間税会の政策提言活動

新宿間税会は、消費税を中心とする間接税の適正かつ円滑な執行に協力するとともに、会員の声を集約し、税制や税務行政の改善に向けた政策提言活動を行っています。毎年、全国間税会総連合会を通じて、国や地方自治体に対して税制改正に関する要望書を提出しています。

当ページでは、これまでに新宿間税会が行ってきた政策提言や要望書の内容、その成果などを紹介しています。間税会の活動が税制や税務行政の改善にどのように貢献しているのかをご覧いただけます。

令和6年度 税制改正に関する要望書

令和6年度 税制改正に関する要望書

提出日: 2023年9月15日
提出先: 財務省、総務省、国税庁
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要望の主なポイント

  • インボイス制度の円滑な実施に向けた小規模事業者への配慮
  • 電子インボイスの普及促進策の拡充
  • 消費税の複数税率の簡素化
  • 消費税の申告・納付事務の負担軽減
  • 消費税の納税環境整備と教育活動の充実

1. インボイス制度に関する要望

令和5年10月から導入されたインボイス制度について、特に小規模事業者の事務負担軽減のための以下の措置を求めます。

  • インボイス発行事業者の登録手続きの簡素化と相談体制の充実
  • 免税事業者がインボイス発行事業者になった場合の経過措置の拡充
  • 適格請求書等保存方式の電子化対応に係る支援強化
  • 小規模事業者向けのインボイス制度対応マニュアルの充実

特に、デジタル化の進展に合わせた電子インボイスの普及促進は重要であり、「電子インボイス普及協議会」の活動支援や、導入企業への税制上のインセンティブ拡充を要望します。

2. 複数税率の簡素化に関する要望

軽減税率制度の導入から4年が経過しましたが、対象品目の判定や区分経理などで多くの事業者が事務負担の増加に直面しています。以下の措置を求めます。

  • 軽減税率対象品目の明確化と判定基準の簡素化
  • 将来的な単一税率への移行の検討
  • 区分経理事務の負担軽減策の拡充

特に、小売業や飲食業を営む小規模事業者にとっては、「持ち帰り」か「イートイン」かの判断など、現場での実務負担が大きく、解決策が必要です。

3. 申告・納付事務の負担軽減

消費税の申告・納付事務の簡素化と効率化のため、以下の措置を求めます。

  • 簡易課税制度の適用上限の引き上げ(現行5,000万円を8,000万円へ)
  • 中小企業の消費税申告頻度の緩和(年1回の選択制導入)
  • e-Tax・電子帳簿保存法対応の支援強化
  • 税額計算方法の選択肢拡大と簡素化

4. 納税環境整備と教育活動

納税者の自発的な納税意識向上と税務行政への理解促進のため、以下の取り組みを要望します。

  • 学校教育における租税教育の充実と教材の提供
  • 消費税の使途の明確化と、国民への周知強化
  • 間税会活動への支援拡充(租税教育活動への助成等)
  • 納税者と税務当局の対話機会の拡大

特に、消費税の使途については「社会保障財源」としての位置付けを明確にし、国民への説明責任を果たすことを強く要望します。

「会員事業者の声を集約し、実務に即した税制改正を提言してまいります。適正公平な税制と、事業者の負担軽減の両立を目指して、今後も活動を続けてまいります。」
- 新宿間税会 会長

インボイス制度に関する追加要望書

提出日: 2023年6月10日
提出先: 財務省、国税庁

令和5年10月のインボイス制度開始前の準備期間において、以下の緊急要望を提出しました。

主な要望内容

  • インボイス制度の周知徹底と相談窓口の拡充
  • 登録申請手続きの簡素化と期限延長の検討
  • 制度開始直後の運用における柔軟な対応
  • 小規模事業者への特例措置の拡充

特に登録申請が集中する時期における相談体制の充実と、免税事業者の選択を尊重する制度運用を強く要望しました。

政策提言のプロセス

新宿間税会では、会員の皆様の声を集約し、税制改正要望書を作成するため、以下のプロセスで政策提言活動を行っています。会員一人ひとりの意見を大切にし、現場の声を税制に反映させることを目指しています。

1

会員からの意見収集

会員企業に対するアンケート調査や、研修会・交流会での意見交換を通じて、消費税を中心とした税務上の課題や改善要望を収集します。特に、以下の方法で広く意見を募っています。

  • 年1回の「税制改正要望アンケート」の実施
  • 「税制改正要望検討会」の開催(年2回)
  • 業種別の意見交換会
  • Webフォームからの常時意見受付

