド方式開始以降に免税店の許可を受けるための申請手続」令和8年7月、詳細編Q&A 問14・問15)。
- 免税店に関する書類:自ら免税販売手続を行う場合は免税販売手続マニュアルなど、免税手続カウンター(承認免税手続事業者)に委託する場合はその委託契約書の写し
- 購入記録情報の提供等に関する書類:自ら行う場合は使用する情報システムの事務マニュアルや端末操作要領など、承認送受信事業者に委託する場合はその委託契約書の写し
現行制度の申請で必要だった見取図、会社案内、HP情報、取扱商品リストなどは不要になり、「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」は許可申請書に統合されます(概要編Q&A 問6)。許可要件の確認のため、追加の資料を求められることがあります。
これから免税店を始める場合の時期
リファンド方式に対応した許可申請書は、2026年10月1日から受け付けます。審査には一定の期間がかかり、記載や添付書類に不備があると、正しい内容を確認してから審査が始まります。国税庁は、11月1日に新制度の許可を受けたい場合は、事前に所轄の税務署に相談し、10月1日以降速やかに提出するよう案内しています。10月31日までに現行制度の様式で許可を受けておけば、11月1日に新制度の一般型の許可を受けたものとみなされる方法も示されています。この方法では、申請書の様式や添付書類が新様式と異なるほか、10月31日までに「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」も提出しておく必要があります。出していない場合、許可は10月31日で効力を失います(国税庁「申請手続」令和8年7月、概要編Q&A 問10)。
新様式について、国税庁は令和8年7月の資料で「本年9月中を目途」に公表するとしていましたが、2026年9月26日時点では、リファンド方式の特設サイトの様式欄は「準備中(令和8年秋ごろ公表予定)」で、税務手続の案内(D1-36)に載っているのは現行制度の様式です。提出の前に、国税庁のウェブサイトで最新の様式を確認してください。
自動販売機型・臨時販売場・免税手続カウンターへの委託
- 自動販売機型:財務大臣が定める基準を満たし、国税庁長官が観光庁長官と協議して指定する自動販売機だけで免税販売手続を行う販売場です。一の自動販売機のみを設置する販売場であることが許可要件です(詳細編Q&A 問60、概要編Q&A 問5)。
- 臨時販売場:免税店を経営する事業者が、あらかじめ所轄の税務署長の承認を受け、7月以内の期間を定めて設置する販売場です。設置する日の前日までに「臨時販売場設置届出書」を出すと、輸出物品販売場とみなされます(詳細編Q&A 問71)。
- 免税手続カウンターへの委託:11月1日以後は手続委託型がなくなり、一般型の免税店が承認免税手続事業者に免税販売手続(購入記録情報の提供と税関確認情報の受領を除く)を委託できます。商店街やショッピングセンターなどの特定商業施設の要件はなくなりますが、カウンターでの手続は販売した日と同じ日に行う必要があります。一つのカウンターで複数の販売場の販売額を合算して5,000円を判定する特例は続き、自店での手続と委託の併用もできます(概要編Q&A 問7・問24・問24-2・問25)。
既存の免税店が2026年10月31日までに確認すること
2026年10月31日に一般型または手続委託型の許可を受けている販売場は、11月1日に新制度の一般型の許可を受けたものとみなされ、申請書や届出書を出し直す必要はありません。手続委託型の販売場は、委託関係などに変更がなければ、手続をしなくても今の承認免税手続事業者への委託を続けられます(国税庁 概要編Q&A 問10)。そのうえで、次の点を確認します。
- 「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」を提出しているか。出していない(免税販売手続の電子化に対応していない)販売場は、10月31日で許可の効力を失い、11月1日以後に免税販売をするには改めて許可申請が必要です(国税庁「申請手続」令和8年7月)。
