免税事業者と課税事業者の違い:判定方法・届出・2026年以降の改正点

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免税事業者とは、消費税の納税義務が免除されている事業者です。その課税期間の基準期間(個人事業者は前々年、事業年度が1年の法人は前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下であれば、原則として免税事業者になり、消費税の申告と納付は必要ありません。

免税事業者と課税事業者の違い(要点)【確定】

項目免税事業者課税事業者
対象基準期間の課税売上高が1,000万円以下で、ほかに課税事業者になる事情がない事業者免税事業者に当たらない事業者(基準期間の課税売上高が1,000万円を超える、インボイス発行事業者の登録を受けている、など)
申告・納付不要必要(課税期間ごと)
インボイスの交付できない登録を受けていればできる
仕入税額の控除・還付できない一般課税なら控除でき、控除しきれない額は還付される

判定の順番は判定の手順、年ごとの基準期間と特定期間は2026〜2029年の判定早見表、届出の期限は届出書と提出期限の一覧にまとめています。

監修について
本記事は井手政紀税理士(井手政紀税理士事務所/元 新宿税務署長(第84代)/新宿間税会 税理士部会員)の監修内容を反映しています。2026年9月26日、令和8年度税制改正等に合わせて全面改訂し、2026年9月28日に監修者の確認が完了しました。

【確定】令和8年度税制改正で決まったこと(2026年9月26日時点)

令和8年度税制改正(所得税法等の一部を改正する法律、令和8年法律第12号。2026年3月31日成立・公布)で、次の点が決まりました。3割特例、控除割合、届出期限の見直しは、2026年10月1日に施行されます。

  • 2割特例は延長されず、令和8年(2026年)9月30日を含む課税期間で終わります。個人事業者は2026年分が最後です。
  • 個人事業者に限り、2027年分と2028年分は、納付税額を売上税額の3割にできる3割特例を使えます(要件があります)。
  • 免税事業者などインボイス発行事業者以外の者からの仕入れで控除できる割合は、2026年10月1日以後の仕入れから、80%が70%になります。
  • 2割特例・3割特例を使った翌課税期間から簡易課税を選ぶときの届出期限が、その翌課税期間の確定申告期限までになります(翌課税期間が2026年10月1日以後に終わる場合)。

このほか、飲食料品の消費税率を1%にする案は閣議決定の段階で、法案は成立していません(飲食料品の消費税率1%案と免税事業者)。

目次
  1. 免税事業者・課税事業者とは
  2. 1,000万円の判定:基準期間と特定期間
  3. 1,000万円以下でも課税事業者になる場合
  4. 判定の具体例(2026年9月時点)
  5. インボイス登録と免税事業者
  6. 2割特例・3割特例の要点
  7. 届出書と提出期限の一覧
  8. 【予定・法案未成立】飲食料品の消費税率1%案と免税事業者
  9. よくある質問
  10. まとめと相談先
  11. 出典・参考資料
  12. 改訂履歴と監修について

免税事業者・課税事業者とは

【確定】国税庁 タックスアンサー No.6501・No.6125(令和8年4月1日現在法令等)に基づく内容です。

免税事業者とは:納税義務が免除される事業者

消費税は、国内で商品を販売したりサービスを提供したりした事業者が納める税です。ただし、その課税期間の基準期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者は、原則として納税義務が免除されます(消費税法9条1項。事業者免税点制度)。この事業者を免税事業者といいます。課税期間は、個人事業者は1月1日から12月31日まで、法人は事業年度です(消費税法19条。課税期間の短縮の特例を選んでいる場合を除きます)。免除されない場合は国税庁 タックスアンサー No.6501に列挙されており、この記事では1,000万円以下でも課税事業者になる場合にまとめています。

免税事業者は、その課税期間の消費税の申告と納付が不要です。その代わり、仕入れや経費で支払った消費税を差し引く仕組み(仕入税額控除)もないため、仕入れの消費税が売上の消費税より多くても、還付は受けられません。還付を受けるには、課税事業者を選択するか、インボイス発行事業者の登録を受けて課税事業者になる必要があります(国税庁 タックスアンサー No.6501 Q1)。

課税事業者とは:消費税を申告・納付する事業者

課税事業者は、課税期間ごとに消費税の確定申告をして納税します。一般課税(本則課税)では、売上にかかる消費税額から、仕入れや経費にかかる消費税額を差し引いた額を納めます。

計算の考え方(標準税率10%のみ、国と地方の合計の目安):税込の売上1,100万円に含まれる消費税額は、1,100万円×10/110=100万円です。税込の仕入れ660万円に含まれる消費税額は、660万円×10/110=60万円です。納める税額の目安は、100万円−60万円=40万円です。

実際の申告では、国の消費税(7.8%)と地方消費税に分けて計算し、法律で決められた端数処理をします。手順は消費税の計算方法(事業者が納める消費税額の計算)で説明しています。一般課税のほか、基準期間の課税売上高が5,000万円以下なら、届出により簡易課税制度を選べます(簡易課税制度のしくみとみなし仕入率)。

免税事業者と課税事業者の違い(一覧)