会員の皆様からの具体的な実務上の課題や改善アイデアが、政策提言の出発点となります。

2

税制委員会での検討

収集した意見を、税理士や税務・財務の専門家を含む「税制委員会」で検討し、実現可能な政策提言へと整理します。この段階では以下の作業を行います。

  • 会員からの意見の分類・整理
  • 現行制度との整合性の検証
  • 業界団体や専門家からの意見聴取
  • 税制改正の方向性に沿った提言内容の検討

税制委員会は、年4回の定例会議に加え、税制改正要望時期には集中的に審議を行います。

3

要望書の作成と理事会決議

税制委員会でとりまとめた提言内容をもとに、要望書の原案を作成します。その後、理事会で審議・決議を経て、正式な要望書として確定します。

  • 税制委員会による要望書原案の作成
  • 事務局による法的・制度的な整合性の確認
  • 理事会での審議と修正
  • 最終的な要望書の決議・承認

特に重要な提言内容については、会員企業への影響や実現可能性を慎重に検討します。

4

全国連合会への提出と集約

新宿間税会でまとめた要望書は、全国間税会総連合会へ提出され、全国の間税会からの要望と合わせて集約・検討されます。

  • 全国間税会総連合会の税制委員会での検討
  • 地域ごとの要望の集約と調整
  • 全国の間税会の総意としての要望書の作成

特に重要な要望については、新宿間税会の代表者が全国連合会の会議で直接説明する機会もあります。

5

関係省庁への提出と提言活動

全国間税会総連合会の正式な要望書として、財務省、総務省、国税庁などの関係省庁に提出します。同時に、以下のような提言活動も行います。

  • 関係省庁との意見交換会の開催
  • 国会議員への説明と協力要請
  • 地方自治体への要望書提出(地方税関連)
  • 税制調査会等での意見陳述

要望内容の実現に向けて、官公庁や政策立案者との対話を継続的に行います。

6

フォローアップと会員への報告

提出した要望書の内容がどのように税制改正に反映されたかを検証し、会員にフィードバックします。また、次年度の要望活動にも活かします。

  • 税制改正大綱と要望内容の対照確認
  • 実現・未実現事項の整理と分析
  • 会報誌やウェブサイトでの報告
  • 会員向け税制改正説明会の開催

要望の実現状況を検証することで、より効果的な提言活動へとつなげています。

過去の主要な要望書

2022年

令和5年度税制改正要望

インボイス制度導入前の準備期間における事業者支援の拡充と、デジタル化推進のための税制措置を要望。特に小規模事業者向けの特例措置が盛り込まれました。

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2021年

令和4年度税制改正要望

コロナ禍における消費税の負担軽減措置と、インボイス制度の導入延期を要望。税務手続きのデジタル化と簡素化に関する提言が一部実現しました。

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2020年

令和3年度税制改正要望

コロナ対策としての消費税の一時減税と、軽減税率制度の見直しを要望。中小企業のデジタル投資に対する税制優遇措置が実現しました。

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2019年

令和2年度税制改正要望

消費税率10%引き上げ後の影響緩和策と、軽減税率制度の簡素化を要望。キャッシュレス・消費者還元事業の拡充につながりました。

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2018年

平成31年度税制改正要望

消費税率引き上げに伴う経過措置の拡充と、インボイス制度の導入準備に関する要望。小規模事業者への配慮措置が一部実現しました。

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2015年

平成27年度税制改正要望

消費税率8%への引き上げ後の影響調査と、今後の税率引き上げに向けた準備期間の確保を要望。軽減税率導入の検討につながりました。

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実現した主な政策提言

新宿間税会の政策提言活動は、これまで多くの税制改正に反映されてきました。会員の皆様の声が、実際の税制や税務行政の改善につながった主な成果をご紹介します。

インボイス制度の事務負担軽減

令和5年度税制改正で、小規模事業者向けのインボイス制度に関する事務負担軽減措置が導入されました。令和5年10月から令和8年9月までの3年間、売上高1,000万円以下の小規模事業者には、簡易的なインボイス発行が認められるようになりました。

電子インボイス普及支援

令和4年度税制改正で提言した電子インボイスの普及促進策が実現し、電子インボイス対応システムの導入費用に対する税額控除制度が創設されました。また、電子帳簿保存法の宥恕措置期間の延長も実現しました。

簡易課税制度の適用拡大

平成30年度税制改正で、簡易課税制度の適用上限が従来の5,000万円から1億円に引き上げられました。さらに、事業区分の判定において、実態に即した運用がなされるようになりました。

消費税の転嫁対策

令和元年度の消費税率10%への引き上げに際して要望した転嫁対策が強化され、「消費税転嫁対策特別措置法」の適用期間延長や、監視・取締体制の強化が実現しました。

納付回数の緩和

平成31年度税制改正で、中小企業の消費税の中間申告・納付回数に関する特例が導入され、直前課税期間の年税額が400万円以下の場合、中間申告・納付回数を年3回から年1回に変更できるようになりました。

租税教育の充実

継続的に要望してきた租税教育の充実が実現し、学校教育における消費税教育の教材が充実したほか、間税会の租税教育活動に対する支援が拡充されました。

政策提言活動への参加方法

会員の皆様へ

新宿間税会では、より効果的な政策提言活動を行うために、会員の皆様からの積極的な意見・提案をお待ちしています。以下の方法で、税制改正要望活動にご参加いただけます。

  • 税制改正要望アンケート:毎年5月頃に実施する会員アンケートにご回答ください。
  • 税制委員会:税制や税務行政に関心のある方は、税制委員会へのご参加をご検討ください。
  • 意見交換会:定期的に開催される意見交換会で、実務上の課題や改善アイデアをお寄せください。
  • 個別相談:特定の税制課題について、事務局経由で税制委員会へご意見を提出いただけます。

皆様からいただいた声は、税制委員会で検討され、新宿間税会の要望書に反映されます。特に、実務に即した具体的な課題や改善案は、税制改正に反映されやすいため、積極的なご意見をお願いいたします。

非会員の皆様へ

新宿間税会では、会員以外の事業者や市民の方からのご意見も参考にさせていただいています。特に、消費税に関する課題や改善提案があれば、以下の方法でお寄せください。

  • お問い合わせフォーム:当サイトのお問い合わせフォームから、「税制改正要望」と明記の上、ご意見をお送りください。
  • 公開セミナー:年に数回開催する公開セミナーにご参加いただき、意見交換の場でご発言ください。
  • 入会のご検討:継続的に政策提言活動に参加されたい方は、新宿間税会への入会をご検討ください。

皆様からの幅広いご意見を集約し、より良い税制への提言活動を進めてまいります。

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