- システムが、購入記録情報をリファンド方式用のver3で送信し、税関確認結果を事業者側からの照会で取得できるか。10月31日の販売分は、ver1またはver2で送信します(概要編Q&A 問9・問31・問33)。
- 委託先の対応。10月31日に承認を受けている承認送信事業者は、11月1日に承認送受信事業者の承認を受けたものとみなされます(概要編Q&A 問10)。税関確認結果の取得や返金まで委託するか、契約の内容を確認します。
- 免税販売手続の委託の有無や委託先、購入記録情報の提供方法などを変える場合は、「輸出物品販売場等変更届出書」を提出します(概要編Q&A 問6-3・問10)。
- 返金の方法、時期、手数料の負担、返金できなかった場合の扱いを決め、購入者への案内をそろえます。
- 購入者への説明リーフレットを、リファンド方式用のものに差し替えます(11月1日以後の販売から使用)。
- 単価(税抜)100万円以上の商品について、「商品情報詳細」とシリアル番号を設定できるようにします。
- 課税売上から免税売上への振替を都度にするか月次にするか、決算期をまたぐ場合の処理をどうするかを決めます。
- 深夜まで営業する店舗は、10月31日から11月1日にかけての売上の締めと、どちらの制度で手続をするかを決めます(概要編Q&A 問9)。
- 自動販売機型の免税店は、国税庁のリファンド方式の特設サイトに掲載された「財務大臣が定める基準を満たす自動販売機に係る仕様書等」(2026年11月以後の販売分)を確認します。
不正防止と罰則・許可の取消し
許可の取消要件の追加
11月1日から、国税庁に提供された購入記録情報に不備や不実の記録があることなどにより税関の確認に支障があると認められる場合が、許可の取消要件に加わります(国税庁 概要編Q&A 問7)。この理由で許可を取り消された場合は、取消しから3年を経過していなくても、要件を満たせば許可申請書を提出できます(同 問5)。
税関の確認後に輸出しなかった場合
税関の確認を受けた物品が輸出されなかった場合は、税関が、免除された消費税に相当する額を購入者から徴収します。正当な理由なく遅滞なく輸出しなかった購入者は、罰則の対象です(改正後の消費税法8条5項・6項、65条1号、概要編Q&A 問7)。購入者が出国前に税関で消費税相当額を徴収された場合でも、店舗が税関確認情報を取得・保存すれば免税の適用を受け、消費税相当額を購入者に返金します(概要編Q&A 問21-3)。
免税購入品の買取りと仕入税額控除(2024年4月から)
2024年4月1日以後、免税店で消費税が免除された物品(免税購入品)と知りながら仕入れた場合、その仕入れは仕入税額控除の対象になりません(財務省 令和6年度税制改正の大綱)。国税庁は、日本に住んでいない人からの買取り、免税用の包装がされている(またはされていた痕跡がある)物品、同じ種類の物品を大量または定期的に買い取るよう求められた場合などを、免税購入品の可能性がある例として挙げ、本人確認、調達先の確認とその記録、現金ではなく本人の口座への振込みなどの対応を示しています(国税庁 リーフレット(令和7年5月改訂))。中古品の買取りや卸売をする事業者に関係します。
購入記録情報などの隠蔽・仮装と重加算税
購入記録情報や税関確認情報について隠蔽や仮装があった場合は、一定の場合を除き、その事実に関して課される重加算税が10%加重されます(消費税法59条の2、詳細編Q&A 問31の参考)。
よくある質問
免税店の制度は何のためにあるのですか。
外国人旅行者などの免税購入対象者が土産品などを国外へ持ち帰ることは、実質的に輸出と同じであることから設けられた制度で、免税店で免税対象物品を一定の方法で購入した場合に、その購入に係る消費税が免除されます。免除を受けるには、店舗が販売場ごとに税務署長の許可を受け、決められた手続で販売する必要があります。〔国税庁 タックスアンサー No.6559〕
日本に住んでいる日本人は免税店で免税購入できますか。
できません。日本国籍の人で対象になるのは、国外に引き続き2年以上住所または居所がある非居住者です。旅券と、在留証明または戸籍の附票の写しで確認し、2026年11月1日以後の販売では、国外に転出した旨の記載があるマイナンバーカードでも確認できます。〔国税庁 詳細編Q&A 問5〕