項目免税事業者課税事業者
判定の基準基準期間の課税売上高が1,000万円以下で、ほかに課税事業者になる事情がない免税事業者に当たらない事業者
確定申告・納付不要必要(課税期間ごと)
インボイス(適格請求書)の交付できない。インボイスに当たらない請求書や領収書は交付できるインボイス発行事業者の登録を受けた事業者だけができる
仕入税額控除・還付なし(還付も受けられない)一般課税なら仕入税額を控除でき、控除しきれない額は還付される
簡易課税制度使えない基準期間の課税売上高が5,000万円以下で、届出をしていれば使える
2割特例・3割特例―インボイス登録(又は課税事業者の選択)で課税事業者になった場合に、要件を満たせば使える
一般課税の取引先の仕入税額控除インボイスがないため、経過措置による一定割合(2026年10月1日以後の仕入れは70%)だけ登録を受けていれば、交付したインボイスの保存により控除の対象になる

出典:国税庁 タックスアンサー No.6501・No.6505・No.6498、インボイスQ&A 問26-2。

「非課税事業者」という区分はありません

消費税法上の事業者の区分は、課税事業者と免税事業者の2つです。「非課税」は事業者ではなく取引の区分で、土地の譲渡や貸付け、住宅の貸付け、有価証券の譲渡、社会保険医療などが非課税の取引に当たります(国税庁 タックスアンサー No.6201)。非課税の取引の売上は、1,000万円の判定に使う課税売上高に含めません(消費税法2条1項9号・9条2項)。

「免税」の3つの意味

消費税で「免税」という言葉が使われる場面は、主に次の3つです。免税事業者と、ほかの2つは別の制度です。

用語免除されるもの主な対象詳しい記事
免税事業者事業者の消費税の納税義務(消費税法9条)基準期間の課税売上高が1,000万円以下などの事業者この記事
輸出免税輸出取引等の売上にかかる消費税(消費税法7条)。課税事業者が行う取引で、その仕入れにかかる消費税は控除できます。1,000万円の判定の課税売上高にも含めます輸出や、非居住者への一定のサービスの提供などをする事業者輸出取引の消費税(輸出免税)と輸入消費税
免税店(輸出物品販売場)外国人旅行者などに販売する一定の物品の消費税(消費税法8条)。2026年11月1日から、購入時は消費税込みで販売し、出国時の税関の確認の後に消費税相当額を返金するリファンド方式に変わります税務署長の許可を受けた販売場免税店(輸出物品販売場)制度

出典:国税庁 タックスアンサー No.6551(輸出取引の免税)、消費税法基本通達1-4-2、国税庁「輸出物品販売場制度のリファンド方式への見直し」。

1,000万円の判定:基準期間と特定期間

【確定】基準期間・特定期間の考え方は、次の国税庁資料によります(No.6501・No.6503・No.6531・No.6125のQ&A、消費税法基本通達1-4-2・1-4-5・1-4-9)。

基準期間:個人は前々年、法人は原則として前々事業年度

  • 個人事業者:その年の前々年です(2027年分なら2025年)。年の途中で開業した場合も、基準期間の課税売上高を1年分(12か月分)に換算しません(国税庁 タックスアンサー No.6125 Q3)。
  • 事業年度が1年の法人:その事業年度の前々事業年度です。
  • 前々事業年度が1年未満の法人:その事業年度開始の日の2年前の日の前日から、同日以後1年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間が基準期間です。基準期間が1年でない法人は、課税売上高を基準期間に含まれる事業年度の月数の合計で割って12を掛け、1年分に換算して判定します(国税庁 タックスアンサー No.6503、消費税法9条2項2号)。
  • 新たに開業した個人事業者や新たに設立された法人のように、基準期間の課税売上高がない課税期間や、基準期間がない課税期間は、原則として免税事業者です。ただし、1,000万円以下でも課税事業者になる場合に当たれば課税事業者です。

基準期間の課税売上高に含めるもの・含めないもの

区分内容
含める国内で行った課税の売上(商品の販売、サービスの提供など)、輸出免税の対象となる売上、事業用の建物・車両・機械などの売却(土地の売却は非課税なので含めません)
差し引く売上げの返品・値引き・割戻しの額
含めない非課税の売上(土地の譲渡・貸付け、住宅の貸付け、有価証券の譲渡など)、課税事業者だった期間の売上に含まれる消費税額と地方消費税額

貸倒れで回収できなかった売上は、差し引きません。出典:消費税法9条2項、消費税法基本通達1-4-2、国税庁 タックスアンサー No.6201。

免税事業者だった期間の売上は税抜きにしない

基準期間に免税事業者だった場合、その期間の売上には消費税が課されていないため、受け取った金額をそのまま課税売上高として判定します(税抜きにしません)。基準期間に課税事業者だった場合は、税抜きの金額で判定します(国税庁 タックスアンサー No.6125 Q2、消費税法基本通達1-4-5)。

