法人が納める税金の全体像|法人税・住民税・事業税と防衛特別法人税・軽減税率
法人を設立して事業を行うと、複数の税金を納める義務が生じます。法人が納める税金は、法人税・地方法人税・防衛特別法人税・特別法人事業税(国税)と、法人住民税・法人事業税(地方税)、消費税に整理できます。本記事では、これらの税率に加えて、中小法人の軽減税率、2026年(令和8年)4月1日以後に開始する事業年度から新たに課税されている防衛特別法人税、申告期限とその延長の特例を解説します。いずれも2026年9月26日時点の法令等にもとづく内容です。
法人が納める主な税金と税率の目安【結論】
| 税目 | 課税主体 | 税率の目安 |
|---|---|---|
| 法人税 | 国税 | 所得のうち年800万円以下の部分は15%(中小法人)、超える部分と大法人は23.2% |
| 地方法人税 | 国税 | 法人税額(基準法人税額)の10.3% |
| 防衛特別法人税(新設) | 国税 | (基準法人税額−500万円)×4%。2026年4月1日以後開始事業年度から |
| 特別法人事業税 | 国税(都道府県に申告) | 基準法人所得割額(標準税率で計算し直した所得割額)の37% |
| 法人住民税 | 都道府県・市区町村 | 法人税割(法人税額×7.0〜10.4%、東京23区の場合)+均等割(年70,000円〜) |
| 法人事業税 | 都道府県 | 所得割3.5〜7.48%(東京都) |
| 消費税 | 国・地方 | 課税事業者であれば売上に応じて10%(軽減税率は8%) |
税率は、資本金1億円以下の中小法人で、東京都特別区(23区)内に事務所があり、不均一課税(標準税率)の対象になる法人を前提にした目安です。具体的な金額の例は当会の計算例(架空の設例)に、防衛特別法人税の詳しい説明は防衛特別法人税(新設)の節にあります。
本記事は井手政紀税理士(井手政紀税理士事務所/元 新宿税務署長(第84代)/新宿間税会 税理士部会員)の監修内容を反映しています。2026年9月26日、令和8年度税制改正等に合わせて全面改訂し、2026年9月28日に監修者の確認が完了しました。
【確定】防衛特別法人税の創設(2026年9月26日時点)
2026年(令和8年)4月1日以後に開始する事業年度から、防衛特別法人税が新たに課税されています(通算法人でない法人の場合)。詳しくは防衛特別法人税(新設)の節をご覧ください。
目次
本記事は、法人が納める税金の種類・税率・申告期限を中心に扱っています。欠損金の繰越控除、グループ通算制度、中小企業向けの税制優遇措置、法人の節税対策については、本記事の対象外です。
法人が納める税金の全体像
法人が事業を行う際に納める税金は、国に納める「国税」と、都道府県・市区町村に納める「地方税」に分かれます。売上や取引に応じて納める消費税を除くと、法人の利益(所得)に対して課される税金は、法人税・地方法人税・防衛特別法人税・特別法人事業税(国税)と、法人住民税・法人事業税(地方税)の6種類です。特別法人事業税は国税ですが、法人事業税とあわせて都道府県(都税事務所)に申告します。
| 税目 | 納付先 | 課税標準 |
|---|---|---|
| 法人税 | 税務署 | 各事業年度の所得の金額 |
| 地方法人税 | 税務署 | 法人税額(基準法人税額) |
| 防衛特別法人税(新設) | 税務署 | 基準法人税額−年500万円 |
| 特別法人事業税(国税) | 都道府県(都税事務所) | 基準法人所得割額(法人事業税の所得割額を標準税率で計算し直した金額) |
| 法人住民税 | 都道府県・市区町村(23区は都税事務所) | 法人税額(法人税割)、資本金等の額・従業者数(均等割) |
| 法人事業税 | 都道府県(都税事務所) | 各事業年度の所得の金額 |
これらに加えて、課税売上高などの要件を満たす法人は、消費税(国税)と地方消費税もあわせて納めます(消費税)。地方法人税と防衛特別法人税は、いずれも法人税の確定申告とあわせて税務署に申告・納付します。法人事業税・特別法人事業税・法人住民税は、東京都23区内だけに事務所がある法人の場合、都税事務所にまとめて申告します。
ポイント