免税になるにはいくら以上買えばよいですか。
2026年11月1日販売分からは、同じ人が同じ販売場で同じ日に購入した物品の税抜価額の合計が5,000円以上で、上限はありません。2026年10月31日販売分までは、一般物品は5,000円以上、消耗品は5,000円以上50万円以下を区分ごとに判定し、一般物品を消耗品と同じ方法で包装すれば合算して判定できます。〔国税庁 概要編Q&A 問4、タックスアンサー No.6559〕
2026年11月から、旅行者の買い物はどう変わりますか。
店頭では消費税を含む税込価格で支払います。購入日から90日以内の出国時に、手荷物を預ける前に空港や港の端末で税関の確認を受け、その後に店舗や委託先から消費税相当額の返金を受けます。成田・羽田・関西・中部・新千歳・福岡・那覇の7空港では、Visit Japan Webを使ってスマートフォンで確認を受けることもできます。〔国税庁 概要編Q&A 問1・問18、詳細編Q&A 問33〕
免税手数料とは何ですか。返金額から差し引かれることはありますか。
税金ではなく、返金などの手続にかかる手数料のことです。リファンド方式で返金の手続を代行業者に委託した場合のリファンド手数料を、旅行者と店舗のどちらが負担するかは決められておらず、旅行者の負担とする場合は、受け取る返金額が消費税相当額より少なくなります。政府が返金手続の手数料を徴収することはありません。〔観光庁 免税店向けよくある質問 問17〕
すでに免税店の許可を受けています。11月1日に向けて申請し直す必要はありますか。
原則として必要ありません。2026年10月31日に一般型または手続委託型の許可を受けている販売場は、11月1日に新制度の一般型の許可を受けたものとみなされます。ただし、「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」を出していない販売場は、10月31日で許可の効力を失います。委託先や購入記録情報の提供方法を変える場合は「輸出物品販売場等変更届出書」を出します。〔国税庁 概要編Q&A 問10〕
これから免税店を始める場合、いつ申請すればよいですか。
リファンド方式に対応した許可申請書は、2026年10月1日から受け付けます。審査には一定の期間がかかるため、国税庁は、11月1日に許可を受けたい場合は事前に所轄の税務署に相談し、10月1日以降速やかに提出するよう案内しています。10月31日までに現行制度で許可を受け、あわせて「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」を出しておく方法もあります(11月1日に新制度の一般型の許可を受けたものとみなされます)。新様式は2026年9月26日時点で公表前のため、提出の前に国税庁のウェブサイトで確認してください。〔国税庁 リファンド方式開始以降に免税店の許可を受けるための申請手続、リファンド方式の特設サイト〕
旅行者が出国前に一部の商品を食べたり使ったりした場合はどうなりますか。
税関の確認は購入記録情報(1回の会計)ごとに行います。飲食料品や化粧品などの消耗品を一部でも消費すると、その会計の商品全部が確認を受けられず、免税になりません。消耗品以外の物品は、国内で使っていても出国時に持ち出せば確認を受けられます。〔国税庁 概要編Q&A 問20・問21-2〕
決算期をまたいで税関確認情報を取得した場合、経理はどうなりますか。
販売した課税期間は課税売上として申告し、税関確認情報を保存した課税期間に免税売上とする処理を継続して行っている場合は、その処理が認められます。保存した課税期間では、売上に係る対価の返還等として処理するか、その課税期間の課税売上の合計から前の期に課税売上とした額を差し引きます。〔国税庁 概要編Q&A 問27〕
オンラインショップは免税店になれますか。
なれません。インターネットのウェブサイト上に設けた販売の場所は、輸出物品販売場の「販売場」に当たりません。国外の購入者へ商品を発送する取引は、消費税法7条の輸出免税の要件と書類の保存で判断します。〔国税庁 概要編Q&A 問5、詳細編Q&A 問42〕
出国のときに払う国際観光旅客税は、免税店の返金と関係がありますか。