例:免税事業者だった年の売上が1,050万円の場合、1,050万円のまま判定します。1,000万円を超えるので、その年を基準期間とする年分(2年後)は課税事業者です。100/110を掛けると約954.5万円になりますが、この換算はしません。
国税庁の手引きの例(年の途中で登録した場合。適用税率はすべて10%):2023年1月〜9月(免税事業者)の課税売上高7,500,000円はそのまま数え、10月〜12月(インボイス発行事業者)の3,300,000円(税込み)は100/110を掛けて3,000,000円とします。合計10,500,000円で1,000万円を超えるため、2023年を基準期間とする2025年分は、2割特例を使えません(国税庁「2割特例用 確定申告の手引き」(PDF))。

特定期間:前年の前半6か月で判定

基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも、特定期間の課税売上高が1,000万円を超えると、課税事業者になる場合があります(国税庁 タックスアンサー No.6501)。

  • 個人事業者の特定期間:その年の前年1月1日から6月30日までです。前年の途中で開業した場合も、6か月分に換算しません。たとえば前年3月1日に開業したなら、3月1日〜6月30日の実額で判定します(国税庁 タックスアンサー No.6531)。
  • 法人の特定期間:原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6か月の期間です。前事業年度が1年未満の場合などは、異なることがあります。
  • 課税売上高に代えて、特定期間に支払った給与等の合計額で判定することもでき、どちらで判定するかは事業者が選べます。このため、課税事業者になるのは、課税売上高と給与等支払額がどちらも1,000万円を超える場合です。給与等支払額には給与・賞与・役員報酬を含み、所得税が非課税の通勤手当・旅費や、未払いの給与は含みません(No.6125 Q4)。
  • 国外事業者(非居住者である個人事業者と外国法人)は、2024年10月1日以後に開始する課税期間から、給与等支払額で判定できません。

判定の手順

課税期間ごとに、次の順で確認します。国税庁 タックスアンサー No.6501が挙げる「納税義務が免除されない場合」を、当会が手順の形にまとめたものです。

順確認することはいいいえ
1インボイス発行事業者の登録を受けているか課税事業者2へ
2課税事業者選択届出書を出していて、その効力が続いているか課税事業者3へ
3基準期間の課税売上高が1,000万円を超えるか課税事業者4へ
4特定期間の課税売上高と給与等支払額が、どちらも1,000万円を超えるか課税事業者5へ
5新設法人・特定新規設立法人、相続・合併・分割、高額特定資産の取得などの特例に当たるか(次の節の表)課税事業者免税事業者

課税事業者であれば、インボイス発行事業者の登録をしていなくても、消費税の申告と納付が必要です。インボイスを交付するには、別に登録が必要です。

2026〜2029年の判定早見表

どの期間の売上で、どの年分(事業年度)を判定するかをまとめました。右の列は、インボイス発行事業者の登録(又は課税事業者選択届出書の提出)によって課税事業者になった場合に、要件を満たせば使える特例です(当会作成)。

個人事業者
判定する年分基準期間特定期間登録して課税事業者になった場合の特例
2026年分2024年2025年1月1日〜6月30日2割特例(最後の年分)
2027年分2025年2026年1月1日〜6月30日3割特例
2028年分2026年2027年1月1日〜6月30日3割特例(最後の年分)
2029年分2027年2028年1月1日〜6月30日なし(一般課税か簡易課税)
3月決算の法人(事業年度が1年の場合)
判定する事業年度基準期間特定期間登録して課税事業者になった場合の特例
2026年4月1日〜2027年3月31日2024年4月1日〜2025年3月31日2025年4月1日〜9月30日2割特例(最後の事業年度)
2027年4月1日〜2028年3月31日2025年4月1日〜2026年3月31日2026年4月1日〜9月30日なし(法人は3割特例の対象外)
2028年4月1日〜2029年3月31日2026年4月1日〜2027年3月31日2027年4月1日〜9月30日なし
2029年4月1日〜2030年3月31日2027年4月1日〜2028年3月31日2028年4月1日〜9月30日なし

2割特例・3割特例は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることなどが要件です。ほかの決算月の法人が2割特例を使える最後の事業年度は、2割特例の決算月別の早見表にあります。

基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも課税事業者になる場合

【確定】国税庁 タックスアンサー No.6501・No.6502・No.6503・No.6531に基づく内容です。次のどれかに当たる課税期間は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも、納税義務は免除されません。