法人住民税の均等割は、その事業年度の所得がなくても(赤字でも)必ず発生します。金額は法人住民税(法人税割・均等割)の節で確認できます。
法人税と中小法人の軽減税率
法人税は、法人の各事業年度の所得(利益)に対して課される国税です。税率は、資本金の額(または出資金の額)が1億円以下かどうかなどによって区分されています(令和7年4月1日現在法令等)。
【確定】令和7年度税制改正により、令和7年4月1日以後に開始する事業年度から、所得金額が大きい法人については、中小法人などの軽減税率15%に代えて17%または19%の税率が適用される区分が設けられました。
| 法人の区分 | 年800万円以下の部分 | 年800万円超の部分 |
|---|---|---|
| 中小法人など(資本金1億円以下) | 15% | 23.2% |
| 同上のうち、その事業年度の所得金額が年10億円を超える場合 | 17% | 23.2% |
| 同上のうち、適用除外事業者(注)に該当する場合 | 19% | 23.2% |
| 中小法人など以外の普通法人(資本金1億円超など) | 23.2% | 23.2% |
(注)適用除外事業者とは、その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人などをいいます。19%は15%に代えて適用されるもので、軽減税率そのものがなくなるわけではありません。〔国税庁 タックスアンサー No.5759〕
資本金1億円以下の法人であっても、次のいずれかに当たる場合は中小法人の軽減税率の対象になりません(すべての所得に23.2%が適用されます)。
- 資本金の額が5億円以上の法人(大法人)に、発行済株式などの全部を直接または間接に保有されている法人
- 複数の大法人に発行済株式のすべてを保有されていて、実質的に1社の大法人に完全支配されているのと同じ状態にある法人
- 相互会社・外国相互会社、投資法人、特定目的会社など
中小法人の軽減税率は、令和9年3月31日までに開始する事業年度までの時限措置です。それより先の扱いは、今後の税制改正で決まります(グループ通算制度を選択している法人には別の税率のルールがあり、国税庁 タックスアンサー No.5759のコード5900で案内されています)。
地方法人税
地方法人税は、地方交付税の財源を確保するために平成26年10月1日以後に開始する事業年度から創設された国税です。法人税の申告義務がある法人が、基準法人税額(所得税額控除や外国税額控除などを適用する前の法人税額を基礎とする金額)に10.3%を掛けて計算し、法人税の確定申告・中間申告とあわせて税務署に申告・納付します。
法人住民税(都道府県・市区町村に納める法人税割)とは別の税金です。どちらも法人税の確定申告とあわせて手続きしますが、地方法人税の窓口は税務署、法人住民税の法人税割の窓口は都道府県・市区町村(23区は都税事務所)です。
〔地方法人税法10条〕
法人住民税(法人税割・均等割)
法人住民税は、都内に事務所や事業所がある法人に課される地方税で、法人税額をもとに計算する「法人税割」と、所得の有無にかかわらず定額で課される「均等割」の2つからなります。東京都23区内だけに事務所がある法人は、道府県民税相当分と市町村民税相当分をあわせて、都税事務所に一括して申告します。
法人税割
法人税割は、法人税額(税額控除前の金額)に税率を掛けて計算します。道府県民税分の標準税率は1.0%(制限税率2.0%)、市町村民税分の標準税率は6.0%(制限税率8.4%)と法律で定められており、東京都は超過課税を行っています。ただし、資本金の額(または出資金の額)が1億円以下で、かつ法人税額が年1,000万円以下の法人は、標準税率(23区内では合計7.0%)となる不均一課税の対象です。
| 区分 | 税率 |
|---|---|
| 資本金1億円以下かつ法人税額が年1,000万円以下(不均一課税) | 7.0% |
| 上記以外(超過税率) | 10.4% |
〔東京都主税局「法人事業税・法人都民税」、地方税法51条・314条の4〕
均等割
均等割は、資本金等の額と、都内(23区・市町村)にある事務所等の従業者数の合計数によって、年額が段階的に決まります。所得がない事業年度や赤字の事業年度でも納める必要があります。
