ブックタイトルtax-vol.5-1984-a

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概要

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..仰々しい装いでは、かえって親しみがなくなりますから、上役や先生などへの年始回りには、お嫡様(成人式を迎える方は別として)なら、晴やかな付下げか友禅染の小紋に、帯は袋帯か織なごや帯の格調高いものを合わせます。奥様は訪問着か付下げ、背に一つ紋の色無地のきものに、帯は袋帯もしくはなごや帯にします。きものの着こなしの美しさは控えめに見せて目ざわりにならないというような姿になります。きものを脈手やかなものにするより質のよい帯を締めることにより奥床しい美しさをだすのもコツの一つです。同僚や隣近所などの年始回りには、外出着程度のきもので「新年おめでとうございます。本年もどうぞよろしく、」とご挨拶する親しさのほうが、きものの格調よりも大切なことです。できれば新しい年を迎えるにあたり、仕立ておろしの小紋か紬、シルクウールなどのきものに帯は染なごや帯、袋なごや帯など趣味的なものを合わせます。親しさのほうが大切といってもふだん着のままでは失礼になりますので注意しましょう。古年始のお客様を迎える立場は新年は人の出入りが多くなります。お客様をお迎えする奥様の身だしなみは、お化粧は控えめにして新年らしい初々しい装いにします。きものはあまり派手な色や柄は避けます。また台所への出入りがはげしくなりますので、水がはねて困るような生地のものは避けたほうが安心です。できれば仕立おろしのきもので、清潔な感じの紬、シルクウールのきものに、帯は春らしい色彩の染なごや帯、袋なごや帯を合わせます。*成人式の個性的な装いは成人式のきものというと、白地の縫取り訪問着がユニフォームのような時代がありました。最近でもまだそのユニフォーム傾向が残っ婦人部コーナーていて、圧倒的に振袖姿が多いようですが、個性的な装いを見かけることが少ないようです。せっかくの晴れの日なのですから、あまり型のはまったことはせず、自分のおしゃれを充分に楽しむ自由と勇気をもつことも大切です。木綿やウールなどではゆきすぎですが、自分の好きなものを、自分なりに着こなしてみることが若さの特権でもあります。振袖や訪問着を着るのでしたら、一時淡い色が流行りましたがなるべくなら濃い地色系統のものを選ばれるほうがよいでしょう。そのほうが帯や小物のコーディネイトがしっくりといきますし若々しさをより発揮できるからです。色無地を着る場合は、自分のお顔にいちばん似合う色を選択し、帯はもとより、伊達衿や帯揚、帯メなどの小物にも心を配り、色合わせなどおおいにセソスを表現してみることです。女茶会におよばれしたのですが茶道は佗び寂びの世界といわれます。従ってきものもあまり華美にならず、上品で落ち着いたものがよいでしょう。格式ある茶事としての初釜や炉開きの場合には、亭主や正客は礼装の必要があります。礼装といっても黒留袖ではおおげさですので落ち着いた色留袖や紋付の裾模様などがよいでしょう。亭主はお客様より華やかにならないように-7 -