場合課税事業者になる課税期間と内容
インボイス発行事業者の登録登録を受けている課税期間。免税事業者が年(事業年度)の途中で登録した場合は、登録日から課税事業者になります。
課税事業者選択届出書の提出届出の効力がある課税期間。原則として、課税事業者になった日から2年間は免税事業者に戻れません。その間に一般課税で調整対象固定資産(1取引の税抜価格が100万円以上の建物・機械・車両など)を仕入れると、仕入れた課税期間の初日から原則として3年間は戻れません。効力は、選択不適用届出書を出すまで続きます。
特定期間の売上と給与特定期間の課税売上高と給与等支払額が、どちらも1,000万円を超える課税期間
新設法人基準期間がない事業年度(通常は設立1期目と2期目)で、その事業年度開始の日の資本金(出資金)が1,000万円以上の法人。設立1期目の途中で増資して1,000万円以上になった場合は、設立2期目が課税事業者です。
特定新規設立法人資本金1,000万円未満の新規設立法人のうち、株式の50%超を直接又は間接に保有されるなど、他の者に支配されていて、その他の者などの課税売上高が5億円を超える法人。2024年10月1日以後に開始する課税期間は、その他の者などの収入などの合計額が50億円を超える場合も該当します。
相続・合併・分割事業を承継した場合で、被相続人・被合併法人・分割法人の課税売上高などが基準を超えるとき。相続の場合、承継した年は被相続人の基準期間の課税売上高が1,000万円を超えるかで、翌年と翌々年は相続人と被相続人の基準期間の課税売上高の合計が1,000万円を超えるかで判定します。
高額特定資産などの仕入れ一般課税で申告する課税期間に、高額特定資産(1取引の税抜価格が1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産)を仕入れた場合、その翌課税期間から、仕入れた課税期間の初日以後3年を経過する日を含む課税期間まで(原則として、その後2年間)。金・白金の地金等を税抜合計200万円以上仕入れた場合も同様です。
新設法人等の調整対象固定資産新設法人・特定新規設立法人が、基準期間がない課税期間中に一般課税で調整対象固定資産を仕入れた場合、仕入れた課税期間から、その初日以後3年を経過する日を含む課税期間まで。

出典:国税庁 タックスアンサー No.6501・No.6502・No.6503・No.6531。個人事業者が法人成りした場合、個人事業者の期間の課税売上高は、法人の基準期間・特定期間の課税売上高に含めません(No.6125 Q1)。

判定の具体例(2026年9月時点)

数字は説明のための例で、当会が作成しました。Dさんを除き、課税事業者選択届出書を出しておらず、インボイス発行事業者の登録も受けていない前提です。判定のルールは、上の各節と同じ国税庁の資料によります。

個人事業者Aさん(飲食店、2024年4月開業)

Aさんの課税売上高は、2024年が800万円(うち1月〜6月は、4月〜6月の190万円)、2025年が1,050万円(うち1月〜6月は500万円)です。Aさんは免税事業者だったので、受け取った金額のまま数えます。

年分基準期間の課税売上高特定期間の課税売上高判定
2024年分2022年:なし2023年1月〜6月:なし免税事業者
2025年分2023年:なし2024年1月〜6月:190万円免税事業者
2026年分2024年:800万円2025年1月〜6月:500万円免税事業者
2027年分2025年:1,050万円(判定は不要)課税事業者
  • 2024年は4月〜12月の9か月分ですが、個人事業者は1年分に換算しません。12か月分に換算すると約1,067万円になりますが、この換算はしないので、2026年分は免税事業者です。特定期間(2024年1月〜6月)の190万円も、6か月分に換算しません。
  • 2025年は免税事業者だったので、1,050万円を税抜きにせずに判定します。2027年分は課税事業者です。
  • 手続:2025年分の課税売上高が1,000万円を超えたことが分かった時点で、「消費税課税事業者届出書(基準期間用)」を速やかに所轄の税務署長に出します。
  • 2027年分から簡易課税を使う場合は、2026年12月31日(木)までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を出します。基準期間の課税売上高が1,000万円を超えるので、2割特例・3割特例は使えません。
  • 2027年分の確定申告と納付の期限は、2028年3月31日(金)です(消費税の納付期限)。

3月決算の法人B社(設立から数年、これまで免税事業者)

B社の課税売上高は、2025年3月期(2024年4月1日〜2025年3月31日)が950万円、2026年3月期(2025年4月1日〜2026年3月31日)が1,100万円です。2026年3月期の最初の6か月(2025年4月1日〜9月30日)は、課税売上高が480万円、給与等支払額が300万円でした。

事業年度基準期間の課税売上高特定期間判定
2027年3月期
(2026年4月1日〜2027年3月31日)
2025年3月期:950万円2025年4月1日〜9月30日:課税売上高480万円免税事業者
2028年3月期
(2027年4月1日〜2028年3月31日)
2026年3月期:1,100万円(判定は不要)課税事業者
  • 2026年3月期が終わり、課税売上高が1,000万円を超えたことが分かった時点で、「消費税課税事業者届出書(基準期間用)」を速やかに出します。
  • 2028年3月期から簡易課税を使う場合は、2027年3月31日(水)までに届出書を出します。
  • 特定期間の課税売上高が仮に1,050万円だったとしても、給与等支払額が300万円なら、給与等支払額で判定して、2027年3月期は免税事業者です(国外事業者を除きます)。

2026年4月1日に設立したC社(資本金500万円、3月決算)