| 資本金等の額 | 従業者数50人以下 | 従業者数50人超 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 70,000円 | 140,000円 |
| 1,000万円超1億円以下 | 180,000円 | 200,000円 |
| 1億円超10億円以下 | 290,000円 | 530,000円 |
| 10億円超50億円以下 | 950,000円 | 2,290,000円 |
| 50億円超 | 1,210,000円 | 3,800,000円 |
道府県民税分と市町村民税分の標準税率を、東京都23区内の分としてあわせた金額です。23区外の市区町村では、独自に超過課税を行っている場合があり、金額が異なることがあります。〔地方税法52条・312条、東京都主税局「均等割の税率区分の基準となる『資本金等の額』チェックポイント」〕
法人事業税と特別法人事業税
法人事業税は、法人の各事業年度の所得(所得割)などに対して都道府県が課す地方税です。資本金1億円以下の普通法人(外形標準課税の対象にならない法人)の所得割は、所得の金額に応じて3段階の税率が適用されます。東京都は超過課税を行っており、その事業年度の所得金額が年2,500万円以下の法人には標準税率(不均一課税)が、年2,500万円を超える法人にはすべての所得に超過税率が適用されます。
| 所得の区分 | 標準税率(不均一課税) | 超過税率 |
|---|---|---|
| 年400万円以下の部分 | 3.5% | 3.75% |
| 年400万円超800万円以下の部分 | 5.3% | 5.665% |
| 年800万円超の部分 | 7.0% | 7.48% |
その事業年度の所得金額が年2,500万円を超える場合は、標準税率ではなく超過税率の欄がすべての所得に適用されます。〔東京都主税局「法人事業税・法人都民税」、地方税法72条の24の7〕
特別法人事業税
特別法人事業税は、法人事業税の税収の地域間の偏りを是正するための国税で、法人事業税とあわせて都道府県(都税事務所)に申告・納付します。税額は、法人事業税の所得割額を標準税率で計算し直した金額(基準法人所得割額)に、37%を掛けて計算します。法人事業税に超過税率が適用されている法人でも、特別法人事業税の計算では標準税率で計算し直します。
消費税
法人も、基準期間(原則として前々事業年度)や特定期間の課税売上高が1,000万円を超えるなど一定の要件に当てはまると、消費税の課税事業者になります。課税事業者は、売上に対する消費税(標準税率10%、軽減税率の対象は8%)から、仕入れなどにかかった消費税を差し引いた金額を、法人税とは別に申告・納付します。インボイス発行事業者の登録を受けている場合は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも課税事業者です。
消費税の判定方法や計算方法、簡易課税・2割特例などの詳しい内容は、次の記事にまとめています。
- 消費税の基本(課税事業者と免税事業者の違い)
- 消費税の計算方法
- 消費税の2割特例(法人にも適用できる経過措置です)
- 消費税の納付期限と延長
防衛特別法人税(新設)
【確定】防衛特別法人税は、我が国の防衛力の抜本的な強化に必要な財源を確保するための国税として、「我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法」(令和五年法律第六十九号)により創設されました。法人税を納める義務がある法人に、当分の間、課税されます。
いつから課税されるか
課税の対象となる「課税事業年度」は、通算法人でない法人の場合、令和8年(2026年)4月1日以後に開始する各事業年度です(通算法人は、通算親法人の同日以後に開始する事業年度の期間内に開始する事業年度)。3月決算の法人は、令和9年3月期(2026年4月1日〜2027年3月31日)が最初の課税事業年度で、申告期限は2027年5月31日(月曜日)です。
| 決算月 | 最初の課税事業年度 | 申告期限 |
|---|---|---|
