ブックタイトルtax-vol.12-1987-a

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概要

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趣味のコーナー洋らん新宿税務署間税小山茂植物のらんと云うと、さわやかな素々とした草の姿の、床の間にふさわしい香りの高い東洋らんを連想されます。歴史的には、孔子の詩経で、「王者香」とたたえられ、東洋らん独特の観賞方法があります。それにひきかえ、洋らんは欧州が原産地である印象を受けがちです。らん科植物は約800 属約3万の種類があると云われております。その内観賞用に栽培されている洋らんは30 属程、残りは地味で目立たないものが大部分であります。英国が帆船で世界の海を制覇していた頃、英国に硝子温室が出始め、南方の植物栽培が流行しました。ブラジルの植物採取業者はコケ類を丈夫な葉の植物で荷造りして英国に送りました。これを受け取ったロンドン郊外のカトレイは、この異様な丈夫な葉の植物に気が付き、温室で育て、1824 年に開花させたものを、植物学者が所有者の名を取って、カトレアと新しい属名を付けたことによりカトレイ氏の名は、未来永劫に残ることになり、洋らん愛好者の羨望のまとになっております。この様にして‘洋らんは始めに欧州で栽培原種(花びらにすきまあり)銘花(改良されたもの)されましたが、原産地は東南アジアや中南米の熱帯・亜熱帯です。欧州式の栽培方法であ~ )り又東洋と異なる風俗伝統のためか、葉の姿は観賞の対象とせず、花だけを如何に美しく咲かせるかを目的にしており、花は前から見て丸型で大きく、花びらの間にすきまがなく、色彩のあさやかなものが良花とされます。明冶の始めに英国から輸入された事にもよりますが「洋らん」とは欧州式の栽培方法と観賞の仕方をしているらんの総称と考えられます。日本と中国だけに使われています。洋らんの新芽の先端を2ミリ角程に切り取り寒天で培養すると、それから芽と根が出て苗が出来ます。栽培した株は親とまったく同じで花も親と同じものが咲きます。この方法は1960 年頃開発され、メリクロンと呼ばれています。何十万円もする銘花の株でも、2. 3年すると何干株にも増殖出来て、千円台の安値になる時代となり、愛好者も安易に扱える様になりました。洋らんは海岸から2千米の高地迄の広い地域に自生地が分布しておりますが、生活が緩慢で寛容性があり、一週間水をやらなくても枯れることはありません。栽培は、一般に温度を10 度から25 度程度に保てれば、割合簡単に出来ます。用土は、水ごけ・軽石・樹皮の細片・しだの根などを使い、鉢は素焼のものが一番良く育ちます。手がかヽらず土なしできれいに扱えるので、私の様な不精者でも何んとか育ち花も咲かせています。花の時期は1月から3月頃までが普通です。皆さんもおためし下さい。素晴らしい花が咲きます。-12 -.