C社は、他の会社などに支配されておらず、特定新規設立法人に当たらない前提です。

事業年度判定の考え方
1期
(2026年4月1日〜2027年3月31日)
基準期間がなく、期首の資本金が1,000万円未満なので、原則として免税事業者です。
2期
(2027年4月1日〜2028年3月31日)
基準期間はありません。特定期間(2026年4月1日〜9月30日)の課税売上高と給与等支払額がどちらも1,000万円を超えれば、課税事業者です。1期の途中で増資して、2期の期首の資本金が1,000万円以上になっていれば、新設法人として課税事業者です。
3期
(2028年4月1日〜2029年3月31日)
1期が基準期間になり、1期の課税売上高で判定します。
  • インボイス発行事業者の登録を受けると、登録日から免税事業者ではなくなります。登録がなければ免税事業者となる1期は、要件を満たせば2割特例を使えます。1期は2026年9月30日を含む事業年度なので、C社が2割特例を使える最後の事業年度です。3割特例は個人事業者だけの制度なので、法人であるC社は使えません。
  • 個人事業者が法人成りしてC社を設立した場合も、個人事業者だった期間の売上は、C社の判定に含めません。
  • 設立時の届出などは新規開業・法人設立時の注意点、法人の税金の全体は法人の税務で説明しています。

インボイス登録をした個人事業者Dさん(デザイン業)

Dさんは2023年10月1日にインボイス発行事業者の登録を受けた元免税事業者で、基準期間の課税売上高は毎年1,000万円以下が続いている前提です。

年分選べる申告の方法
2023年分(10月〜12月)〜2026年分2割特例・簡易課税・一般課税(2026年分が2割特例の最後)
2027年分・2028年分3割特例・簡易課税・一般課税
2029年分以後簡易課税・一般課税
  • 簡易課税を使うには届出が必要です。2割特例・3割特例を使った年の翌年分から簡易課税にする場合は、その翌年分の確定申告期限までに出せば間に合います。2026年分に2割特例を使い、2027年分から簡易課税にする場合は2028年3月31日(金)まで、2028年分に3割特例を使い、2029年分から簡易課税にする場合は2030年4月1日(月)までです。
  • デザイン業を簡易課税の第5種事業(みなし仕入率50%)とした場合、簡易課税の納付税額は売上税額の50%なので、3割特例(30%)のほうが少なくなります。業種ごとの比較は3割特例と簡易課税の業種別比較にあります。

インボイス登録と免税事業者

この節の内容は、次の資料に沿っています(【確定】国税庁 インボイスQ&A 問7・問13・問26-2、タックスアンサー No.6498・No.6505・No.6629、令和8年度税制改正特集)。

免税事業者がインボイス発行事業者になる場合

  • インボイス(適格請求書)を交付できるのは、税務署長の登録を受けたインボイス発行事業者だけです。登録を受けられるのは課税事業者ですが、免税事業者には次の経過措置があります(国税庁 タックスアンサー No.6498)。
  • 令和11年(2029年)9月30日を含む課税期間までは、免税事業者が登録申請書に登録希望日(提出日から15日以降の日)を書いて出せば、課税事業者選択届出書を出さずに、登録日から課税事業者になれます。その年(事業年度)は、登録日から末日までの売上について申告が必要です(インボイスQ&A 問7)。
  • 登録日を含む課税期間が2023年10月1日を含まない場合は、その翌課税期間から、登録日以後2年を経過する日を含む課税期間までは、免税事業者に戻れません。たとえば個人事業者が2026年7月1日に登録した場合、2028年分までは課税事業者です。この場合、要件を満たせば、2026年分(7月1日〜12月31日)は2割特例、2027年分と2028年分は3割特例を使えます。
  • この経過措置で登録した課税期間は、その課税期間中に簡易課税制度選択届出書を出せば、その課税期間から簡易課税を使えます(国税庁 タックスアンサー No.6505)。

登録申請の方法はインボイス(適格請求書発行事業者)の登録申請の手続き、制度の全体はインボイス制度の概要で説明しています。

免税事業者が交付する請求書

免税事業者も、インボイスに当たらない請求書や領収書は、これまでどおり交付できます。仕入れの際に負担した消費税相当額を取引価格に上乗せして請求することは、適正な転嫁として問題ないとされています。消費税相当額を記載しても、インボイスと誤認されるおそれのあるものでなければ、基本的に罰則の対象にはなりません。一方、自分のものではない登録番号や、登録番号に似た英数字を自分の「登録番号」として記載するなど、インボイスと誤認されるおそれのある書類の交付は禁止されており、罰則(1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)の対象です(インボイスQ&A 問26-2)。インボイスの記載事項は適格請求書の記載事項と書き方で説明しています。

取引先(買い手)への影響:経過措置の控除割合

一般課税で申告する取引先が、インボイス発行事業者以外の者(免税事業者など)から仕入れた場合、インボイスがあれば控除できた税額(仕入税額相当額)のうち、次の割合だけを控除できます。区分記載請求書と同様の記載事項がある請求書等と、経過措置の適用を受ける旨を記載した帳簿の保存が条件です。

仕入れの時期控除できる割合
2023年10月1日〜2026年9月30日80%
2026年10月1日〜2028年9月30日70%
2028年10月1日〜2030年9月30日50%
2030年10月1日〜2031年9月30日30%
2031年10月1日以後控除できない