| 1月 | 2027年2月1日〜2028年1月31日 | 2028年3月31日(金) |
| 2月 | 2027年3月1日〜2028年2月29日 | 2028年5月1日(月) |
| 3月 | 2026年4月1日〜2027年3月31日 | 2027年5月31日(月) |
| 4月 | 2026年5月1日〜2027年4月30日 | 2027年6月30日(水) |
| 5月 | 2026年6月1日〜2027年5月31日 | 2027年8月2日(月) |
| 6月 | 2026年7月1日〜2027年6月30日 | 2027年8月31日(火) |
| 7月 | 2026年8月1日〜2027年7月31日 | 2027年9月30日(木) |
| 8月 | 2026年9月1日〜2027年8月31日 | 2027年11月1日(月) |
| 9月 | 2026年10月1日〜2027年9月30日 | 2027年11月30日(火) |
| 10月 | 2026年11月1日〜2027年10月31日 | 2028年1月4日(火) |
| 11月 | 2026年12月1日〜2027年11月30日 | 2028年1月31日(月) |
| 12月 | 2027年1月1日〜2027年12月31日 | 2028年2月29日(火) |
申告期限は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内という原則に、期限が土曜・日曜・祝日や12月29日〜1月3日にあたる場合はその翌日以降の最初の平日にする扱い(国税通則法10条2項)を当てはめて、当会が計算したものです。法人税の申告期限の延長の特例を受けている法人は、その延長後の期限になります(申告期限と延長の特例)。
税額の計算方法
防衛特別法人税額は、その事業年度の基準法人税額(法人税額のうち、税額控除の適用前など一定の調整をする前の金額)から、年500万円の基礎控除額を差し引いた金額(課税標準法人税額。千円未満切捨て、マイナスの場合は0)に、4%を掛けて計算します(百円未満切捨て)。
基準法人税額が年500万円以下であれば、控除額の範囲におさまるため税額は生じません。当会の試算では、東京都特別区内・資本金1,000万円・軽減税率適用法人というモデルの場合、所得がおおむね2,430万円程度までは防衛特別法人税は生じません(当会試算・架空の設例。具体的な数値は当会の計算例にあります)。通算法人の基礎控除額は、グループ内で基準法人税額の割合に応じて按分する特別なルールがあります。
〔我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法(令和五年法律第六十九号)第8条・第9条・第10条・第11条・第13条・第14条〕
申告期限と延長の特例
確定申告の期限
法人税の確定申告書は、原則として各事業年度終了の日の翌日から2か月以内に、税務署に提出します。地方法人税・防衛特別法人税も、法人税の確定申告書とあわせて、同じ期限までに提出します。
中間申告
事業年度が6か月を超える普通法人は、原則として事業年度開始の日以後6か月を経過した日から2か月以内に中間申告書を提出します。ただし、前事業年度の法人税額をもとに計算した中間納付額が10万円以下の場合や、前事業年度の法人税額がない場合は、中間申告書の提出は必要ありません。
申告期限の延長の特例
定款の定めなどにより、事業年度終了の日の翌日から2か月以内に決算についての定時株主総会が招集されない常況にあると認められる場合は、税務署への申請により、法人税の確定申告書の提出期限を原則1か月間延長できます。会計監査人を置いている法人などで、3か月以内に定時株主総会が招集されない常況にある場合は、税務署長が指定する月数(最長4か月まで)の延長を受けられます。この延長を受けている法人は、地方法人税・防衛特別法人税の申告期限も、延長後の期限にあわせて扱われます。
消費税の申告期限は別扱いです
消費税の申告期限を延長するには、法人税とは別に、消費税法45条の2にもとづく届出が必要です。法人税の申告期限の延長の特例を受けているだけでは、消費税の申告期限は延長されません。消費税の納付期限・延滞税などは消費税の納付期限と延長をご覧ください。
