ブックタイトルtax-vol.23-1993-a

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概要

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(.も安定しているそうです。質屋のお客様は物持ちの方が多く、お金が入るとその多くを自分の好きな趣味の物に費やす人もいます。ある人は、「珍しく中々手に入らないカメラが見つかったので..」と持っているカメラを担保にお金を作って、珍しいカメラを買ってしまうことを繰り返し、私の店でも多いときには、20台位預かったことがありました。質屋にはマニアのお客様が多くいらっしゃいます。マニアのお客様が持っていらっしゃる品物を見ていると、カメラの人はずっとカメラ、時計の人は10年たっても時計が質草です。質屋のお客様は、お金よりも物にこだわ.雑学コーナー)またある時、若い女性が来て「男性からプレゼントされたのですが、そのお返しをしたいので、いくら位の価値があるか教えてください」と言って差し出したその指輪を見ると、ダイヤモンドの模造品でした。本当の事を言って良いものかどうか迷った末、「この指輪は模造品で、商品価値はありません」と話したところ、涙を浮かべて帰られてしまいました。それ以来、お客様からそのような依頼を受けた時は、『宝石の鑑定機関へ行って、調べて頂いたらいかがでしょうか』と言うことにしています。プレゼントの習慣が当たり前になった今日、送る方も送られる方も気配りがるので、時間さえあればいろいろなところへ大切になってきていると思います。行って見て買い物をするのが大変好きですし、物を見る眼が高い人達ですから、私たちも普段見たことの無い珍しい物を見聞きさせて頂けます。質屋の流れ品を買う人の中には、プロの消費者がいらっしゃいます。私が質流れ商品の整理を行っている時、18金の枠に入ったメダルのような物がありました。値段を付けてショーウインドヘ並べたところ、馴染みのお客様がみえ、18金相当の値段で買っていかれました。それから6ヶ月位して、そのお客様が再びみえられ「あの時のメダルをアメリカヘ鑑定に出したところ、古代ローマ時代の金貨だった」と嬉しそうに話していました。それなら質流れする前の持ち主は、なぜ流したのか私には分かりませんが、プレゼントされたが本当の価値を知らなかったのかも知れません。プレゼントと言えば、テレビで複数の男性に同じ物をねだって、ひとつだけ残して他を質屋に売ってしまう話を見たことがありましたが、実際には、稀なケースです。こんな話もありました。ひとりの男性が怒った様子で「女房のプレゼントに高価なハンドバッグを買ってあげたのに、『趣味に合わない』と言われたので、いくらでもいいから買って下さい」と言って、そのバッグを処分してしまいました。-7-