ブックタイトルtax-vol.76-2019-a

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概要

tax-vol.76-2019-a

す。本庶先生がこのチェックポイントPD-1を発見し、この阻害薬が開発されました。抗PD-1抗体(ニボルマブ)は2014年世界に先駆け日本で承認されました。切除不能悪性黒色腫、非小細胞肺癌、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、胃がん、頭頚部がん、など適応範囲は広がっています。 これまでの抗がん剤では副作用として嘔気、嘔吐、食欲不振、倦怠感、脱毛、神経障害、骨髄抑制などがありました。抗PD-1抗体ではこれらの症状は少なく、異なる反応が認められます。この製剤においては自己免疫応答を抑制するため自己免疫疾患を起こしやすくなっています。この反応は個人により時期も発症臓器も異なります。今後これらは更に研究されていくと考えられるでしょう。 医療の進歩は目覚ましく、脅威のがんが治るのなら、病気になれば、お医者様の言う通り的な考えしかない私ですが、選択の範囲が広がり、家族にとっても本当に嬉しい話です。ぼんやりとでも理解が出来れば、チョット安心するお話でした。世界的にもトップレベルにあります。この様な技術を使用し今回がんの免疫チェックポイント阻害薬のような新薬が何種類か開発されています。この治療は自己の体内のがん細胞を攻撃する免疫細胞の作用を活性化させたりしてがん細胞を抑え込む治療になります。(図2)がん細胞が発生するとナチュラル・キラー細胞(NK細胞)が処理してくれます。またはがん細胞の目印(抗原)を樹状細胞がTリンパ球に伝え、細胞傷害性Tリンパ球が、がん細胞を処理するのですが、間違えて自分の細胞を傷害しないようにチェックポイントがあります。このチェックポイントの1つがPD-1ですが、がん細胞がこのポイントを上手くだまして自分の細胞のように通過すると細胞障害性のT細胞(CD8+T)が活性化されずがん細胞が生き延びてしまいまCOLUMN【参考図】 免疫チェックポイント【参考図】 がん免疫サイクルがん免疫療法?免疫チェックポイント阻害剤の問題点AOI国際病院 健康管理センター仲 眞美子【医学博士/認定内科医・産業医・人間ドック健診専門医・指導医】たっくす vol.76 15