関係ありません。国際観光旅客税は、日本から出国する旅客に出国1回につき3,000円(2026年7月1日より前に結ばれた一定の運送契約による出国は1,000円)を課す別の税で、航空券や乗船券などのチケット代金に上乗せするなどの方法で徴収されます。消費税の免除や返金とは別の制度です。〔国税庁 タックスアンサー No.7195〕
新宿間税会と免税店制度・相談先
新宿間税会は、2018年11月9日の税務研修会で、新宿税務署法人第二部門の統括国税調査官を講師に「輸出物品販売場制度について」を取り上げました(2018年の新着情報)。
個別の取引が免税になるか、許可を受けられるかは、所轄の税務署に相談してください。国税庁は、2026年11月1日に新制度の許可を受けたい場合は、事前に所轄の税務署に相談するよう案内しています。新宿で利用できる公的な税の相談窓口は新宿で税金の相談をしたいときの窓口にまとめています。小売業の消費税・インボイスの実務は小売業の税務ガイドもご覧ください。
まとめ
- 免税店(輸出物品販売場)は、国外へ持ち帰る物品は実質的に輸出と同じという考え方で、免税購入対象者への販売の消費税を免除する制度です。許可を受けられるのは課税事業者だけで、「免税事業者」とは別の制度です。
- 2026年11月1日以後の販売からリファンド方式になり、税込で販売し、購入日から90日以内の出国時に税関の確認を受けた後で消費税相当額を返金します。適用は販売日で判定し、移行期間はありません。
- 下限は区分なしで税抜5,000円(同じ人・同じ販売場・同じ日)で、消耗品の上限と特殊包装はなくなります。単価(税抜)100万円以上の商品は「商品情報詳細」を設定します。
- 既存の免税店は原則として手続なしで新制度に移りますが、電子化の届出を出していない販売場は2026年10月31日で許可の効力を失います。新たに始める場合の申請は2026年10月1日から受け付けます。
- 経理は、販売時に課税売上とし、税関確認情報の保存後に免税売上へ振り替えます。決算期をまたぐ場合の処理と、返金の方法・手数料の負担を事前に決めておきます。
出典・参考資料
2026年9月25日・26日に内容を確認しました。
国税庁 リファンド方式(2026年11月1日以後)
- 輸出物品販売場制度のリファンド方式への見直し(特設サイト)
- 輸出物品販売場制度に関するQ&A(リファンド方式・概要編)令和7年4月(令和8年4月改訂)(PDF)
- 輸出物品販売場制度に関するQ&A(リファンド方式・詳細編)令和8年7月(PDF)
- リファンド方式開始以降に免税店の許可を受けるための申請手続(令和8年7月、PDF)
- 免税購入品と知りながら行った課税仕入れに係る仕入税額控除の制限(令和6年5月、令和7年5月改訂、PDF)
国税庁 現行制度・その他
- タックスアンサー No.6559 外国人旅行者等の免税購入対象者(令和8年4月1日現在法令等)
- 輸出物品販売場制度のポイント(令和3年10月、PDF)
- 税務手続の案内 D1-36 一般型輸出物品販売場許可申請手続
- タックスアンサー No.7195 国際観光旅客税のあらまし(令和8年7月1日現在法令等)
観光庁
財務省・法令
- 令和6年度税制改正の大綱(消費課税)
- 消費税法(7条・8条・59条の2・65条)
- 消費税法施行令(18条〜18条の5)
改訂履歴と監修について
著者:新宿間税会(新宿間税会について)
- 2025年7月11日:公開
- 2026年9月25日:免税購入対象者の要件と、リファンド方式への移行に関する記述を訂正
- 2026年9月26日:リファンド方式を中心に全面改訂(申請受付、電子化の届出がない免税店の許可失効、適用開始の日付と、税関確認、返金、経理処理、既存の免税店のチェックリストを追加。一次資料で確認できない審査期間などの記述と、現行制度と合わない図を削除)
監修の状況は、冒頭の「監修について」のとおりです。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については、税理士などの専門家や、所轄の税務署にご相談ください。記事の内容についてのご質問はお問い合わせフォームで受け付けています。