ブックタイトルtax-vol.66-2014-a

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概要

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コラム,『改正された健康診断の新基準』監修者仲員美子Platanus NetworkIntegrated Health Clinic for Women女性のための統合ヘルスクリニック「イーク丸の内」院長医学博士・認定内科医・産業医・人間ドック認定医.今年4月上旬、日本人間ドック学会などが作る医療関係の専門家委員会が、今まで健康診断等で使用してきた検査データの基準を、かなり大きく緩めた形で、調査結果を発表しました。血圧やLDLコレステロール(悪韮コレステロール)、中性脂肪、血糖値の指標となるHbAlcや肥満度を示すBMIの数値など、多くの人が“気にする”項目の基準値が大きく変わりました。このデータが、最近メデイアを賑わしている“健康診断の新基準問題”を巻き起こしています。今まで正常値を超えてしまい、医師からレッドカードを出され治療を始めていた患者さんたちの間からは「治療が本当に必要なのかわからない」という声や、「以前は基準ギリギリで心配していたけど、新基準なら安心していいの?」と翻弄され、困惑している人も少なくないようなので、今回はこの問題の“新基準”について、お伺いいたすことにしました。*新基準ではなく、基準値の見直しの第一歩の提案だった!!今回の日本人間ドック学会の発表で、多くのメデイアは“新基準で大きく数値が変わった”という伝え方をしました。. でも、仲先生は、“新基準”という言い方が混乱を招いたのではないかと指摘します。さらに、疫学調査の結果は分析された対象集団がどのようなプロフィールであるかも重要です。「まず、今回発表された数値は、全国の健康診断で即活用される決定した新基準ではありません。これは日本人間ドック学会も基準範囲を発表した意図などを日本人間ドック学会のホームページ上で説明しています。そもそも、基準範囲の選定方法は各専門分野で国際的に決められています。実際には各検査機関などによって基準範囲が微妙に異なっていることが多いのです。日本の臨床検査、医療機関では、それを統一するために、種々の努力をしてきています。そのひとつとして日本人のドック・検診の検査結果について調査? 発表したのが今回の“新基準”と呼ばれた数値だったのです」。簡単にいえば、「日本人間ドック学会と健康保険組合の日本人の現状の調査結果を“新基準”とメデイア報道が盛り上がり、先走った誤報が多く出てしまった」というのが本当のところ。実際のところは調査報告段階。これから時間をかけて検討を重ねて基準範囲を定めていきたい、というのが日本人間ドック学会の真意のようです。*今までの数値と大きく変わったのには、理由がある!!これほど大騒ぎになったのは、発表された数値が、これまでの基準値よりも大幅に緩和されていたからです。