ブックタイトルtax-vol.72-2017-a

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概要

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コラム15最初はがん診断のための検査であった内視鏡は、最近では治療に応用され、消化器外科医の概念を変えるものとなっています。〈治療の王道手術〉がんの治療は原発の固形腫瘍であればまず手術になります。最近では転移したものでも単発や数が少なければ手術する場合もあります。白血病、悪性リンパ腫や肉腫等手術不可の腫瘍では化学療法が主体になりますが、とにかく固形のものでは可能な限り手術をしていただくとその後の効果が違います。〈放射線療法〉深部に存在する腫瘍や、脳腫瘍のように手術ができないものでは手術に代わる重要な治療です。直接腫瘍細胞を破壊します。副作用を少なく効果的な治療機器が開発され、研究も進んでいます。.〈化学療法〉手術、放射線治療で治療できないものには種々の抗がん剤治療があり副作用も強く効果を認める腫瘍も一律ではありません。日本では、効果も高いが副作用も強い個性的な抗がん剤はあまり開発されませんでした。結核の多剤併用療法から個性的な抗がん剤を巧みに組み合わせるコンビネーションケモテラピィが開発されました。しかし転移した個型腫瘍はその性質も変え抗がん剤の効果も変化してきます。全身に抗がん剤を投与していると益々肝臓に負担がかかります。化学療法中は必須アミノ酸をバランスよく多量に摂取すれば幹細胞が増え、肝臓負担が減り、副作用が出にくく治療を終えられます。.〈免疫細胞治療〉この10年ほどでがんの治療法として期待されるようになりました。また日本では免疫細胞の培養、加工技術は世界的にもトップレベルにあります。この技術を使用し新薬の開発も行われています。この治療は事故の体内のがん細胞を攻撃する免疫細胞を体外で増やしたり、作用を活性化させたりしてがん細胞を抑え込む治療になります。自分の細胞を使用するため、あまり副作用は考えられません。がん細胞と反応すると発熱したりすることは認められていますが、体力が低下することはありません。手術、放射線治療、化学療法との併用、再発予防、転移予防にはエビデンスが認められています。ただどの時期に採血し治療するかは、個々に効果が異なると考えられ、治療のポイントがあると考えられます。〇最近では、がんは死の病気でなくなりつつあり、的確な治療を受けられればと理解するようになりました。私達は、どのような治療がおこなわれるのか?またできるのか?よく解りません。医療は日進月歩しています。参考になればと思います。仲員美子医学博士、人間ドック健康専門医、巳本内科学会認定内科医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医1975年東京医科大学医学部卒業、愛知県がんセンター第二内科(造血器腫瘍・化学療法)に国内留学、(財)東京都健康づくり推進センター指導科医長(健康づくり介入事業の医療経済効果)、女性のための統合ヘルスクリニック「イーク丸の内」院長、医療法人社団葵会AOI国際病院健康管理センター所長、東京医科大学病院非常勤講師、首都大学束京OU講座非常勤講師「癌について知ろう」