2026年10月1日以後に開始する課税期間(個人事業者は2027年分)からは、同じ相手からのこうした仕入れが、年(事業年度)で税込1億円を超える部分に経過措置を使えません(改正前は10億円)。取引先が簡易課税・2割特例・3割特例で申告している場合は、取引先の納付税額に影響しません(国税庁 令和8年度税制改正特集)。割合を判定する日(引渡しの日や役務の完了の日)と計算例は、免税事業者等からの仕入れの経過措置(70%控除と1億円上限)で説明しています。

登録をやめて免税事業者に戻る場合

  • 「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を、登録の取消しを求める課税期間の初日から起算して15日前の日までに出します。個人事業者が2027年1月1日から登録をやめる場合は、2026年12月17日(木)が期限です。この日が土曜日・日曜日・祝日などにあたっても、期限は延びません(インボイスQ&A 問13)。
  • 登録をやめても、免税事業者になるのは、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であるなど、ほかに課税事業者になる事情がない課税期間です。上の経過措置で登録した場合の、免税事業者に戻れない期間にも注意が必要です。
  • 課税事業者選択届出書を出して課税事業者になっている場合は、「消費税課税事業者選択不適用届出書」も、免税事業者になろうとする課税期間の初日の前日までに出す必要があります(問13)。
  • 登録をやめると、一般課税で申告している取引先は、その事業者からの仕入れを経過措置の割合でしか控除できなくなります。

2割特例・3割特例の要点(2026年10月以降)

【確定】令和8年度税制改正(令和8年法律第12号)と、国税庁の令和8年度税制改正特集に基づく内容です。詳しい要件と計算は、それぞれの記事で説明しています。

項目2割特例3割特例
対象インボイス登録(又は課税事業者選択届出書の提出)がなければ免税事業者となる課税期間の事業者(個人・法人)同じ条件の個人事業者だけ(法人は対象外)
使える期間2023年10月1日から2026年9月30日までの日を含む課税期間(個人は2026年分まで、3月決算の法人は2027年3月期まで)2027年分と2028年分
納付税額売上税額の2割売上税額の3割
主な要件基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることなど基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることなど
手続事前の届出は不要。申告書に付記する事前の届出は不要。確定申告書に付記する
詳しい記事2割特例はいつまで使えるか(個人・法人別)3割特例の要件・計算・簡易課税との比較

簡易課税と比べると、みなし仕入率から計算して、3割特例の期間でも、第1種事業(卸売業)と第2種事業(小売業など)は簡易課税のほうが納付税額が少なく、第3種事業は同じで、第4種〜第6種事業は3割特例のほうが少なくなります(インボイスQ&A 問117-3)。2割特例・3割特例を使った課税期間の翌課税期間から簡易課税を選ぶ場合は、その翌課税期間の確定申告期限までに届出書を出せば間に合います(翌課税期間が2026年9月30日以前に終わる場合は、その課税期間の末日まで)。法人には3割特例がないため、2割特例の最後の事業年度の次からは、一般課税か簡易課税で申告します。

申告の方法ごとの納付税額の試算には、消費税計算ツール(一般課税・簡易課税・2割特例の比較)も使えます。

届出書と提出期限の一覧

提出先は納税地を所轄する税務署長で、e-Taxでも提出できます(【確定】国税庁 タックスアンサー No.6629〔令和8年4月1日現在法令等〕、各手続の案内による)。

届出書出す場面提出期限
消費税課税事業者届出書(基準期間用)基準期間の課税売上高が1,000万円を超えたとき事由が生じたら速やかに
消費税課税事業者届出書(特定期間用)特定期間の判定で課税事業者になるとき事由が生じたら速やかに
消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書基準期間の課税売上高が1,000万円以下になったとき事由が生じたら速やかに
消費税課税事業者選択届出書免税事業者が課税事業者を選ぶとき選択しようとする課税期間の初日の前日まで(事業を開始した課税期間から選ぶ場合は、その課税期間の末日まで)
消費税課税事業者選択不適用届出書課税事業者の選択をやめるときやめようとする課税期間の初日の前日まで(原則として、適用を開始した課税期間の初日から2年を経過する日を含む課税期間の初日以後でないと出せません)
消費税の新設法人に該当する旨の届出書新設法人に該当したとき速やかに(法人設立届出書に所定の事項を書いて出した場合は不要)
消費税の特定新規設立法人に該当する旨の届出書特定新規設立法人に該当したとき速やかに
消費税簡易課税制度選択届出書簡易課税を選ぶとき適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで。登録の経過措置で課税事業者になった課税期間は、その課税期間中。2割特例・3割特例を使った翌課税期間は、その確定申告期限まで(翌課税期間が2026年9月30日以前に終わる場合は、その課税期間の末日まで)
適格請求書発行事業者の登録申請書インボイス発行事業者になるとき免税事業者は、2029年9月30日を含む課税期間までは、登録希望日(提出日から15日以降の日)を書いて出す
適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書登録をやめるとき取消しを求める課税期間の初日から起算して15日前の日まで

