ブックタイトルtax-vol.77-2020-a

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概要

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また、所得税や法人税は基本的に年に1回の確定申告で1年分の税金を一度に納めるため、税金の負担感を強く感じるといわれていますが、消費税は日々の買い物の中で価格と一体で支払うことから、所得税などに比べて負担感が少ないといわれています。ただし、消費税を別表示にしている場合には、負担感が少ないとは言えないかもしれません。消費税が最初に導入された大きな理由は、極端な累進課税による不公平感への対応と安定的財源確保のためです。消費税が始まったのは1989年(平成元年)4月ですが、それよりかなり前から消費に対する課税は話し合われていました。というのも、当時の所得税の最高税率は75%、住民税の最高税率は18%で、合わせると93%と驚くほど高くなっていて、さらに事業者には別途事業税5%が課せられていました。最高税率が課されるのは所得8,000万円以上の高額所得者でしたが、それ以下の所得の人でもかなり高い水準にありました。そのため、頑張って働いて所得を増やしても税金として徴収される金額があまりに高い、不公平だという声や、税金があまり高いと働くことへの意欲が無くなってしまうという議論があり、極端な累進税率の見直しが始められました。累進税率を下げると税収は減少します。この減少する税収をおぎなう財源として水平的公平を持つ消費税を導入することが1988年12月に国会で決まり、1989年4月1日から3%の消費税が始まりました。その後1997年4月1日から5%、2014年4月1日から8%、2019年10月1日から10%の消費税増税が実施されています。消しょうひぜい費税はなぜ始まったの?1980年頃、お金をたくさん稼かせいでいる人の所しょとくぜい得税の税率は最高(8000万円以上稼かせぐ人)でなんと75%、住じゅうみんぜい民税では最高18%でした。個人の事じぎょうしゃ業者はそれに加えて事じぎょうぜい業税も5%納めなければならず、とても高い税率になっていました。「税金があまり高いと働く気がなくなってしまう」「あまりに高すぎて不公平だ」という声が高まり、極きょくたん端な累るいしんかぜい進課税が見直されることになりました。でも、減った分の税金は、別の何かでおぎなわなければなりません。そこで、皆みんなに公平に税金を納めてもらうため、1989年に消しょうひぜい費税が導入されることになりました。このコーナーは、消費税を正しく知って、読者一人一人が税のことを考えるきっかけにして欲しいと作ったコーナーです。個人的な意見は加えず、できるだけ正確に事実のみをお伝えしていきたいと思います。今回は、消費税とはどんな税金なのか、見ていきましょう!よ う!かんしゅうかわつる先生/わき先生ことNEXT? 第2回 間接税の仕組み■ 消費税はなぜ始まったの?ま とめて払うより、担している感じが少ないよねたっくす vol.77 13