〔法人税法74条・71条・75条の2、地方法人税法19条、我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法25条〕
当会の計算例(架空の設例)
次の前提による、架空の設例です。実際の税額は、会社ごとの資本金・所在地・税額控除の有無などによって異なります。
モデルの前提
東京都特別区(23区)内に事務所が1か所、資本金1,000万円、従業者数50人以下、青色申告、税額控除なし、事業年度12か月、通算法人でない中小法人(軽減税率適用法人)。
| 税目 | 所得800万円の場合 | 所得3,000万円の場合 |
|---|---|---|
| 法人税 | 1,200,000円 | 6,304,000円 |
| 地方法人税 | 123,600円 | 649,300円 |
| 防衛特別法人税 | 0円 | 52,100円 |
| 法人都民税(法人税割) | 84,000円 | 441,200円 |
| 均等割 | 70,000円 | 70,000円 |
| 法人事業税 | 352,000円 | 2,022,200円 |
| 特別法人事業税 | 130,200円 | 700,000円 |
| 合計 | 1,959,800円 | 10,238,800円 |
| 所得に対する割合 | 24.50% | 34.13% |
当会がPythonのfractionsモジュールで、法律・条例の定める端数処理(国税は国税通則法118条・119条、地方税も同様の考え方)にしたがって検算した金額です。所得3,000万円の場合は、その事業年度の所得が年2,500万円を超えるため、法人事業税に超過税率が適用されています。消費税は、課税売上高や仕入れの状況によって金額が大きく変わるため、この表には含めていません。
まとめ
- 法人が納める税金は、法人税・地方法人税・防衛特別法人税・特別法人事業税(国税)と、法人住民税・法人事業税(地方税)が中心で、これに消費税が加わります。
- 中小法人(資本金1億円以下)の法人税は、所得800万円以下の部分に15%の軽減税率が適用されますが、所得が年10億円を超える事業年度は17%、過去の平均所得が15億円を超える適用除外事業者は19%になります。
- 2026年(令和8年)4月1日以後に開始する事業年度から、防衛特別法人税(基準法人税額から500万円を差し引いた金額の4%)が課税されています。
- 法人税の確定申告期限は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内が原則で、要件を満たせば1か月(会計監査人設置法人などは最長4か月)延長できます。地方法人税・防衛特別法人税もこの期限にあわせますが、消費税の申告期限の延長は別に届出が必要です。
- 具体的な税額は、資本金・所在地・所得の水準によって変わります。個別の判断が必要なときは、税金の相談窓口や税理士など専門家にご確認ください。
よくある質問
法人が納める税金にはどんな種類がありますか。
国税は法人税・地方法人税・防衛特別法人税(2026年4月1日以後開始事業年度から)・特別法人事業税と、課税事業者であれば消費税です。地方税は、法人住民税(法人税割・均等割)と法人事業税です。それぞれの税率は本文の一覧表のとおりです。〔国税庁 タックスアンサー No.5759、地方法人税法、東京都主税局〕
中小法人の軽減税率15%は、どんな会社が使えますか。
資本金の額(または出資金の額)が1億円以下の普通法人などが対象で、年800万円以下の所得の部分に15%の税率が適用されます。ただし、資本金5億円以上の大法人に完全支配されている法人など一定の法人は、中小法人に当たらず対象外です。〔国税庁 タックスアンサー No.5759〕
軽減税率が17%や19%になるのはどんな場合ですか。
【確定】その事業年度の所得金額が年10億円を超える場合は、令和7年4月1日以後に開始する事業年度から、800万円以下の部分の税率が15%ではなく17%になります。また、その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人(適用除外事業者)は、800万円以下の部分に19%が適用されます。〔国税庁 タックスアンサー No.5759〕