「初日の前日まで」「15日前の日まで」の期限は、土曜日・日曜日・祝日などにあたっても延びません。郵便で出した場合は、通信日付印の日に提出したものとみなされます。やむを得ない事情で課税事業者選択届出書や簡易課税制度選択届出書が間に合わなかった場合は、税務署長の承認を受けて、期限内に出したものとみなされる手続があります。課税事業者選択届出書を出している場合や、インボイス発行事業者の登録を受けている場合は、その提出日・登録日を含む課税期間の翌課税期間以後は、課税事業者届出書(基準期間用)を出す必要はありません。出典:国税庁 タックスアンサー No.6629、D1-7 消費税課税事業者届出手続(基準期間用)、D1-4 消費税課税事業者選択届出手続、インボイスQ&A 問13。

課税事業者になった後の申告は、消費税申告書の書き方とe-Taxでの消費税の確定申告で説明しています。

【予定・法案未成立】飲食料品の消費税率1%案と免税事業者

2026年9月26日時点の状況

2026年9月15日に「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」が閣議決定されました。法案はまだ成立しておらず、内容は確定していません。国税庁の資料も、法案が国会で可決・成立した場合の内容として公表されています(内閣官房、国税庁 消費税率引下げ特設サイト)。

  • 大綱では、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、現在の軽減税率(8%)の対象と同じ範囲の飲食料品の税率を1%(国0.78%、地方0.22%)にするとしています。外食や酒類などは10%のままとされています。
  • 飲食料品を売る事業者は、売上の税率が1%になる一方、仕入れや経費には10%の税額が含まれるため、一般課税で申告すると、仕入れの税額が売上の税額を上回って還付が生じる場合があります。免税事業者のままでは還付を受けられません(国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」(PDF)問3-1)。
  • このため、飲食料品の譲渡を行う免税事業者は、2027年4月1日を含む課税期間中に課税事業者選択届出書を出せば、その課税期間から課税事業者になれる特例が設けられる予定です。選択した場合、原則として2年間は課税事業者として申告が必要です(同Q&A 問3-2)。
  • インボイス発行事業者の登録の経過措置を使って、年の途中から課税事業者になる方法もあります。登録希望日を2027年4月1日にする場合、申請の期限は2027年3月17日です(同Q&A 問3-1)。

1%の対象になる品目は軽減税率の対象品目(1%案の状況)、税額の計算は消費税の計算方法(1%になった場合の計算)で説明しています。法案が成立し、取扱いが確定したら、この節を更新します。

よくある質問

売上が1,000万円を超えたら、その年から課税事業者になりますか。

個人事業者の場合、原則として2年後の年分から課税事業者になります(基準期間は前々年です)。ただし、その年の1月1日〜6月30日(翌年分から見た特定期間)の課税売上高と給与等支払額がどちらも1,000万円を超えると、翌年分から課税事業者になります。インボイス発行事業者の登録を受けた場合は、売上にかかわらず登録日から課税事業者です。〔国税庁 タックスアンサー No.6501〕

1,000万円は税込みと税抜きのどちらで判定しますか。

基準期間に課税事業者だった場合は、税抜きの金額で判定します。基準期間に免税事業者だった場合は、その期間の売上に消費税が課されていないため、税抜きにせず、受け取った金額のまま判定します。〔国税庁 タックスアンサー No.6125 Q2、消費税法基本通達1-4-5〕

課税事業者になるとき、届出は必要ですか。

必要です。基準期間の課税売上高が1,000万円を超えたときは「消費税課税事業者届出書(基準期間用)」を、特定期間の判定で課税事業者になるときは「消費税課税事業者届出書(特定期間用)」を、速やかに所轄の税務署長に出します。課税事業者選択届出書を出している場合やインボイス発行事業者の登録を受けている場合は、その提出日・登録日を含む課税期間の翌課税期間以後は出す必要はありません。〔国税庁 D1-7 消費税課税事業者届出手続(基準期間用)、国税庁 タックスアンサー No.6629〕

免税事業者でも消費税の還付を受けられますか。

免税事業者のままでは受けられません。設備投資や輸出で仕入れの消費税が売上の消費税より多くなる場合は、(1)課税事業者選択届出書を還付を受けたい課税期間の初日の前日まで(事業を開始した課税期間はその課税期間中)に出す、または(2)インボイス発行事業者の登録を受ける、のいずれかで課税事業者になり、一般課税で申告すれば還付を受けられます。〔国税庁 タックスアンサー No.6501 Q1〕

免税事業者は、請求書に消費税相当額を書いて請求してもよいですか。

仕入れの際に負担した消費税相当額を取引価格に上乗せして請求することは、適正な転嫁として問題ないとされています。消費税相当額を記載しても、インボイスと誤認されるおそれのあるものでなければ、基本的に罰則の対象にはなりません。ただし、自分のものではない登録番号を記載するなど、インボイスと誤認されるおそれのある書類の交付は禁止されており、罰則(1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)の対象です。〔インボイスQ&A 問26-2〕

取引先が免税事業者かどうかは、どうすれば分かりますか。

国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで分かるのは、インボイス発行事業者として登録しているかどうかです。登録は申請して受けるもので、課税事業者でも登録していない事業者がいるため、登録していないことだけでは免税事業者かどうかは分かりません。〔国税庁 適格請求書発行事業者公表サイト、国税庁 タックスアンサー No.6498〕