防衛特別法人税とは何ですか。いつから課税されていますか。
防衛力の強化に必要な財源を確保するための国税で、基準法人税額から年500万円を差し引いた金額の4%を、法人税とあわせて申告・納付します。通算法人でない法人の場合、2026年(令和8年)4月1日以後に開始する事業年度から課税されています。3月決算の法人では令和9年3月期が最初の対象で、申告期限は2027年5月31日です。〔我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法(令和五年法律第六十九号)第8条・第9条・第10条・第11条・第13条・第14条〕
小さな会社にも防衛特別法人税はかかりますか。
基準法人税額が年500万円以下であれば、控除額の範囲におさまるため税額は生じません。当会の試算では、東京都特別区内・資本金1,000万円・軽減税率適用法人というモデルで、所得がおおむね2,430万円程度までは防衛特別法人税は生じません。〔当会試算〕
均等割は赤字の年でも納めますか。
納めます。均等割は、所得の有無にかかわらず、資本金等の額と従業者数の区分に応じて定額で課される部分です。東京都23区内で資本金等の額1,000万円以下・従業者数50人以下の法人は、年70,000円です。〔地方税法52条・312条〕
法人税の確定申告の期限はいつですか。延長できますか。
原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。定款の定めなどにより2か月以内に決算が確定しない常況にある場合は、届出により原則1か月、会計監査人を置く法人などは最長4か月まで、申告期限の延長を受けられます。地方法人税・防衛特別法人税の申告期限も、この延長後の期限にあわせて扱われます。〔法人税法74条・75条の2、地方法人税法19条〕
中間申告は必ず必要ですか。
事業年度が6か月を超える普通法人が対象です。前事業年度の法人税額をもとに計算した中間納付額が10万円以下の場合や、前事業年度の法人税額がない場合は、中間申告書の提出は必要ありません。〔法人税法71条〕
消費税も法人税の申告期限の延長にあわせて延長されますか。
されません。消費税は法人税とは別の税金なので、申告期限の延長も別に手続きします。消費税の申告期限を延長するには、消費税法45条の2にもとづく届出が必要です。〔消費税法45条の2〕
出典・参考資料
いずれも2026年9月26日に内容を確認しました。
国税庁
法令(e-Gov法令検索)
- 法人税法(66条・71条・74条・75条の2・143条)
- 租税特別措置法(42条の3の2)
- 地方法人税法(1条・10条・19条)
- 我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法(令和五年法律第六十九号。8条〜15条・25条)
- 地方税法(51条・52条・72条の24の7・312条・314条の4)
- 国税通則法(10条・118条・119条)
- 消費税法(9条・45条の2)
東京都主税局
改訂履歴と監修について
著者:新宿間税会(新宿間税会について)
- 2025年7月10日:公開
- 2026年9月26日:全面改訂。法人が納める税金を法人税・地方法人税・防衛特別法人税・特別法人事業税(国税)、法人住民税・法人事業税(地方税)、消費税に整理し直し、令和8年度税制改正等に対応しました。防衛特別法人税(新設)の節を新たに設け、決算月別の申告期限の早見表、申告期限の延長の特例、当会の計算例を追加しました。旧版にあった「実効税率は約22.9%」という記述(地方法人税が含まれていなかった誤り)と、法人税の「軽減税率」から消費税の軽減税率の記事への誤ったリンクを訂正しました。欠損金の繰越控除・グループ通算制度・中小企業向け税制優遇措置・節税対策の節は、法人が納める税金の全体像という主題に絞るため、この記事からは削除しました。
監修の状況は、冒頭の「監修について」のとおりです。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については、税理士などの専門家や、税金の相談窓口にご相談ください。