2割特例はいつまで使えますか。その後はどうなりますか。

令和8年(2026年)9月30日を含む課税期間までで、個人事業者は2026年分が最後です。個人事業者は、要件を満たせば2027年分・2028年分に3割特例を使えます。法人には3割特例がなく、2割特例の最後の事業年度の次からは、一般課税か簡易課税で申告します。〔国税庁 令和8年度税制改正特集〕

2026年10月から、免税事業者からの仕入れの控除はどう変わりますか。

インボイスがあれば控除できた税額のうち、控除できる割合が、2026年10月1日以後の仕入れから80%から70%になります。2028年10月1日から50%、2030年10月1日から30%で、2031年10月1日以後は控除できません。2026年10月1日以後に開始する課税期間からは、同じ相手からの仕入れが年(事業年度)で税込1億円を超える部分には使えません。〔国税庁 令和8年度税制改正特集、国税庁 タックスアンサー No.6498〕

インボイス登録をやめれば、免税事業者に戻れますか。

「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を、取消しを求める課税期間の初日から起算して15日前の日までに出せば、その課税期間の初日に登録の効力がなくなります。免税事業者になるのは、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であるなど、ほかに課税事業者となる事情がない課税期間です。2023年10月1日を含まない課税期間に登録の経過措置で登録した場合は、登録日以後2年を経過する日を含む課税期間までは免税事業者に戻れません。課税事業者選択届出書を出している場合は、選択不適用届出書も必要です。〔インボイスQ&A 問13、国税庁 タックスアンサー No.6629〕

会社を設立したら、何期目まで免税事業者ですか。

基準期間のない設立1期目と2期目は、原則として免税事業者です。ただし、期首の資本金が1,000万円以上の法人(新設法人)、特定新規設立法人、インボイス発行事業者の登録を受けた法人は、免税事業者になりません。設立2期目は、設立1期目に特定期間があり、その課税売上高と給与等支払額がどちらも1,000万円を超える場合も課税事業者です。個人事業者が法人成りした場合、個人事業者の時の売上は法人の判定に含めません。〔国税庁 タックスアンサー No.6503・No.6531、No.6125 Q1〕

「非課税事業者」とは何ですか。

消費税法に「非課税事業者」という区分はありません。事業者の区分は、課税事業者と免税事業者です。「非課税」は、土地の譲渡や住宅の貸付けなど、取引の区分です。非課税の取引の売上は、1,000万円の判定に使う課税売上高に含めません。〔国税庁 タックスアンサー No.6201、消費税法2条・9条〕

まとめと相談先

  • 免税事業者は、基準期間(個人は前々年、法人は原則として前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下で、ほかに課税事業者になる事情がない事業者です。
  • インボイス発行事業者の登録、課税事業者の選択、特定期間の売上と給与、新設法人などに当たると、1,000万円以下でも課税事業者です。
  • 基準期間に免税事業者だった期間の売上は、税抜きにせずに判定します。個人事業者は、年の途中の開業でも1年分に換算しません。
  • 課税事業者になったら「消費税課税事業者届出書」を速やかに出します。課税事業者の選択と簡易課税の届出は、原則として適用を受けたい課税期間の初日の前日が期限です。
  • 2割特例は2026年9月30日を含む課税期間まで、個人事業者の3割特例は2027年分と2028年分です。免税事業者などからの仕入れで控除できる割合は、2026年10月1日から70%になります。

個別のご相談について

新宿間税会は、個別の税務相談にはお答えしていません。ご自身の判定や届出について相談したい場合は、新宿で税金の相談をしたいとき(無料の公的な相談窓口の案内)をご覧ください。国税庁の電話相談センターや新宿税務署、税理士会の無料相談などを案内しています。

新宿間税会では、新宿税務署職員や税理士を講師とする「税の勉強会」も開催しています。開催予定はリンク先のページでご案内しています。

出典・参考資料

いずれも2026年9月26日に内容を確認しました。

国税庁 タックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)

国税庁 手続の案内・通達・Q&A

令和8年度税制改正

飲食料品の消費税率1%案(閣議決定段階)

法令

  • 消費税法(2条・7条・8条・9条・9条の2・10条〜12条の4・57条・57条の2)

改訂履歴と監修について

著者:新宿間税会(新宿間税会について)

  • 2025年7月3日:公開
  • 2026年9月25日:課税事業者届出書の提出、2割特例の適用期間、3割特例、免税事業者等からの仕入れの経過措置(70%)、免税事業者が交付する請求書の説明などを訂正
  • 2026年9月26日:全面改訂(免税事業者の定義と、1,000万円以下でも免除されない場合の一覧、2026〜2029年の判定早見表、基準期間の課税売上高の数え方、届出書の一覧、インボイス登録との関係、2割特例・3割特例と経過措置の要点、「免税」の3つの意味を追加。判定の具体例を2026年時点に更新。図をHTMLの表に置き換え、簡易課税を免税事業者の選択肢として示していた図を削除)

監修の状況は、冒頭の「監修について」のとおりです。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については、税理士などの専門家や、所轄の税務署にご相談ください。

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